例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
「テラーちゃんはストレス溜まってる?」
『唐突だね。まあいいけど……ストレスは……
結構溜まってるかな』
「だよね。……そこで一つ提案なんだけどさ。
ここにとあるボタンがあるんだけど、なんと
一回押すたびに何処かの世界からホシノちゃんを
呼んでこれるものなんだ!」
『仮にそんな事が出来るとしても……
私のホシノちゃんは既に死んでるし……』
「日常を甘く見てはいけないよ。この世界は
なんでもありだからね!」
『……よく分からないけどじゃあ押してみるよ』
ちゃっちい作りの小さなボタンを押すと
「うへー」という間の抜けた効果音が再生され
天井からホシノが一人降ってきた。
「これは柴関ラーメンをお腹いっぱい食べて
一ミリも動けなくなったホシノちゃんだね」
『細かすぎない?』
「日常だからね」
『便利な言葉だねそれ』
「とにかくストレスが溜まってるのであれば
このボタンを押して解消してみよう!
すれ違いざまに知らない人に舌打ちされて
イラッときたあの日の事も忘れられるよ!!」
『ここに書いたから思い出したんだけど。
……まあ連打してみようかな」
うへー。うへー。うへー。うへー。
なんか叩き割りたくなる感覚に襲われつつも
四回押してみたところ部屋の中にホシノが四人
増えていた。
「友達との初めてのお出かけで緊張している姿、
私にメイド服を着せられて赤面している姿、
冬に水着で仕事を手伝わされてる姿、
黒服からもらったマフラーを大切そうに巻いて
幸せの余韻に浸っている姿が出てきたね」
『これラインナップ多すぎない?』
「だってホシノちゃんだし」
『それもそっか』
その後も何度もボタンを押してホシノを呼んでは
堪能して更にホシノを追加していった
『ホシノちゃんが100人居る』
「押しすぎたね」
『結局私のホシノちゃんは何処にも……』
「あの……先輩」
『君は何のホシノちゃんなのかな?』
「あの手紙を送った手前面と向かって話すのは
気が引けるのですが……」
『手紙?……あっ……」
「まずは……お久しぶりです。それと……
元気にしていましたか?」
ーーー
「……実はこれかなり手間取った検証です。
もしも死んだ後輩と話せる機会があったら?
というテラーちゃん大歓喜ものですね。
協力していただいたのはマエストロさんです」
「その辺のホシノは私が複製した紛い物だらけだ」
「ホシノチャンモドキってとこかな。
……あ、ほらテラーちゃんとっても楽しそうに
話していますよ。なんなら泣いちゃってる」
「あまり茶化すものではないぞ。本編では絶対に
起こり得ない奇跡なのだからな」
「それもそうですね。……ちなみになんですが
テラーちゃんはマエストロ先生的にはどのくらい
魅力的な生徒ですか?」
「ふむ。どのくらいかと言われると難しいな。
マダムのヒナに対する想いくらいだろうか」
「あれ思ったよりどハマりしてる?まさか遂に
鈍感クソボケ卒業するんですか?」
「不名誉なあだ名をつけるな」
特にオチもなく終わります