例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
「こんなところで何をしているんだ?」
「世界が私を殺す事を望んでいるから逃げた」
「……よく分からないが困っているのか?」
「うん」
「そうか。大変だな」
「……えっ、助けてくれないの?」
「この後ユメの手作りケーキを堪能するんだ。
『二人』の時間を過ごしたいからな」
「このリア充め……同じユメなんだから私の事を
助けてくれてもよくない?」
「そう言われてもな……私の愛したユメは一人
だけだからな……すまない」
「世界は残酷だよ」
ーーー
「それでここに戻ってきたんですね」
「もうここしか私の居場所はないんだよ。
というか私が殺される事を願われるって
一体私が何をしたって言うんだろう」
「そういう時もありますよね。まあ私も
明日の予定が空いてしまいましたので話し相手が
居るのは助かりますよ」
「愛の街?に行くんだよね」
「はい。記録によれば明日の22時から行くと」
「へぇ……場所はともかくクリスマスに
他の子と過ごさせていいの?悲しくない?」
「中々に回答に困る質問ですね。ですが問題は
ありません。約束しましたからね」
「約束?」
「立場上色々な生徒に関わるのは仕方ありません。
ただし最後には私の元へ帰って来てくれると、ね」
「随分と信用しているんだね」
「それはもう。ここに積まれた詩集の数を見れば
嫌でも愛の重さを理解しますよ」
「絆レベル70分の詩集があるね」
「はい。なので私がクリスマスに一人で過ごす
事になっても大丈夫なんです。寂しい事に変わりは
ありませんがね」
「……でもいいの?こんなに飾り付けもしてるのに
そんな考えで」
「もしかしたら帰って来てくれると心の中では期待
しているのかもしれませんね。……ただ現実はそう
上手くいかなかったようですが。さて、消費期限も
迫っているので頂くとしましょうか」
「あ、じゃあ切り分けるね」
「ええ。お願いします」
「それにしてもホワイトチョコケーキなんて
珍しいね。しかもホールのやつ」
「彼の好みなんです。白くて甘い。まるで君を
食べているのかようだと言われた事があります」
「かなり恥ずかしい台詞だね。……つまりさ、
そういう理由で選んでるって事?」
「はい。内側も私色に染め上げたいと思いまして」
「愛が重いね」
「彼はまだ答えてくれませんが」
「大丈夫だよ」
「ええ。そうですね」
「君が全ての始発点なんだからね、ノア」
「心得ております」
「やっぱり一目惚れって強いよね」
「それだけは記録通りではなかったので正直彼に
迫られた時には焦りましたよ」
「余裕なくなってそうだもんね」
「あの時だけは優位に立てませんでした。
……実はその後もずっとです」
「……そんなに凄いの?」
「ええ、とっても」
「ふーん……」
「誘惑すれば彼に抱いてもらえると思いますよ」
「そんなつもりはないよ。ただ……愛されてて
羨ましいって思っただけだよ。それだけだから」