例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ベッドに潜って寝る。それは日々の疲れを癒す為に

必須な行為だ。誰にも邪魔されない静かな時間。

訓練によって疲弊しきった彼女にとっては至福の時

であり一日の中で最後のご褒美ともいえる。

 

「(HEYホシ、知ってる?君は可愛いんだよ)」

 

「……は?」

 

ちょうど彼女が目を閉じて夢の世界に潜り込む直後

と言っても過言ではない頃、雑音が聞こえた。

しかし辺りに声の主は見つからない。

幻聴だと思いそのまま寝ようと瞼を閉じて再度夢の

世界に潜り込もうとした。

 

「(HEYホシ、知ってる?アビドスの砂漠化の進行

具合は一日に換算すると約0.2kmくらいの大きさ

で砂が広がっているんだ)」

 

「………」

 

「(HEYホシ、知ってる?何処かの便利屋はとある

事情によって百合の花園になっちゃったんだ)」

 

「………」

 

「(HEYホシ、知ってる?お便りを貰ったものの

中々書いていないんだ)」

 

「それは書いてください」

 

「(………)」

 

「おい黙るな何か言え」

 

「(HEYホシ、知ってる?先輩は優しくしないと

ストレスで死んじゃうんだよ)」

 

「いいからお便りの話を書いてくれませんか?」

 

「(………)」

 

「おい」

 

それ以降は雑音が聞こえてくる事はなかった。

いくら先輩とはいえ睡眠まで邪魔してくるのは

ただの害悪なので明日の朝には説教をしよう、

そんな風に考えながら眠りについた。

 

ーーー

 

「そういう事なので言い分があるなら聞きますよ」

 

「本当?許してくれる?」

 

「それを判断するのは何故こんな事をしたのかを

説明してもらってからですね」

 

「睡眠導入ASMRのつもりで囁いてたんだ。

ほ、ほら。おかげで昨日は快眠だったでしょ?

それに睡眠学習って言うかさ、寝てる間に英単語

とかラーニングする時期とかあったじゃん?」

 

「先輩が囁いた知識の9割はゴミでしたが」

 

「ゴ、ゴミ!?SASUGANI凹むなぁ……」

 

「それにお便りの話になったら無言になっていた

じゃないですか。あれで誤魔化せると思っている

としたら浅はかだと思いますよ。なので今回も

有罪判決とさせていただきます」

 

「おかしい。過去にも色々やらかしてきたけど

一度も無罪になった記憶がないよ」

 

「私だって好きで有罪判決を出しているわけでは

ないんですよ?それに先輩として真面目な生きて

くれれば文句は言いません」

 

「真面目にねぇ……懐かしいな、私にもそんな

輝いている時期があったなぁ……」.

 

「そんなおばさんみたいな事を言って……ほら、

有罪なんですから罰として校舎の掃除をして

ついでに心も綺麗にして下さい」

 

「うへうへ〜い」

 

「ぶん殴りますよ?」

 

「ごめん」

 

ーーー

 

『はぁ〜砂砂砂。生ゴミもなくてただ砂しかない

ゴミ掃除なんて退屈すぎて先輩泣いちゃいそう』

 

「そう、もっと近づいてきなさい。後少しで……」

 

「……何をしている?」

 

「おやマエストロ。実はですね、アビドスの校舎に

隠しカメラを仕掛けたのです。そして今ユメがその

カメラの上を通りかけています。賢明な貴方ならば

その後に見える桃源郷がわかりますよね?」

 

「変態を盗撮の現行犯で逮捕する」

 

「お待ちなさい。ユメのパンツを覗くチャンスを

得られるのですよ!?」

 

「黙って捕まれ教師の面汚し」

 

「貴方は同志ではなかったのですか!?」

 

「馬鹿なことを言ってないで捕まれ」

 

「せめて色を確認してから……あっ既にユメが

通り過ぎて……貴方のせいですよ!!」

 

「私の生徒みたいなキレ方をするな」

 

「誰がモモイですか!!」

 

「私の生徒を馬鹿にしているのか?」

 

「いえ犯してます」

 

「……そこまでくると怖いぞ」




黒のレース
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