例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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この時期になると悩む二人

「「はぁ……」」

 

「帰ってくれませんか?」

 

「そういう訳にもいかないんですよ」

 

「ああ。この事で悩んでいる姿は見せたくない」

 

二人の悩みというのは当然……昨日生徒達から

貰ったチョコのしょ……どう美味しく頂くか、

というものである。何千人規模の学園で教師を

やっているので当然バレンタインの贈り物も

それ相応の数があるので……

 

「気持ちはありがたいんですよ。とても。ですが

1694個は流石に多いのです」

 

「私はこの日だけは二つの学園を担当している

事を後悔するんだ。今年は2967個だったんだ」

 

「インフレしすぎでは?」

 

「そういう黒服は何個貰ったんです?」

 

「10個ですね」

 

「それはそれで多くないか?」

 

「作業の合間に頂きましたので」

 

「なんて羨ましい……さて、一応毎年のように

ブラックコーヒーを用意しました。消費期限が

切れない内に食べ切りましょう」

 

「そうだな……」

 

「マフィン……ドーナツ……この辺りが良さそう

ですね。これはヘアピンのあの子から貰ったもの

と風紀委員会の……」

 

「この溶けている液体からにしよう。……何故

溶けているのかは分からないが」

 

「そんなテンションでこの量を食べ切れるのです?

まだ一つ目で……」

 

「オッヒョ美味しいですね〜!」

 

「溶けてるが想いを感じる味わいだ」

 

「………」

 

この二人、口に入れた刹那テンションが上がった。

教師とは単純な思考の持ち主なのである。

 

「この子達へのお返しは揚げメロンパンにでも

しますか。……いえメロンパンクッキーの方が

数が多く……」

 

「待て。お返しの前にメッセージカードの記入を

しておけ」

 

「おやおやおやおやそうでしたね。忘れぬ内に

書いておきましょう。『貴女の愛、確かに受けとり

私の身体に取り込ませて頂きました。去年よりも

成長した貴女の愛は私を満たし活力を与えてくれる

まさに至高の一品でした。来年は貴女自身を

食べたいと思います。是非身体にリボンを巻いて

私の部屋に来てくださいね』……と」

 

「『次は胸元にチョコをしまわないようにな。

私を想い作ってくれた事に感謝するぞ』」

 

「……あの、そのメッセージカードの記入は全生徒

分やるおつもりですか?」

 

「当然です」

 

「想いには想いで返さないとな」

 

「時間足ります?」

 

「足りないから困っているのです」

 

「暫くはユメの手料理を食べれないのが辛い」

 

「苦労お察しします。……ああ、私はそろそろ

家族で鍋パーティをするので失礼しますね。

この教室は自由に使って構いませんので」

 

「助かります」

 

「すまないな」

 

「いえいえ。それではお先に」

 

黒服は離脱した。この生徒狂い達に若干の恐怖と

行事の恐ろしさを噛み締めて。ついでに鍋の材料

を買って帰った。

 

「……さて、次は誰の分を食べましょうかね」

 

「私はC&Cの分を食べ切ってしまおう」

 

「では私は風紀委員会の分を」

 

「風紀委員会って何人居るんだ?」

 

「124人ですね」

 

「……挫折するなよ」

 

「既にしてます」




おまけ 1時間後の小鳥遊家

「〆はセリカから分けてもらった麺です」

「うへへ〜いいねぇ」

「アリス〆のラーメン大好きです!」

「そしてそれでも尚余った汁と白米を合わせた
雑炊も用意しましょう」

「流石は父です。あっ……卵まで入れるなんて
そんな贅沢が……!」

甘いもの塗れの二人とは違い鍋パを堪能していた
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