例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ホシノと砂祭りのポスター

 

これは黒服がホシノの顧問となって間もない頃の話。

 

黒服「それにしても…随分と部屋が荒れていますね……おや、この破れたポスターは?」

 

ホシノ「それは……砂祭りのポスターです」

 

黒服「砂祭りですか?」

 

ホシノ「はい。随分と前のやつですが…」

 

目を閉じてこのポスターを破いた時の出来事を思い出す。

 

ーーー

 

???『わぁ!ホシノちゃーん!見てよこれ!砂祭りのポスターだよ!』

 

ホシノ『砂祭り?何ですかそれ』

 

???『ええっ!?ホシノちゃん砂祭りを知らないの!?』

 

ホシノ『知りません。どのようなものだったのですか?』

 

???『毎年砂漠のオアシスで開催されていたお祭りでね。各地区から人が沢山集まるくらい大規模な催しだったんだ!まあ…数十年前にオアシスが枯れちゃって開催されなくなったんだけどね……あの光景をホシノちゃんにも見せたかったなぁ』

 

ホシノ『そうですか』

 

???『あっそうだ!ねえホシノちゃん!私達で砂漠のオアシスを復活させたらまた砂祭りが開催できるんじゃないかな!?それならきっと…』

 

ホシノ『真面目に考えてください!こんなポスターと思い出話では現状何も変えられませんよ!』ビリビリ

 

???『あっ…ポスターが…』

 

ホシノ『倉庫に値段の付くものがあるかもって先輩が探しに行ってからガラクタや思い出のものしか持ってきてないですよね。ちゃんとしてください』

 

???『ホシノちゃんは厳しいなぁ…ちょっとくらい思い出に浸っても…』

 

ホシノ『先輩』

 

???『うっ…真面目に探してきます…』

 

ーーー

 

ホシノ「…思えば強く当たりすぎていたのかもしれないですね」

 

黒服「いきなりどうしたのです?」

 

ホシノ「いえ、こちらの話ですので。あの、黒服さん。手伝って欲しい事があるのですが」

 

黒服「いいですよ」

 

ホシノ「ありがとうございます。この破れたポスターを修復したいんです」

 

黒服「分かりました。テープ類などは……無さそうですね。いくつか購入してきますのでホシノは破れたポスターを拾っておいてください」

 

ホシノ「分かりました」

 

黒服さんが買い出しに行き部屋に一人残される。静寂の中破れたポスターを拾うたびに先輩との思い出が頭をよぎる。

『………ちゃん』

 

ホシノ「……?」

何か聴こえたような気がした。きっと気のせいだろう。

 

『……ノちゃん』

 

ホシノ「………」

いや、気のせいではない。そしてその声は頭上から聴こえる。

 

『ホシノちゃん』

 

ホシノ「………」

声の主が誰なのかは既にわかっている。幻聴だという事も。それでも無視してポスターの破片を拾い続けた。全て拾い終わる頃には聞こえなくなり部屋がまた静寂に包まれる。

 

ホシノ「……ユメ先輩…アビドス学校は大丈夫なのでしょうか…」

 

呟いても返事は返ってこない。当然の結果だろう。

 

黒服「ホシノ、テープを買ってきまし……何故涙を流しているのです」

 

ホシノ「…なんでもないです」

 

黒服「そうですか。それよりも破片は…拾い集めてますね。早速修復しましょうか」

 

ホシノ「分かりました」

 

テープでくっ付けるだけのお粗末な修復が終わりその後は部屋の掃除をして解散となり夜を迎えた。

 

ーーーホシノの自室

 

ホシノ「…ここでいいかな」

 

修復したポスターを壁に貼り飾る。何故そうしようと思ったのかは分からない。ただそうしないといけないと感じた。

 

ホシノ「…寝よう」

 

寝巻きに着替えた後にベッドに入り目を閉じる。疲れていたのもあり数分もしないうちに眠りに落ちた。

 

ーーー???

 

『ホシノちゃん』

 

ホシノ「……ん…」

 

『ホシノちゃん、起きて』

 

ホシノ「誰ですか……っ!?」

 

目の前に居たのは紛れもなく先輩だ。こちらを見て笑っている。

 

『ポスター、直してくれたんだね。ありがとう』

 

ホシノ「どうして…」

 

『色々話したい事はあると思うけど…時間がないから簡潔に伝えるね。……ホシノちゃんなら大丈夫。私の可愛い後輩だからね!』

 

ホシノ「先輩……」

 

『あとは…えっと…何を伝えようか忘れちゃった…ごめんね』

 

ホシノ「……先輩らしいですね」

 

『あっ、ホシノちゃんやっと笑ってくれたね。その顔が見れただけで私は嬉しいよ』

 

ホシノ「あの…ありがとうございました。先輩と過ごした時間は大切な思い出です。決して忘れません」

 

『…もぉ。ほんとホシノちゃんは出来た後輩だよ。私の後輩がホシノちゃんで良かった。じゃあ……後はよろしくね』

 

拳を握ってこちらに差し出してくる先輩。それを見て私も同じように拳を握り差し出した。そのまま背景がブラックアウトしていき気がついた頃にはベッドの上で目を覚ましていた。

 

ホシノ「………」

いつものように制服に着替えて身支度をする。そしてそのまま学校へ向かう。ほんの少しだけ前を向いて。




これは本編で書いても良かったかなぁ…
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