例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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黄昏にて


貴女と私の先輩と後輩

「先生よ、貴下に言われた通り私はユメと

結婚する事にしたぞ」

 

「"は?"」

 

「何だその反応は。ユメを宜しくと私に託した事を

忘れたのか?」

 

「"忘れてないけどそういう意味で言った訳じゃない

し人の生徒に何してくれてんの?"」

 

「抱いて結婚しただけだが」

 

「"最悪だよマエストロ。でも相思相愛なら許せ……

ないわアホじゃん。え、まさかそれを報告する為に

黄昏まで来たっていうの? その執念なんなの?"」

 

「仕方ないだろう。ユメの事を知っている人間は

貴下しかおらんのだ。というかいつまで此処にいる

つもりなんだ?」

 

「"なんか知らないけどこの場所に居ると私がユメ

から奪った色彩の力が抑制出来るんだよ"」

 

「黄昏の領域だからな。色彩の力とは互いに拮抗

するような関係性なのだろう。憶測でしかないが。

色彩と違う箇所があるとすれば神秘を反転させる

のではなく汚染する作用がある程度だろうか」

 

「"へぇ。まあいいや。とにかくユメが幸せになる

ならこの際手を出した事は水に流すよ"」

 

「ちなみに昨日は四十八手の手引きを参照して

どの対位が一番感じるかを……」

 

「"お前……"」

 

ーーー

 

「やっぱり星空を眺めるならこの場所だよね」

 

「はい。時々先輩とこの星空を見ていました」

 

「あはは、こっちでも同じだったんだね。あ、

じゃあホシノちゃんは時々先輩の方を見て

「また傷が増えてる……」とか思ってた?」

 

「……はい。どれだけ無理をしてるんだろうって

何故そこまで平常心で、楽観的で居られるんだろう

ってずっと思っていました。今にして思えばあれは

痩せ我慢だったのでしょう。後輩に負担をかけない

心配をさせないという」

 

「そうそう。……今にして思えばそれは逆効果で

独りよがりのダメな選択だったんだ。あの日私が

ポスターを見せて楽観的な事を言ったのもね」

 

「……やっぱり破いたんですか? 貴女の後輩は」

 

「ううん。「それよりも早い解決法があります」

って取り合ってくれなかったんだ。……あれ、

もしかして君は破いたの?」

 

「目の前で……現実を見てくださいって怒鳴って

しまいました。その後は貴女も知っていると思い

ますが謝罪すらさせて貰えませんでしたよ。

今でもずっと後悔しています。私が……」

 

「私が代わりに死ねばよかったのに。なんて

考えちゃダメだよ」

 

「っ……やっぱり貴女も同じ事を考えてましたか」

 

「勿論。それは今でも考えてる。どうして逆じゃ

なかったんだろうって。君のアビドスのように私

一人だけの犠牲で済んだらどれだけ良かったか。

あの日からずっと後悔してる。何度も後ろを向いて

死に場所を探していたんだ」

 

「………」

 

「悪い大人に利用されて黒くなって……君達が

私を終わらせてくれるってなった時、正直やっと

解放されるんだって思った。もう生きなくていい

ってね。……でも。生きてって言われちゃった。

久しぶりに会えた後輩達から来るのが早い、

さっさと戻れって追い出されちゃったし……」

 

「……傍迷惑な後輩ですね」

 

「本当にね。……託されたからにはさ。ちゃんと

生きてみようと思うよ」

 

「……貴女は強い人ですね」

 

「ありがとう。あ、そうだ。渡すタイミングが

なかったけど……はいこれ」

 

「何ですかこの手紙」

 

「君の先輩からの手紙だよ。鞄の中に入ってた」

 

「………」

 

ーー

親愛なる私のホシノちゃんへ

これを読んでる時には私はもう……なんちゃって。

そうならないようにはするけど念の為、だよ!

大丈夫。私はとても頑丈だから! 胸部の弾力装甲

て弾もはじけるからね! ……こら、笑うなー!

いや笑って! 私の渾身の一発ネタだよ!

……まあ、冗談はここまでにしておくね。

ホシノちゃんに目の前で砂祭りのポスターを

ビリビリされた時は悲しかったけど……それ以上に

先輩としてダメだなって思ったんだ。あれはそう、

ホシノちゃんなりの叱咤激励だったんだよね。あ、

違うとか言わないでね恥ずかしくなるから。

だからさ、考えたんだ。砂漠の下に眠るアビドス

本来の校舎、それを掘り当てる事が出来ればきっと

夢は現実になるって。あの時はスク水を着て青春

みたいにやってたけど……今回は私一人で行くよ。

普段は危機感がなかったけれどアビドス砂漠って

かなり危険な場所なんだよ。それこそ幼児体型が

好きな変態とかが多発してるとかなんとか……

だからホシノちゃんは私の帰りを待ってて!

大丈夫、君を一人になんてしないよ。……だから

私が帰ってきたらさ……また同じ夢に向かって

一緒に頑張ろう。今はまだ頼りない先輩だけど

帰ってくる頃には見違えるように頼りになる君の

唯一無二の先輩になるからね!

 

ps:好き嫌いはやめようね

ーー

 

「………」

 

ぽとっ。

 

「……雨が降ってきたみたいだね」

 

「……はい」

 

音をたてて便箋を濡らす少量の雨。声に出さずとも

その露結した想いは空へ届くのだろうか。

それは空の住民のみが知る。




何処かにて

あの野郎!? 人の黒歴史を勝手に晒すなー!! 同じ見た目だからって何やっても許されるなんて思うな!! 私が喝を入れにいってやる!

ちょっと待ってください! ああもう! 皆、この暴走列車を止めるのを手伝って!

は、はい!

なんでこの人はいつも暴走するのよ!? 私の知る先輩はもっと大人しくて大人の女性って感じだったのに!?

ん、でもこれくらい感情を出してくれてもよかった

その通りです。ただあの不器用な優しさも好きでした

離して後輩ちゃんたち! 私はあの子に説教をしないといけないんだからー!

だからダメですって! 私の先輩が変な理由で説教をされるなんて未来は避けないといけませんから!










なんか書いてしまいましたが……とにかくホシノと
元テラーちゃんは愛されていますね
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