例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
ーーこれはアビドスとミレニアムの中心辺りに住む一人のバツイチ女子高生小鳥遊ホシノ(18歳)が長期休みの際に体験したかもしれないお話。特にやる事もなくインターネットの海に飛び込んで日常生活の役に立たない情報を見ている彼女の目にとある記事が映り込んだ。
『ブルアカアニメ公式グッズ予約開始!』
ーー恐らくこの記事はメタ的な意味で見つけてはいけなかったのだろう。然しながら小鳥遊ホシノはキヴォトス最大の神秘を有している為何をしても許される。これに興味を持った彼女はグッズの詳細を確認するべく貼られているリンクをクリックして公式の通販サイトへ飛んだ。そしてグッズの詳細を見るもやはりと言うべきかグッズ化されているのはお馴染みのメンバーとも言える人選だった。アビドスの皆、ゲヘナの子達、会ったことがない金髪のトリニティ生徒、シャーレの先生と青髪幼女。まあこんなものかとページを閉じようとした際、彼女は見つけてしまった。
『黒服』と書かれたアクリルスタンドがラインナップの中に入っている事に。
「せ、先生のグッズ!?」
そう叫びながら椅子から転げ落ちてしまう程にホシノの心は昂っていた。それもその筈、彼女が持っている黒服グッズ? は自作した抱き枕カバー程度しかない。今となっては本物を抱き枕にするようになったので使う事が無くなっていた。他のグッズを作ろうにも最近はずっと本物が側に居てくれるので作る必要もなかった。然し自作ではなく販売されるならば話は別だ。アクリルスタンド、チェキ風カード、缶バッチ……目に映る全ての黒服グッズを購入出来るだけ注文した。あまりの高揚感に頬のにやけが止まらず「うへへぇ♪」と身体をもじもじさせて喜びを隠しきれていない。その姿はもはや恋する乙女というよりストーカーである。然し幸か不幸かロリコンとはお似合いのカップルだった。絵面はともかく愛があるのは事実なので……
「……勢い余って最大個数注文しちゃったけどこれって転売? みたいに思われたりしちゃうのかな……多分受注生産だと思うけど……」
今更気にする必要もない世間体を気にするようにホシノはSNSを確認する。奇妙にもこのキヴォトスでは『黒服先生』に一定の需要があるそうで一部のゲヘナ生、トリニティ生には高評価らしい。自分の事みたいに嬉しいのかにやけ顔が止まらなくなっていた。……然し悲しいかな、何事にも否定的な意見はついてしまうもので……
『黒服のアクリルスタンドwwwあんなロリコンクソボケ鈍感誘拐野郎のグッズが発売される日が来るとはwww』とまるで馬鹿にするような書き込みを見つけてしまいホシノは……
「は?」
と久しぶりにガチギレをしてしまった。その後の行動についてはお察しの通り……投稿した犯人を数秒で特定しゲヘナに居るとの事なので制裁を与えにいった。当然犯人はいつもの
「ふむふむ、最近の通販は頼んでから数時間も経たない内に荷物が届くんだね」と関心しつつ部屋に運んで開封してホシノは中身の先生グッズとご対面!
「……あれ?」
……しかし出てきたダンボールの中身は先生ではなくホシノ自身のグッズだった。アクリルスタンド、大きいぬいぐるみ、無くした筈の手帳、水着のフィギュア、そして薄い本。これらを見て流石に予想していなかったのか暫く頭が真っ白になりその後いつもの発作が起き始めた。
「ぴえ」
顔は蒸気が出てしまう程に真っ赤になって身体はぷるぷると震え始め布団にダイブし枕に顔を埋めて「〜〜!!」と声にならない声を発しながら脚をバタバタさせている。彼が自分のグッズを集めていると理解してしまったホシノは恋愛耐性×を思う存分に発揮してしまった。普段はとてもだらしなく、それでいて頼りになる存在なのに恋愛が絡むとすぐにこうなってしまうのはこのホシノに与えられた永遠の課題でもあるのだろう。
ーー完ーー
「雑すぎない?」
「何も成長していない事が証明されましたね」
「仕方ないでしょう、たまたま黒服のグッズが売られているのを見つけちゃったんだから……という訳でね、今公式ショップにて黒服のグッズが売っています。多分私が知る限りでは初のグッズ化? かもしれないのでホシノちゃんとセットで買って黒ホシを堪能するもよし、ヒナちゃんと三人並べてロリコン帝国を築き上げるもよしなので購入を検討してみてね☆ノ」
※予約出来るのは11/18日までなので注意してください