例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ゲマコポ2か最終回


要望があったので

「いくら給料が高いからと言って三日目は……

嫌な予感しかしないのですが」

 

「大丈夫大丈夫。きっとなにもないって」

 

「そうだと良いのですが……」

 

「おや、お越しいただきありがとうございます。

丁度いいタイミングで来てくれましたね」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ。実はまた新しいアブノーマルを収容して

人手が足りなくなっていたところなのです。

実力も申し分ないお二人なら安心ですね」

 

「私とホシノちゃんに任せてください。

なにも心配はいらないですよ」

 

「期待していますよ。では朝までお願いしますね」

 

ーーー

 

「結構な数のアブノーマルが増えてるんだね」

 

「ですね。しかし大半が害のない存在なので

そこまで困りはしませんね」

 

「さっきの『ゲヘナアカモップ』は癒されたね」

 

「私は『ゲヘナシロモップ』の方が好みです」

 

「こっそり持ち帰れないかな」

 

「収容違反で怒られますよ」

 

「冗談だって。……まだ確認するアブノーマルが

多いからここからは手分けしてやろっか」

 

「分かりました。では後ほど」

 

ーーー

 

「『センセイセイトタラシ』……これ本当に安全な

存在なのかな?目つきが気持ち悪かった……あれ、

ここにもアブノーマルが収容されてるんだ。

『何もない』って名前なんだね。……なにそれ」

 

「……おや、何もないに興味があるのですか?」

 

「あっ、黒服先生」

 

「止めはしませんが忠告はしておきますね。

好奇心は人を殺す。貴女が最後に学ぶ言葉に

ならない事を期待していますよ」

 

「……ふーん。そこまで言うなら行かないよ」

 

ーーー

 

「でも好奇心には勝てなかったよ」

 

彼女は何もない部屋に踏み入れてしまった。

中に居るのは複数の人間を組み合わせたような

キメラだった。とても君が悪いその存在と

目があった途端、この部屋に入った事を後悔した。

……最も一番に後悔する事はそれではなかったが。

 

「好奇心は人を殺す……そういう事だったんだ。

はは……情けない……な……」

 

ーーー

 

「そろそろ時間ですが……先輩が来ませんね。

何をしているのでしょうか……」

 

「ホシノちゃん」

 

「先輩、遅いですよ。早く帰りましょう」

 

「ホシノちゃん」

 

「……先輩?」

 

「ホシノチャ」

 

視界に映る先輩は突然脳天を銃弾で撃ち抜かれ

その場で血を流し力無く倒れ込んだ。

 

「9.8秒。危ないところでしたね。暴走する前に

対処出来たのは幸運でしたよ」

 

「先生……?今先輩を撃って……」

 

「ああ、ここに居たのですね。尚更間に合って

良かったです。危うく大切な生徒を

危険な目に遭わせる所でした」

 

「質問に答えてください!何故先輩を……」

 

「先程から気になっていたのですが……

貴女に先輩という存在は居ませんよ?」

 

「……えっ。そんな筈は……先輩は確かに……

あれ……先輩の名前が思い出せない……

先輩なんて居なかった……?それじゃあ私が

持っているこの盾は誰の……?私は一体……」

 

「どうやら記憶が混乱しているようですね。

本日は帰って休んでください」

 

「……はい。そうさせてもらいます」

 

「帰り道で『何も起こらない』事を願ってますよ」

 

ーーー

 

「これは致し方がない犠牲なのです。何故なら

要望があったのですから。……死んだユメ?

ええ。もう出てきませんよ。テラーも居ますし

何も困らないでしょう?日常の彩りが一色減った

程度の些細な問題ですよね。それに……

世界は不安定なバランスで成り立っているのです

幸せになるユメが居るならその逆もまた然り。

まあ、代償は命だったようですが」




もう皆の先輩は何処にも居ません。残ったのは記録のみ
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