例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

4 / 213
ホシノと水族館

 

ーーーアクアリウム

 

黒服「ペンギンの餌やりとは難しいものですね。私への警戒心が解けないようで近寄ってすら来てくれませんね」

 

ホシノ「黒服さんはほら…見た目が怖いからですよ。もっと笑顔で接してみるとかどうでしょう?」

 

黒服「一理ありますね。……こうでしょうか」

 

ホシノ「……一目散に逃げていきましたね」

 

黒服「何故?」

 

ホシノ「あっ、もうすぐイルカショーの時間ですね。名残惜しいですが餌やり体験は終わりましょう」

 

黒服「私はまだ一匹も餌やりが出来ていないのですが…」

 

ホシノ「時間は有限ですよ。ほらほら行きますよ!」

 

普段大人しくいホシノが何故こんなにも生き生きしているのか。それは数日前に遡る。

 

 

黒服『ホシノは普段どのような休日を過ごしているのですか?』

 

ホシノ『普段ですか?トレーニングと……これです』

 

黒服『これは…鯨のマスコットですか?』

 

ホシノ『そうです。この前近くに来るって知ったので…いつか本物の鯨も見てみたいなぁ…』

 

黒服『見た事がないのですか?それなら水族館に行けばいいのでは?』

 

ホシノ『こんな状況ですし…学園から離れている間にトラブルが起きてた…みたいな事態を避けたくて…』

 

黒服『なるほど。それならば今は問題ありませんね。行きましょうか』

 

ホシノ『何処にです?』

 

黒服『水族館ですよ』

 

ーーー

 

ホシノ「わぁ!黒服さん、イルカさんですよ!可愛いです!」

 

黒服「ここまでホシノのテンションが上がるとは思っておりませんでした…」

 

ホシノ「知ってますか?イルカさんって賢いんですよ?だからあんな風に浮き輪をくぐるのもお手のものなんです!」

 

黒服「え、ええ…見事なものですね」

 

ホシノ「あっ、イルカさんと触れ合えるみたいです!行きましょ行きましょ!」

 

黒服「いえ、私は見ているだけで…」

 

ホシノ「いいから行きますよ!」

 

黒服「なんで強引な…」

 

ーーー

 

ホシノ「イルカさん可愛かったですね…あのつぶらな瞳…堪りません」

 

黒服「それは良かったですね…ところで今はどちらに向かっているのです?」

 

ホシノ「もちろん熱帯魚コーナーです!見てください、このエンゼルフィッシュちゃん!なんて可愛らしい!」

 

黒服「ホシノ…?なんだかキャラがぶれていませんか?」

 

ホシノ「あっ!こっちにはネオンテトラちゃん!この鮮やかな色…美しいですね…」

 

黒服「自然界にこの色合いは適していないような気がしますが…」

 

ホシノ「……!?黒服さん、深海魚コーナーですよ!?これは見に行かないと!」

 

黒服「…この際とことん付き合いますよ」

 

ホシノに手を握られて深海魚.ブサカワ魚.毒魚.川魚コーナーを回った。どの魚を見ても目を輝かせるホシノは年相応の少女にしか見えない。

 

ホシノ「いやぁ…最高ですね!途中の川コーナーは不思議でしたが夢のような時間ですよ!」

 

黒服「なぜ川コーナーと清渓川コーナーを分離しているのでしょう…ピラニアやアリゲーターがいる川で身投げ体験とか正気を疑います」

 

ホシノ「まさか「毎回天井見せやがって!!許さんぞアロナァ!」って叫びながら飛び込む人がいるとは思いませんでした」

 

黒服「ああいう人とは関わってはいけませんからね。良い反面教師です」

 

ホシノ「ですね。それはともかくいよいよですよ…大迫力と噂の海魚コーナー!」

 

黒服「お目当ての所ですね。……おや、いきなり落ち着いたようですがどうしました?」

 

ホシノ「えっと…本物の鯨に会えるって思ったら緊張しちゃって…」

 

黒服「さっきまでのハイテンションはどうしたのです?いいから行きますよ」

 

ホシノ「あっ…」

 

ホシノの手を引いて海コーナーに入るとそこはガラス張りの海中トンネルのような構造になっており、今まで見てきた展示物とは比較にならないほど巨大な空間だった。

 

ホシノ「………」

 

ホシノは目の前の水槽を見つめている。そこに居るのは巨大な鯨。悠々自適に泳ぐその姿に言葉も発さず釘付けになっていた。

 

黒服「(ホシノにとって良い気分転換になりそうですね。連れてきた甲斐がありました)」

 

ーーー数時間後 帰りの電車内

 

ホシノ「鯨さん…」

 

黒服「ずっと鯨を眺めていましたね。実物を見た感想はどうでした?」

 

ホシノ「図鑑で見るよりも何倍も大きくて……何より可愛かったです」

 

黒服「気に入ったのであれば何よりです。……それにしてもお土産を買ってもいいと言いましたが…その鯨型の浮き輪は季節外れなのでは?」

 

ホシノ「気がついたら手を伸ばしていて…空気を入れて膨らませたら乗れるって書いてあったのでつい…」

 

黒服「好きなものを選んでいいとは言いましたが…ですがそれに跨るホシノに興味が湧いてきました。色々落ちついたら海にでも行きましょうか」

 

ホシノ「海ですか?…いつになるか分かりませんが行けたら嬉しいです。もちろん黒服さんも一緒ですよ」

 

黒服「それは…考えておきます」




本当はホシノとハロウィンを書こうと思ってましたがポスターの話でユメ先輩を出した後だったので時期を明けてからやろうかなと思いました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。