例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
研究者でもある彼は時々変な発明をする。
肉の塊、麻薬を散布する植物等、
大半は『ゴミ』と呼ばれるものばかりだ。
そんな中偶然生まれたのがこの赤い液体。
興味本位で口に含んでみたが何も起こらず
またゴミが増えただけだと興味が失せた
「先生、居る?」
「おやホシノ。どうしました?」
「膝貸してー♪」
「仕方ないですね。数分だけですよ」
「ありがとー」
二人きりの時、ホシノは甘えてくる
そして何故か膝に座りたがる
彼女曰く落ち着くのだとか
「うへへ……」
いつも以上に距離が近いホシノは
頭をこちらに近づけて何かを期待している
恐らく撫でて欲しいのだろう
面倒だが彼女の機嫌を損ねても面倒なので
ホシノの頭に手を置いた直後
黒服は目の前で爆散した
「えっ」
困惑するホシノを他所に教室中に彼の液体が飛び散っている。頬を伝う黒い液体の正体が何なのかは理解できなかった。理解したくなかった。
何が起きたかも分からずへたり込み
先程まで彼が座っていた椅子を見るも
ぽたぽたと黒い液体が音を立てて
床に落ちているだけで彼の姿はない
「も、もう。驚かさないでよ」
あくまで冷静に言葉を返すも返事は来ない
徐々に現実という受け入れ難い事実が迫り
心臓の鼓動音が聞こえるくらい五月蝿い
それでもまだ彼が自分を驚かせようと
悪戯をしているだけなのだと言い聞かせ
ギリギリ理性を保っているが顔に付着した
かつて黒服だった生暖かい液体が否が応でも
『彼が目の前で爆散した』という事実を物語る
しかしそのあまりにも呆気なく唐突な死に対し
ホシノの脳は思考を停止していた
どうして?ねえどうして?約束したじゃん
永遠に側に居てくれるって
もう孤独にしないって言ってくれたじゃん
ずっと嘘をついていたの?私を騙したの?
「先生は……やっぱり悪い大人だったんだね」
「悪い大人という事に関しては否定しません。
しかし貴女を騙しているつもりはないです」
唐突に聞こえた声はとても聞き慣れていて
先程までの負の感情が消し飛んでしまうほど
声のした方に居たのは黒服であり
ホシノの目の前で爆散した存在
「いきなり意識が飛んだと思ったら……
なるほど、面白い結果になったようで……」
「……うへへ……先生……」
以前ホシノは黒服が撃たれた際に恐怖に染まり
彼が生きていたと知った時に病んでしまうほど
彼に執着した過去がある
そして今ホシノは似た経験をした事で
再び彼に対する異常な執着心が芽生えた
「もう離さない……ずっと一緒……♪」
「またこうなってしまいましたか。
困りましたね……」
周りに助けを求めても苦笑いをされるか
「ん、そのまま大人として責任を取るべき」
など言われてしまうので黒服は思考を放棄した
そしてあの液体を封印する事にした
自殺をするには適しているかもしれないが
そのような人間は居ないだろう