例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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小鳥遊は流れ星に願いを込める・後編

ーーー2年後 病院のとある一室

 

「おはよう先輩。体調は……よくないよね」

 

あの日に消えてなくなる筈だった先輩のヘイローは僅かに残り生きていた。今は病院で長い眠りについているがいつか起きてくれると希望を抱いてはいるが看護婦曰く「目覚める可能性は1%にも満たないと」言われてはいるけれど……

 

「今日はね、後輩達がいいものをくれたんだ。ほら、皆が映った写真。ここに置いていくからいつか起きた時に見てね」

 

机の上に自分と後輩達と先生が映った写真を飾った。

 

「……やっぱり先輩も映ってないと物足りないね。だから早く起きて欲しいな、なんてね」

 

2年間も寝たきりなのだ。そんな都合のいい話があるはずもない。それでも可能性があるなら……

 

「それじゃあまた来るね。次に会った時は起きていてね」

 

軽い冗談を言いながらその場を後にした。帰り道、空を見上げると星が輝いているのが見えた。……なんだかあの日を思い出す。流れ星に願いを込めたあの夜を。

 

「………」

 

ガードレールに腰を下ろして光り輝く空を眺めていると1つの流れ星が視界に映った。「あっ、流れ星」と気づいた時には既に消えてしまったが心の中で『また先輩が笑えますように』と願った。

 

その後、しばらく星を眺めた後に帰路に着いた。ただしあの日のように学校に戻るのではなく自宅のベッドに戻ったのだが。

 

ーーー

 

流れ星を見た日から数日後、いつものように病院に行って見舞いに来たのだけど看護婦の様子が慌ただしい。

 

「急患でも来たのかな……」

 

なんて思いながら先輩の病室に行きいつものように先輩に挨拶……をしたかったのだがそこに先輩の姿はなかった。

 

「……ああ、そっか。ダメだったんだね」

 

現実とは無慈悲なものだ。希望を打ち砕かれた私は力無くその場にへたり込んで下を向く事しか出来なかった。

 

「どうしたの?大丈夫?」

 

後ろから看護婦の声が聞こえる。返事をする気力もなかったが無視するのも失礼なので「私の先輩が死んでしまいました」と、返した。

 

「えっ!?私死んじゃったの!?」

 

「変な事言わないでくださ……」

 

振り向いた先に居たのは看護婦ではなく先輩だった。心配そうにこちらを見ている姿に思わず固まってしまう。遂に幻覚を見てしまうようになってしまったようだ。

 

「……あ、さては幻覚だと思ってるなー?残念ながら私は生きてまーす!」

 

目の前にいる先輩?は昔のように変な事を言っている。けれどそれ以上に気になるのは頭の上にあるヘイローだ。所々にヒビ割れがあり今にも粉々になってしまいそうなそれを見てあの日の事を思い出して思わず

「早く横になってください」と先輩を持ち上げてベッドに寝かせた。

 

「わっ、ホシノちゃん大胆!」

 

「うるさいです」

 

懐かしいやりとりをしつつ先輩を抑え込んでいるとなんだかバカらしくなってきてお互いに笑いあっていた。

 

「積もる話もありますが……とりあえず、お帰りなさい、先輩」

 

「……うん、ただいま、ホシノちゃん」




「如何でしたか?このように物語とは紡がれていくのです。……え?続きが気になる、ですか?そうですね……でしたらその本はあなたに差し上げます。彼女達がどのような道を歩んでいくのか……ご自身で紡いでみるのも面白いとは思いませんか?……さて、長くなってしまいましたがそろそろ閉館の時間です。またのご乗車をお待ちしておりますね♪」
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