例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
皆様は覚えているでしょうか?
6部で黒服が行った所業の数々を。その中にこんな
悪事が紛れていました。
本編アビドスのシャワー室にゲマ世界の温泉に
繋がる扉を設置した事を。当然本編ホシノはそれに
対して苛ついていましたが時々利用しているそう。
そして今夜はまた別の生徒が温泉を利用する予定の
ようで……
「わぁ〜本当に温泉がありますね〜」
十六夜ノノミ。風邪を引いた際、黒服に看病されて
彼の事が少し気になり始めているホシノの後輩。
その事がきっかけで彼に対する警戒心は0と
言ってもいいくらいになっている為ここの所毎日
この温泉を利用しているのだとか。そして今日も
いつものように髪と身体を洗い綺麗にした後に
温泉に浸かって一日の疲れを癒す。これが最近の
彼女のルーティンのようだ。どういう原理かは
分からないが毎日効能が変わっているようで
それも楽しみの一つになっている。今日はどんな
温泉なのか。そんな事を考えながら浸かって
ため息をついた。
「ふぅ……」
本日は炭酸温泉のようだ。身体に細かく炭酸が
付着してとても心地よい。このまま眠りについて
しまいそうになる中、隣に人の気配を感じた。
「あら? 既に入っている方が居たんですね」
「はい〜とても気持ち良いですよ♪」
「あらあら〜それは素敵ですね☆」
「……ところで貴女のお名前は?」
「私ですか? 私は十六夜ノノミです☆」
「わぁ、偶然ですね〜私も十六夜ノノミなんです」
「そうなんですか? はっ、まさか生き別れの
姉妹……!?」
「……その場合ってどっちがお姉ちゃんなの
でしょうか?」
「うーん……分かりませんね♪」
「そうですね〜♪」
ーーー
「そういう訳なので今日の当番は私達です☆」
「お風呂上がりでほかほかですよ☆」
「……成程?」
ノノミ同士は意気投合した。故に黒服について
語り合いまだ彼が仕事をしていると聞いたので
二人で手伝おうという流れになったのだ。
そして二人共今こう考えている。
「「(二人でなら襲えるのでは……?)」」と。
当然彼はホシノと結婚している為そう簡単に襲う
のは無理難題である。しかし今ホシノは先に家で
休んでいる為ここには彼一人しか居ない。即ち
誘惑するなら今がチャンスなのだ。
「黒服先生、肩凝ってませんか?」
「私達が揉んであげます☆」
「それは助かりますが……そちらのノノミは何故
こちらに来たのですか?」
「黒服先生に会いに来ました♪」
「……そうですか。あまり遅くならないうちに
戻った方が良いですよ」
「はーい」
「……で、こちらのノノミは何故背中に胸を
当てているのですか?」
「お風呂上がりなので☆」
「謎の理屈ですね……」
「……うーん。ガードが硬いですね」
「やっぱりホシノ先輩のような体型の子にしか
興奮しないのでしょうか?」
「当然でしょう。私が愛しているのはホシノのみ
なのです。他生徒に興奮するなどあり得ません」
「仕方ないですね。奥の手を使いましょうか」
「奥の手、ですか? そのようなものが私に通用
するなどある筈が……」
「……弟君♪」
「!?!?」
弟君。その単語は意味を成さないもの。何故なら
黒服とノノミは姉弟の関係ではない。しかし彼の
脳内にはトラウマになるレベルの記憶が残って
いた。幼少期に十六夜ノノミに襲われたという
本来起こり得る筈のない記憶。その記憶内で彼女
はこちらの事を弟君と呼んでいた。そうして
そのまま……
「わ、私はこれにて失礼させて頂きます!」
「どうしたんですか、弟君? 今日はお姉ちゃんと
一緒に寝る日ですよ♪」
「そうですよ〜逃しません☆」
「や、やめ……」
「うふふ……今夜は楽しみましょうね♡」
全門の姉、後門の姉。トラウマを呼び起こされた
黒服に抵抗する気力はなく迫る唇。
「うおっ!?」
「うへっ!?」
「……はあ。なんて悪夢なのでしょうか」
「びっくりした……先生も叫ぶんだね」
「……私の妻はホシノですよね?」
「うん」
「夢で良かったです。本当に……」
「先生がそうなるなんてどんな夢だったの……?」
「二人の姉に襲われる夢でした」
「えっ先生に姉が居るの?」
「いえ居ません。……居ないですよね?」
とりあえず裸のホシノを抱きしめつつ先程の悪夢が
現実でない事を噛み締めていた。
ただの夢オチです。つまり黒服はノノミがお風呂に
入っている夢を見ていたようです。脳内浮気