例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
ーーー午前2時
ノノミ「……黒服先生、起きてますか?」
黒服「起きてますよ」
ノノミ「眠れないのでもう少しだけお話しませんか?」
黒服「少し話したら寝ると約束するのであれば」
ノノミ「約束します」
黒服「……数分だけですよ」
ノノミ「ありがとうございます」
黒服「……1つ気になった事があるのですが」
ノノミ「何ですか?」
黒服「ずっとヘイローが消えていないのですが」
ノノミ「………」
黒服「目を閉じているだけで眠れていないのでは?」
ノノミ「えっと……その通りです」
黒服「やっぱり離れた方がいいのでは?」
ノノミ「それは困ります……」
黒服「眠らないとこの後のスケジュールに響きますよ」
ノノミ「それはそうなんですけど……」
黒服「体力が持つのであれば止めませんが」
ノノミ「……もし倒れたら先生が介抱してくれますよね?」
黒服「介抱はしますが面倒なので倒れないように意識をしてください」
ノノミ「はーい。……少しずつこの状態にも慣れてきました」
黒服「心臓の鼓動がずっと聞こえますけど……」
ノノミ「それは仕方ないんです。だって……」
黒服「……深くは追求しませんよ」
ノノミ「ありがとうございます」
黒服「それに追求しなくても分かりますよ」
ノノミ「……ですよね」
黒服「ノノミとも結構長い付き合いですからね」
ノノミ「一年ちょっとですね」
黒服「おや、その程度でしたか。あまり期間が経っていなかったようです」
ノノミ「いいえ。私には充分長い時間ですよ。……今まで過ごしてきた中で1番充実していました」
黒服「そういえばアビドスに入学する前のノノミについては聞いた事がなかったですね」
ノノミ「……よければ眠くなるまで聞いてくれませんか?」
黒服「良いですよ」
ノノミ「ありがとうございます。……私は昔から恵まれた環境で育てられた、と周りから言われるほどに不自由なく過ごしてきました」
黒服「ゴールドカードを持っているくらいですからね。そのような環境に居ながら何故アビドスに来たのです?」
ノノミ「孤独……だったからです」
黒服「孤独……ですか?」
ノノミ「皆私が社長令嬢だからって距離を置いて接してきたんです。唯一私とも仲良くしてくれた子もお金目当てで……」
黒服「思春期ならよくある話ではありますね」
ノノミ「だから誰も知ってる人が居ない場所に行きたいと思ってアビドスに来ました。……まさか1人しか先輩が居ないとは思いませんでしたけどね」
黒服「正直なところ潰れかけのアビドスに入学してくるなんて正気か?とは思いましたよ」
ノノミ「正気ではなかったのかもしれませんね。あの頃は破滅願望もありましたし」
黒服「その割には当時からテンションが高かったような気がしますが」
ノノミ「空元気ですよ。そうでもしないと生きることに耐えられなかったので」
黒服「……今はどうなんですか?」
ノノミ「生きてて良かったって思っています。このままアビドスの皆でずっと……」
黒服「ノノミ?」
ノノミ「……すぅ……」
黒服「ヘイローが消えていますね。流石に午前2時にもなると限界だったようですね」
アビドスに入学してきた生徒達は全員闇を抱えているのでは……なんて想像をしてしまう。
黒服「能天気なのはシロコくらいでしょうね」