例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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十六夜の秘めた傷心・午後1時

ーーー午後1時

 

ノノミ「疲れましたね」

 

黒服「1時間ぶっ通しで泳いだらそうなりますよね。……何故私は膝枕をされているのでしょうか?」

 

ノノミ「疲れているのですから当然です♪」

 

黒服「その理論は理解できませんね」

 

ノノミ「いいじゃないですか。先生と密着したいんです」

 

黒服「そこまで直球に言われると断りづらいですね」

 

ノノミ「そういう訳なのでこのまま膝枕されてくださいね☆」

 

黒服「致し方ありませんね」

 

ノノミ「………」

 

黒服「………」

 

ノノミ「静かですね」

 

黒服「ええ。波の音が心地よいですよ」

 

ノノミ「つい眠たくなってしまいます」

 

黒服「それは睡眠不足だからでは?」

 

ノノミ「そうかもしれませんね」

 

黒服「眠ってもいいのですよ」

 

ノノミ「起きてますよ。この落ち着く時間を堪能したいので」

 

黒服「無理さえしないのであれば止めませんよ」

 

ノノミ「ありがとうございます」

 

黒服「ここまで静かだと2年前を思い出しますね」

 

ノノミ「2年前というと……ホシノ先輩が1年生の頃ですか?」

 

黒服「はい。当時のホシノは今以上に1人で背負い込みすぎる子でしてね」

 

ノノミ「なんだか容易に想像できますね」

 

黒服「いつの間にか今のように年相応の性格になっていました。……その分今までの反動なのか甘えすぎるようになりましたが」

 

ノノミ「最近はずっと先生の側にいますよね」

 

黒服「私にとっては都合がいいので構いませんがね」

 

ノノミ「そうなんですね。……やっぱり……」

 

黒服「ノノミ?」

 

ノノミ「……少し考え事をしていました」

 

黒服「そうでしたか」

 

ノノミ「はい」

 

黒服「どうして私の生徒達は1人で抱え込む子ばかりなのでしょうか」

 

ノノミ「思春期だから……でしょうか」

 

黒服「こういう時にベアトリーチェはどうやって向き合っているのでしょう」

 

ノノミ「今度聞いてみるのはどうですか?」

 

黒服「彼女に貸しを作りたくないのです」

 

ノノミ「大人の意地……ですか?」

 

黒服「そんなところです」

 

ノノミ「大人も大変なんですね……」

 

黒服「ノノミ、これだけは伝えておきます」

 

ノノミ「なんですか?」

 

黒服「話したくなったらいつでも聞きますからね」

 

ノノミ「……はい」

 

黒服「……そろそろ昼食の時間ですね。売店にでも行きましょうか」

 

ノノミ「ちょっと待ってください。実はこちらに用意してあるんです」

 

黒服「おや、そうでしたか。一体何を……」

 

ノノミ「バーベキューセットでーす♪」

 

黒服「ほう。素晴らしいですね」

 

ノノミ「食材も用意してあります。さあさあ準備しましょう♪」

 

黒服「ここは私がやりますよ。ノノミの膝枕のおかげで体力が回復しているので」

 

ノノミ「頼もしいですね。じゃあお任せします♪」

 

黒服「ノノミは休憩していてください」

 

ノノミ「分かりました」

 

黒服「了承しておきながら何故抱きついてくるのです」

 

ノノミ「休憩です♪」

 

黒服「火傷する危険性があるので離れてください」

 

ノノミ「むぅ」

 

黒服「後ろから抱きつく分には構いませんので」

 

ノノミ「……いいんですか?」

 

黒服「邪魔にならない範囲であれば」

 

ノノミ「強くぎゅーってしちゃいますよ?」

 

黒服「良いですよ」

 

ノノミ「では……」

 

黒服「気分はどうですか?」

 

ノノミ「満たされています……」

 

黒服「それは良かった」

 

ノノミ「ずっと抱きついていたいくらいには幸せですよ」

 

黒服「それは困りますね」

 

ノノミ「そうですよね〜」

 

ーーー

 

黒服「ようやく火がつきました」

 

ノノミ「お疲れ様でした〜☆」

 

黒服「思っていたよりも炭に火が付きませんでしたね」

 

ノノミ「もう少し火種を用意しておけばよかったです」

 

黒服「まあ問題はないでしょう。食材の準備をお願いします」

 

ノノミ「はーい。まずはこれです♪」

 

黒服「……これは何ですか?」

 

ノノミ「鰻でーす」

 

黒服「蒲焼でもやるつもりですか?」

 

ノノミ「はい~」

 

黒服「それはまた随分と変わったバーベキューになりそうですね」

 

ノノミ「今日は特別な1日ですから♪」

 

黒服「それもそうですね」

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