3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第十一話 新隊員の選別のために元康は生贄になりました

 入隊から3ヵ月半、鬼怒田さんに依頼していた銃トリガーが完成し、訓練生たちにも公開となった

 

 種類は突撃銃とハンドガン、ショットガンの3種類でこれ以降銃トリガーを使う人を銃手、使わない弾トリガー使いを射手と区別することとも通達があった

 

 狙う、撃つという射手のキューブを出す、割合を調整する、分割、狙う、放つというモーションに比べて圧倒的に扱いやすく、かつ中距離攻撃が可能ということに多くの訓練生たちがポジションを変更した

 

 桑原隊の3人は発案者なのに銃トリガーをセットはしなかった

 

 曰く

 

「銃トリガーはキューブの威力調整が瞬時にはできないし、トリオン富豪の俺たちは銃トリガーの射手に比べて20%の射程延長の恩恵を受けにくい」

 

 という考えと隠し玉である合成弾の存在が射手に踏みとどまった要因である

 

 合成弾とは原作の出水という射手が生み出した射手トリガーのトリオンキューブを合成することにより性質を増やすという技である

 

 3名も訓練室にてコソ練しており、アステロイド×アステロイドの徹甲弾ことギムレットを習得していた

 

 しかし、出水が原作で合成を2秒で出来るのに対して、並列処理のサイドエフェクトがある天元でも5秒、淡と元康は15秒もかかっていた

 

 ギムレットの場合、というより、アステロイドはトリオン量が多いと射程距離と貫通力が上がる

 

 それがギムレットになるとさらに貫通力があがるので後々出てくる狙撃トリガー並みの貫通力があった

 

 なぜ秘匿しているかというと、トリガー構成で両手にアステロイドをセットしなければならず、1種類しかトリガーを持てない訓練生ばかりの現状で登場させても使い手がいないのが1つ、今合成弾を登場させると実地検証中の銃トリガーであっぷあっぷの開発部がパンクしてしまうから、そして合成弾を登場させるならクローニンチーフが作っている変化弾のバイパーと追尾弾のハウンドが登場してからの方が種類も増え、戦術に幅が出てくること、クローニンチーフの株の向上にもなるだろうという複数の要素からである

 

「銃トリガーから東さんが狙撃トリガー開発の話も出てきたし、原作よりも多分トリガー開発速度は上がってるよね」

 

「狙撃トリガーが1種類でもできれば戦術の幅が広がるからな、話は変わるけどやっぱり伸びて来たね太刀川」

 

「忍田さんの弟子だしそりゃ伸びるよ」

 

 忍田さんに教わっている時間以外ランク戦をすることで桑原隊の3人の後すぐにB級に昇格、まだ3人は剣道での経験やアステロイドを織り交ぜた攻撃で勝率7割をキープしていたが、弧月のオプショントリガーの旋空が開発が始まっているとも聞いたので、それが完成したら一気に勝率が上がりそうで怖い

 

 ちなみに弧月単品での太刀川との勝率は天元67%、淡79%、元康55%である

 

 淡が勝率高いのは圧倒的なデカさによるリーチの長さと、空間把握によりフェイントが効かないからであった

 

 それでも2割持っていくのが太刀川らしいが

 

 ちなみにボーダー最強は忍田さんだが、訓練に参加するメンバーだと未来視の迅が1位

 

 その下を桑原隊の3人、小南先輩がどっこいで太刀川とレイジさんみたいな強弱ができていた

 

「かー、また負けた。もう一回だ天元」

 

「太刀川本当にランク戦というか戦闘訓練好きだな、もう3時間もぶっ通しだぞ、さすがに疲れたわ」

 

「桑原隊の3人とやると忍田さんみたいにどんどん成長できるから楽しいの」

 

「でもポイント大丈夫か? そろそろ1500下回るんじゃね」

 

「下回ったら何かあるのか?」

 

「C級に降格だよ、覚えてねーのか」

 

「聞いてなかったわ」

 

「ちなみに今のポイントは?」

 

「1678……あっぶね」

 

「やめやめ、ランク戦は無しな、ただでさえ少ない正規隊員を減らしたくねーよ」

 

「じゃあ模擬戦にしようぜ」

 

「OK、他のメンバーにも言っておけよ」

 

 ちなみに現在の総合ポイント1位は迅、2位は約8000点の淡、3位が天元で4位が元康であった

 

 

 

 

 

 

 

 

「バイト?」

 

「はい、藤枝さん経理のバイトで俺ら雇いませんか? 簿記の1級持ってますし」

 

 原作では出てこない人だが、幹部人事が決まり、経理を担当することになった藤枝経理部長

 

 元自衛隊で会計科にいた人物で正義感が強いおじさん(42歳)だ

 最も戦闘はダメダメらしく、人を殴れないという欠点から会計科に所属していたらしい

 

「助かるが、正規隊員は防衛任務以外でも戦力として待機しなければならないのでは?」

 

「確かにそうですが、ならボーダー基地内でアルバイトすれば待機にもなりますし、一石二鳥かと」

 

「人事と幹部会で議題に挙げてみることにしよう。こちらとしても人員が増えるに越したことはないからな」

 

「「「ありがとうございます」」」

 

 後日、時給1500円とアルバイトとしては当時の学生バイトとしては破格の時給で雇われた

 

 最低賃金が690円の時代なので2倍強の値段である

 

 俄然やる気が出た3名は給料以上の仕事をこなすのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 訓練、研究会、防衛任務、バイト……それに学業

 

 冬休みも終わり1月となると新隊員加入の季節である

 

 ボーダーは新隊員の加入を1月、5月、9月を新隊員の正式加入日とされており、今回入る新隊員は原作知識で分かっているだけでも凄く癖の強い面々である

 

 二宮匡貴、加古望、諏訪洸太郎、時枝充、佐鳥賢、堤大地、綾辻遥、出水公平

 加賀美倫、天羽月彦、烏丸京介、影浦雅人、宇佐美栞、三上歌歩、辻新之助、国近柚宇、小佐野瑠衣、北添尋……

 

 これである

 

 個性がない人がいない

 

 大半がA級かA級経験者であり、天羽月彦に至っては黒トリガーに適応してS級になる人物である

 

 そんな曲者揃いの面々の面接の手伝いを元康はおこなっていた

 

 銃トリガーが安定したことと、研究会所属していた技術スタッフ達で1つのグループが出来上がり、鬼怒田さん、クローニンチーフ、研究会の3つの研究ラインができたことで研究枠に余裕ができたため、研究会はサイドエフェクトについて研究を始めた

 

 で、研究材料として迅と桑原隊の3人が毎日付き合わされ、原作で分かっているようなサイドエフェクト持ちはトリオン量が多いや4種類のランク付け、サイドエフェクトを見抜くスタッフにカウンセラーを雇用して意見を聞いたりと忙しい毎日を送った

 

 ここで元康のサイドエフェクトが上層部にばれて人事部に駆り出されて面接の様子をカメラで見ながら入隊希望者のトリオン量以外での才能を測る物差しとして働かされたのである

 

 それに、今回の入隊希望者の数は300人、トリオン量の関係で戦闘員は100名程度だが、技術スタッフやオペレーター、施設スタッフや事務員の人員に回された者も合わせると250名がボーダーに加入となった

 

 不景気とボーダーが成長著しい、三門市民で大侵攻の経験という3つの理由から人材が流れてきたためであった

 

 また学校でも提携が進み、ボーダー推薦が三門市内の高校2校と三門大学で始まり、三門大学ではトリオン工学という学科が開設されたりもした

 

「ただこのままだと三門市の戦闘員可能な若者は再来年には枯渇するんじゃない」

 

「戦闘体になれるトリオン量の人はなかなかいないからねえ……」

 

「まあ三門市に限定すればだけどな」

 

 そんな話をしていると忍田さん改め忍田本部長と人事幹部の方から要望があり、新隊員の入隊のレクチャーを頼まれた

 

 4年後では嵐山隊がやっていることだが、柿崎を入れた第一次嵐山隊が結成されるのがおそらく今年度中としても、広報部隊になるのは最短でも来年であったため、そういう役目の部隊がいないため、研究会で育成をおこなている桑原隊にお鉢が回ってきたのだ

 

 そもそもこの時期でも正規隊員は玉狛と桑原隊を除くと東さん、風間さん、太刀川、三輪の4名で集中して鍛えている柿崎と嵐山の二人ですらまだなのだ

 

 あと部隊がまだ桑原隊と玉狛しかなく、だったら本部所属の桑原隊にやらした方が良いよねという大人の事情も含まれていたが……

 

「原作キャラが強いのは分かるけど、それ以外のモブ達の中から使える人材を育成しないとダメだろうな」

 

「まあ私達の目的がボーダーの戦力の早期拡張だからね」

 

「そういえば武田家の弟妹達はどうだ?」

 

「説得にてこずったが、今年の5月入隊になりそうだわ。高校のボーダー推薦が効いた」

 

「進学校の六頴館高等学校に進学で有利なのと正規隊員になれば学生にしては大きなお金が入ることが大きかったな。氏真なんか目を$マークにしていたからな」

 

「あとトリオン体だと銃に撃たれても無傷の映像がボーダーから流されたのもデカい、命が安全ならばと親もOKだしたわ」

 

「あの子たちもトリオン量そこそこあるからな」

 

「ねえ何の話してるの?」

 

 3人で話していたら葵先輩も合流した

 

「いや、元康の妹や弟の話ですよ。葵先輩も元康の両親の説得ありがとうございます」

 

「いいよいいよ。夏海ちゃん、春夏ちゃん、氏真君も一緒にボーダーいたほうが元康君も安心でしょ」

 

「まーな」

 

「4人揃ったし今週末の新隊員説明会の段取り決めないとな」

 

「今回も城戸司令のお言葉と忍田本部長の話が最初にあって、そこからトリガーの説明で、次に仮想近界民戦闘訓練、施設紹介、ランク戦の説明かな」

 

「トリガーの説明は冊子を作った方が分かりやすいんじゃない?」

 

「淡確かに」

 

「じゃあ今夜概要作ってくるから淡と葵でデザインしてよ」

 

「あれ俺は?」

 

「隊長だから説明の練習してろよ」

 

「練習って、まあ軽くやっておくか」

 

「どこでやる?」

 

「せっかくだし隊室与えられたし隊室でやろうぜ」

 

「さんせい」

 

「これ終わったら隊室の改造しようぜ」

 

「いいね! テレビ置きたい」

 

「ルームランナー置かせてほしいわ」

 

「マンガもー」

 

 隊室に移動した面々は新隊員説明会の準備に取り掛かるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「桑原隊のメンバーは凄いよな」

 

「ああ、研究会で自身の技や技術を教えてくれるし、わかりやすいし」

 

「技術班としてもトリオンについてよくわかるからありがたいぞ」

 

 研究会所属のメンバーは基本仲が良い

 

 向上心が高い者達が集まっているので毎回何かしらの成長を与えてくれる講師役の桑原隊を好意的に思い、さらに各々も新発見やデータ検証などを協力していたので繋がりが深かった

 

「サイドエフェクトはもう少し対象が増えないと研究が頭打ちなんだよな」

 

「でも桑原隊の3人のおかげでだいぶ進んだのも事実だからな」

 

「あとは新トリガーの銃トリガーは革新的だったな」

 

「でも今クローニンチーフとまた新しいトリガー作ってるんだろ」

 

「なんでも射手でも銃手でも使えるトリガーだと」

 

「銃手が便利すぎて射手減りそうだけどな」

 

「でも作った本人達は射手だけどな」

 

「何か考えがありそうだけど……」

 

「でも次は東さんから提案された狙撃トリガーの研究に入るか」

 

「研究会に居れば何かしらの研究課題があるからいいよな」

 

「研究会でも忙しいのに会計業務もしてるんだろ? 防衛任務もして俺なら無理だわ」

 

「天才ってやつなんだろ。その頭脳がボーダーに使われて本当によかったよ」

 

 ただ彼らは知らない

 

 研究会は新隊員がある程度の規模になったら解体する予定であると3人が考えていることを……

 

 

 

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