3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~ 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「……不味いな」
「未来が見えたのか迅」
「忍田さん、大規模な襲撃があります。新隊員を基地から出さないでください」
「わかった」
迅は未来視のサイドエフェクトを持つ人物であり、未来は多数に分岐している
より確率が高い未来は年単位で先読みすることができる
大規模侵攻もより良い未来のために未曾有の大災害を黙認したという後ろめたさがあったが、それが今のボーダーに繋がっている
未来視といっても万能ではない
万能であったならば旧ボーダーが半壊するようなことも無かったからだ
「より良い未来の為に……か……敵の目的は市民の誘拐です。久々の大仕事になりそうですよ」
「わかった。動かせる人員は全て動かす。迅はサイドエフェクトで盤面を操作しろ」
「了解」
ランク戦をやっていた3人にも直ぐに連絡が入る
「迅のサイドエフェクトやっぱり強いなぁ」
「規模は大規模ということは最低でもトリオン兵200体か……人型は出るかな?」
「舐め腐ってる近界民の事だから出ねぇだろ。2週間近く襲撃が無かったのはこういうことね」
「さて、俺達はどう動くべきか……時間が有れば聞きたいところだけど」
『ゲート発生! ゲート発生! 正規隊員は速やかに防衛任務に参加せよ。繰り返す正規隊員は速やかに……』
「葵先輩」
「トリオン反応数400、距離北800!」
「トリガーオン」
「「トリガーオン」」
「元康には試作トリガーの狙撃トリガーのイーグレットが入ってる。他の2人は試作のハウンドとバイパーを入れてるね」
元康
| 弧月 | 弧月 |
| アステロイド | アステロイド |
| シールド | シールド |
| イーグレット | FREE TRIGGER |
天元、淡
| 弧月 | 弧月 |
| アステロイド | アステロイド |
| シールド | シールド |
| バイパー | ハウンド |
「確認しました」
「戦略目標は民間人への被害を出さないことだ。敵を漏らすなよ。あと合成弾を解禁する。数が数だ、積極的に使っていくぞ」
「「おう!」」
「転送します。転送5秒前、3、2、1、転送」
「任務開始だ」
「今回最悪の未来は民間人へ被害が出てボーダーの信用が失墜することだけど……次点で最悪なのが桑原隊の壊滅だからな。気張れよ天元、淡、元康」
転送が終わった3人はすぐさま作戦行動を開始した
『東だ。天元こっちは即席で太刀川、風間、三輪と嵐山と柿崎率いて北東に分散しつつある敵を抑える』
「了解。忍田本部長、こちら桑原隊は高所を取り次第爆撃を開始します」
『わかった。迅率いる玉狛も現場に向かっている。数をなるべく減らせ』
「「「桑原隊了解」」」
「葵、半径1キロで射線が通りやすい建物の情報ちょうだい」
「了解……レーダーに反映させます」
「天元、このマンションが良さそうだな」
「よし、天元はそのマンションに陣取れ、俺と淡はもう少し敵の近くに陣取る」
「「了解」」
走りながら情報を纏めると元康はマンションに移動する
『こちら元康、マンション屋上に到達、スポットを開始、葵、俺の視覚データをマップに映せ、敵の大きさを大雑把に仕訳する』
『了解』
『目視可能のトリオン兵254体、デカブツ(バムスター)105体、車サイズ(モールモッド)45体、残り熊擬き』
「熊擬きは初めて聞くな……元康、デカブツから狙撃して数を減らせ」
『了解!』
「淡屋根伝いに走るぞ」
「了解」
ジャンプして2階建ての家の屋根に飛び乗る
「距離100、淡!」
「距離200以内の敵32! 迎撃可能」
「よっしゃ! お披露目だ、俺は200メートル外の奴を狙う! 淡は200メートル以内のを殺れ」
「了解」
グニョンとトリオンキューブを2つ出す
グニョングニョンとキューブを混ぜ合わせる
天元はハウンドとアステロイド、淡はアステロイドとバイパーの合成を開始する
先に出来上がった天元は空に向かって放つ
「追尾徹甲弾!」
27分割した弾が曲線を描きながら敵に殺到する
『目標5体トリオン反応消失』
「ち、接近した方が良いな。淡先に行く」
「了解、終わったら距離詰める」
淡は合成後、125発に分割した徹甲変化弾(コブラ)を発射する
空間把握能力で半径200メートル以内であれば自在に弾道を描くことができる淡は地面を這うように動き回る
「クラッチ」
32体の大小様々なトリオン兵は殺到したバイパーに次々に倒されていく
『天元、熊擬きは装甲が腕の装甲が硬い、それ以外は柔らかい、近づいてよりも中距離から射撃で倒した方が良い』
「了解」
天元は淡の範囲外に出ると大玉アステロイドで近くの敵を掃討していく
『天元! 近くに新たなゲート!』
「なに?」
バチバチとゲートが開く
「……エリートトリオン兵のお出ましか」
出てきたのは黒い触手の塊のトリオン兵? であった
鋭く尖った触手を高速で伸ばしてくる
それを天元はシールドでガードしたが、シールドのトリオンを触手が吸収する
「おいおいマジかよ」
すぐさま弧月に切り替えて触手を切り裂く
「アステロイド!」
125分割したアステロイドを放つが黒いトリオン兵の体に当たるとジュワァと音をして吸収してしまった
「おいおい無敵かよ!」
すぐさま触手による反撃が飛んでくるが、天元は弧月を二刀流に切り替えて全て斬る
「こちら天元、新型トリオン兵に遭遇、黒く触手の様なトリオン体であり、トリオンを吸収もしくは溶かす性質が有る。注意されたし」
『足止めは可能か』
「忍田本部長、やってます。攻め手に欠けますが倒せそうなら倒します」
『無理はするな』
「了解」
ビュンビュンと触手が波状攻撃を開始した
現在家と家の間の2車線の道路に天元は居る
近くに有るものは電柱、止まれの標識、ブロック屏、マンホール、側溝の蓋
「さて、どうしたものかな」
並列処理数を8つに増やし、高速で処理をしていく
(このトリオン兵はエリートタイプで量産ができないか人が操っているかのどっちかだろう。量産できないだけのタイプならばどこかにコアがあるはずだし、操っている場合は受信機が有るハズだな……エネドラみたいにコアのダミーがあるとかじゃなければ良いが)
(まずはコアを探す)
(玄界にはトリガー使いが居たとしても雑魚しかいないって司令部言ってませんでしたっけ? 凄く強いんですけど!!)
(上層部が他国で玄界で大戦果あげたからって我が国の1ヶ月のトリオン供給量の5%も使っての大侵攻だから失敗したら家族の下等国民落ちは必須……艦長がまさか遠征中に病死するとは思わなかったけど私達で仕事はしないと)
私……エイスリンは衛星国家の祖国オリクトの兵隊である
祖国は王族による王政であり、貴族と軍が力を持っている
祖国の歴史は古くもう500年以上国として運営が続けられ力を蓄えてきた
ただ500年も国が続くと腐敗や格差は大きくなりトリオン能力に秀でた者かつ軍に徴用されて出世するしか下等国民には夢が無い
私の一家は運良く中等国民でありトリガー技師の一家である
が、上司の政治闘争に巻き込まれて父母共に閑職に回され、私は自分の食い扶持を稼ぐために兵隊となった
正直祖国に良い思い出は1つも無いが、家族を人質にされている以上頑張るしかない
出世すれば上等国民の道も開ける
そうすれば両親も血眼になってまで働かなくて済むからだ
今回の玄界への遠征も司令部からは簡単な任務と言われていた
トリオン兵をばら撒き、玄界民を拐う
トリガー使いである私達が出るまでもないと思われていた
しかし、現実はこれだ
玄界は急速に力を付けている
400体居たトリオン兵がみるみる数を減らしているのがその証拠だ
臨時艦長であるサラキアは慌てて私達を繰り出したけど
『エイスリンさん不味いです! トリオン兵既に20%が撃破されてるにも関わらず回収できた玄界民無し』
『こちらシロ、玄界のトリガー使いと衝突。カクラと協力して何とかするね~』
「了解」
さて、こっちはこっちで目の前の玄界の兵士を早く倒さないと
「ごふ!?」
なんだ!? 押された! 何に? ……地面にあった側溝の蓋が消えてる
それをぶつけてきた
天元は側溝のコンクリートをバイパーで持ち上げ、視覚外から高速でぶつけた
触手の塊はびちゃびちゃと触手の一部が地面に崩れる
「おお! 手応えあり」
『天元、救援は必要?』
「いや、淡は全力で周囲のトリオン兵を倒せ、元康、敵が撤退する瞬間にゲートが開くと思うから狙えるか?」
『OK、もう少し近づくわ』
「さて、触手のトリオン兵はあれだなトリオン体しかダメージ与えられないタイプね。了解了解、じゃあ弧月よりも」
天元は近くにあった標識を切り裂き思いっきり触手の塊にフルスイングする
触手も慌ててガードしようとするが、高速で突っ込んできた標識の丸い部分が押し出される
べちゃっ
「きゃ!? ま、まず!」
「あちゃー、トリオン兵じゃなくてトリガー使いだったか……こちら桑原、新型トリオン兵は人型近界民でした。捕獲に移りますか?」
『こちらの作戦は迎撃だ。無理はするな』
「了解……悪いねぇトリオン兵さん」
「くっ!」
触手のトリガー? 装甲かあれ?
とりあえず本体と装甲を分離したからここからはトリオンの攻撃が効くはず
近界民の女の子もブレードを出して戦闘を継続する感じねぇ
「まぁ、もう詰みって奴ですわ」
天元は216分割したバイパー地面以外の半球状に敵に向かって放つ
それは流石に防がれるが、全周囲に薄くシールドが張られた瞬間に時間差の大玉アステロイドが突き刺さる
「な!?」
「な、詰みだろ」
女の近界民はトリオン体維持できなくその場に本体がその場に倒れていた
「申し訳ありませんやられました」
『な! ふ、ふざけるなエイスリン! やられましたじゃないぞ! このままだと我々は下等国民落ちだぞ!』
「撤退させてもらえませんか」
『くっ……仕方がない! トリオン兵を回すからその隙をついて帰還しろ』
「了解しました」
バチバチとゲートが開き始めるが、その瞬間にゲートに何かが飛び込んだ
「え?」
その瞬間爆発音が響き渡る
「な!? 遠征艇が!?」
異空間に隠されていた遠征艇が緊急のゲートを開いて不時着する
「サラキア艦長代理! サラキア艦長代理!」
『エイスリンさんダメです! 遠征艇がやられました!』
「……遠征艇の緊急用プログラムを始動させ本国に帰還するか……捕虜になるか。私は生身故に置いていけ」
『ですが』
『カクラ、エイスリンは覚悟を決めた、私達だけでも』
『……了解』
「お話は終わったかな」
「縺輔≠邇? 阜縺ョ蜈オ螢ォ繧医? ∵黒繧峨∴繧九↑繧画黒繧峨∴縺ェ縺輔>(さあ玄界の兵士よ、捕らえるなら捕らえなさい)」
「ああ、トリオン体の翻訳機能が効いているな。口と言葉が合ってねーな……拘束できる様なものもねーしなー」
『こちら淡、近辺のトリオン兵の掃討完了、敵遠征艇の拿捕に向かわない?』
『淡の意見に賛成、本丸を落としてしまった方がこの侵攻も止まるだろう』
「一応この近界民はどうするか……本部どうしますか?」
『捕虜は丁重に扱え、遠征艇への攻撃は許可する』
「了解……立て」
近界民を手を引いて立たせる
ここで監視するのでも良いがトリオン体でない近界民を三輪が見つけたら射殺しかねないので手を引きながら連れていく
「谿コ縺輔↑縺?? 縺ァ縺吶°(殺さないのですか?)」
「殺しはしないよ……交渉に使えるかもしれねーな。トリオン体じゃない人間は言葉すらわからないし……とりあえずこいつらの遠征艇まで連れていくか」
『東だ、トリオン兵がいくらかいきなり現れた船? に向かった、注意されたし』
「東さん、情報ありがとうございます……さて行くか」
「さんざんな結果だねー」
「なにが簡単な任務よ! 精鋭にやらせるべき任務じゃない」
オリクトの兵であるシロとカクラは不時着した遠征艇にトリオン兵何体か連れて戻っていた
「と、とにかく早く脱出しないと」
「成果なしかつこれだけ損害出したから私ら下等国民落ちだねー……だる」
「でもこのままじゃ玄界の兵に殺されちゃうよ」
遠征艇に乗り込んだ2人はサラキア艦長代理が胴体に大きな穴が開いて亡くなっていること、一部機材にダメージが入っていることを確認した
「運転には支障はないけど、トリオンタンクが破損しているから本国までぎりぎり」
「やってくれたな玄界め……」
「カクラ、正面にエイスリンが……」
「え!」
モニターを見るとエイスリンが玄界のトリガー使い2人(桑原隊)に拘束されているのが見えた
「ど、どうするシロ! 助ける?」
「助けるってどうやって……」
「遠征艇の砲撃で攻撃した瞬間にエイスリンの近くにゲートを開いて飛び乗ってもらうとか」
『私に構わず脱出して2人とも』
「「エイスリン!!」」
『聞こえるか近界民、速やかに降伏しろ。繰り返す速やかに投降、降伏しろ』
「カクラ無理だ、エイスリンは置いていく」
「シロ!」
『艦内に侵入者』
「「え!?」」
『こちら元康、艦内に侵入完了』
「元康すみやかに機関室を押さえろ……」
「バイパー」
淡は遠征艇の後部にあるエンジン部分を攻撃する
エンジンと思わしき部分は黒い煙を上げている
『こ、降伏します! これ以上攻撃しないでください』
「トリオン兵の機能を停止させろ」
『停止させるので!!』
「本部、こちら桑原隊、近界民降伏」
「近界民が止まった?」
「天元達が敵の司令官を捕えたらしい」
「おおマジか! さすが師匠達」
「東さん、動かなくなった近界民はどうしますか?」
「皆殺しに決まってる」
「まて三輪、こいつらはロボットみたいなものらしい。無傷で鹵獲したほうがボーダーにとって有益だ。そうですよね忍田本部長」
『そうだ、回収車を向かわせる。臨時東隊はスタッフと共に近界民の回収に当たれ』
「「「了解」」」
「ふぅ、未来確定完了。最高の未来で済むことができたな」
迅は屋根に寝っころばってそう呟いた
「迅、桑原隊が壊滅する未来ってのはどんなんだったんだ?」
「レイジさん、遠征艇の無傷の拿捕を狙って3人が遠征艇に入った瞬間に遠征艇がワープする感じですよ。俺が事前に鬼怒田さんに遠征艇無傷の拿捕を狙うような発言は控えてくださいとお願いしたからそれで未来がほぼ決まったけどな」
「でも迅、近界民を何人も捕虜にしたけど大丈夫なの! 絶対火種になるわよ」
「大丈夫、桑原隊が上手くやるよ」
「そうなの?」
「俺のサイドエフェクトがそう言ってる」
1月29日の大規模防衛戦
侵攻国 オリクト
・侵攻トリオン兵400体(新型 熊擬き ヘミキオン含む)
・近界民の女性捕虜3名(エイスリン、シロ、カクラ)
・司令官戦死
民間人被害0
ボーダー被害0
特級戦功(報酬50万+ポイント1500加点)
桑原天元(部隊を指揮し、近界民の捕縛に成功した)
結城淡(79体ものトリオン兵を撃破し、隊員の中で最もトリオン兵を倒した)
武田元康(遠征艇拿捕の決定打及び司令官を討ち取った)
A級戦功(報酬25万+ポイント1000加点)
臨時東隊(東、太刀川、三輪、風間、柿崎、嵐山)
玉狛支部(迅、木崎(レイジ)、小南)