3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第十七話 顔面真っ青

『対戦終了』

 

「迅が勝てなくなった……」

 

「太刀川成長著しいな」

 

 3月に入り覚醒したかのように……コツを掴んだかのように太刀川は成長した

 

 小南達玉狛支部の面々や桑原隊のメンバーも弧月単品だと勝率は5割を下回ってしまう

 

 原作でボーダー隊員だと個人最強を誇る太刀川の強さはここからさらに上がるだろう

 

「さすが原作でのボーダー最強……彼の存在がスコーピオンの開発を加速させるか」

 

「天元、何黄昏てるのよ」

 

「そのスコーピオンを原作で開発担当するクローニンチーフは遠征艇解析に駆り出されているからもう少し開発はかかるだろうな」

 

「いま動いているトリガー開発ラインって東さんの狙撃トリガーのところとうちのオプショントリガー開発よね?」

 

「そうだな」

 

「やっぱり足りないわよね……技術者が」

 

「技術者を育てるのを請け負うのは無理だぞ淡」

 

「そうよね……」

 

「しゃあない、俺らは今できる最大限をやるしかないんだから」

 

「とりあえず太刀川の快進撃を止めるか」

 

「近接戦に持ち込まなければまだ勝てるが、あの成長は反則だろ」

 

「まあ私らは太刀川みたいにランク戦にかかりっきりは無理だから、仕事をしないと」

 

「へいへい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『北東距離800』

 

「トリオン兵確認」

 

 狙撃トリガーのスコープ機能により遠距離を見やすくなった元康はサイドエフェクトとトリオン量も相まって長距離でトリオン兵を片づけていく

 

『反応消失、防衛任務終了……皆お疲れ様』

 

 エイスリン達の星が離れ、別の星が近づいたのか一時期は下火になった防衛任務も再び毎日のように襲撃が行われていた

 

 天元達桑原隊も防衛任務に駆り出され、連日学校を早退して防衛任務とエイスリン達との会話やお世話をする毎日だった

 

 天元達の高校の周りの生徒は多忙な天元達を見て成績下がるだろうなと思っていたが、相変わらず学年トップ3を確保、高校の模試も三門大学や他県の国立大学含めA判定であった

 

「ボーダー大変じゃないのか3人とも」

 

 話し掛けてきたのは来馬辰也……同じ学年で学年20位以内を毎回取る秀才でとある会社の御曹司……金持ちの坊ちゃんであるが、仏の来馬と呼ばれるほどできた人である

 

「大変だけどやりがいあるから楽しいぞ」

 

「何? 来馬も興味ある感じ?」

 

「興味はある。うちの会社ボーダーに出資しているし、三門市復興の事業でいろいろ嚙んでるから……」

 

「入っちゃえばボーダー。人手不足だから来馬みたいな優秀な人はボーダーとしては喉から手が出るほど欲しいし」

 

「そ、そうか?」

 

「そうそう。二宮や加古も参加してるけど俺らみたいに毎日早退みたいではないだろ? 俺らは戦闘員の他に役割があるから忙しいだけで、正規隊員なだけならそこまで忙しくはないぞ」

 

「そうなのか……ボーダーについて話せる範囲で教えてくれないか?」

 

「ん、そうだな……といっても機密の関係で俺らもあまり話せないからボーダーの説明会に参加してみたらどうだ?」

 

「説明会か」

 

「行くんなら来馬のことスタッフに伝えておくけど」

 

「説明会はいつやっているんだ?」

 

「集団説明会は毎週日曜日、個別のスタッフとの1対1なら毎日行われているぞ……ここからだと駅前の商工会議所の一室を借りてたはずだな」

 

「商工会議所か。わかった行ってみるよ」

 

「未成年は親の同意も必要だからな」

 

「わかってる。でもなんで大人をスカウトしないんだ?」

 

「大人になるとボーダーの武器は使えなくはないが、成長しないんだ。衰えていくともいうべきかな」

 

「へえーそうなのか」

 

「少年兵擬きだが、死なないように安全装置が積まれているから基本安全だが、近界民との戦闘だからなにが起こるかわからないのは頭に入れておけよ」

 

「おう」

 

 

 

 

 

 

 エイスリン達3人は消灯時間を過ぎてから盗聴されているとも知らずにベットの上で話を始める

 

「生の卵や生の魚を食べる文化が玄界にあるなんて驚いたよね」

 

「玄界じゃなくて日本だよエイスリン」

 

「そうだった。玄界の中にもたくさんの国があるなんて思わなかったね」

 

「一つの星に一つの国が近界だと常識だもんね」

 

「お金も不思議だよね。コインのお金はわかるけど、紙のお金は不思議だし、こっちではトリオンを売ることができないなんてね」

 

「500円? で物を買ったらお釣りとしてコインが増えるのも不思議」

 

「物質世界は近界のトリオン世界の常識が全く通用しないね」

 

「常識もそうだけどテレビっていう映像器具凄いね! トリオンを使わないで映像の録画ができるなんて」

 

「絵が動くの感動した」

 

「シロ、ここではアニメというらしいよ」

 

「アニメおもしろかったよね。私はドラマっていうのも面白いとおもったよ。こっちの世界の常識がわかるし」

 

「ドラマに出てきた携帯っていうの凄いよね、カメラにも通話もできる機械なんて」

 

「丸い円盤みたいなの(DVD)に映像が記録されているのが不思議でならない」

 

「そういえばこっちのエネルギーは電気っていうらしいよ! 嵐山が教えてくれた」

 

「電気……電気って何?」

 

「玄界だと嵐のときに光るエネルギーが落ちてくるらしいよ」

 

「危ないじゃん」

 

「それのエネルギーを使って物を動かしたり、明かりを灯したりしているんだって」

 

「嵐の時にしか得られないんじゃない? それだと電気っての」

 

「なんか機械の歯車を回すことでその電気が得られるようになったから玄界は発展したらしいよ。滝とかに歯車置いて回したり、物を燃やした熱風で回したりするんだって」

 

「物を燃やすか……資源が限られている近界だと無理かもね」

 

「風の力や波、昼の光からも電気がとれるように研究しているんだって」

 

「それなら近界でも使えるのか?」

 

「トリオンを使わない明かりが使えれば夜の作業もトリオン消費しなくて済むね」

 

「国全体なら膨大なトリオンの節約になるんじゃない?」

 

「おお、その情報を持ち帰れれば……」

 

「いや、これはこの世界だと当たり前らしいから、1年前に侵攻した国が捕獲した玄界民から少しずつ情報が伝わると思う……私達が帰ったところで侵攻に使った膨大なトリオンが戻ってくるわけでもないし」

 

「でもエイスリン、そしたらこのまま飼い殺しにされるよ。いまは食事や娯楽を与えてくれるけど彼らの気が変わったら……この部屋で飢えて死んじゃうんだよ」

 

「……使える事を示さないとダメなんじゃない」

 

「「シロ?」」

 

「玄界は一部を除いて人の命の価値が重いらしい。1人死んだだけで国が動くこともあるんだとか……だったら私たちは害がないことをアピールしつつ彼らがやりたがらないことを率先してやるしかないんじゃない?」

 

「桑原隊の人に相談してみよう。シロ、カクラそれでいい?」

 

「「うん」」

 

 

 

 

 

 

「とのことです」

 

 盗聴を聞いていたスタッフが桑原隊にこのことを報告する

 

「危機感を少しずつ煽りながら豊かさを見せ、娯楽や食事でカルチャーショックを与える。そして融和的に交流をすればこうなるか」

 

「1人じゃないのも大きいんじゃない? 1人だと相談できないから正しい選択ができない可能性もあるし」

 

「どちらにせよ彼女たちに投じた時間が無駄になる確率はこれでぐっと減った」

 

「となると簡単な仕事を与えるのが良いかな」

 

「そうね……とりあえず戦闘訓練をやらせる?」

 

「特に技術があるわけでもないし、そうだな」

 

 3人で彼女たちの方針を決めると彼女たちが住んでいる部屋に入る

 

 部屋に入ると3人からお願いをされた

 

「ただで食事を貰うのが心苦しいからなにか仕事をしたいか。わかった。そしたら俺たちの戦闘訓練やトリオンの技術開発に手伝ってもらうぞ」

 

「「「はい」」」

 

 城戸司令の許可を取り、部屋から一番近い仮想戦闘室を借り、そこまでの移動許可をいただいた

 

 ちなみにだが彼女たちの活動範囲の拡大は前々から申請していたため、近くに部屋がいくつか追加されていた

 

 監視室、実験室(仮想戦闘室含む)、お風呂、洗濯室、談話室である

 

通路実験室実験室
入口談話スペース部屋
監視室洗濯室お風呂

 

 1フロア隔離されているため入口を封鎖すれば出られなくなる

 

 彼女たちはこの空間内の行動を許可された

 

 部屋の説明を受けるとまず洗濯機に驚いていた

 

 ドラム式の乾燥もできるタイプである

 

「「「おおー」」」

 

 洗濯物を入れて回すととても驚いている

 

「近界だと洗濯ってどうしているんだ?」

 

「肌着は水で洗う。上級国民は洗濯屋という専門の人が服を洗う」

 

「洗濯板とかで洗う感じか?」

 

「洗濯板? なにそれ」

 

「こんど教えるよ」

 

 ボタンを押すだけなので彼女たちもすぐに覚える

 

 お風呂はジャグジータイプのお風呂で3人が入っても余裕がある

 

 洗い場も3つで3人が入れるようにしてある

 

 最初上層部は1人しか入れない風呂にしようとしていたが、3人のストレスを考えた桑原隊は大きい風呂に変更させたという裏話があったり

 

「こんなお風呂王族でも入らないよ!!」

 

「こ、これを毎日使っていいの?」

 

「シャワーだけだと体が凝るから湯舟に使ってゆっくり休んでね」

 

「お湯に浸かる……」

 

「そういう文化じゃなかった?」

 

「シャワーはあったけどお風呂は王族しか使えない贅沢なものだったはずです」

 

「日本だとほぼ、どの家にもお風呂があるよ」

 

 お風呂の説明を終え、最後に実験室に移動する

 

 仮想戦闘室と工作するための部屋の2部屋であり、仮想戦闘室は対人なら良いが、仮想トリオン兵と戦うには少し狭い感じの部屋だった

 

「とりあえずここでボーダーの訓練用トリガーを使って訓練をしようか」

 

 実験室では寺島が部屋でトリガーをいじっていた

 

「おう、来たか」

 

「寺島さん、早いですね。ランク戦に居たのでは?」

 

「太刀川にぼっこぼこにされたからこっちでストレス発散中」

 

「今日からエイスリン達もこの部屋使えるようにしますんでこき使ってください」

 

「サンプルが増えるのはありがたい」

 

 寺島は戦闘員をやりながら技術スタッフも兼任しており、桑原隊ほどではないが忙しかった

 

 ただ兼任でも近海研究室の技術スタッフのなかで一番優秀な為、技術スタッフのリーダーをしていた

 

「じゃあせっかくだボーダーのトリガーを説明するぞ」

 

 寺島さんがエイスリン達にトリガーを紹介していく

 

 弧月、銃トリガー(突撃銃、拳銃、散弾銃)、アステロイド、バイパー、ハウンド、狙撃トリガーのイーグレット、シールドとエスクード……これが現在のボーダーのトリガー全種類である

 

「トリオン技術は遅れていますね」

 

「しゃーない事実だし」

 

「よくこれで400体の私達の攻勢を防ぎましたね」

 

「その謎の一端をみせてやるよ……とりあえず弧月を使いエイスリン、シロ、カクラの3人は戦ってみてくれ」

 

 戦闘室に移動した3人を見送り、寺島と桑原隊の3人はデータを集める準備にとりかかる

 

「始めてくれ」

 

 戦闘室で三つ巴の戦いが始まる

 

「……普通だな」

 

 寺島さんが呟く

 

 3人はダメージを受けないように立ち回っており、ボーダー隊員のような思いっきりがなかった

 

「ガードや受け流しは上手いですが……それだけね」

 

「あ、シロがミスった」

 

 

 

 

 

 

『戦闘体破損』

 

 アナウンスがなると壊れたトリオン体が修復される

 

「「「!?!?」」」

 

 トリオン体は壊れれば休息を取らないと再度トリオン体への換装はできないとされてきた

 

 近界の常識でありエイスリン達もそれが普通だから防御優先の攻撃になる

 

『仮想戦闘室ではトリオン体はいくら攻撃を受けても破損しない。思いっきり攻撃しろ』

 

 寺島の声が響く

 

「これは……」

 

「この空間で永遠に戦闘訓練できるから玄界の兵士は短期間で一定の強さを手に入れられたわけか!?」

 

「壊れないなら! 思いっきりできる」

 

 

 

 

 

 

「動きがよくなりましたね」

 

「それでも正規隊員の平均レベルか」

 

「刀のトリガーは近界にも溢れかえっているはずだからこれが彼女たちの実力になるかな」

 

「近界民でもトリガーの質が悪ければこの程度というデータは取れたね。トリオン技術の差で弱兵も強兵に変わるか」

 

「練度の差は戦闘訓練やランク戦で補えるだろう。他のトリガーでも試してみよう」

 

 エイスリン達は全ての攻撃トリガーを試していく

 

 銃トリガーや狙撃トリガーは使い方が分からなかったので教え、いろいろ試した結果元康がデータを作った

 

 エイスリン

 得意トリガー 弧月 拳銃(アステロイド)

 トリオン量7攻撃5防御・援護6機動6技術3射程3指揮4特殊戦術2

 総合36

 

 シロ

 得意トリガー ハウンド バイパー 突撃銃(アステロイド)

 トリオン量10攻撃6防御・援護6機動5技2術射程5指揮2特殊戦術2

 総合38

 

 カクラ

 得意トリガー アステロイド イーグレット

 トリオン量6攻撃3防御・援護8機動8技術2射程7指揮2特殊戦術2

 総合38

 

「まあこんなものか」

 

「正規隊員のレベルではあるけど……このレベルで遠征行けるオリクトは……」

 

「彼女たちを使えるレベルまで持っていくのも私たちの仕事、頑張らないと処分されちゃうよ」

 

「おいマイク切ってないぞ」

 

「「「え?」」」

 

 話を仮想戦闘室で聞いていた3人は処分という話を聞いて真っ青になり桑原隊の3人と寺島に泣きつくのだった

 

 

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