3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第二十話 旋空ショック

 新隊員の中には来馬の姿もあり、1年早く入隊したりと少しの違いはあるが、訓練生が多くなったことで、10月のランク戦に向けての引き抜き合戦が始まっていた

 

 他にもボーダーの隊員募集を円滑にするために幾つかの支部が発足したりと人事異動がボーダー内で起こっていたが桑原隊にはあまり影響がないので割愛

 

 引き抜き合戦に関連して部隊として原作に名前のなかった部隊も幾つかできている

 

 まず原作にある部隊として太刀川隊、東隊、嵐山隊だが、ほかに

 

 三好隊……銃手の三好隊長率いる過激派集団、隊員はオペレーター含め3名

 実力は並みだが、防衛任務にてトリオン兵に過剰な攻撃が目立つ

 

 安藤隊……勝負師の射手の安藤率いる城戸派の部隊、オペレーター含め3名

 隊長の頭は切れるのだが、トリオンが戦闘員2人共に4なので火力不足気味

 

 山本隊……縦にも横にもデカい山本隊員とオペレーターの2人部隊

 忍田派で微笑みデブ、動けるデブと言われている

 

 これに桑原隊と玉狛支部を加えた8部隊がボーダーの部隊である

 

 他にも動いている正規隊員は何名かおり、10月までには新隊員から上がってくるのも合わせれば12部隊くらいになりそうである

 

「夏海ちゃん、私達と組もうよ! ボーダー初のレディース部隊」

 

「春夏、せっかくだから俺らと組まない?」

 

「氏真、組もうぜ! スナイパー足りないから」

 

 好成績を残していた元康の弟妹も激しい勧誘を受ける

 

 氏真だけは兄の元康に友達と部隊を組みたいと伺うと

 

「最初は他の部隊で経験してみろ、多分壁にぶち当たった時に前に言った家族部隊にするから」

 

「兄さんは姉さん達や僕が壁にぶつかると?」

 

「仲良しこよしだけで上に上がれるのはごくごく一部、A級を目指すならしっかり考えておけ。ボーダーはそんなに甘くないぞ」

 

「でも兄さんは天元兄さんや淡姉さん、葵さんといった仲の良いメンバーで固めているよね?」

 

「それが一番最適だから組んでいるのであって、3人ともに隊長を経験したいからいつか分裂すると思うぞ」

 

「部隊解散するの!?」

 

「ボーダーは軍事組織だぞ、上に行くためには優秀な兵士だけではダメ、優秀な指揮官にならないと……」

 

 元康は氏真の頭をわしゃわしゃする

 

「氏真、正規隊員になったら部隊を操るイメージをもって行動しろ、イメージを努力で現実にするんだ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 個人ランク戦にて太刀川と天元が戦っていた

 

「新隊員のなかでもなかなか生きの良い奴らが入ってきたな」

 

「太刀川、ランク戦ばっかりやってないで少しは勉強したらどうだ?」

 

「うるせー」

 

 弧月と弧月がぶつかる

 

「迅がなんか企んでるんだよな、天元なにか知らねーか?」

 

「そういえば最近迅に会ってないな……なに? 太刀川とランク戦をやってるとばかり思ってたが」

 

「最近いないのよ。俺の勘がなにか企んでるって思うんだよな」

 

「太刀川の勘なら当たってるだろうな」

 

「天元も直感とか信じるタイプか?」

 

「サイドエフェクトなんて不思議な力があるんだ、第六感があっても不思議じゃねーよ」

 

 がぎんと弧月を払い、天元は太刀川から距離を取る

 

「27分割」

 

「させねーよ」

 

 分割して射撃体勢に入った天元に太刀川は踏み込んで射撃前にぶった切ろうとする

 

「はい、残念」

 

 近づいた瞬間に地面からエスクードが飛び出し、空中に太刀川は跳ね飛ばされる

 

「アステロイド」

 

 発射位置を分散させたアステロイドが太刀川はに直撃する

 

 勿論シールドでガードするが、トリオン富豪の天元の27分割アステロイドならばシールドを普通に削り取る

 

『戦闘体活動限界 ベイルアウト』

 

 

 天元がブースを出ると太刀川が待っていた

 

「やられたわ、エスクードをカタパルトにするとは考えたな」

 

「まーな、太刀川と弧月だけだと勝てなくなってきたから搦手をな」

 

「おいおい寂しいこというなよ。天元の弧月は太刀筋が俺が知る中で忍田さんの次に綺麗なんだから」

 

「慰めサンキューな……まあ全部のトリガー使ったら負けるつもりはないがな」

 

「そういえば知ってるか、今度弧月にオプションのトリガーが発表されるの」

 

「太刀川が協力していたのも含めてな」

 

「なんだ知っていたのか」

 

「ボーダー内の情報は最高機密以外はほとんど関わっているからな、旋空と幻踊だろ」

 

「そうだ、これが使えるようになれば大流行の銃手の勢いも落ち着くだろう」

 

 原作ではこの時期射手の大流行が発生していたが、合成弾含め複雑化した射手よりも銃手のほうが流行っていた

 

 この流れに攻撃手の数が減り前衛が不足に憂いた……わけではなく、遊び相手が減るのを悲しんだ太刀川は開発室の冬島(後の冬島隊隊長)と協力して旋空と幻踊を開発していた

 

 もっとも幻踊は要るかと存在価値に太刀川は疑問を持っていたが……

 

「まあ噂の旋空の攻撃力は太刀川をさらに強くできるだろうな」

 

「おう、楽しみにしておけよ」

 

「わかってる。その時は1日付き合ってやるよ」

 

「言ったな!」

 

 なんだかんだ太刀川と仲の良い天元であった

 

 

 

 

 

 

 

 エイスリン達が隔離されているフロアの実験室にて、エイスリン達はトリオン工学を学んでいた

 

 なんとかひらがな、カタカナ、足し算、引き算を覚えることができたエイスリン達はトリオンを使った家電の実験をしながらトリオン工学を習っているのである

 

「トリオン素材を使った家電は軽いし壊れにくいけど寿命が決まっているし、トリオンが完全に切れると部品が消えてしまうから物質世界の玄界だと拒否感があるんじゃないかな」

 

「トリオン量が多い人はよいが、トリオン量が少ない人は電気のほうが安定するんじゃないかな」

 

「トリオン器官を使ってなければ多い人でも35歳には衰えきるから……この国の人口のほとんどが使えないことになるんじゃないかな」

 

 開発したトリオン家電だが、売り物にするには電気みたいに各家庭に送ることはできないので、触れることでの充電式か、電池のようにトリオンバッテリーを販売することでの使い切りかしかない

 

 充電式は若者しか使いづらく、トリオンバッテリー式は普通の電池よりもコストがかかった

 

 ボーダー基地のようにトリオンの供給ができる場所ならよいが、一般家庭に普及させるのは技術的課題が山積みであった

 

「電気の代わりの万能エネルギーっというわけにはいかないか」

 

「でもこの玄界のトリオン兵は近界からしたら革新的だと思う」

 

 シロが言ったのはドローンであり、転生者3人によって約10年先のモデルとなっていた

 

 このドローンはトリオン技術とこちらの科学のハイブリットであり、低電力、低トリオンで警戒区域全域の偵察及び3時間の飛行能力、時速150キロで飛行できる傑作偵察ドローンであった

 

「近界にもバドという飛行トリオン兵はいるけど、ここまで高性能ではない」

 

「トリオンを使わない通信能力も素晴らしい、傍受されない」

 

 近界研究室が片手間で作った偵察ドローンはその後開発室で魔改造され、対空小型トリオン兵用兵器となることをここにいるメンバーは知らなかった

 

 ともかく、このような小型のトリオン兵を作ったりトリオン家電を作ることでトリオン技術を吸収していた

 

 エイスリン達もそうだが、天元達桑原隊(葵も含む)もこの実験室で技術を覚えていくこととなる

 

 

 

 

 

 

 

 実験もそうだが、エイスリン達の訓練も進んでいた

 

 オリクトの戦闘訓練と比べると訓練効率は段違いであり、三つ巴、四つ巴の訓練を連続して行うことで実戦的戦闘技術は本人たちの資質と処分されたくないという恐怖と、美味しい食事のために死にもの狂いの頑張りで彼女たちはみるみる上達していった

 

 約2ヶ月で元康の戦闘力の分析で全部合わせた総合数値が平均4ほど上がっており、目に見えて動きが良くなっていた

 

 まだ使うトリガーが訓練用の1種類のみだが、8種類の正規隊員に用になったら普通に戦力になると上層部に報告できるくらいには上手くなっていた

 

「……あとは彼女たちをまとめる指揮官が必要だねー」

 

 淡は彼女たちをまとめることができるオペレーターを探し始めるのだった

 

 

 

 

 

 

 黒トリガー……それは普通のトリガーとは一線を画す強力なトリガーである

 

 黒トリガーは量産は不可能であり作られ方もトリオン能力が優れた者が自身の全トリオンを注ぎ込むことで完成するというものだ

 

 あとは思いの力も関係するとも言われているが不明である

 

 黒トリガーはとにかく強力で、とある国が圧倒的に劣勢の時に黒トリガーが生み出され、大逆転したなんて話もあるくらいである

 

 黒トリガーの中でもさらに強力な物は国宝と呼ばれたりもしている

 

 そんな黒トリガーだが、ボーダーにも2つ黒トリガーが存在している

 

 1つは風刃……物体に斬撃を伝播させて攻撃するというものであり、物質が繋がっていれば遠距離攻撃も可能という強力なトリガーである

 

 もう1つは名前が明かされておらず、天元達上層部に近い隊員にも知らされていない

 

 というかこの時点では風刃も名前が明かされておらず、全隊員が黒い試作トリガーを握ってみてくれというテストをしただけである

 

 転生者3人は適性がなく反応しなかったが、風刃の方は多数の適性者が、もう一方は天羽月彦が適正ありとされ、B級に上がったばっかりの天羽はS級に格上げとなりざわつかせた

 

 事情を知らない隊員から陰口を言われていたが、そこらへんは根付さんがかき消した

 

 で、適性者多数の風刃は誰が使うかで争奪戦が行われ、迅が他を圧倒して風刃の使用権利を勝ち取った

 

 ……で、そうなると迅がS級へと上がったために開発途中と思われたスコーピオンが迅が使って太刀川と互角というブランド力が無くなり、このままではレイガストのように埋もれてしまうと判断した天元達は時間を作って元康がクローニンチーフのいる玉狛支部を連日訪れ、開発を継続させて、夏休み前に何とか完成、公開となった

 

 が、少し前に発表された旋空と幻踊により一般隊員からの価値は激減していた

 

 体のどこからでも刃を生やせる、軽いため機動力が弧月よりも高いといった良いところを押しても、弧月の方が攻撃力と耐久性に勝るためスコーピオンは玄人向けと思われてしまったのである

 

 勿論風間みたいに価値を理解し直ぐに弧月からの転換をした人もいたが、スコーピオンは原作よりもインパクトは控えめとなってしまった

 

 ただ、捕虜3名のエイスリン達のはスコーピオンを大絶賛

 

 弧月を捨てて全員スコーピオンを装備するのだった

 

 

 

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