3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第二十四話 初回ランク戦 円道隊-松坂隊-柴田隊-弓場隊

 結局その週に桑原隊担当の防衛任務は発生せず土曜日となる

 

「正規隊員のランク戦が始まるよな」

 

「今日B級下位だよな」

 

「見に行くか?」

 

「ログでよくね」

 

「そうだよな……リアルタイムで見る必要ないよな……」

 

 そんな会話が聞こえてくるが、桑原隊は大型モニターがある会場の席を陣取り、マイクとスピーカーを設置する

 

「桑原隊の皆さん何してるんですか?」

 

「戦闘音だけの試合見ても辛いだろ。実況解説するから、もしよかったら友達連れてこい」

 

「本当ですか! 友達連れてきます!」

 

「マジっすか! C級の友達連れてきます」

 

「桑原隊が解説してくれるってよ」

 

「まじか!」

 

 準備している間に席が着々と埋まっていく

 

 時間となり画面に映像が映し出される

 

「さあ皆さんB級ランク戦初日・午後の部始まります。特設実況は桑原隊結城淡てす。解説は桑原隊の桑原隊長と武田隊員、大空オペレーターでお送りします。皆さんよろしくお願いします」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

「まずはなぜ実況解説なんかをしようと思った経緯をご説明します」

 

「楽しく見れた方が楽しいよね?」

 

「桑原隊長はこんな感じに言っていますが、研究資料としてこれから皆さんは何回もB級ランク戦のログを見ると思います。その時に解説を聞いていれば技術の伝播も速いと判断したからです。桑原隊のモットーはボーダーの発展第一ですから」

 

「まぁ少し煩いかもしれませんが、静かに見たかったらログを見れば良いので……本来はオペレーターが実況向きだと思いますが、初回は言い出しっぺの私結城がお送りします。それでは初のランク戦なので軽くルールのおさらいです。大空さんお願いします」

 

「はいはーい! まずB級は部隊ごとに上位、中位、下位の3つのグループに分けられていて、現在12部隊あるからそれぞれ4部隊ずつ割り振られているの。それで三つ巴か四つ巴の試合をして点数を奪い合います」

 

「点数の獲得方法はシンプル。相手を倒せば1点、生き残れば2点だよ」

 

「点数を取って上位を目指して頑張れば、最終戦後に上位2部隊はA級への挑戦権……今回はテストらしいけど、それに受かれば晴れてA級部隊入りってわけよ。とりあえずこれくらいかな」

 

「ありがとうございます……捕捉で今の順位は部隊創設が早い順だから強さは関係ないです。だから下位だと言って弱いかというと違うのでそれだけはご了承を……さてステージ選択は一番順位が低い部隊が選ぶことができますが、今回のみ事前にくじ引きで引き当てた円道隊がステージを選びます」

 

「選んだステージは市街地B!」

 

「密集した家屋が立ち並ぶステージになりますね」

 

「ここから15分間の作戦タイムが発生します。ではその間にそれぞれの部隊について解説をしましょうか。武田隊員は今回参加の4部隊の内3部隊に弟妹が参加しているので詳しいと思いますが?」

 

「個々人の紹介だと時間が無いので部隊の特徴でよければ……」

 

 元康が説明していく

 

「まずステージ選択権を持っている円道隊は攻撃手の夏海が相手を押さえている間に他2名が射撃で援護するのが特徴ですね。誤射しないように連携の訓練もしっかりしているので3人揃った時の安定感は人数有利の弓場隊ともいい勝負になるでしょう」

 

「話題にだしたので次に弓場隊を説明します。最近結成した部隊なので情報が少ないですが、弓場隊長の射撃のセンスは高く、他の隊員も銃か射手トリガーを持っており中距離での火力はこの部隊がB級全体でも上位でしょう。なにより足が速いのも特徴ですね」

 

「松坂隊の松坂隊長は剣道有段者であり、旋空と幻踊をダブルセットしている珍しい隊員です。彼の強みを生かすため他2名もサポートよりとなっています。ただ、松坂隊長も本質的にはサポーター気質なので火力不足気味なのがどう改善するかが見どころかもしれません」

 

「最後に柴田隊だが柴田隊長が暴れられるかどうかにかかっているな」

 

「もう少しないの?」

 

「オペレーターの山下さんが上手いところか? どれだけ柴田隊長が気持ちよくなれるかで点数がかわってくるとしか……」

 

「ありがとうございます。話している間に15分が経過しました、転送開始です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果

 円道隊 2点

 松坂隊 0点

 柴田隊 1点

 弓場隊 6点(生存点2点)

 

「それでは今回の試合のリザルトからいきましょうか」

 

「転送位置は柴田隊長を包囲する形で他3部隊は比較的固まった感じの転送となりました」

 

「柴田隊長は運が悪かったですね」

 

「最初に接敵したのは弓場隊長とすぐに合流した王子隊員による柴田隊長への遭遇戦ですね」

 

「柴田隊長は自身の不利が確定してから慌ててバッグワームを着用したので位置がばれていました。観客席からはどこに誰がいるのかわかるのでよいですが、戦闘中の隊員たちは味方の位置しかわからないので近くに誰がいるかわかりません」

 

「転送位置の法則性でもわかるようになれば、バッグワームを着用していてもある程度の位置が分かってくるかもだけど、今回はみんな初めてだから近くの味方との合流を優先しがちだけど、弓場隊長は人数有利よりも味方を2部隊に分けて運用しているね」

 

「弓場隊のメンバーは全員が隊長をできるくらいには指揮の能力が防衛任務を見ていると高いからな」

 

「王子隊員がスコーピオンで柴田隊長を攻撃、柴田隊長は奇襲を受けますが初撃はシールドと弧月で回避したかに思えたが、弓場隊長がすかさず柴田隊長の片足を拳銃バイパーで削ります」

 

「片足が削られて動けなくなったところをバッグワームで気配を消していた武田夏海隊員が家の中からレーダー頼りの壁越し旋空! 王子隊員は反応できましたが柴田隊長はここでベイルアウト」

 

「夏海ちゃんの攻撃が上手かったし、位置情報をしっかり伝えていた円道隊のオペレーターの豪炎寺ちゃんの仕事が光ったね」

 

「ただ柴田隊長のベイルアウトにより続々と他の隊員が合流し中盤に突入します」

 

「家から出てきた武田夏海隊員を合流した松坂隊が強襲……かとおもいきや松坂隊長に400メートル離れた学校の屋上からの柴田隊の武田氏真隊員による狙撃が直撃します」

 

「柴田隊長が包囲されていたので射線が通る位置に移動していたのがこの1点に繋がったな」

 

「有利から一変弓場隊の2名と松坂隊の武田春夏隊員と円道隊の武田夏海隊員の2対1対1の状況となります。武田姉妹で共闘する流れかと思いきや拳銃アステロイドで夏海隊員が春夏隊員をノールック射撃で落とし円道隊2点目」

 

「その後夏海隊員は健闘しますが弓場隊長に仕留められベイルアウト。この時王子隊員が片腕を欠損しますが、スコーピオンは体から生やせるので戦闘能力は低下したとは言えませんでした」

 

「一方狙撃したことで位置がバレた氏真隊員を松坂隊の狙撃手である原隊員が狙撃する長距離狙撃戦となりましたが、部隊を2部隊に分けていた弓場隊の神田隊員と蔵内隊員が原隊員を仕留めて弓場隊に1点、狙撃戦で左腕を失っていた氏真隊員は自発的にベイルアウト。これで柴田隊が全滅になります」

 

「残るは円道隊の2名だが、弓場隊と弓場別動隊に挟まれて2点取られて試合終了」

 

「2対0対1対6で弓場隊の勝利です。ではこの試合のMVPは誰でしょう」

 

「まず部隊ごとの総評からさせてくれね?」

 

「では桑原隊長おねがいします」

 

「まず柴田隊は転送運が無かった。が、2人だとどうしても戦術に幅がな。柴田が圧倒的なエースに育つか、メンバーを引っ張ってこないと厳しいだろう」

 

「次に円道隊、武田夏海を単独行動させて2人は狙撃手を片付ける算段だったんだろうが、盤面を読み違えている。オペも武田にかかりっきりになってたから分散じゃなくて武田が頑張っている間に強襲すべきだったな。結果論にもなるからこれ以上は言わんがな」

 

「松坂隊は駒の実力不足、松坂隊隊長は狙撃の一撃死だから氏真隊員が上手かったとしか言えんが、エースを失ってからの動揺が酷かった。以上」

 

「弓場隊は転送位置からの作戦変更が良かった。前から準備していたのかもしれないけど、普通に上位に行ける実力はあると見た。桑原隊としては戦いたい相手だ」

 

「結構辛辣ですね」

 

「ダメなところはしっかり言っとかないと成長しないのよ」

 

「それでは実況解説の桑原隊でした」

 

「明日の試合は防衛任務が入っているから午前の部はできないし、午後の部は自分たちの試合だから無理ですので、また来週になります。ではまたよろしく」

 

 

 

 

 

「桑原隊の実況面白かったよな」

 

「わかりやすかったし、また聞きにいきたいわ」

 

「ログで見るだけとは面白さもわかりやすさも段違いだな」

 

「スポーツ観戦気分で観れるのも良いわ」

 

 桑原隊の実況は好評で他の隊員からまたやってくださいと言われた

 

 今後桑原隊が解説するときだけモニター席が満席となり、武富オペレーターが入隊する来季まで仮設実況で続いていくのだった

 




なるべく早く出します
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