3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~ 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
すみません
B級ランク戦前日に実況を、当日にも防衛任務を自発的に入れた桑原隊の様子をみて、大半が余裕の表れだと言った
短期間で数々の実績と成果を積みあけてきた桑原隊のことを誰も驕っているとは言えなかった
「ただまー、B級ランク戦で実績を残さないといけないのは確かだからな……」
そう天元は呟く
『ゲート発生、ゲート発生、東250メートル地点にゲート発生』
「元康、淡」
「わかってる。鹵獲だろ」
「迅からの予言で天元にお嫁さんができるって聞いたときには爆笑したけど、よりよい未来のために頑張りますか」
ゲートから出てきたトリオン兵はどこか見覚えがあった
「人型……いや、コアがあるからトリオン兵だな。おじさんなーんか見覚えがあるんだけど」
「艦これのレ級っぽくないですか?」
「それだ」
「でもコアの位置独特だね。口とか顔にあるのがほとんどだけど、今回の心臓部にむき出しじゃん」
「なるべく原型をとどめたまま鹵獲する。寺島さんに徹夜して作ってもらったこれでな」
天元が取り出したのはトリオン吸引機と呼ばれる大きな注射器みたいなトリガーだった
オリクトのトリオン吸収トリガーを解析し、敵のトリオンを空にすることで無力化させる兵器だが、それをやるくらいなら破壊したほうが手っ取り早いため廃案になっていたが、迅の予言を聞いて天元が引っ張り出してきて、寺島さんに実用化してもらった一品である
大きさ故に近距離で突き刺さないといけないため、技量が高くないとそもそも使えないが……
「気を付けろ、しっぽからレーザー発射してくる。性能は強化アステロイドってところか?」
「チャージ時間が必要っぽいなレ級擬き」
『こちら元康、バムスター掃討完了、そっちに合流する』
「うい、こっちももうすぐ終わる」
ビームは後ろのしっぽみたいなのから拡散レーザーをぶっぱなしたりしてくるが、細いレーザーはシールドで守り、太めのレーザーは避ける
しっぽにアステロイドやバイパーをぶつけてレーザーを使用不能にさせながらトリオン吸収器を刺して次々に無力化していく
「葵さん、残りは?」
『レーダーに敵は居ないよ。防衛任務完了』
「ふー、バンダーを人型にして機動力を上げた代わりに砲撃能力を劣化させて捕獲能力を無くした感じか?」
「10体は捕まえたけどこれがどうやったら天元の嫁に繋がるの?」
「わからん」
人型でコアの位置が違う位しか特徴無いような気がするが、迅に言われた通り半数の5体は玉狛支部に運び、3体は開発室に、残り2体は研究室に運び込んだ
その時鬼怒田さんに
「無茶するな……がここまで綺麗に鹵獲するとは、流石桑原隊だ! 開発中の防衛装置の砲撃装置になるかもしれん。助かった」
と誉められた
エイスリン達にも見せたが知っている国のトリオン兵ではなかったらしく特に情報は得れなかった
とりあえず解析に数日はかかるので、桑原隊はランク戦に頭を切り替える
防衛任務中に行われたB級ランク戦、初日午前の部の結果は
嵐山隊 5点(生存点2点)
安藤隊 2点
三好隊 0点
山本隊 0点
といった感じで、4人チームの嵐山隊が他の部隊を圧倒して勝利をもぎ取った
「市街地Aか。無難なのが来たな」
隊室にてステージの発表が入った
15分間の作戦タイムに入る
「トリガー構成に変更は無し、元康はバッグワームを着用して射撃ポイントを抑えろ、存在感を出さないことで東さんを牽制する。淡は単独でも暴れて点数を取ってこい。俺は淡に合流して援護に入る。ポジションが悪かったらこっちも単独行動にシフトする」
「「了解」」
「葵さんは俺と淡の視覚情報の一部を元康に送ってください。それで元康はロックオンできる」
「了解」
「じゃあ……やるぞ」
「「「おう!」」」
【B級ランク戦 上位グループ 初日 夜の部 ステージ市街地A】
『転送開始』
転送が終わった淡はマップ確認を開始する
『転送位置確認中……淡ちゃん、すぐに西に移動して! 敵の真ん中に転送されてる』
「……天元!」
『問題ない、淡、メテオラの置き玉をばらまき、敵を吸引して乱戦に持ち込め、追い付き次第俺が敵側面から急襲して突破口を作る』
「了解……半径200メートルに反応2つ……体つきからして……加古と烏丸かな?」
淡の空間把握は顔付きや色まではわからないが、体格や身長、髪型からだいたいの予想はできる
「さて、仕事をしますか」
メテオラを設置し、走りながら2人の方向にバイパーを発射する
『警戒、トリオン反応! 烏丸君』
「了解!」
エスクードで壁を作り、守りきれない場所はシールドで防ぐ
「バイパーの発射位置と敵の目視はできなかったのでさっきのは結城さんかな?」
『たぶんそうだね……太刀川さん、出水君、位置的に結城さんを包囲できる位置だけどどうする?』
『淡を落とせればデカイし、3対1に持ち込めば流石の淡も落ちる。出水、烏丸落ちない様に気を付けながら接近しろ』
『「了解」』
「やっぱり凄いわね淡のバイパーは。変態過ぎない?」
『感心している場合か加古、ダメージは?』
「あら二宮、私を心配してくれているの?」
『お前が速攻で落ちると他の部隊への攻撃力が落ちるだけだ』
「ツンデレってやつ?」
『黙れ』
「東さん、何とか援護くれないかしら? 淡のバイパーを何発も貰ったら落ちると思うのだけど」
『……よし、三輪は加古の援護に行け、俺は射線が通る場所に移動する』
『「了解」』
『二宮は近くに結城の方向に近づいている反応がある。そいつが桑原なら倒せ、他だったら牽制しつつ、結城の近くに誘い込め、結城の処理能力を圧迫しろ』
『了解』
「レイジさん、あっちでドンパチ始まったけどどうする?」
「俺達は転送された場所が良かったからな。あのバイパーからして淡だろうな。迅からのアドバイスもある。ゆりさん、淡の射程圏内に入らないようにナビゲーションお願いします。距離を詰めます」
『わかりました。小南ちゃんもそれで良いね?』
「わかったわ」
ここで淡の射程圏内200メートルの反応が5つに増える
「太刀川さん、出水、三輪が追加かな? 太刀川隊は釣れたかな? ……天元このまま迎撃するよ」
『了解、こっちも二宮とぶつかった。元康、スポットできたか?』
『こちら元康、太刀川と出水、二宮はロックオンした。淡、できれば他の加古と三輪、烏丸を目視してほしい』
「結構無茶言うね……わかった」
民家の屋根に上った淡は三輪と加古を発見する
「元康、ロックオンできた?」
『できた。烏丸は?』
「ちょっと余裕無いわ」
二方向からアステロイドが飛んできた
加古と出水が屋根に上って目立っていた淡に攻撃したのだ
「バイパー」
27分割のバイパーが発射される
バイパーはアステロイドよりも威力は低いがトリオン量が19と隊員内だと最高の淡は他の隊員のアステロイド並みのバイパーを放つ
細い路地や空から等防ぎ辛い位置から攻撃しているが、全て防がれてしまう
「ありゃ、次は1000分割にしようか? 三雲のひょろひょろ玉位の威力は有るでしょ……!」
『太刀川警戒!』
淡は咄嗟に集中シールドと弧月で太刀川の片手旋空を防ぐ
「メンバーがメンバー……ヒュースの包囲よりもきついんじゃない?」
駐車場に移動した淡は太刀川、出水、烏丸、三輪、加古に包囲された
『流石精鋭部隊だね。私への警戒凄いわ』
「淡、どれくらい持ちそうだ?」
『3人は落とせそう。後は知らん』
「OK、二宮落としてそっち行くわ」
「俺を落とすだと?」
「今の二宮は俺にとってそこまで驚異じゃないんだわ」
「ふん」
二宮は24分割したアステロイドを放って来るがそれをシールドで防ぐ
すると6分割のアステロイドが飛んでくるので建物の影に隠れてやり過ごす
こちらも27分割のアステロイドを放つが防がれる
と、アステロイドと同時に放ったバイパーが二宮に突き刺さるが、これも二宮はシールドで防ぐ
「二宮、それじゃあ駄目だ。東さんの位置がバレるぞ」
「!?」
二宮は上手いこと天元を東の射線が通る位置に誘導しようとしていたが、天元と淡の居る位置に射程が通る場所は限られる
目視はできないが、牽制はできる
アステロイドを威力を削り、距離延長に振り分けて発射する
マンションの窓ガラスが割れた
「おいおい、ニアミスじゃねぇか」
東は確かにそのマンションに居たが、階層が1階下だった
が、位置バレしている以上ここで狙うのは危険だが、今移動すると元康かレイジがマークしている可能性もあるので動けない
「浮いた駒になってしまったか……仕方がない。二宮の方を集中して援護するか……ん?」
「見つけた!」
「おいおい、ここでお前らが参戦ですか!? 小南先輩にレイジさん」
「悪いな天元、ポイントをいただいていくぞ」
「俺の点だ」
天元は小南とレイジが接近していたのに気がつくのが遅れたが2対1対1の盤面ができる
小南先輩が弧月でガンガン攻めてきて、それを二宮とレイジが射撃で援護してくる
「ちっ、ラチがあかん」
イラついた二宮がフルアタックをしようとした時、1キロ以上離れた遠方から一撃が二宮に突き刺さる
「な?」
二宮、狙撃によりトリオン供給器官破損でベイルアウト
「天元ナイスだわ、東さんの位置もバレたし、次は淡の方の援護かな」
視覚情報提供により天元から二宮の情報を受け取っていた元康は二宮がフルアタックをする瞬間を待っていた
ロックオンはできてもフルアタックをするみたいな情報は視覚情報を共有していないと無理な為、天元と元康のコンビネーション攻撃であった
「撃ったらちゃっちゃと移動しますか」
『けっこうこっちもピンチなんだけど!?』
「天元が玉狛引き連れてそっち行くから上手いことトラップ作動させろ」
『まぁやってみるけどさ』
淡は3対2対1の状況下で奮闘していたが、既に左足を失い、腹部からもトリオンが少し漏れていた
他5名もバンバン飛んでくるバイパーや弧月による攻撃で片腕や足を欠損していたが
「しぶとすぎんだろ!」
「太刀川もね!」
5分以上乱戦の中太刀川と斬り合っているが、まだ決着が着かない
そうこうしていると淡のサイドエフェクトに200メートル以内に反応が3つ増える
「それじゃあお開きにしましょうか!」
バイパーを起動して200メートル以内に100ヵ所以上設置したメテオラにバイパーで起動させる
空間把握でばらまいたバイパーを全て把握でき、バイパーをリアルタイムで射線を描ける淡の芸術的攻撃である
「着火!」
「「「「!?」」」」
メテオラの置き玉が一斉に着火し、淡を中心とした半径250メートルがチカオラとかクラスター弾みたいな連鎖爆発が発生する
メテオラによる置き玉攻撃は個人ランク戦で多少の情報が有ったが、淡のトリオン量+マップ一角をバイパーによる起爆で同時爆発はとてもじゃないが耐えられない
バババシューン
放った本人含めて固定シールドで防いだ天元以外敵7名(太刀川、出水、烏丸、三輪、加古、レイジ、小南)ベイルアウト
防いだ天元も無傷といかず、所々からトリオンが漏洩していた
「はあ!? なによあれ!? ふざけんじゃないわよ!」
「完璧にやられたな。纏まった瞬間に自分もろとも爆殺とは」
玉狛は200メートルの範囲にギリギリの位置に居たのでバイパーが飛んできても2人なら守れると思っていたので、メテオラによる起爆は考えていなかった
「これで桑原隊は8点?」
「そうだね。残りは東さんと元康君と天元君だけだね」
「東さんでも厳しいんじゃ……あ」
「おお! 天元をスナイプした!」
「トリオンの漏洩でシールドの威力が落ちていたからか?」
「でも残りスナイパー2人じゃない? 隠れ合いになって終わりじゃない?」
「残り15分……どうなるかな?」
「……駄目だ、東さん完全に隠れて見つからねぇ! 東さんロックオンできてないし、俺も下手に動いて探索できないから無理だこれ」
『まぁしゃーねぇよ。8点獲得したから万々歳だろう』
『あと2分粘って終了ね』
「あー、パーフェクト狙いたかったな!」
『欲出さない。初見殺しだけど最上位の部隊から8点取ったんだから……ね!』
「はいはーい……と、終わりか」
『時間経過により試合終了』
B級ランク戦
初日 下位
弓場隊 6点(生存点2点)
円道隊 2点
柴田隊 1点
松坂隊 0点
初日 中位
嵐山隊 5点(生存点2点)
安藤隊 2点
三好隊 0点
山本隊 0点
初日 上位
桑原隊 8点
東隊 1点
玉狛第一0点
太刀川隊0点
順位
1位桑原隊 8点
2位弓場隊 6点
3位嵐山隊 5点
4位安藤隊 2点
5位円道隊 2点
6位東隊 1点
7位柴田隊 1点
8位玉狛第一 0点
9位太刀川隊 0点
10位三好隊 0点
11位山本隊 0点
12位松坂隊 0点
次回桑原隊 弓場隊 嵐山隊