3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~ 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
4月第3週の日曜日
「じゃあ俺葵とデートしてくるわ」
「相変わらずお熱いねえ兄さんは」
「氏真は素直でかわいいなぁ。それに比べて妹たちは……」
「ボケ兄、こっちは出来の良すぎる兄がいると比べられて大変なんだぞ」
「母さん父さんは理解があるから良いけど先輩や先生達から元康生徒会長は凄かった凄かったってうるさくて」
「夏海姉さんが一番被害大きいよね」
「氏真は中学行ったら私たちの苦労がわかるよ」
「苦労してんな」
「「お前のせいだろ!!」」
「まったく、いっつも喧嘩してんな」
「父さん今日はどこか行くの」
「んー夕方に母さんと買い物行くくらいだな」
「一応大丈夫だと思うけど何かあったら■■駅で待ち合わせで」
「日曜になると毎回言うけど何かあるのか?」
「兄さん今更中二病? 勉強し過ぎて壊れた?」
「んーまあ天災みたいなのでこの市が壊滅するって言ったらどう思う」
「やっぱり父さん兄さん壊れたっぽいよ」
「熱でもあるのか?」
「大丈夫、父さんこの前つくったリュックなにかあったら持って行ってね」
「お、おう……本当に大丈夫か?」
「大丈夫、じゃあまたあとで」
「おう、いてらっしゃい」
「絶好のランニング日和だねぇ」
「まーな、元康は今日もデートだと」
「お盛んだねぇ」
「今週はどうだろうな。一応防災リュックは持ってきたが……」
「どうだろ? 一応安全も考えてとなり町の運動場に来てるけどさ……でか遠すぎないまじここの運動場」
「しゃーねーよ、三門の運動場の方が近いし……我慢しろ。油断して死にたくねーからな俺は」
「はいはい……そろそろ10時か」
「一旦切り上げて飯でも食おうぜ。腹減った」
「定食屋でも行く? この前見つけたんだ! 量多くて美味しいお店」
「またでかくなるぞ。胸と背に」
「やーいちび」
「淡がでかすぎるんだよ! なんだよ195センチって! 巨人か」
「いやぁ食べた物が全部背と胸に行って悪いね……でも胸はHもあるとブラ合うのが少なくて困るからこれ以上はでかくならないでほしいわ」
「無い人が聞いたら血涙流すぞ」
「へいへい。でも天元も183だっけ? 止まった?」
「背か? まだ微妙に伸びてる。元康は178で止まったらしいが」
「葵先輩と夜に長電話してるからだよ。適切な時間に寝ないと成長ホルモンバランスが崩れるから背が止まるんだよ」
「前世含めて初めてできた彼女らしいから熱量がハンパないからな」
「お熱いことで」
「元康君、どっちの服が似合うかな?」
「どっちも似合うけど……強いて言うなら右の青いコーデかな?」
「あ、私もこっちかなって思ってたの!」
何気ない日常
平和な時間
それが終わりを告げる
「おい! なんだあれ!」
「か、怪物だ! 怪物が出た!!」
外がいきなり暗くなり、漫画やアニメでしか見たことの無いトリオン兵達が現れる
「……逃げるぞ葵」
「え! え!」
葵の手を引っ張り人気の少ない場所を通りながら隣の町に避難する
「ねぇ……さっきの怪物みたいなの何?」
「……異世界からの怪物さ」
「元康はしっていたの? この事を」
「ある程度は。いつ来るがとかは知らなかったけどね……とりあえず緊急時に集まる場所をあいつらと指定してある。そこまで行けるか?」
「大丈夫。行けるけど……お母さん達が少し心配」
「今日は家に?」
「うん、家に居たハズ」
「とりあえず三門は戦場だ。今は危ないから逃げよう」
「わかったわ」
隣町のとある駅にて
「天元兄ちゃん! 淡姉ちゃん!」
「おう、氏真大丈夫か? 怪我無いか?」
「大丈夫! 兄ちゃんは? まだ?」
「まだだな。葵先輩連れてデートだったからと距離あるし、もう少しかかるんじゃないか?」
「はぁはぁ……2人共無事だったか」
「おじさん、おばさんもご無事で……私達もたまたま隣町に来ていたので無事でした」
「ま、まさか元康が言っていた災害が本当に起こるなんて……こ、ここも安全とは限らないんじゃないか? もっと遠くに逃げないと」
「とりあえず元康も何か有ったらここに来ることになってますんで少し待ちましょう。俺の親父やお袋も無事なら合流しますし」
「アメでもなめて落ち着きなって」
「淡姉さんと天元兄さん落ち着きすぎでしょ」
「怪獣だよ怪獣!」
「怪獣だなぁ……」
「そうね」
「「いや、もっとリアクションあるでしょ!」」
「おじさん、車乗って良いっすか? ラジオで情報聞きたいっす」
「防災無線が煩くて」
「あ、あぁ。良いぞ」
「失礼します」
ラジオでは三門市が大混乱になっており、自衛隊が出動したというニュースや災害の様子を録ろうとしたヘリコプターが撃墜されてテレビ局員が亡くなったなどという悲痛な叫びばかり聞こえてくる
10分後には車で天元や淡の家族も合流
慌てる親達を落ち着けながらコンビニで買える物を買い占めたりしていると元康が葵を連れて合流した
「葵ちゃん! 元康良かったわ無事で!」
「元康君が守ってくれました」
「元康どうだった町は」
「パニックだよ。市街地に向かってしまった人も結構居たな。俺達はとりあえず郊外に出てから大回りしてからここに来たから時間がかかった。すまん」
「無事なら良いんだよ無事なら」
「どうする? 車はあるしどこに逃げる?」
「とりあえず大人集めて作戦会議としますか」
車を路駐させ、地図を広げてどこに逃げるか話し合う
「混乱防止の為に戒厳令に近しい何かが発生する可能性があるからとりあえず隣の県まで行こう。ホテルの予約してみるが、最悪路駐を覚悟してほしい」
「被害が沈静化するまでは1週間くらいかなぁ私の予想だと……それまでホテル生活でも大丈夫くらいお金ある?」
「とりあえず生きてるATM有るところに行きますかねぇ。お金下ろさないとねぇ」
テキパキと今後の行動を決めていく3人を見て親達は冷静な息子、娘によってパニックから落ち着きを取り戻しつつあった
「葵先輩、家族の心配もあるでしょうがこの緊急時だ。俺達と避難して貰いますよ」
「わかったわ。でも落ち着いたら直ぐに家族を探させて」
「約束する」
行動が素早かったからか生きているATMを見つけ、お金を引き出し、ホテルの予約を取ることに成功する
隣の県のホテルに移動し、3人は娯楽室で話をする
一方大人達も集まりタバコを吸いながら話をする
「いやぁまさか本当に怪獣が襲ってくるなんて驚きましたよ」
「あぁ、全くだ。桑原さんと結城さんも息子さんや娘さんから何か聞いていた感じですか?」
「4月初めくらいから何か有ったらここに逃げてと言われてましたね」
「同じく」
「予知能力でもあるんですかね?」
「まあでも無事に生き残れたことを喜びましょう」
「自衛隊も出動していますし直ぐに怪物を倒してくれるでしょう。家が無事だと良いけど」
「東三門はすごい被害だとか……市街地の殆どの家屋が倒壊して生き埋め多数だとか」
「ゾッとしますなぁ」
「落ち着いたらうちは葵ちゃんのご両親を探さないと」
「手伝いますよ」
「助かります」
「しっかし長男長女達が切れ者だとこういう時に頼りになりますな」
「大人達の方がパニックになってしまってましたからな」
「我々は運が良かった。誰も犠牲者が出ずに脱出できたのたから」
「幸運を噛み締めないとですね」
一方天元達はこれからの方針を考えていた
「とりあえず家族の安全は保障できたか」
「葵の家族がまだわからないけどな」
「それはしゃーない。事前にそれとなく伝えてはいたんだろ」
「まぁ」
「三門は混乱状態だから安否確認はもう少しかかるな」
「それはそれとして、三門から戦場が広がらないのは私達しかしらないし、明日には旧ボーダーが介入して事態が沈静化するのも知らないからどう説明する?」
「テレビつけておけば大丈夫じゃないか? そのうちボーダーの情報が映るだろう」
「それで、とりあえずどうする?」
「安全論を説いて数日ここで生活するしか無いだろ。三門は自衛隊の作戦行動中で入れなくなってるし」
「インフラ破壊されてるから元の生活に戻るのはいつになることやら……」
「まぁでも目標の1つ大侵攻を生き残るは達成したろ。次はボーダーに入るだな」
「募集開始したら直ぐに入る感じ?」
「それしかないだろ」
『コイツらの事は任せて欲しい。我々はこの日の為に備えてきた』
『突如三門市に現れた異次元からの侵略者を政府は近界民(ネイバー)と命名、更に自衛隊■■方面隊壊滅により早急な防衛体制構築の為近界民を独自に撃退に成功したボーダーと呼ばれる集団に対して自衛隊とは別系統の組織創設により近界民撃退を主目的とする界境防衛機関創設を依頼を政府は承認。組織の拡大を行っていくとのこと』
私達が三門市に再び入れたのは1週間後であり、郊外に位置する場所に家が有った為に私達の実家は無事だった
葵先輩の家族の安否も確認ができ、腕を骨折したりと怪我をしていたが、命に別状はなかった
ただ学校側は結構な被害が出てしまっており、クラスメートの中には亡くなったり、家族が被害が出た子も多く、大侵攻の爪痕の大きさに悲しみを覚える
被害は東三門が壊滅し、約1200名が死亡、約400人が行方不明、重軽傷者、家を無くした人はこの10倍近くにのぼった
国は復興支援をボーダーと共に行い、日本には珍しいくらいに復興はスムーズに行われるのだった
大侵攻から約4ヶ月と少し
高校はようやく再開となり、隣町の高校に疎開していたが校舎復興によりようやく六頴館高等学校に通えるようになった
そうした中、ボーダーが隊員募集を発表した
僅かな期間で原作に有る馬鹿デカイ基地は完成しており、ここからいよいよ原作が始まると思うと俺達は少しワクワクしていた
親達はボーダーに入ることを猛反対
そんな訳のわからない組織に入って未来を潰すことを必死に止めてきたが3人は止まらない
というかその為に鍛えてきたので止まるハズがなかった
理論武装、言いくるめ、根気強く粘りこんで親達も根気比べに負け、試験を受けることと受かった場合の入隊を許可
筆記試験、体力テスト、面接を受け無事にボーダーに入隊するに至った
「ふぅぅ、勝ち取ったぁ!」
「めんどくさかったぜ親説得するの」
「案の定葵先輩落ちたな」
「トリオン2だもんしゃーない。オペレーターの枠空いてるからそっち行くって」
「なるほどなぁ、先輩の頭脳なら大丈夫だろ」
「とりあえずまずは入隊式からだなようやっとトリガーに触れるよ」
「最初期だからトリガーも種類無いんじゃない?」
「かもねーまぁ楽しみだわ」
町をぐちゃぐちゃにされたり親族が殺された訳でもない3人の転生者と周りの雰囲気の違いによる意識の差に苦しむまであと少し……