3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~ 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
入隊式
この日を境に旧ボーダーからボーダーへと組織が正式に生まれ変わる
先行で入隊していた大人の人員の指示に従い体育館の様な場所に訓練生達が集められる
白を基調とし、オレンジ色のセンターラインが入ったC級訓練服である
「おい、あれって」
「ああ、三門第三の天才達じゃね?」
「今六頴館高等学校の」
「アイツらも入隊かよ」
これまでの行動で三門市ではそこそこの知名度を誇る3人
ただやはりというか殺気だっていたりする人も多く、親族が亡くなった為にボーダーに入り稼がないとという切迫した人物も居るので全体的に雰囲気はピリついていた
「漫画やアニメの入隊式とはやっぱり違うな」
「大侵攻から半年も経過してないからな。しかたねーよ」
「なんか視線すごい感じるんだけど」
「そりゃ淡がデカイからだよ。まだ身長伸びたか?」
「今197センチ」
「馬鹿デカイな相変わらず」
そうこうしていると式が始まる
まず初めに最高司令官の城戸司令から挨拶がある
『司令官の城戸だ。事前の説明の通りボーダーでは近界民の撃退を主任務とする。学業ではないため規律違反は厳命に処する。以上だ』
続いてボーダーの説明としてボーダー幹部の忍田さんからの説明が始まる
「まずこのボーダーという組織はなにぶん出来立ての組織だ。君達はまず訓練生からスタートして貰う」
後の本部長の忍田さんからの説明でまず階級としてS、A、B、C級の隊員で、旧ボーダー関係者以外はC級の訓練生から一律スタートとなる
B級に上がるためには訓練服の手の甲に浮かんでいる数字が4000を超えるとB級に昇格となり、B級からは正規隊員として防衛任務に従事することとなる
それと同時にB級からは部隊を作ることが許され、ランク戦と呼ばれる部隊間戦闘を行い、成績優秀な部隊はA級へと上がる試験を受けることができるとのこと
原作では上位2部隊がA級に挑戦資格を得れるとなっていたが、そもそもA級が居ない現状で挑戦権を貰っても戦闘のしようが無いので試験となっているっぽい
「そしてボーダーでは近界民に攻撃可能な兵器、通称トリガーの開発を行っている。トリガーは最大8つのチップを使い分けることができるが、訓練生は1つのチップまでとさせて貰う。今回は2種類の攻撃用トリガーから自身のトリガーを選んでくれ」
出されたのは弧月(刀型のトリガー)とアステロイド(射手のトリガー)である
というかたぶん現状ではこの2つのトリガーしか量産化されてないのだと思う
訓練生の数がだいたい60人なので、旧ボーダーが色々あって10位なのを考えるとこの2つを揃えるだけでも結構苦労したんだろうというのがわかる
「天元、元康どっちにするの?」
「とりあえず弧月じゃね? 4000たまったら直ぐにアステロイドの方も取りかかる」
「まぁその為の剣道だったからな」
「あーあー皆射程有利だからアステロイドに飛び付いちゃって」
「操作で苦労するんだろうなぁ」
とりあえず3名は刀のトリガーの弧月を選択
「先ほど4000点と言ったが点数をあげる方法は2つ、週2回の合同訓練で良い成績を残すか対個人のランク戦でポイントを相手から奪い取るかだ」
忍田さんからの説明で、他の隊員もトリガーを決めていき、次の説明のためにブースに移動する
「ここが仮想戦闘訓練ができる訓練室で仮想の近界民と戦ったり、ランク戦以外の戦闘訓練をすることができる。今日は君達の技量を測るためとデータの蓄積のためにここで仮想の近界民と戦って貰う」
「制限時間は5分でタイムが早いほどポイントを付与する。それでは名前を呼ばれた者から行って貰う。赤須、東、泉、岩倉、岩永……」
3人は他の隊員がやっているのを観察しながら作戦会議を行う
「あー、そういえば最初はこれだったな」
「これならアステロイドの方が良かったかな?」
「いや見てみなよアステロイドの制御が皆できてないから弾が変な方向に飛んでいってる」
「ありゃー、本当だ」
「弧月で正解だよ」
「原作だと初見はどんぐらいのタイムが良いんだっけ?」
「1分切ればまあまあ、15秒切れば新人王クラスじゃない?」
「となると一撃で急所を仕留める必要があるか」
「今戦ってるのバムスターだっけ? 訓練用に小型化してあるけど」
「急所は口の中の瞳みたいなやつだよな」
「だいたい2.5メートルってところか? 位置的に」
「トリオン体なら3メートルくらいは飛び越えられるから飛んで急所突き刺して終わりだね」
「淡は手を伸ばせば届きそうだけどな」
『桑原! ……』
「お呼びじゃない天元?」
「じゃ、ぼちぼちやってきますか!」
「頑張れ!」
『訓練を開始します。準備してください』
「さてと、まぁ1分切ればいいや。どれくらい装甲が硬いか試し斬りしてから急所狙いますかね」
ビーっとブザーが鳴る
縮地の要領で一気に間合いを詰めて踏み込み、飛び上がって弧月をバムスターの頭上から振り下ろす
グニョン
「あれ?」
バシュっとまさかのそのまま装甲をバターの様に切り裂き、急所を袈裟斬りにして顎を貫通
ビー
『2号室終了、記録2秒』
「柔らか過ぎだろ」
「おいおい観たかよ! 2号室の奴」
「2秒だってよ! 凄すぎだろ」
「つぇぇ!」
「……おもしれぇ」
「太刀川どうかしたか?」
「いや、面白い奴も居ると思ってな」
別の高校と馬鹿なので天元の事は知らない太刀川であったが、天元の太刀筋を見て面白い奴とロックオンした
「ふー、なるほどね」
『記録1分15秒』
「アステロイドかぁ。まっすぐ飛ばすだけだけど少しコツが要るね」
東はアステロイドを操りながらそう口にした
「東、どうだった?」
「沢村さん、まあまあだよ。射程がもっと長いと俺は嬉しいけどね」
「私はこの弧月っての気に入ったわ……というか東、忍田さんカッコ良くない?」
「そうだな。できる大人って感じで好感持てるな」
「でしょでしょ! なんか俄然やる気出てきたわ」
「お、おうそうか。頑張れよ」
「よっしゃー! 頑張るぞ! ……ん? 何か騒がしくない?」
「今2秒の子が出たんだって」
「へぇ凄いじゃん。どんな子?」
「2号室から出てきたアイツだよ」
「高校生かな?」
「じゃないか?」
「ライバルの登場ね」
「いや、お前眼中に無いと思うぞ」
「バムスターってこんなに柔らかいのか? 豆腐とか熱したバター斬ってるみたいな感覚だったぞ」
「トリオン量が俺ら多いもん。出力が違ければそうなるって」
『次4号室武田』
「俺の番か」
「多少雑でも何とかなるぞ」
「ういうい」
結果元康は3秒で、淡は弧月が飛ばなくてもバムスターの急所に届いたので1.5秒だった
訓練生達の様子を観ていた後の玉狛支部の旧ボーダーの3人(迅悠一、木崎レイジ、小南桐絵)は意見を言い合う
「ふーん、雑魚の他にまあまあの子も居るじゃん」
「桑原、武田、結城だったか? 他にもセンスがありそうなのがゴロゴロ居るな。迅はどう思う?」
「太刀川と東、風間さんの弟も追加で。他にも面白そうな未来の奴が何人か」
「粒ぞろいって感じか」
「しっかしやーね、皆殺気だっちゃって……城戸さんも変わっちゃったし、私昔の城戸さんの方が好きだったな」
「仕方無いだろ。仲間が死にすぎた。ボーダーが変わらなければならないのは必然だし」
「俺のサイドエフェクトも城戸さんの行動が良い未来に進ませてるのは確かだ。もっともまだ悪い未来も見えるけどな」
「さーて、先輩として天狗になりそうな後輩の鼻を叩き折りますかね」
「ほどほどにしておけよ」
「わかってるわよレイジ!」
「5分から1秒短いごとに1ポイントってことか?」
天元1298、元康1297、淡1299とポイントが加算されていた
「原作とは少し勝手が違うけど、1期生だからボーダーもポイント制度は手探りなのかな?」
「どうする? もう少し仮想トリオン兵で遊ぶか?」
「いや、それよりも個人ランク戦でバチバチにやり合った方が楽しいでしょ」
「入隊式も終わったからいっちょやりますか」
個人ランク戦のブースに行く
大人のスタッフが1から教えてくれる
原作では空閑が時枝に教わっていたが、今は新隊員しか居ないので教える先輩が居ない
だから大人のスタッフが丁寧に教えてくれる
「C級でのランク戦はC級同士での戦闘を想定しています。4000点以下の隊員ですね。ランク戦ではまずブースに入って貰い、こちらのタッチパネルを押すと数字が色々と出てきます」
1050 弧月
1025 弧月
1000 アステロイド
989 アステロイド
「このように数字はポイントを、隣はその隊員が使うトリガーを現しています」
「好きなのを選んで押せば数秒後に対戦が始まります。この戦闘シュミレーションの醍醐味はなんといっても何回でも戦えることです。生身の身体であれば怪我を、トリオン体でもトリオン体が壊れれば戦闘訓練が困難になりますが、仮想戦場では何度戦闘しても次のラウンドには治っています。その為おもいっきり戦うことができるのです」
「なるほど」
「ちなみにですがこちらが挑むということは相手からも挑まれるということです。ブースの中に居る間は挑まれる可能性もあるので注意してください」
「何か質問はありますか?」
「獲得できる勝利ポイントと何回勝負なのか教えてください」
「C級ランク戦では基本的に1回勝負で決まります。また勝利ポイントの幅は誤差200以内は25ポイントを基礎とし、おおよそ1000差で50ポイント2000差で100ポイントとなり、逆に自身よりも少ないポイントだと1000差で半分、2000差で1/4と減りますが、最適値は5に固定されています」
「なるほどなるほど」
「現在ステージは開発中の為4ステージしかありません。市街地A、B、Cと空き地になります。簡単な地図を観ますか」
「お願いします」
「まず市街地Aです」
| 民家 | 民家 | 通り | 民家 |
| 通り | 通り | 通り | 通り |
| 民家 | 民家 | 通り | 民家 |
| 通り | 通り | 通り | 通り |
「市街地系列は民家と通りで構成されており、横Hの市街地A、十字の市街地B、Y字の市街地Cとなっています」
「そして空き地はこうなっています」
| 民家 | 民家 | 通り | 民家 |
| 通り | 空き地 | 空き地 | 通り |
| 民家 | 空き地 | 空き地 | 民家 |
| 民家 | 通り | 民家 | 民家 |
「またC級ランク戦ではこの4つのステージからランダムで行われ、広さは縦80×横80メートルの広さになっています」
「何かご不明点が有ればスタッフに声をかけてください」
とのことだった
B級ランク戦用のステージの一部を切り取って作った……場合によってはB級ランク戦用の1つのステージから切り取ってきた可能性もある
まぁボーダーの基地が完成してまだ1ヶ月も経過していないのだからその状態でもランク戦が行える方が凄いというものだ
「とりあえずランク戦やってみるか」
「私このブースでやる」
「じゃあ俺らは別のブースに行くわ」
「こてんぱんにしてやるよ」
天元はブースに入るとタブレットをタッチする
「俺入れて30人か。初日ってのもあるが賑わってるなぁ」
とりあえず弧月は元康と淡に当たる可能性もあるのでアステロイドの人に狙いを定める
「俺の予想が正しければ……お、マッチングした」
『C級ランク戦 対戦ステージ市街地A 対戦スタート』
対戦相手との距離はおおよそ30メートル
民家の中には転移せず通りで正面に現れた
「アステロイド!」
「あちゃー、やっぱりなぁ」
まぁ仕方がないが分割しないで大玉で放ってくるので軽く避けながら間合いを詰める
「ほい! いっちょ上がり」
ズバンと首を切断して試合終了
ブースに戻った天元は
「これアステロイドの子は鴨だわ」
試合の様子はモニターで観ることができるためこの様子は外の訓練生達も観ることができる
「……手本が無いと話にならないか」
天元は一度ブースを出てスタッフに話す
「すみません! アステロイドに交換とかできますか?」
「もう交換するのか? 別に構わないが」
「ポイントはどうなります?」
「弧月のポイントはそのまま残って、アステロイドは1000点から再スタートになる」
「わかりました。ありがとうございます。あと仮想近界民との戦闘訓練やっても良いですか?」
「あぁ、構わないぞ」
「アステロイド鴨じゃん! 分割知らないから雑魚しか居ないし、これ教えないと不味くない? 弧月よりも射程が長いからってアステロイド選んだ子も多いし……まぁそこら辺は天元や元康がやるか! 私は弧月の子から搾り取ろうかな。弧月固定のランダム対戦っと」
「分割や威力調整できてないアステロイドってこんなに雑魚なんだ。良かったぁアステロイド選ばなくて……雑魚狩りで稼ぐのは良いけど初心者狩りで稼ぐのは心象よろしくないよなぁ……弧月狙うか……お、弧月の人から対戦依頼が来た。やるかぁ」
『C級ランク戦 対戦ステージ空き地 対戦スタート』
「「あ」」
「当たるの早いよ! 何で元康と当たるのよ!」
「お前絶対ランダム押したろ」
「押したけど1/13よ! 当たるとは思わないじゃない」
「運が良いのか悪いのか……ポイント寄越せ淡!」
「なめんじゃないわよ元康!」
バッチーンと両者踏み込んで斬りかかる
トリオン体の為両者身体能力が大幅に上がっているため斬りかかる速度も早い
しかも剣道で全国大会に出るほどの腕なため間合いや詰め寄り、踏み込みによる縮地、受け流しによるカウンターに加え突き刺しや牽制に蹴りも飛んでくる
「おいおいあのブースヤバイって」
「仮想近界民瞬殺した奴らじゃん! 強!」
「……」
「流石我が校の誇る天才だな。ボーダーになっても超人だな」
「お前あの2人知ってるのか?」
「ああ、三門第三中学の先輩だよ。俺嵐山! 君は」
「柿崎だ! 中3……よろしく」
「俺も中3! 仲良くしようぜ! ……あ、今7番モニターに映ってるの俺の中学で生徒会長と生徒会役員で陸上で全国行ったりして有名だったんだぜ、1年の時には不良に絡まれて返り討ちにしたりとか、クラブでやっている剣道も全国常連、それでいて勉強も常に成績トップ」
「スゲーなそれ」
「学年が違ったけど優しくてカリスマある先輩達だったけど……」
「やベーなあれ」
「ヤバイね」
弧月で斬りながらの蹴り、蹴り、牽制、突き
「男の先輩が武田先輩で、女の方が結城先輩で……他の隊員とレベル全然違うね」
「俺らがチャンバラだとあの人達プロじゃん」
「確か先輩方全員剣道三段だったハズ……」
「そりゃつえぇわ」
話していると戦局が動き、元康の払いで淡の弧月が手から離れる
「「決まった」」
観ていた2人はそう思ったが、淡はすぐさま元康の懐に潜り襟を掴んで投げ飛ばす
トリオン体なので受け身をとらなくても大丈夫だが受け身で一瞬動きが止まってしまう
その僅かな瞬間に淡が元康の弧月を奪い取りトドメを刺す
「あそこから逆転するのかよ」
「体術も心得てるとか……やっぱりスゲーや先輩達」
「なぁもしかしてもう一人5秒切った隊員居たよな? あの人もか?」
「桑原先輩も含めて第三中三羽烏って言われたな……たぶん3人は一気にB級に上がると思うぞ」
「……俺教わってみたいなそんな人達なら」
「……確かに同じ隊員だし教わるのもありか……よし! 早速聞いてみようぜ!」
「あ! ちょっと待てよ嵐山!」
転生者達の動きにより未来が少しずつ動いていく