3人の転生者 3人の部隊 ~目指せA級1位~   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第九話 淡、相手の正体を原作で知ってるからって看破するのは良くないと思うぞ

 ボーダーの上層部より戦闘室と40人が入る多目的室を借りる許可が降りた

 

 天元達は入隊前より計画していた教育計画に基づいてまずは参加者を募集した

 

 オペレーターの訓練生やエンジニアの訓練生にも参加を要望し、希望者を募った

 

 弟子の嵐山と柿崎は強制参加、元康の彼女の葵も参加、アプローチかけていた東さんも参加を希望、原作キャラだと後のチーフエンジニアだが今は戦闘員の寺島さん、東塾1期生のオペレーター志望の月見と近界民絶対殺すマンの三輪、兄が旧ボーダーだった風間さんが参加

 

 他10名が参加を希望し、転生者3人を合わせた21名で研究会を発足させた

 

 まず転生者3名がトリオンやトリオン体でできることで合っていることの確認作業を始めた

 

 技術スタッフやオペレーターの方達にはデータ収集を依頼して、生身との変化を記録を取っていく

 

 トリオン体での身体機能の向上率が一律かどうか、トリオン量によってもトリオン体の機能が向上されるのではないかとか

 

 トリオン量によるトリガーの強度の変化、アステロイドの大きさによるトリオン量の数値化、基準化等の確認作業が最初の数日は主となる

 

 皆に手伝ってもらっているのでその分の駄賃として弧月の剣術やアステロイド射撃のコツを教えたり、先行型の銃トリガーの発射実験をしたり、新トリガーの希望を聞いたりと研究会の利益をばらまいた

 

 研究会に参加しているメンバーとそうでないメンバーとの差の比較も行っており、東さんから

 

「研究会に参加を見送った隊員も居るが、そういう子には何も教えないのか?」

 

「まさか、今は教本作りの段階なので、教本ができれば配りますし、研究会の目的は新隊員の早急な戦力化ですから」

 

「なるほど」

 

 と納得してもらった

 

 データ集めの段階でも転生者組からは確認でも、他の人からは新発見の情報も多々ある

 

 例えば緑川や空閑がやっていたピンボールというグラスホッパーを使った技があるが、人間を小さな空間内で反射しながら敵を撹乱して倒すというのがあるが、生身であればその様な行動は不可能である

 

 トリオン体における動体視力や伝達速度が向上しているが故にこの様な動きができると天元達は仮定しており、グラスホッパーがないので竹刀で生身で行う戦闘訓練と、トリオン体で弧月を使って行う戦闘訓練で比較すると、仮定は事実へと変わった

 

 またトリオン体では外力的なダメージは包丁で刺しても、ハンマーで殴っても効かないが、押されたという力は働くため、ハンマーで殴った時、痛くは無いが頭を叩いた時に首が前に動いた為、トリオン体は頑丈であるが外力そのものを無効化することはできないことが確認を取れた

 

 作中だと空閑が嘘つきブロッコリーこと水上に瓦礫の一部をグラスホッパーでぶつけて怯ませるという攻撃をやっていたのでそれの確認であるが、立証された

 

 次々とわかる新事実に技術スタッフと一部の隊員達は興奮し風間さんと東さんは冷静にわかった事を戦術として利用できないかと画策していた

 

 この確認作業や研究会メンバーの教育によりランク戦の時間が削れた為に3人がB級に上がったのは入隊から2ヶ月が経過してからのことであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究会も毎日やるわけではなく空いた日に3人は玉狛支部に来ていた

 

「よう! 玉狛支部にいらっしゃい! ぼんち揚食うか?」

 

「待ってたわよ! 遅いじゃない」

 

「こらこら」

 

「迅、小南先輩、レイジさん久しぶり……でもないか。ラウンジで会いますもんね」

 

「やっぱり小南先輩可愛い」

 

「ちょ、ちょっと! 淡! でかいんだから抱きつくと私が埋もれるじゃない!」

 

「あはは、林藤支部長は?」

 

「皆を待ってるよ」

 

 玉狛支部に入ると女の人と女の子、赤ん坊を抱いた外人と林藤支部長がソファーに座っていた……あとカピバラ

 

「よぅ、来たか! まずは挨拶だな。俺と迅達は知ってるから除くとして……こっちの綺麗な女性が」

 

「林藤ゆり、林藤支部長の姪なの。玉狛支部のオペレーターをやっているわ」

 

「こっちの女の子が」

 

「忍田瑠花です。本部の忍田とは親戚の関係よ」

 

「で、こっちの外人は」

 

「ミカエル・クローニン、カナダ人。本部のエンジニアチーフ兼玉狛支部のエンジニアだ。よろしく。俺の腕で寝ているのは林藤陽太郎……でこっちに鎮座してるのが雷神丸だ」

 

「ゆりさん、瑠花ちゃん、クローニンチーフ、陽太郎君に、雷神丸ですか。皆さんよろしくお願いします」

 

「か、可愛いよー」

 

「あ、淡が暴走した」

 

「わぁぁ!? ちょっとデカ女なにするの!?」

 

「瑠花ちゃん可愛い!」

 

「ナデナデするな! 頬擦りするな! 私は偉いのよ」

 

「偉ぶってるのも可愛い!」

 

 バコンボコン

 

 天元と元康の拳骨が入り、デカブツは頭を抱えて踞る

 

「すみませんうちの馬鹿が」

 

「申し訳ない。いつもはもう少しカリスマみたいなのが有るのですが」

 

「まぁ意外な一面見れたってことで」

 

「うう……痛い……で、誰が近界民?」

 

 淡が言ったその言葉に場の空気が凍る

 

「あー、予想だけど瑠花ちゃん、陽太郎君、クローニンチーフってところかな? 合ってますか林藤支部長」

 

「頭が切れるのは本当みたいだね」

 

「林藤殿、喋ったのですか?」

 

「いや、俺は」

 

「近界にてボーダー発足前に仲の良い国が有ったことは聞いています。会わせたい人が居るとも聞いています。玉狛支部のスタンスが近界民にも良い人は居るから仲良くしようならば、話の流れから近界民の方が仲の良い国が滅ぼされた時に亡命したと考えるのが自然ですし、林藤支部長にお子さんが居るという話は聞いていません」

 

「なぜクローニンと陽太郎と瑠花ちゃんなんだい?」

 

「クローニンチーフは見た目でわかります。外人をボーダーに入れるにはよほどの事情が無いと今は国防やトリガー技術の漏洩の為に無理でしょうし、瑠花ちゃんは私が触れた時にトリオン体だったので日常的にトリオン体なのは何か理由が無いと……陽太郎君は林藤支部長の家族構成からですね」

 

「参ったな、やっぱり陽太郎は甥っ子の方が良かったか」

 

「林藤、設定が甘いのですよ!」

 

「忍田さんと相談してそこら辺もっとしっかり練らないと駄目か……」

 

「当たりということでよろしいですか?」

 

「淡! なにやってくれちゃってるわけ! いきなり素性看破は凄いけど! 凄いけど!!」

 

「小南落ち着け」

 

「だってぇ!」

 

「私も玉狛支部と争いに来た訳じゃないですし、今のもわかる人にはわかってしまうからという親切心です。で、予想の続きですが滅亡した国のお偉いさんですかね?」

 

「正解、瑠花ちゃんがお姫様、陽太郎が王子様でクローニンはその護衛さ」

 

「予想よりも上だった!」

 

(原作知識持ってるからかまかけたな。原作キャラ……特に好きなキャラに会うとちょっかい出さずには居られない性格何とかしないとコイツの一番好きなヒュースに会ったらどうなるかわからないぞマジで)

 

「素性がバレてしまったところで君達をもし良かったら玉狛支部に招待したい」

 

「はぁ!? ちょっと聞いてないわよボス!」

 

「小南に言ったらサプライズにならないだろ」

 

「正直すぎるんだよ小南は」

 

「ぐぎぎ」

 

「……お断りします」

 

「ほう? 何でかな天元くん」

 

「本部と支部のパワーバランス的な問題です。現在正規隊員は玉狛支部しか居ません(まだ天元達も昇格していない時期の為)。本部より支部の方が有利というアンバランスな体制なのです。そこに新隊員でトップ3の我々が玉狛支部に加わると戦力のバランスが崩れてしまうことが1つ、2つ目は我々が行っている研究会に近界民を絶対に許さないとする過激派が何名も所属しています。今上手く行っている研究会を思想的理由により効率を悪くしたくないのが主な理由です」

 

「玉狛支部は旧ボーダーの経験が一番蓄積されている精鋭なので、是非協力関係は結びたいですし、鬼怒田さんが銃トリガーでかかりっきりなのでクローニンチーフに別のトリガーの製作の依頼もしたいです」

 

「協力関係は結びたいが入ることはできないと」

 

「はい」

 

「そうなると君達を無条件でバックアップすることは玉狛支部としてはできないよ」

 

「構いません」

 

「他の2人も良いのかな」

 

「私は定期的に遊びにこれるのなら別に気にしません」

 

「本部所属の方がもう少ししたらメリットがあると思うので俺も申し訳ないですが断ります」

 

「本部に何かあるのかな?」

 

「玉狛支部と本部では人員に大きな差があります。使える予算等も変わってきますし……鬼怒田さんが将来近界に逆侵攻計画があることを教えてもらいましたので俺らはそれに乗っかろうかと」

 

「君達は近界民とは仲良くするのでは?」

 

「その為にも近界について知らなければいけないでしょうに」

 

「そういう考えもあるか」

 

「俺からも良いか?」

 

「はい、クローニンチーフ」

 

「銃トリガーの話は技術スタッフの中では今一番ホットな話題だ。そんなトリガーを作っているのにまだ他にも欲しいトリガーがあるのかな」

 

「まず俺達は別に銃トリガーが欲しいわけで作ってもらっているわけではありません」

 

「え? そうなの?」

 

「小南先輩、俺達のアステロイドの大きさ見たこと有るでしょ。トリオン量の多さはたぶん基地の中でも俺らがトップですよ」

 

「研究会でトリオン量探知機で測りましたし……」

 

「まぁそれは置いておいて、俺らならばアステロイドばらまくだけでも銃トリガーよりも強いんですが、中距離戦闘を考えた時に障害物が邪魔なのです」

 

「そこで追尾機能を持ったアステロイドと弾道を自分の意思で描ける変化弾を希望します」

 

「これが要望書です」

 

「拝見します……面白い発想だ、良く練られているね。追尾性能に強弱をつけることにより山なりの弾道を描いたり、自在に弾道を描くことにより逃げ道を塞いだり、誘導したりか」

 

「はい、弾に種類を持たせることにより銃トリガーの幅も広がると思うんですよね。それにトリオン量が多ければ威力や射程も上がりますし」

 

「わかった。こちらで作ってみることにしよう」

 

「「「ありがとうございます」」」

 

「なに、鬼怒田さんの銃トリガーも大詰めだからこちらも手が空いていたからね」

 

「追尾弾と変化弾とだと語呂がわるくない? クローニンせっかくだから名前を付けなさい」

 

「姫様、考えを持ってきたのは彼等ですよ」

 

「別に構いません。クローニンチーフの株が上がるのなら後々近界民がこちらに接触した時にクローニンチーフみたいな近界民も居るのだからと上層部が良い判断を下せるかもしれませんし……功績が上がればクローニンチーフ達もボーダーに居やすいでしょ」

 

「……では追尾弾を猟犬から取りハウンド、変化弾を蛇のようにしなやかに動くところからバイパーとしましょう」

 

 こうしてハウンドとバイパーの開発が始まるのだった

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