不完全少女の生き方   作:出島二人

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遅かったじゃないか……ブランクがあるとしか思えん……文章量もかなり減ったか……

すみませんでした。




9話 救援

 

 

 装備の点検、というには少し簡素なやり方で調子を確かめる。ナイフは問題無く、腰の鞘に収まっている。やはり少し取り出しづらい。パーカーの前を開け、首元のマスクを引き上げる。これが私のお仕事モードだ。気分でフードも被るけど。

 

 さて、話によれば、パトロールを行っていたヴァルキューレの生徒二名が何者かに襲われ、重傷を負って病院に搬送されたらしい。本人達の証言によると、トカゲのような何かが突然飛びかかってきた、との事だった。しかもそのトカゲらしき何かは未だに見つかっていないらしく、シャーレに白羽の矢が立った、という経緯だ。既に周囲の人間は全員避難済みとの事。

 

 トカゲ、と聞いてあの無人機が連想される。というか、おそらく同じモノだろう。だとすれば肉眼でしか見つけられないかも知れない。その事を知った経緯はボカしつつ、先生に伝えると、先生は何人かの生徒を呼びつけた。C&Cの一之瀬アスナ、ゲーム開発部の天童アリス、そしてヘルメットを被った誰かよく分からないお腹の寒そうな人。ホントに誰だこの人。

 

「お、アリスちゃんじゃん!久しぶり〜!」

 

「アスナ先輩!」

 

 天童ちゃんと一之瀬さんが同じミレニアム生でイチャイチャしているのを横目にヘルメットを被った不審者と向き合う私。

 

「よろしく頼む、時崎タキ」

 

「あ、はい……えーっと」

 

「ヘルメットSとでも呼んでくれ」

 

「……」

 

 困ったな。だいぶ変だぞこの人。しかし何処かで見た気がする。何処だったか。

 

「じゃあ作戦を説明するよ」

 

 先生の声で我に返る。少なくとも今はヘルメットSの事を考えている場合では無い。素顔はとても気になるが。

 要約すると、私と一之瀬さんに捜索、及び誘導を行わせ、天童ちゃんが誘き寄せられたトカゲを狙撃する。そしてヘルメットSは先生の護衛を行う。そういった内容だった。色々と浮いてないかヘルメットS。

 

「よろしくねタキちゃん!」

 

「よろしくお願いします、一之瀬さん」

 

 そんな訳で、作戦はすぐに開始された。

 

 

◇◇◇

 

 

「タキちゃんこっちこっち」

 

 あちこちフラフラと行ったり来たり、一之瀬さんは本当に真面目にやっているのだろうか。そういえば10分程前からこの周辺のビルの周りをただぐるぐるしているだけだ。

 

「なんかさっきから同じところ回ってる気がするんですけど……」

 

「うーん、そうだね〜、でもこの辺な気がするよ?」

 

「はぁ……」

 

 そんな会話をしているとギチギチと何かが軋むような音がする。二人揃ってそちらに目をやるが、何もいない。普通のビルの外壁だ。だがもしかすると。壁に貼り付くようにして真上を見る。

 

「……」

 

 目が合った。やっぱりトカゲだ。

 

「おおっ!」

 

 思わず叫びながら飛び退き、投げナイフを投擲する。正確な軌道で飛翔する刃はしかし表皮に刺さる事なく弾かれる。仕方なく腰の鞘から本命のナイフを取り出し、構える。

 後ろから銃声。一之瀬さんだ。トカゲの背に銃弾が吸い込まれていくが、当たった部分の擬態が一瞬解けるだけに留まる。防弾仕様なのか。

 

「やっぱり作戦通りに行きましょう」

 

「らじゃー!」

 

 一之瀬さんも私も、示し合わせるまでもなく、見つけたら即始末して終わらせてしまうつもりではあったが、どうにも火力が足りない。ライフル弾が通らないのであれば天童ちゃんのあのデカいレールガン……本人曰く光の剣に頼るしかない。対物ライフルなら話は別だろうが、そんな贅沢な代物は今は無い。あっても使えないし。

 

「鬼さんこちら!手の鳴る方へ!」

 

 一之瀬さんの挑発に反応したのか、擬態を解いて迫り来るトカゲ。今回は背中に機銃らしきものが。銃口が一之瀬さんの方を向いている。

 

「危な──」

 

「おっと」

 

 頭に向けて発射された弾丸、だが一之瀬さんはまるでそれがハッキリ見えているかのように首を傾け、更に少し横に動くだけで全弾を回避する。弾丸は反対側のビルの壁に吸い込まれ、大きな弾痕を残した。

 

「あっ、えっ?」

 

「ほらタキちゃん!逃げるよ!」

 

 困惑しつつも彼女を見ていると、その真上の壁が脈打つかのような動きをした。アレは見た覚えがある。アイツは今噛みつこうとしているのだ。

 

「あ、ちょっと待ってね」

 

 身をかがめ靴の様子を見る一之瀬さんと先程まで頭のあった空間を噛むトカゲ。もう一匹いたのか。というかなんでアレを回避できるんだこの人。しかし驚いている場合ではない。

 

「せぇっ!」

 

 その場で跳躍し、空ぶったトカゲに対してお仕置きをしにかかる。何処を斬ったところですぐ治るだろう。だが問題ない。当初の予定通り誘導するのだ。軽く頭を撫でるように斬ってやり、体を蹴ってトカゲの上の壁面へ貼り付いた。

 

「一之瀬さん!そっちはお願いします!」

 

「オッケー!」

 

 こんな時の為にヤモリの手袋も足袋も着けている。鬼ごっこの開始だ。私は勢いよく重力に逆らって駆け出した。

 

 






コロナ後遺症に現在進行形で倒れており、私生活がカスになっています。なんとかストックは出来ているのでまた投稿頻度を上げたいとは思っています。

思っているんですが体調が最悪続きです。ルビコンに帰りたい。
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