呪いと地獄の門 完   作:不透明な水滴

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少し長くなったので中編と後編で分けます


呪いと地獄の門「中編」

魔物が渦巻く世界、魔界に突如として魔方陣が描かれ、三人が出てくる

 

「...よし、着いたよ」

 

「こんなことも出来るんですね。便利だな」

 

「あんまりしたくない魔法なんですけどね。体力は使うし、こんなことしても悪く見られるだけですし」

 

「確かにそうですね」

 

「というかアンジュ、二人を助けるって言うのは分かるけど...なんで魔界なの?」

 

「正直...強い人を連れてくるにはと考えたときに魔界しか思いつかなくて...」

 

「...それだったら地獄で良かったんじゃ...」

 

「......」

 

「やっぱりさっきの言葉撤回しますね」

 

「急にはしご外すじゃん。助けて」

 

「じゃ、行きますかリゼさん」

 

「あ...はい」

 

「おい!無視すんな!」

 

「あんまり大声出すと、魔界の住人にバレますよ」

 

「うっ...行きましょう...」

 

「と言っても、どこに行くの?」

 

「う~ん...魔界なんて見たこともなかったからここが何処かも分からないし...」

 

「...あそこが良いんじゃないですか?」

 

「...あそこって」

 

叶が指を指した先は、明らかに魔王城の様な建物だった」

 

「え...私達殺されたりしませんよね?」

 

「その時は必死に命乞いしますか」

 

「...今はふざけてる場合じゃ無いけど...今は状況が状況だ!命を差し出しても助けるって決めたんだ!行こう」

 

「アンジュ...そうだね。今やるべき事は、とこちゃんを助けること、こんな所で諦められない!」

 

「友情という物は時に死をも超えますね。単なる僕も、諦めるなんて言葉、ありませんし」

 

三人は一歩ずつ歩いて行き、やがて門の前へと着いた

 

「でも...これって入れるんですかね?」

 

「どうだろ、鍵もかかってるし...ノックしてみる?」

 

「どんだけ強いノックしないといけないんだろ...」

 

いざ意気込んで来たものの、相手が認証してくれるとは限らない

 

「すいませーん、開けてくださ___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何のようだ?」

 

「「「...え?」」」

 

声をかけようとした瞬間、気づけば中におり、目の前の階段の先に椅子に座っている誰かがいた

 

たが、肝心なのは中に入った事を”誰も”見ていないと言うこと

 

三人もいれば一人は入った所を見たはずだ。だが、一人も見ていないと言うことは...

 

「見るという認識が行われる前に、ここへ移動させた。ただそれだけだ」

 

「え...?何も言ってな...」

 

「お前達、名前は?」

 

「「「!?」」」

 

まただ

 

まるで瞬間移動をしたかのように目の前には現れる

 

「名前は?」

 

「あ...アンジュ・カトリーナ...です」

 

「お前は?」

 

「リゼ・ヘルエスタ...です」

 

「...お前は?」

 

「叶です」

 

「叶...か」

 

「それで?何のようで俺を呼んだんだ?」

 

「えっと...」

 

「遠慮はいらん。早く要件を言え」

 

「戌亥...私達の親友と」

 

「僕の親友を」

 

「「「助けて欲しいんです」」」

 

「なぜ助けがいる?」

 

「今、二人は神と名乗る者から私達を助けるために命をかけて戦っています。そんな中、親友が死ぬかもしれないのに逃げることは出来ず、ここへ来ました」

 

「そうか...アンジュカトリーナ、お前、錬金術師なのか?」

 

「え...なんで知って...」

 

「今の説明を聞く限り、魔界へ来れるレベルの魔法を扱えるのは、この中を見てもお前だけだ」

 

「それで、神からお前達の親友を助けるために俺を呼んだのか」

 

「はい」

 

「...そうだな」

 

何も知らない三人ですら明らかに強いと言える程の強さを持つ者を自分達の都合で使おうとしていると言うことを知れば、死んでも文句は言えない、ここに関しては、この人次第としか言えなかった

 

結果は...

 

「いいぞ」

 

「...え?そんなにあっさり?」

 

「ああ、俺、神嫌いだし」

 

「結構理由単純ですね」

 

「しっ!叶さん!」

 

「俺はそこらの神や魔王と違って優しいからな。それぐらいなら許してやる」

 

「なら、善は急げだ。早速連れて行け」

 

「え、は、はい!」

 

「っと、その前に...叶、少しこっちに来い」

 

「?はい」

 

叶の前に立つと、じっと叶を見始めた

 

「...どうかしました?」

 

「いや、少しな」

 

すると叶の前で指パッチンをする

 

「よし、行くか」

 

「何をしたんですか?」

 

「少しお前にいたずらをしただけだ」

 

「よく分かんないけど...まあいいか」

 

「それじゃ、戻りますよ」

 

「ああ」

 

魔方陣を作り、中に入る。光が強くなり、やがて消える時には誰もいなかった

 

 

 

 

 

 

互いに傷が付き、見合う

 

「お前達、随分と力が落ちているな、数百年前はもっと苦戦したはずだが」

 

「だから言っただろ、お前みたいに暇じゃなかったんだよ」

 

「ここは地獄やあらへんし、実力の半分も出せとらんよ。逆に力落ちとらへんか?」

 

「何を言う、俺はお前達のせいで数百年間封印されたんだ、今すぐにでも世界を破壊してもいい」

 

「それに、小娘、お前もあいつら程度じゃない」

 

「あいつって、誰のことや」

 

「神をも殺す、お前の祖先達だ」

 

「もしかして、親の事をいっとるん?確かに、強いけど...そんなにやったんか」

 

「まあいい、そろそろ決着を着けるぞ」

 

「...来る。戌亥さん」

 

「待って」

 

「え、待てって...」

 

次の瞬間、戌亥がとてつもない圧をかける

 

「!?!?」

 

「これは...ケルベロス特有の...」

 

「いまや!」

 

「ありがとうございます!戌亥さん!」

 

油断を突き、懐に葛葉が入る

 

「死んどけや!」

 

「ちっ!」

 

まだまだ攻防は続く

 

 

 

 

 

現実世界へと着くと、大きな音と共に風圧が来る

 

「これ...まずいんじゃ...」

 

「早く行かないと!」

 

「待て」

 

「え?でも!」

 

「あれは、あいつはある物を準備している」

 

「ある物の準備...?」

 

「あのままいけば、逆にやられるだけだ」

 

「ならどうしたら!」

 

「叶、前に来い」

 

「僕ですか?」

 

「そうだ、今からお前に選択肢を与える。どうしたいかはお前次第だ」

 

「分かりました」

 

「今からお前にある”記憶”を復活させる。この記憶を復活されば、きっと、あいつにも勝てるだろう」

 

「だが、この記憶を復活させれば、お前は少し自分について疑いを持つかもしれない」

 

「それでもやるか?」

 

「いいですよ」

 

「...本当か?」

 

「自分については、あんまり分かって無いですが、それはそれで良いんじゃないですか?どうせ生きるんですし」

 

「そうか、そうだったな。お前達はそういう奴だった」

 

「なら、後は簡単だ」

 

叶の頭を軽く触り、記憶を復活させる

 

「これが、”あの時”あの神と戦った時、お前がどういう方法であいつを負かしたのか、これで全て分かる」

 

全ての記憶が、叶の記憶へと流れ込む

 

ゆっくりと閉じた瞼を、開ける

 

その目は、赤かった

 

「ありがとうございます。全部思い出せました」

 

「あれ...?少し口調が...」

 

「これが本来あるべき姿ですからね。そんなことより、今は二人のことからです」

 

「行くぞ、そろそろあいつも限界だろう」

 

四人は二人の元へと向かった

 

 

 

 

 

戌亥の圧により多少隙が飽き、何発か攻撃を当て、勝負は五分五分となった

 

「これ以上ここにはおれん。これで終わらせよう」

 

突如神の体が光り始める

 

「なんや...?」

 

「っち...あれか...」

 

「次の瞬間、神の姿が突然消える」

 

「消えた?!」

 

「遅い」

 

「っ!戌亥さん!」

 

背後を取られた戌亥は攻撃を食らいかけるが寸前で葛葉が身代わりとなる

 

「くずはん!」

 

「っち!クソが!」

 

「遅いぞ、やはり、奴がいないと何も出来ないんだな」

 

「これを出来るのは...あいつだけか」

 

この神の本気の力、目で捉えることが出来なくなる程のスピードを出し、完全な不意打ちが突けるようになる

 

この力は過去に葛葉達が神と敵対した時にも使われたが、あの時は叶が完封させた事がある

 

つまり、この力を打破出来るのは叶だけということ

 

だが、叶は記憶を持たない

 

あの戦った時も、今までの記憶も

 

(このままだと、まずい!)

 

「遅いぞ!死ね!」

 

「くずはん、危ない!」

 

「っまずい!」

 

姿がまた消え、次はどこから来るのが分からない

 

攻撃に備え、周りを警戒していると...

 

「葛葉!右だ!」

 

「っ!右!」

 

咄嗟に右へ攻撃すると、神へと直撃した

 

「っ!なに!?」

 

「今のは...叶...?そんなわけ...」

 

「葛葉、指示に会わせて動け!」

 

「...はは!良いぜ!ミスんなよ!叶!」

 

数百年の時を経て、最強が再び結成された瞬間だった

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