「これは...」
叶はんの合図からくずはんが動いてそれが全て命中してる...
「どうなってるんや...」
「今は引くぞ、戌亥とこ」
後ろから知らない誰かが来る
「えっ?あんたは...」
「通りすがりに召喚された魔王だ。もうあいつに勝ち目はない。傷を癒やす為に戻るぞ」
「わ、分かったけど...何でここに?」
「それはアンジュとリゼに聞け」
「え?何で二人の名前が出てくるん?」
「...これ言わなかった方が良かったな」
「......」
「戌亥、顔が怖いぞ」
「はぁ...はぁ...クソ!何であいつ記憶が戻ってるんだ!」
「お前の来るのタイミングが悪かっただけだろ」
「あいつが戻る訳...」
「あいつって言うんじゃねぇ、あいつは”叶”って名前があるんだよ」
「あいつは...輪廻転生を掟自体を破り、無断で輪廻転生を繰り返す大罪人だ!殺してもなにも問題無いはずだ!」
「お前の世界観で話を進めるな。あと、友情という物は時に全てを超える。お前にはそれが無かっただけだ」
「それに、もうお迎えの時間だぞ」
「何を言って...」
「さあ、迎えの時間だ」
俺は神の目の前へと現れる
「....貴様は!」
「お前ごときに貴様と言われる程落ちた記憶は無い。お前には俺の事について話すことすら許されない。今はなおさらな」
「黙れ!!死ねぇ!」
神は突っ込んで来るが片手で神をも丸ごと握りつぶし、凝縮させる
「さて、何万年封印されて欲しい?いくらでも封印させてやるぞ」
「...この状態じゃ話すことも出来んか。まあいい、罰は天界で行う」
空の割れ目を消し、目の前に出す
後ろを向き、葛葉と向き合う
「迷惑かけたな」
「いやいや...本当大変でした」
「それに...叶」
奥から叶が歩いてくる
「本当に...ありがとうございました」
「別に良い、こうしないとこの世界も危うかった...それに」
話していると、ゆっくりと叶が瞼を閉じ、倒れる所を葛葉が支える
「叶...?」
「寝てるだけだ。数時間経てば起きる」
「それに...いらん記憶も無くなる」
「...そうですか」
天界へと入り、裂け目が小さくなっていく
「改めて、本当に迷惑をかけた。いつか恩返しをすると約束しよう」
「分かりました...ありがとうございます」
やがて裂け目は完全に消え、晴れた空が映る
「....終わったんだな」
長いようで短かった時間、終われば意外と安心より疲れがきた
「とりあえず....まずはあっちに行くか」
葛葉は叶を背負いさんばかの元へと向かった
突如現れた神と名乗る者へとの戦い、謎の魔王と叶のお陰で大きな損害なくこの物語は終わった
数時間後
看板に書かれた文字は『地獄屋』一見何でも屋感があるがれっきとした喫茶店だ
カランカランと言う音と共に中に入ると、暑かった世界とは裏腹に、涼しい冷房が効いており...
「「すいませんでした!!!」」
「...なんだ?」
綺麗な角度で頭を下げる二人と、あからさまに怒っている和装店員が二人を見下ろしていた
俺は少し戸惑いながらも三人に声をかける
「何をしてるんだ?」
「「「え?」」」
「それで、なんであんなに怒ってたんだ?」
「...いや、なんでも?」
「いやいや、耳が吹き飛ぶかと思うレベルの謝罪を目の前でみたらそんな事が言えなくなるぞ」
「だって...逃げてって言ったのに逃げなかったから...」
「...そんなことか」
「そんな事じゃ済まされへん!もしかしたら命に関わる可能性もあったのに...」
「それ程戌亥が大切な存在であり無くしたくない存在だったんだろ」
「でも死んだら元も子もないし...」
「だが最終的には生きてるんだ。確かに戌亥にとっても大切な存在が危険に晒されるのは嫌だろう。だがあんなに反省してるんだ。許してやってやれ。俺だってあの二人から声が掛からなかったら助けれてなかったからな」
ふと後ろを見てみるとアンジュとリゼが正座しながら下を向いていた
「...まあ、これもこれで面白いしいいか」
「そういえば、叶はんとくずはんは大丈夫やったん?」
「ああ、今も楽しく生きていると思うぞ」
「それなら良かった」
「それにしても、あの神久しぶりに見たな。数千年ぶりだ」
「そんなにやったん?」
「ああ、あいつ、スピードしか取り柄がない癖に無駄に強者に戦いを挑もうとする」
「その結果、過去の葛葉達や地獄に居た戌亥にも無様に負けたんだ」
「その言葉を聞く限り、まだありそうやな」
「ああ、俺にだって戦いを挑み負けた...そういえば、戌亥の親や祖先達とも戦っていたが、しっかり負けていた」
「そういや、私の親達ってそんなに強いん?」
「ああ、戌亥の母親と父親とは一度会ったことがあるが、神殺しの称号を持っていたり、本気を出せば俺ですら多少苦戦するほどだ」
「そんなにやったんや...」
「日本でよく出される神話のケルベロスは、数ある異次元のケルベロスではない弱いケルベロスが偶然歴史に載ってしまったから、弱い印象が付かれやすいが、余り舐めていると神話の神々ですら手がつけれない程のケルベロスにボコボコにされる」
「そんなになんやな」
「ああ、だが戌亥も、その中に入ると思うぞ」
「え?私?」
「ああ、数あるケルベロスを見てきたが、ここまで人型を保っていられるケルベロスは見たことがない、修行次第では相当化けるな」
「まあ、私はこの状況から変わる気は無いけどな」
「それが正しい判断だ。こんな力持ったところで、この平和な世界で使うこともない」
「そうやね...」
「そういや、なんでそんなに神さん嫌いなん?」
「ん?あんな自分の都合だけでしか動けない魔王より魔王な奴、誰が好きになるか」
「わあ、めちゃくちゃ言うやん」
「俺は平等とまでは言わんが、できる限り均等に平和を与えたいと思っている。この『魔王』という立場を使ってな」
「ええやん」
「さて、俺は少しあの反省組の所へ行ってくる」
「うん。まだ許していなって言ってきて♪」
「全く、やっぱり地獄のに住んでいるだけはある。性格がな」
「少しは自分が何をしたのか思い出させへんと」
「分かった。伝えておく」
「「.......」」
「気分はどうだ?」
「スゥ...」
「まあ、本人も許してるみたいだし、ちゃんと謝ったら許してるくれる」
「そうですかね...」
「優しさが故にあれだけ怒っていたんだ。自分達は好かれているという自覚を持て」
「そうですか...そうですね」
少しずつ二人の顔が明るくなってゆく
「さて、俺はそろそろ去るか」
「あ、もう行くん?」
「ああ...あ、そうだ」
「ここは喫茶店らしいな。なら...コーヒーを一杯くれないか」
「ええよ。5000兆円です♪」
「別に払えるぞ」
「いや、流石に辞めて?」
コーヒーを出して貰い、それを貰う
「今日来たのは、お前達がどんな感じかを確認しに来ただけだ」
「そういえば、あの神様って...」
「ああ、あいつは数億年は封印されているだろ」
三人の顔が真顔になる
「...どうした?」
「いや、なんでもないわ」
「そうか、なら、俺はそろそろ行くぞ」
扉を開ける
「それじゃあ、また近いうちに来よう」
「おおきに、またね~」
「「本当に、ありがとうございました!」」
「ああ、またいつでも頼ってこい。できる限りなら、手伝ってやる」
カランカランと扉が閉まり、また暑い世界へと変わる
「...戻るか」
どうしても暑い世界は、普段と変わらない日の様だった
その後、数日間地獄屋に通っていたのはまた別の話
呪いと地獄の門 完
意外とこういうの考えるの楽しいんですよね。設定に書かれてること内ならいろんな組み合わせがあるので、またこんな感じの書けたら良いなど思っています