俺はオレとなって悪の道を突き進む   作:プロトタイプ・ゼロ

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新しく書いてみた。


第一話「ホウエン地方へ」

 いつからだったろう。自分の存在が嫌になったのは。親友だと思ってた3人は今や最強のポケモントレーナーになった。オレなんか眼中にないってほどに。

 

 いつからだろう。ポケモンという存在が煩わしく感じるようになったのは。

 

 

 

 だからだろうか……オレが悪の組織に入ったのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょう……負けちまった」

 

 そう言って相棒のポケモンであるカメックスをボールに戻すグリーンを冷たく見ながら、オレは最強に育て上げたニドキングをボールに戻す。

 

 旅をし始めた当初はグリーンのほうが強かったのに、今ではオレのほうが圧勝できる。だと言うのに嬉しいって思えない。

 

「なんでだよ……なんでロケット団なんかに入っちまったんだよ!! 答えろよ……マト!!」

 

 後ろでぼろぼろになるまで痛みつけられ動けなくなったグリーンがキャンキャン吠えてるのを無視してアジトに向かう。まさか誰も通らないと思っていた地下にグリーンがいるのは予想外だったが、あまりの弱さに失望した。

 

 グリーンはかつてのオレだったら絶対に勝てなかった存在だ。だが今は違う。ロケット団に入りサカキ様直々に鍛えられた今のオレの敵ではない。

 

 もちろん小さい頃からの夢だった最強のポケモンマスターになるのは諦めてない。諦めてなるものか。

 

 しばらく長い地下の道を歩きとある扉の前に立つ。暗証番号を入力すると扉が自動で開いたのを確認し、オレは部屋の中に入る。

 

 部屋の中にはワープホールが4つ設置されており、そのうちの一つに足を踏み込むとオレは違う場所へ瞬間的に移動した。

 

「待っていたよ」

 

 オレが辿り着いた場所……それはオレがこの世でもっとも尊敬してやまない人の場所だ。その人は椅子を回転させオレに顔を見せてくれる。

 

「お待たせしました。少々邪魔が入りましたが」

 

「ほう、邪魔……か。聞いても?」

 

「いえ、サカキ様のお耳に入れるのようなことではありません」

 

 その言葉にサカキ様は苦笑を漏らした。

 

「そうか。では聞かないでおくとしよう。では、今日君を呼んだ要件を伝えたい」

 

「はっ!なんなりと!」

 

 サカキ様は机の上に肘を置き顔の前で手を組む……いわゆるゲンドウポーズをするとその口を開いた。

 

「今日、もしくは明日からでいい。君にホウエン地方に向かってもらいたい」

 

「ホウエン地方……ですか? それはなんでまた……?」

 

「ふっ……気になるのもしょうがない。なんでもホウエン地方には2つの組織が確認されていてね。君にはその調査及び壊滅をしてもらう」

 

 ホウエン地方に蔓延る2つの組織……オレの知識が確かなら大地を広げんとグラードンの復活を目論むマグマ団と、海を広げんとカイオーガの復活を目論むアクア団のことだろう。

 

 我々ロケット団は一度はレッドの手によって壊滅されかけたが、自意識過剰みたいになるがオレの活躍により防ぐことに成功している。逆に忌まわしきレッドをボロくずにしたのはいい思い出だ。

 

「それは……オレのような下っ端でなければならないのですか?」

 

 オレは思わず聞いてしまう。実際立場は下っ端だし、実力だけならチャンピオンを超えているオレのことを不快に思っている団員は多い。特に幹部なんかはその傾向が強いな。たまに絡まれるし。

 

「何を言う? これでも君の働きには私も感謝しているのだよ。君がいなければロケット団はここまで大きくなることはなかった。その功績を称え、特別任務についてもらいたいのだ」

 

 なるほど……サカキ様はオレに期待してくれているようだ。なら、その期待に答えるのが下っ端の役目だろ。

 

「かしこまりました!! その任務……絶対に成功させてみせます!」

 

「期待しているよ。そうそう、もし君が壊滅させたときに才能のあるものがいれば、我がロケット団に勧誘することを許そう」

 

 そうなればロケット団の戦力は大きくなるな……。くくく、やる気出てきた。

 

 オレは一礼して部屋を出る。オレの部屋につくと2着の服が置いてあった。

 

「これは手紙……? なになに『この任務をつくにあたって一時的にどちらかの組織に入ってもらう。好きな色で判断するといい サカキより』……なるほど」

 

 迷いなく赤い方を取る。だってマグマ団の幹部であるカガリ好きだし。可愛いじゃん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数日後……

 

 オレは少し豪華な船に乗ってホウエン地方に来ていた。場所はカイナシティだ。

 

 オレは手持ちの確認をする。

 

 ニドキング レベル98

 

 バンギラス レベル96

 

 メタグロス レベル96

 

 見事に飛べるポケモンがいないな。仕方ない……ひこうタイプのポケモンは現地で捕まえるするとするか。

 

 さて、無事ホウエン地方についたのはいいものの、まずはマグマ団と接触しないことには始まらない。どっかに暇そうなマグマ団団員いないかなぁってあたりを見渡すが……流石にそんな簡単に見つけることはできなかった。

 

(まぁ……そんな簡単に見つかったらジュンサーも困ってないか)

 

 カイナシティをパトロールしているジュンサーを見ながらそう考える。そう言えばオレの第2の最強とも呼べるエスパーポケモン……あまりにも煩かったから洞窟の中に置いてきちゃったけど大丈夫だよな? お土産買ってくるって言いくるめたら大人しくなったし大丈夫、だよな? やっべぇ……今更だけど帰るのが怖くなってきた。

 

 取り敢えずカイナシティを見て回ろうと歩いていると

 

「うわっ!?」

 

「おっと……?」

 

 紫髪の少女とぶつかった。流石にまずいと思ったオレは相手が倒れないようにすぐさまマサラタウン出身特有の化け物じみた身体能力を駆使して少女の腰に手を置き引き寄せる。その際に少女の顔が近くなってしまったがそれはまぁしょうがないことだ。

 

 だが、そのおかげでその少女の正体に気づくことができた。

 

(コイツ……マグマ団幹部のカガリじゃねぇか)

 

 奇跡的な確率で出会えたことに歓喜のあまり小躍りしたくなった。こんな序盤でありながら幹部に出会えたのは誤算ではあるが今度のことを考えれば動きやすい。

 

「ねぇ……」

 

 と、そんな事を考えていたらカガリが少しだけ頬を赤く染めて話しかけてきた。

 

「もう、立てるから……離してもらっていい……?」

 

 足をモジモジはせながら恥ずかしそうに言うカガリに、オレのハートがキュンキュンのあまり爆発しそうになる。だが、それを必死に耐え抜いたオレは極めてクールな顔でカガリから手を離す。

 

「……あぁ、悪い」

 

「キミ、ここの人じゃない……? 観光……?」

 

 可愛らしく首を傾げるカガリ……くぅ!! 可愛すぎるっ!!

 

「そんなところだ。まぁ、初めての地方でちょっと苦戦してるけど」

 

「そう、なんだ……なら、ボクが……案内、しようか?」

 

「いいのか?」

 

「うん。今、ボク……やること、ないし。別に……いいよ?」

 

 それはなんとも嬉しいお誘いだな。そのついでにマグマ団アジトまでご案内してもらいたいところだが、そこはまだ難しいだろうな。

 

 さてさて……どうしたものか。

 

「こっち」

 

 頭の中で試行錯誤していると唐突にカガリに手を掴まれる。や、ヤバい!! カガリの手が柔らかすぎる。こここ、これが女の子の手だというのか!?

 

「どうしたの……?」

 

「なんでもないさ」

 

 落ち着け……クールになるんだ。秘蔵本「モテる男のコツ」にも書いてあっただろう!!

 

 そんなオレの覚悟は粉々に砕かされる。なぜって……カガリが腕に絡みつけてきたからその豊満な胸に挟まれたからだよ。

 

 そんな状態で耐えられるやつが居たとしたら……オレはソイツを男だとは認めねぇ!!

 

「どうだった……?」

 

 カガリ案内のもとカイナシティのことを知ることができた。どうやらカントー地方と同じくホウエン地方もゲームを基準にされているらしい。流石にアニポケ基準だったら困ってたわ。オレアニポケの知識そこまでねぇから。

 

「君に案内してもらえて随分と助かったよ」

 

「そう、なんだ……よかった」

 

 カガリは褒められ慣れてないのか、少しはにかむように微笑みを見せてくれる。それだけでまた心臓が苦しく……

 

「どけどけぇ!!」

 

「あ’’?」

 

 そんな幸せの時間を奪ったのは……黒いバンダナを頭に巻き、青と白の島縞模様の服を着た男だった。




カガリの口調ってこんなので良かったっけ?
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