はいというわけで久しぶりの投稿でございます。鏡のファーストが完結したんでね。こっちの方にも集中できるわけですよ。まぁ、そのうち続編書くんでまた遅れるかもしれないけど。
我らがロケット団ボスを務めるサカキ様の朝は早い。誰よりも早く起床し、朝食を食べポケモンたちと鍛錬を共に心身を鍛え、その後シャワーを浴びてを肉体の汗を洗い流す。ロケット団を象徴するRの文字が刻まれた黒いスーツを身につけると、これまた誰よりも早くロケット団アジトに赴き、資料を一枚一枚確認していく。その中でマトに関する報告書に僅かながら胃を痛めながら薬を飲み、仕事を早々に終わらせる。
そして部下たちが集まる9時頃になると自ら広場に行き全員(役目があっていない人を除いて)を集めると朝礼を行い、部下たち全員の気合を入れる。それが終わるとまた事務室に戻り仕事を再開。よほどのことがない限りサカキ様が動くことはありえない。
10時になり休憩にコーヒーを飲みながらペルシアンの頭を撫で癒されたあと、アジトの地下に行きモニターを確認する。そこにはとある洞窟の最深部に存在する絶対無敵最強のエスパーポケモンが腕を組みながら佇んでいる。たった一度だけチャンピオンリーグに挑んだあとのマトがどこからか捕まえてきたポケモンであり、サカキ様はそのポケモンを見せられたとき椅子から転げ落ちるほど驚いたそうだ。
「どうやら今日も奴は大人しくしているようだな……マトに説教されたのがそれほど堪えたというのか? あのミュウツーが……?」
何か気になることでもあるのか、サカキ様は顎に手を置き数秒思考を巡らせたあとにやりと笑い地下室から出ていく。その際モニターに映っていたミュウツーが僅かに瞼を上げたあとまた眠るように瞑っていた。
事務室に戻り机の上に置かれている写真立てを一目見てからまた増える仕事を終わらせ、広場でニドキング達を出して遊ばせる。今のサカキ様はトキワジムを務めていた時のポケモンを使っておらず、サカキ様が自ら選び鍛え抜いたポケモンを手持ちに入れている。その中には種族値的にも弱い方のスピアーが入っていたりするが、その強さはたった一匹でポケモンリーグを制覇できるとマトが言っていた……正直マトの目はあらゆるポケモンの本質を見抜くと言っても過言ではないと思っている。そのため本来ならば弱いポケモンであろうとサカキ様のスピアーならば本当にポケモンリーグを制覇できるのだろう。
しばらくポケモン達を遊ばせていたサカキ様は、突如飛んできたズバットを手に乗せる。ズバットは口に丸められた紙を咥えており、その紙をサカキ様に渡すとどこかに飛んでいく。丸められた紙を解き中身を確認したサカキ様だったが、すぐにまた胃を抑え始めた。
「そうか……伝説ポケモンが早い段階で復活したからマトが2体纏めて倒したのか。やはりマトの実力は私を越えているな。私もマトの憧れとして模範となるように鍛えねばなるまい」
なお、サカキ様がマトとポケモンバトルをした時の戦績は実はそこまで高くなく、それなのにマトがサカキ様についてくる理由が憧れとイキ過ぎた信仰心に似たものによるものらしい。正直かなり怖い。先日サカキ様に忠誠を誓って間もない下っ端の一人がトレーナーのポケモンを奪い金にならないことで殺害しようとしたとき、怒りで憤慨した顔でその下っ端をぶん殴っていたのを見たことがある。その下っ端はその時の恐怖心から心が壊れたらしいが……。
「それにしてもホウエンの伝説ポケモンといえば、確か大地の化身グラードンと海の化身カイオーガだったか。その2体を相手に捻じ伏せるとはさすがだな……」
「何見ているんだ親父」
その時サカキ様の息子であるシルバー様が赤い髪を靡かせながら広場にやってくる。シルバー様は広場の中央で手紙を読みながらニヤニヤしているサカキ様を不審者を見るような目で見ていた。
「なに、マトが他の地方で活躍しているようでな。その報告を読んでいた」
「へぇ~、アイツ最近いないなって思ってたけど、他の地方に言ってたのかよ……ちっ! お土産でも頼んでおくんだった」
「…………言っておくが遊びで行っているわけではないからな?」
「んなことはわかってる。でもアイツの実力ならお土産の一つくらい楽勝だろ」
その言葉にサカキ様は押し黙ったあと「それもそうだな」と納得したように笑った。
「ところでお前がここに来るとは珍しいな」
「別に。もうそろそろ俺も旅をしようかなって思ったからな。本当はマトに言っておきたかったんだがいないから別に親父でいいかって」
「…………そうか」
シルバー様はそれだけ言うとその場に後にした。その背中を見るサカキ様の目からは一筋の雫が垂れていた。
「あ、そうだ。俺が目指すはこの世で最も強いポケモントレーナーだ。だから親父もマトも全部まとめて俺がぶっ倒す! それだけ宣言しておくぜ」
サカキ様は嬉しそうに涙腺を崩壊させた。
〜〜〜111ばんどうろ・砂漠エリア〜〜〜
キンセツシティ、112ばんどうろ、113ばんどうろ……この3つを結ぶ道路である半分が「砂漠エリア」になっている111ばんどうろ。
激しい砂嵐の影響で視界は凄まじく悪く、一歩間違えれば遭難に遭いそのまま行方不明になることもあるそうだ。その上縄張り意識が強い凶暴な野生の地面タイプポケモン達がそこら中に徘徊していて、下手をすればポケモンによる被害は免れることになる。
「ホムラの野郎……絶対にぶっ殺す」
そんなオレは現在迷子になっていた。理由? ホムラの指示だよ!! 砂漠エリアに貴重な化石やポケモンがいるらしいから戦力補充のためにも確保してこいってな!!
マツブサからの命令だとほざきやがったが、一応ホムラはマグマ団のサブリーダーであり、本人も次期リーダーと自称するくらいにはマグマ団からの、そしてマツブサからの信頼は高い。そんな人間からマツブサからの指示だと言われてしまえば従う他ない。
そんなわけでたった一人で111ばんどうろに来ているわけなのだが……そんな貴重な化石なんて見つかるわけもなく、普通に遭難してしまったというわけよ。いや誰に言ってるんだオレは……?
それにしても本当に視界が悪すぎる。念の為ゴーゴーゴーグルを購入しておいて正解だったぜ。まぁ、そのゴーゴーゴーグルでも意味をなさないぐらいには視界が悪いんだがな……。
いやはやマァジでどうしよこれ。こんなになにも見えない状況ってやばくね? 流石に何の成果も出さずにアジトに戻るわけにもいかないし、仮に戻ったらホムラからネチネチと嫌味を言われるのが目に見えてる。
「ったく……こんな砂漠の中から化石とか見つけるなんて一粒の宝石を見つけるレベルだろ」
悪態をつきながら砂漠の中を進む。時々ヤジロンやメグロコを見つけたりするが、捕獲なんて流石に無理すぎる。本当に前世でポケモンしてたときはよく主人公とかこんなところでポケモン捕まえられたなと思うわ。
どれだけ歩いただろうな……夜になっても砂嵐は吹き荒れている。休みたくても野生のポケモンが襲撃してくるからできない。時々シンボラーを見かけたりするからオレは何度もグルグルと回ってるのかもしれないと思った……いや待てなんでシンボラーがいるの? 確かにシンボラーって大昔に存在した遺跡の守護者らしいからその記憶を持っていてもおかしくはないんだよ……でもこの砂漠にそんな記憶に残るような遺跡なんてあったか? このホウエン地方たぞ……ヤバいな前世の記憶がそこまでなくなってる気がする。
「グギャァァァ!!」
「ちっ……!! ニドキング!」
思考を巡らせようとしたとき隙を突くように砂の中から襲撃してきたワルビル。それを咄嗟にボールから出したニドキングで向かい打つ。ワルビルがニドキングの腕にかみつくが、何の反応を示さずに蹴り上げる。
「ニドキング、冷凍パンチ!」
オレの指示に従うようにニドキングが拳を固め、そして冷や冷やとした凍てつく冷気を纏わせる。その拳をワルビルに叩き込むと、ワルビルは慌ててその場から逃げ出した。
「ありがとう、助かったよ」
ニドキングをボールに戻しまた足を進める。途中でヤジロンの群れに襲われたが、ニドキングの地震で蹴散らす。なお、その地震でホウエン地方の観測隊が異常な数値を捉えたらしいが、この時のオレはそんなことなにも知らなかった。
数時間に渡り歩き続けたオレの目前には、巨大な遺跡があった。いや遺跡ではなさそうだ。よく見るとそれは巨大な塔のようなものだ。なぜか揺れ動くようにそびえ立つその塔をオレは知っている。
なぜなら、その塔の正体は昔遊んだエメラルドに存在していたからだ。名前は「げんえいのとう」。ランダムに出現するげんえいのとうには二つの化石が眠っている。
「は、はは……まさかオメガルビー・アルファサファイア時空のこの世界で、エメラルド時空のげんえいのとうが存在してるなんてなぁ」
だが、前世で遊んでいてもしやと思っていたことがある。ほらORASの時でもさヒガナがパラレルワールドのことについて軽く触れていたじゃないか。だからこのげんえいのとうはルビー・サファイア・エメラルド時空とORAS時空を行ったり来たりしてるんじゃないかって。
前世での予想とは言え、当たって欲しいという願いと当たって欲しくない願いの2つがある。
「ひとまず入ってみるか……」
扉を少しだけ開けて中に入る。なんとか頑張って扉を締めたオレはげんえいのとうの中を探索する。どうやら外とは近い中にはまで砂嵐は吹き荒れていないようだ……正直助かった。
「多分ゲームの時とは違って階層も多いだろうし、根気よく行くとするか」
なお、これまたオレの知らないことではあるが……ホムラはカガリに締められたらしい。ザマァ見ろ。
まぁ、こんな感じになりました。
どうだったかな?
よければ感想などくれるとうれしいです。