最近仕事楽しいわ
げんえいのとうの中に入ったオレは広い空間の中を探索しながら落ちてるアイテムを回収する。ゲーム版のげんえいのとうならば2階からはマッハ自転車が必要となるようだが、一階の天井を見上げてみてもボロついた様子はない。それどころかまだ新しいようにも見える。本当にこれが数百年以上も前から存在しているなんて信じられない。
時々野生のポケモンがちらほらと顔を出している。サンドやサンドパン、ビブラーバなど。砂漠に関連するポケモンが多い。それどころか本来ならこの砂漠には生息していないはずのヒポポタスやイシツブテ、さらにはイワークまでもがいる。どう考えてもおかしい状況だけど。
「まぁ、襲ってくる気配はないしいいか」
まだ一階の一部分しか探索していないが、この階にいるポケモン達は縄張り意識が低いのかもしれない。まぁ、それならそれでこっちとしては探索の邪魔をされないから嬉しいものだが、本当に襲ってこないよな?
それにしてもまだ一階だというのにやけに広いな……? 階段らしい階段さえ見つからない。いったいどうなっているのかわからん。
そんな事をブツブツと呟きながら探索していると、どうやら一階の中央部分に到着したようだ。中央部分のさらに中央には何かをはめる台座がぽつんと存在しており、そのてっぺんには丸いくぼみがあった。そしてその下に転がる赤い玉が一つ……うん、これ思いっきり玉はめるだけじゃん。ダンジョンっぽい感じになってくせにやけに簡単だな?
ダンジョンっぽい構図から多少は少年魂を燃やしていたのだが、ちょっと失望感がある。まぁ、楽して上に登れるからよしとしようか。
「よし、これをはめてっと……お、おわわっ!?」
赤い玉をくぼみにはめた瞬間、げんえいのとうが前後左右に揺れ始める。あまりにも激しすぎる揺れに立っていられず尻もちをつくと、天井の一部分が開き階段が降りてくる。
それを見てあんぐりと口を開きそうになり、危うく砂埃を吸い込むところだった。
「これで2階に行けるのか……はぁ、前途多難だなこれ」
げんえいのとうがどれほどの高さなのかは実際のところわからないから、あと何回層上がればいいのやら……。
そう思いながら俺は階段を登っていった。
〜〜〜〜〜〜
7つのジムバッジを入手し、残り一つのバッチを手に入れればチャンピオンリーグへの挑戦権を得ることができるようになったユウキ。だが、今彼はそんな事を気にする余裕はなかった。
それはなぜか……?
「くっ……行けジュカイン!!」
「コガァァァ!!」
一つのボールを投げ、ジュカインを繰り出す。目の前にお互いを攻撃しまくる2匹の伝説ポケモン。
目覚めとともに大地を広げ、あらゆる水害から人々を守ったとされる伝説を持つ、二足歩行となった装盾類のような姿をしたポケモン……その名はグラードン。ところどころに黒い模様があり体色は赤く腹部の方は灰色。
そしてその向かいにいるのは様々な海洋生物の要素を掛け合わせたかの様な美しい姿をしており、所々に紅いラインの特徴的な模様が描かれている。
2本の大きな胸ヒレの先には、爪の様なヒレがある。背ヒレは横に2つ並び、尾ヒレは横に4つに分かれており、海を生み出したとされ「海の化身」と崇められたポケモン……名はカイオーガ。
どちらも伝説。そして人生の始まりから終わりまでその姿を見ることは限りなく低いだろう。そんな存在が今、ユウキの目の前で争いを続けている。その争いを止めようとポケモンを繰り出すが結果は見るまでもなく返り討ち。残り一匹になってエースを出す羽目になった。
「つ、強い……これが伝説のポケモンの力だって言うのかよ!!」
愚痴をこぼしながらも今までの戦闘経験を活かしてジュカインに命令を出す。高い素早さを活かしジュカインはカイオーガとグラードンの争いによる余波を避けていく。
口から発射される数発の種がマシンガンのようにグラードンとカイオーガにぶつかる。だが、2匹ともそんなことお構い無し。
グラードンが口に光を集め、カイオーガは口に大量の冷気を集める。そしてお互いにそれを光線として発射する。グラードンのソーラービームとカイオーガの冷凍ビームがぶつかりあい大爆発を起こし、巻き込まれたユウキとジュカインは遠くに吹き飛ばされる。
「ぐわぁぁぁ!!」
宙に舞い身動きが取れなくなる。そんなとき、二つのエネルギーがぶつかったことで起きた爆発により大量の石がユウキの方へ飛んてくる。
「サメハダー! アクアジェット!」
「バクーダ! だいもんじ!!」
サメのような見た目をしたポケモンが青い彗星のように激突して岩を粉砕し、まるで背中に火山状のコブを背負ったラクダの様なポケモンが口から吐き出した大の字の焔で岩を溶かす。
「ガキンチョ、大丈夫か!!」
「不甲斐ない我らでよければお助けしよう」
ムキムキとした体型の全体的に海賊を思わせるような風貌の男アオギリ、全体的に痩せこけた七三分けの髪型に眼鏡をかけた男マツブサ。カイオーガの力で世界中の海を増やすことでポケモンの為の自然を取り戻すことを目的として活動していたアクア団、そしてグラードンの力で海を干上がらせ、世界中の陸を増やすことを目的として活動していたマグマ団。その2つの組織のトップが、ユウキのもとに駆けつけた。
「アオギリ!? それにマツブサも……いったいどうして!?」
「……すまねぇな。俺たちの勝手な目的のせいで、世界がこんなにもめちゃくちゃになっちまった」
突然の謝罪。それになんとか地面に着地することに成功したユウキが困惑する。そんなユウキの肩をマツブサが触れた。
「我々は反省しているのだよ。伝説のポケモンは容易に目覚めさせるべきではなかった、と。我々では力不足かもしれないが、君の力になりたいと思っている」
「マツブサ……」
2人の後ろにはアクア団とマグマ団、2つの組織の下っ端達と幹部がいる。彼ら彼女らもトップのため、目的のために動いていた。そして世界のために自ら目覚めさせた伝説のポケモンと戦おうとするトップについてきたのだ。
「ちょ、ちょっとカガリ! や、やめなさい!! いつまで足蹴にするのですか!?」
「……!! ッ!! ■■■■■■■■ッ!!」
言葉にならない雄叫びのような声を上げながらホムラをゲシゲシと蹴るカガリ。その瞳にはとてつもない怒りが込められていた。
「あれ……止めなくていいの?」
「……さて、少年よ。グラードンとカイオーガをどう止める?」
「思いっきり誤魔化したな!?」
決して後ろを見ないようにしながらグラードンとカイオーガを見据え目を細めるマツブサ。ユウキは叫んだ。
「んなこと気にしてる場合じゃねぇんだよ!! ちっ……!! 流石伝説のポケモンだ。俺らのエースでさえ全然刃が立たねぇ」
「ここはもう、アレしかあるまい」
「アレ、だと? ハッ!! いっちょやるか!!」
何をする気なのか全く理解できていないユウキを置いてけぼりにするかのように二人はそれぞれのキーストーンに触れる。それを見てユウキも理解し!腕に着けられたバングルにはまったキーストーンを触れる。
「バクーダ!!」
「サメハダー!!」
「ジュカイン!!」
3人は息を揃える気はなかった。だが、それでも
「「「メガシンカ!!」」」
なぜか息はあった。
3人のエースに光のエネルギーが送られ、それぞれがメガジュカイン、メガサメハダー、メガバクーダへと変化する。そのエネルギー量からようやく2匹のの伝説ポケモンが3人を睨みつけた。
「ようやくこっちを見たな……!! やれ、サメハダー!!」
「ここからは容赦しないのだよ!! バクーダ!!」
「一気に決めるぜ!! ジュカイン!!」
メガバクーダが噴煙しグラードンの噴火を相殺させ、カイオーガのハイボロポンプをサメハダーが噛み砕き、そんな二匹に向けてメガジュカインがタネマシンガンを放つ。
下っ端たちもゴルバットやポチエナ、そして幹部たちがそれぞれのエースポケモンを繰り出し、3人の助けとなるように動く。
だが……
「はぁ、はぁ……」
「野郎……全っ然疲れてる感じがしねぇなおい!!」
「こちらのほうがエネルギー切れになりそうだ」
メガシンカはトレーナーとポケモン。2つの絆をエネルギーとしている。そしてその負担はトレーナー側のほうがとても大きい。長時間の戦闘には向いていないそれは、3人の体力の大幅に削っていく。
「どうする? このままだとこっちがやられちまうぞ!」
「今から考えても遅いだろう……泥試合になるだろうが根比べで頑張るしかない」
二人は大人ゆえに体力切れになるまでまだ時間はあった。だが問題なのはユウキだ。いくら子供で元気に走り回れる年頃だとしても、メガシンカによる肉体の負担、大きく削られる体力で立っているのもやっとだった。
「なっ……不味い!! 伏せろ小僧!!」
「えっ……?」
アオギリが突如としてユウキの頭を掴み伏せさせた次の瞬間、アオギリは吹き飛んでいた。何が起こったのか分かっていなかったユウキは後ろを振り返りアオギリの様子を確認する。
「えっ……?」
アオギリは自分のパートナーであるサメハダーの下敷きになっていた。それも部下をたくさん巻き込んで。
その様子を見て他の部下たちに不安の色が見え始める。しかもアクア団幹部の二人イズミとウシオが慌てた様子で駆け寄り、サメハダーをなんとかしてどかしていた。
「ちょ、ちょっとアオギリ!?」
「大丈夫かアニィ!!」
2人の声が聞こえていないのか目を閉じ動かないアオギリ。その様子にイズミが悲鳴を上げながら揺する。ウシオは怒りに燃えた顔で自分のポケモンに指示を出すが、すぐにパートナーと共に吹き飛ばされる。
「……な、なんだよこれ……なんなんだよこんなの!!」
たった二匹による蹂躙。そるにユウキは涙を浮かべて喚き散らす。
「くっ……どうすれば良い。どうすれば二匹を止められる」
隣にいるマツブサはバクーダに指示を出しながら脳内で思考を巡らせる。だが、焦ってしまっている今のマツブサにはいい案など出せず、目の前にバクーダが飛んてきたことにさえ気づいていなかった。
「危ない!!」
間一髪、カガリがマツブサに飛びつき地面に倒れさせることで事なきを得る。それによりマツブサは自分が命の危機にあったことを知った。
「すまないカガリ」
「ううん、リーダーが無事でよかった」
ルネシティを火の海を変え、大地を振動させ、津波を起こす二匹の伝説ポケモン。強大すぎる力の前にその場にいる全員が絶望を味わった。
どうだったかな?
よければ感想などくれるとうれしいでござる!!
ホウエン地方編終わったら次はジョウト地方にしようかな