はい、久しぶりの投稿です。長かった……本編じゃないけど
◯月✕日
今日からかの悪名高いロケット団の一人になった。今は下っ端だけど、いつか幹部クラスになるんだ! そう心の中で宣言した俺がサカキ様よりいただいたのはズバットだった。
確か夜行性のポケモンで、真っ暗な洞窟の生活に適応するうちに目は退化してしまった代わりに超音波で周りの様子を探っているんたっけ? ポケモンのことを詳しく知るのはトレーナーとして当たり前の事だよな!
モンスターボールから出してみれば目がないはずなのに俺の胸元に抱きつくようにしがみついてきてなんだか可愛く見えてきた。これからよろしくなズバット!
◯月✕日 夜
ズバットを頂いて初めての悪事を働きに出かけた。お月見山に行って月の石とやらを探してくることだった。あわよくばお月見山にいるピッピを捕まえてくれればよかったんだけどな……レッドとかグリーンとか名乗る子供に見つかって勝負を挑まれてしまった。まぁ、呆気なく負けてしまったけどな! でもそれはまだまだ俺がトレーナーとして弱いだけのこと! ズバットは何も悪くないはずだ。
負けてしまったからと落ち込むズバットの頭を撫でて血を吸わせてやる。ズバットはあんまり血を吸うのが好きじゃないみたいだが、ポケモンフーズよりも血を好むズバットにしては珍しいと思う。
ズバットの食事が終えたら一緒にお風呂に入って体を綺麗にしてやる。他の団員はポケモンとお風呂に入らないみたいだが、綺麗に整えてやらないとポケモンも病気になってしまうことを知らねぇのかもしれない。バカな奴らだ。
◯月✕日 昼
今日はクチバシティにやってきた。別に指示があるとかではないけど、なんとなくやってきたって感じが強いかな。ズバットも見たことのない場所に興味深そうにキョロキョロしている。
適当な店に入り飯を頼む。そう時間がかからずに飯がやってくる。一口食べて思った。くぅ~、うめぇぜ!! ズバットも嬉しそうに食べてて見ていて嬉しくなるな!
そうして楽しく飯を食ってたんだが、確かマトと名乗る少年が入ってきた。とうやら飯を食うためにやってきただけみたいだが警戒しなければ!! ズバットは戦う気はないみたいだが見逃してやる! け、決して俺が勝てないとかビビってるわけじゃ思ってないからな!
◯月✕日 雨
最近ポケモンを無闇に殺すことが流行っているらしい。バカバカしい。ポケモンはあくまでお金の道具であって快楽のための道具ではないはずだろうに!! サカキ様だってそう言っていたではないか!! 楽しそうにポケモンを殺すアイツらを見ていると、どうして俺はロケット団に入ったのか分からなくなりそうになった。
どうしたらいいのかわからずフラフラと俺が彷徨っていると、以前食事してる時に出くわした少年マトと再会した。彼は俺の表情からバトルではなく話を聞く方向性に行ったらしい。そうして彼に今のロケット団における悩みを聞いてもらっていると不思議とスッキリし始めた。
どうしたらいい? そういう俺に対してマトは、
「なら、そいつらを止めてやれるほどお前が強くなればいいんじゃねぇの?」
そういったんだ。そうだ。そうだよな。俺はポケモンを殺すためにロケット団に入ったわけじゃない。サカキ様に憧れてロケット団に入ったんだ。俺はマトにお礼を言ってアジトに戻って鍛錬に費やした。
◯月X日 晴れ
最近同じ下っ端達がシオンタウンに行くための準備で忙しいみたいだ。話を聞くに、どうやらかつてグレンタウンという島でポケモン屋敷にいたというフジ博士を捕まえるという。なぜフジ博士を捕まえるのか分からないから俺もついていくことにした。
嫌な予感が強くなってきたぞ……。
◯月X日 雨
もうすぐシオンタウンにつく。なんだか肌寒いな……まるで見えない何かに見られているかのような感じがする。今日は早めに寝ることにした。
◯月X日 霧
ようやくシオンタウンについた。霧の深さと下っ端達とは少し離れて行動していたせいもあってはぐれてしまいそうになったが、ズバットが超音波を使って案内してくれたおかげでなんとか辿り着くことができた。ちょうどマトがシオンタウンに来ていたみたいで、この前のことでお礼を言ってみてると不思議そうな顔をしていた。
少しだけマトと話をしているとポケモンハウスと呼ばれる少し大きめの施設から女の子の悲鳴が上がった。マトとともに駆けつけると、下っ端の一人がカラカラを囮にしてガラガラをどこかに連れ出そうとしていた。フジ博士はそれを必死に止めようとしていたが殴り飛ばされて気絶した。さすがに看過できないとみて飛び出そうとしたら、俺よりも早くマトが下っ端の一人に飛び蹴りを食らわしていた。
子供なのに凄いなあの子……。
◯月X日 雨
ガラガラが死んだ。下っ端達が楽しそうにガラガラを蹴ったり殴ったりしていたからだ。カラカラを人質……ポケ質? にしてガラガラに行動させないようにしていたから。昨日下っ端に飛び蹴りしたマトは普通に気絶させられて今はロープで縛られている。何とか助けてあげたいが、ロケット団の一人として危ないことはできない。我慢してくれ。
ガラガラの死体を見てゲラゲラと笑う下っ端達を見ていると吐き気が込み上げてくる。殴り飛ばしてやりたいのを我慢していると、ガラガラの死体に黒い瘴気のような物が見えた。一瞬のことだったので分からなかったが、良くないことが起こりそうな気がする……。
◯月X日 霧
やはり俺の勘は正しかった。あの時一瞬だけ見えた黒い瘴気……それはガラガラの怨念だ。アレは俺たちを見れば即座に襲いかかってきた。下っ端達は当然応戦しようとするも、ポケモンの攻撃が何も当たらず撤退を余儀なくされた。その隙を見てマトを縛っているロープを切って抜け出す。
彼をポケモンハウスに預けてロケット団のアジトに戻った俺は、シルフカンパニーから戻ってきていたサカキ様にこれまでの現状を報告する。するとサカキ様は少し難しい顔をされたあと、下っ端達が戻り次第処罰するとのことだった。
◯月X日 晴れ
どうやらシオンタウンガラガラ殺害事件はレッドという少年のおかげで無事とまでは行かずともなんとかなったらしい。マト曰くグリーンという少年の手持ちの一匹がロケット団の下っ端によって殺害された、ということを聞いた俺は、下っ端の堕ちるところまで堕ちた言動に幻滅してきた。
あと何故かズバットがゴルバットに進化した。嬉しい。今日は豪華なご飯にしてやるからな。
◯月X日 晴れ
アレから数日が経った。驚くことが起こった……まさかサカキ様がマトをアジトにつれてくるとは思わなかった。なんか色々あって闇落ちしていたからチャンスと見てスカウトしてきたらしい。以前よりも目がめっちゃ怖くなってる……でもなんか男らしくなったような気もする。なんだろう……こう、絶対に負けたくないっていう強い意志を感じるっていうか。
「新しくロケット団に入ることになった……マト、です……よろしく」
そう言ってマトはぶっきらぼうに頭を下げた。まぁ、今まで散々ロケット団の邪魔をしてきてたこともあってか、俺以外の下っ端たちからの印象はすこぶる悪い。隙あらばマトに勝負を吹きかけてはたった一匹のポケモンで返り討ちにあう下っ端達。さすがに馬鹿すぎるだろ……。というかマトのニドキングつっよ……。
◯月X日 晴れ
マトがロケット団に入ってから下っ端達の行き過ぎた悪行はかなり減った。なぜならそんな行動をした下っ端をマトが粛清しているからだ。それも全く容赦なく。
粛清する時のマトの目、めっちゃ冷たかった。まるで人間じゃないものを見ているかのような……いや、やってることは人間じゃないことばかりだから正しいな、うん。
そんなマトだが、ポケモンたちと接する時はものすごく優しい顔で接している。下っ端達に理不尽な扱いを受けているポケモン達のお世話をしているんだ。めっちゃ懐いてて全身ポケモン達に群がられているマトを見て思わず爆笑してしまった。まぁ、その後怒られたけど。
◯月X日 雨
サカキ様が負けた。それもトキワジムリーダーとして。たった一人の少年……レッドに。ギリギリの戦いだったそうだ。それでも何故かサカキ様は悔しがっていなかった。むしろレッドが勝って当然とばかりな顔をしている。そんなサカキ様を見てロケット団のほぼ半分が抜けていった。
戦力的にマト一人でなんとかなるとはいえ、さすがに抜け過ぎじゃない? あとそんな簡単に抜けていいの? サカキ様もマトも放任するらしいから俺は何も言わないけどさ……。
◯月X日 雨
ゴルバットがなんか進化した……え? なんで? 進化するの? 先があったの? マト曰く「クロバット」と言うらしい。かなり素早くなってるから相手を翻弄するのに有利だとか……そうなのか。というか相変わらず博識だなマト。ちなみにマト曰くクロバットは特別な遺伝子を継いでるらしく、本来ズバット、ゴルバット、クロバットが覚えないはずの技を覚えてたりするらしい。そうなのか……たしかに毒づきとかするけど。え、普通はしない?