俺はオレとなって悪の道を突き進む   作:プロトタイプ・ゼロ

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はい、久しぶりの投稿です。かなり久しぶりなのでちょっと短めですが


第六話「激戦」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはちょっと困ったかな」

 

 ホウエン地方のチャンピオンを務める青年ダイゴ。そんな彼は、用事を済ませなるべく早めにユウキの元へ駆けつけるためエアームドに乗って向かっていた。

 

 そして遠目からでもわかる二匹の伝説ポケモンによる戦闘を見て、そして二匹から発せられる凄まじいプレッシャーに冷や汗をかいていた。

 

「どうやら急いだほうがよさそうだね……エアームド!」

 

 エアームドはダイゴの焦りを感じ取りスピードを上げる。自分の主人が認めたまだ若き才能を持ったトレーナーを助けに行くために。

 

 そのすぐ後ろに猛スピードで迫ってくる影に気づくことなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「マト!! 俺は強くなった!! お前に並ぶほど強くなったぞ!!」

 

 燃え上がる学園のようなもの。ポケモンも人も困惑し、絶望し、そして逃げ出す。そんな中、襟元だけ開けていたジャージを全開にし、その下は赤いタンクトップ一枚の少年がマトの前に飛び出す。

 

 少年の魂の叫びに対してマトは興味なさげだった瞳に、僅かだが光を灯す。

 

「やぁ、■■■。確かに強くなったみたいだな……じゃあ、最後の試験と行こうか。オレを倒してごらん」

 

 マトがモンスターボールを2つ取り出し無造作に投げる。中から現れたのはキリキザンとウォーグルの二匹だった。それに対して少年が出したポケモンはカイリューとニョロトノの2匹。

 

「……エースは出さないの?」

 

「せっかくこの地方のポケモンがいるんだ。使ってあげないとかわいそうだろ?」

 

「バカにしやがって……!!」

 

 ニョロトノの特性「あめふらし」により天より大量の雨粒が落ち二人の身体を濡らす。そんな中、少年の問いかけに対してマトは不気味に笑いながら瞳を少年に向けた。

 

「キリキザン、ウォーグル……全力で潰してやれ」

 

「カイリューは暴風!! ニョロトノはウォーグルに向けてれいとうビームだ!」

 

 マトと少年……二人の指示により、ポケモン達がぶつかり合う。その際凄まじい光が辺り一面を覆い、そしてその衝撃でハッとカガリの意識が舞い戻る。自分の上に覆いふさがる誰かを見て血の気が引いた。覆いふさがっていたマツブサは至る所から血を流し、ボロボロになりながらもカガリを守ろうと自分の身を盾にしていた。

 

「リーダー……マツブサ……?」

 

「ふっ……意識が戻ったか」

 

「え、どう、して……?」

 

 ポタポタと体から流れる血がカガリの頬の落ちる。マツブサはフッと笑うと、カガリの上に落ちないようにしながらその場に力尽きた。

 

「リーダーマツブサ!?」

 

 慌てたようにカガリは飛び起きるとマツブサの体を揺らす。だがマツブサが起きることはない。

 

「……許さない」

 

 ゆらりと立ち上がったカガリは使用するつもりのなかった2個目(・・・)のモンスターボールを取り出し放り投げる。するとモンスターボールから現れたのは大きな岩石のような見た目をしたポケモン……ゴローニャだった。だがその見た目は誰もが知るゴローニャの姿ではない。カガリがマト経由で手に入れたアローラ産のゴローニャである。

 

 体全体が岩石で覆われており、特に岩石が積み重なったような角が特徴的である。背中や肩には複数の岩が突き出ており、顔は岩に覆われ、鼻のような部分が突き出ています。全体的にゴツゴツとした岩のような質感で、ゴツゴツした岩に覆われた体と、岩が積み重なった角が特徴的。特にひときわ目を引くのが、胴体から突き出した2本の大きな黒い岩の柱である。これがレールガンのような機能を持っており、体内に蓄えてある岩やそこら辺にいるアローライシツブテに磁力を纏わせて放つことで驚異的な火力を叩き出すことができるのだ。

 

「……ゴローニャ、がんせきほうの準備」

 

「ゴロッニャ!」

 

 アローラゴローニャがカガリの指示を受け、周囲に存在する岩を磁力で引き寄せ黒い岩の柱に装填し狙いをグラードンに定める。

 

「……発射!」

 

「ゴロッッッッニャッ!!」

 

 黒い岩の柱から発射された岩石の砲弾は勢いよくグラードンに向けて放たれる。その火力は伝説と言われたポケモンですら被弾した瞬間弾け飛ぶほどであり、実際にグラードンはがんせきほうを食らって悲鳴をあげながら海の中に倒れ込んだ。

 

「次、準備」

 

 先ほどと同じように周囲に存在する岩を磁力で引き寄せ黒い岩の柱に装填する。いつでも発射できる準備を済ませたアローラゴローニャはカガリの方を向きサムズアップする。

 

「うん、発射」

 

 それを見たカガリは手をカイオーガの方に向ける。それに伴いアローラゴローニャはがんせきほうをカイオーガに向けて発射した。

 

 1度目のがんせきほうの脅威力をグラードンで確認しているためか、カイオーガは海に潜ることで回避する。その瞬間凄まじい音を鳴らしながらがんせきほうが過ぎ去り海に落ちる。

 

「……チッ!」

 

 思わず舌打ちをしながらカイオーガが消えた場所を睨む。すると今度はグラードンが怒りの雄叫びを上げながら海の中から飛び出してきた。続いて出てきたカイオーガもグラードンの方には視線を向けずカガリの方を睨みつける。

 

 2体の身体から凄まじいエネルギーが溢れ出し光となる。それを見てカガリは冷や汗を流した。

 

「ま、まさか……」

 

 エネルギーの繭にヒビが入り割れる。そこから現れたるは……

 

「ぐらぐらるぅぅぅぅ!」

 

「ぎゅらりゅるぅぅぅぅ!」

 

 全身を自然のエネルギーを吸収することで現代では失われていた本来の姿と強大な力を取り戻した姿。ゲンシカイキした2体の古代ポケモン。

 

 グラードンの全身に漲るエネルギーが超高温のマグマと化して溢れ出し、体の組織も流動し強い光を放つマグマ状へと変化している。赤く分厚い表皮はルビーのような質感で輝くようになり、その身からは常時凄まじい高温を放しているため、周囲には陽炎が揺らめいている。その凄まじい温度に周囲の水が蒸発し、曇っていた空に蒼天の光が差す。

 

 カイオーガの全身に漲るエネルギーが澄んだ海水と化してあふれ出し、体の組織も透明度の高い海水そのものへと変化。深い青色の皮膚はサファイアのような質感で輝くようになり、透き通った体の内部には黄色い発光体のみが見えているという、生物というよりは光を帯びた海そのものの様な神々しく神秘的な姿となる。蒼天だった空の一部に曇りが差し凄まじい大雨が降り注ぐ。

 

「……ゲンシカイキ……」

 

 ポツリとカガリが言葉を零す。ただでさえ強かった伝説のポケモンが、さらに強化された姿を前にその場に崩れ落ちる。

 

 ゲンシカイオーガの周囲にたくさんの水の光が出現し、それが柱になってカガリに向かっていく。逃げ場はないし、周りには倒れているマグマ団やアクア団がいる。

 

「……くっ……マト……」

 

 思わず目を瞑り身体を強張らせる。

 

 時間が経つ……だが、痛みは来ない。ゆっくりと、ゆっくりと瞼を上げ、そして目の前を見る。

 

「……え?」

 

 カガリの目の前には水色の岩の柱がいくつも立っている。そして後ろへ倒れそうになるが、その背中に優しく添えられる掌。顔だけ振り返れば赤いRの文字が背中に刻まれた黒いジャケットに黒い帽子を着た少年。

 

「……マト?」

 

「お待たせ、カガリ」

 

 薄く、だが温かい笑みを浮かべた少年――マト。すぐにキッとゲンシグラードンとゲンシカイオーガを睨みつける。その隣では美しい音色を奏でながら砂漠の精霊と呼ばれるフライゴンが佇んでいる。

 

 通常よりも一回り大きな姿を持つフライゴンはまるで渦巻きのように宙を舞い、そしてその口からドラゴンエネルギーが詰まった波動を繰り出す。

 

 ゲンシカイオーガがフライゴンを仕留めるべく口かられいとうビームを放つ。だがフライゴンから放たれた「りゅうのはどう」がゲンシカイオーガのれいとうビームを砕きながらゲンシカイオーガに直撃する。凄まじく爆発を起こしながらゲンシカイオーガが海の中へ消えていった。

 

「……ラムダ、今のうちにみんなを離れさせろ」

 

「うぇえ!? 坊っちゃん気づいていたのかよ」

 

 後ろを見ずに声をかけるマトの言葉に、マグマ団の制服を着て待機していた中年……ラムダがビクッとなる。

 

「とっととしろ。巻き込まれたいのか?」

 

「へいへい、わかったよ!! 人使いが荒いな!!」

 

 ラムダがドガースやマタドガスを繰り出し立ち上がることすらできない団員達を乗せて消えていく。ちなみに何回か往復している。

 

「…………し、師匠?」

 

「……む、マト……?」

 

「誰だ、このガキは?」

 

 意識を取り戻したユウキがなんとか立ち上がりマトを見上げる。それに伴いマツブサやアオギリも立ち上がった。そんな三人を見て「げんきのかたまり」を差し出す。

 

「まだ戦う勇気があるなら使え」

 

 それだけ言ってフライゴンに指示を出す。三人は顔を見合わせ頷き合うとそれぞれのエースポケモンにげんきのかたまりを使う。

 

「ジュカイン、まだやれそうか?」

 

「限界かもしれぬ……だが、頼めるか?」

 

「まだまだこんなところでくたばれねぇよなぁ!? 相棒!!」

 

 3人の声に応えるようにモンスターボールが震える。

 

「限界を超えろ! ジュカイン!」

 

「火山のように燃え上がれ! バクーダ!」

 

「荒波のように吠えろ! サメハダー!」

 

 3人のポールから現れた3匹のポケモンが光に包まれ、今一度その姿を変化させる。

 

「「「メガシンカ!!」」」

 

 相棒たちは彼らの想いに応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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