これで一年生の生存者は3名確定した。
そして暦たちは己の心身の疲れをいやすため就寝したのであった。
俺は今夢を見ている。見慣れているはずの図書館ではない空間にいるからだ。今いる場所は無重力みたいな白い空間、周りにはなにもない。しかし、不意に声が聞こえてきた。しかもそれは一人ではなく何十人もの声が一斉にだ。
「なぜ…なぜ殺した」「おまえだけいきているなんて」「よくもころしてくれたな」「オマエダケハユルサナイ」「コロシテヤル」
その瞬間、突如現れた赤黒い闇から何十本の腕が俺に襲ってきた。その腕一本一本が俺を殺そうとしていることがわかる。俺は逃げようとするけど前に進まず手足を動かすだけだ。そして俺は腕に捕まった。その腕や手は形はバラバラ、いや、まずまともの形をしているものが少ない。大半が骨だけだあったり肉がついていても腐敗している。だが、その瞬間、俺の四肢は飛び散りそこから噴水のように血が流れる。それが口火になったのか腕どもは俺に攻撃、いや、攻撃という言い方では生ぬるい「惨殺」がはじまる。腕どもは俺の体のいたるところを槍のように貫いてきた。四肢がない俺は動くことができずに何回も何回も貫かれる。そのたびに体に激痛が走るり叫びそうになるが口を開こうとしても顔をつかまれ口を開けないし喉も貫かれ声が出ない。しかも、ここでは痛覚という概念はあるが「死」というものはないようだ。何分、いや、何秒かもしれない。貫かれすぎてほぼ意識が飛びそうなとき髪をつかまれ無理やり前を向けさせられた。目の前には骨の腕と違いしっかり肉がついている両腕があった。しかしその腕は色があせていてしわの多い年寄の腕だ。年は4、50歳といったところだろう。けど、その腕を見て俺の脳裏にある人物が浮かぶ。
「ま、まさか…田中せん、せい?」
俺がそう言った瞬間、正解と言わんばかりに先生の手は俺の眼に指を突っ込み眼球を引き抜いた。
だが、悪夢はそこで終わった。起きた俺は呼吸が荒く、尋常じゃないほど汗が出ている。ホラー小説を読んだ次の日にこれに近い現象は起きるがそれとわけが違う。とりあえず息を整え、図書館のカウンターに向かう。起きたらカウンターの近くの机に集合するように寝る前にしたからだ。そして、その机にはすでに未由がいた。けど、未由の顔色は寝る前以上に悪くなっている。
「あ、おはようございます暦さん。」
未由は俺に気づいてすぐに挨拶してきた。だが、挨拶の時に浮かべた微笑は俺にはとても痛々しく見えた。俺に気を使わせないためなのかもしれない。でも俺が止めたり心配するといつもへらへら笑ってスルーされてしまう。けど、今回はそうなるとわかっていても心配してしまう。
「未由、大丈夫か?顔色よくないぞ。」
「あー…ただの寝不足ですよ。ほら、しばらくここに来れなくて興奮しちゃっててアハハ…」
やっぱり未由は俺に嘘をつく。その理由を問い詰めたいがそれで未由が本当のことを言ってくれるかもわからない。けど心配だから注意はしとくか。
「そうか、ただ無理とかはするなよ?体壊しても知らないぞ?」
「ハハ、本当暦さんは心配性ですね。大丈夫ですよ。」
未由は微笑を浮かべながらそう返してきた。気のせいか、さっきの痛々しい微笑よりかはいつもの明るい微笑に近かった。
暦が起きて3時間たち朝の8時となった。二人は今開いている図書館の本を読んでいた。これが彼らにとってどれだけの至福の時間であるか、常人ではあまり理解できない。ただ、至福の時間というものはすぐに崩れ去ったしまう。なぜなら、突然高橋が悲鳴を上げたからだ。暦や未由と同じように悪夢を見たのだろう。
図書館内にいきなり悲鳴が響いた。今図書館にいるのは三人のはずだ。といことは自然に悲鳴を発したのは分かる。高橋だ。俺と未由はすぐに高橋がいる場所に向かう。
「大丈夫か高橋!!」
「大丈夫ですか?」
高橋は頭を抱えて震えていた。俺と未由はすぐに声をかけたけど、高橋は俺たちの声が聞こえてなく何かをずっとつぶやいている。
「ボクハココニイチャダメナンダ…ボクハシヌベキダッタンダ…ボクガミンナコロシタンダ…」
小声で何を言ってるかわからない。だが、高橋はいきなり立ち上がった。
「ソウダヨ、イマカラボクモイケバイイ…ミンナ…マッテテ…イマイクヨ」
高橋のつぶやきはそこだけは明確に聞こえた。しかし、そのあとすぐに高橋は走ってしまった。
「暦さん!追いましょう!」
俺も未由と同じ考えだ。すぐに高橋を追う。高橋は図書館のドアを開け廊下に出た。俺たちも追おうとするが廊下を、いや、廊下についている血を見た瞬間、俺はいきなり吐き気に襲われた。いや、俺だけでなく未由もだ。未由は全然寝ていなく体力がないのか座り込んでしまった。けど、未由を心配していると高橋を追えなくなってしまう。
「暦さん…私に気にせずに追ってください…私は大丈夫です…」
全然大丈夫ではなさそうだが俺は高橋を追うことにする。
「すまん未由!先に行ってるぞ!」
俺は吐き気を無理やり抑えて走った。教室のドアや廊下を見ずに高橋だけを見て走った。高橋は途中で止まりどこかの教室のドアを開けた。そこは高橋のクラス、C組だった。俺はすぐにそこに入った。C組の中は、俺のB組と同じ内装だけど決定的に違うところがある。それは教室中血に染まっているか、否かである。C組は驚くことに後者だ。いや、完全に血が一滴もないというわけでない。ロッカーの近くは紅く汚れている。そこに数本の人間の骨や肉が落ちている。
「ミンナ…イマイクヨ。」
高橋は掃除用具のロッカーを開け入ろうとしている。確かあれは俺のクラスだと北野の埋葬の時に使った。だが、何かが引っ掛かる。
(確か、掃除用具入れは先生が最初に開けないと飲み込まれる。飲み込まれるってことは地下のスクラップマシーン行ってことか?ということは…!中に入って閉めれば自分からあのマシーンに飛び込むってことか…!)
「やめろ高橋!!その中に入ったらダメだ!」
俺は高橋を止めようとする。
「邪魔しないでよ本田君!僕はここに入らないといけないんだ!僕は、生きている資格なんてないんだっ!」
高橋は涙を流してそう叫んだ。今彼は「人の死」という恐怖で自分が見えていない。けど、俺は彼の死ぬところなんて見たくない。なら、入らせないように用具入れの前に立つ。
「今のお前は人の死で自分が見えてないだけなんだ!目を覚ませ!」
「目ならもう覚めているよ!けど!それでも僕は生きてちゃいけないんだ!どいてよぉ!」
高橋はそう叫びながら俺を殴ってきた。俺は腕でガードするしかできなかった。けど、ガードしている間に教室中を見る。
(人の死体がない不自然な状況。血痕はロッカーの付近だけ。後は…黒板に何か書いてあるな…あれは、トーナメント表?ということはこのクラスは何かしらの戦いで生存者を決めたってことか。けど、道具とかないしな…いや!今はそんなことよりこいつの説得が先だ!)
「高橋!お前のクラスは何かで勝敗を決めて生存者を決めたらしいけど、おまえは敗者を踏み越えて勝ったのにそれでも死ぬつもりか!負けたやつの命を無駄にするのか!」
俺は叫んだ。その瞬間、高橋は殴るのをやめた。
「僕は…みんなの命を…」
「高橋、今は生きることだけを考えろ。罪滅ぼしはその後だ。」
「う…うん」
とりあえず高橋の説得に成功した。それからすぐに弱っているけど未由がC組に来た。
「未由、大丈夫か…」
「えぇ…なんとか…」
これだまた三人そろった。そして俺は二人に聞きたいことがあった。
「なぁ、二人はどうやって出たんだ?俺は話すけど嫌なら別に聞かなくていし言わなくてもいいから。」
二人とも顔を下に向けた。いや、これが正常な反応だ。逆に話すことのできる俺はもう異常なのかもしれない。
「私は話しますよ。たぶん、もう逃げられないと思うのでスッキリさせたいです。」
「ぼ…僕もしゃべる。今C組にいるし…」
「二人とも、ありがとう。」
こうして一年生の生存者がどうやって教室から出たか、今明らかになる
これを書いている途中に誕生日迎えまして15話目です。
誕生日を迎えて思ったことは「何も成長してない」ということでしたw
さぁ、週一でなく週二ペースで今書いております。
このペース、いつまでつ・づ・く・か・なぁぁ~~~(他人事)
まぁ、できればしばらくはこの調子で書きたいですね
タグについている「不定期投稿の極み」、ということなのでやはり気まぐれですねW
でも、今は結構ストーリー的に書いていて楽しいところなのでできれば早く上げたいですねW
本当に出きればですけどねW
では、今回はここまでです
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(今、ネタがないんですよ。期待した人、すみません)
(え、いない?あぁそう。知ってた)