俺達はアキが用意したE組の宮内兄弟の殺し合いを見終わった。俺には兄弟はいないけど仲の良い兄弟ですらも、この空間だと憎しみをぶつけ合う殺し合いが発生してしまうのか。ただ、俺が思ったのは、殺してしまったら今まで謝りたかったことも謝ることできなくて憎しみながら死んでいってしまうのは、なんというか、悲しい。未由は見る限り表情に変化はない。だからこの映像をどう感じているのかわからない。ただ、高橋だけは泣いていた。
「こんな…ひどいよ。仲の良い兄弟で殺し合わせるなんて…残酷すぎる…!」
高橋はしばらく泣いた。その間に俺は未由に聞いてみた。
「未由はさっきの映像どう思った。いや、どう感じた」
無表情でどう感じているのかわからない。未由も残酷とか思っているのだろうか。
「そうですね…どう感じたか、と言われると…言葉に表すの難しいですね…悲しい、より可哀そう…ですかね。なんか仲良しなのに無理やり喧嘩しろって言われた感じですもんね。私にはよくわかりませんが」
そんな感じか。なんか無理やり言わせて悪かったかな。それと、高橋は自分のクラスのこともあったし大丈夫かな。
「高橋。やっぱり宮内兄弟のこと悲しいか?」
「そんなの当り前じゃないか!!こんな…こんなこと許せないよ!!」
高橋は涙を流しながら即答した。そうだよな。けど、結局1,2日待たないといけない。もしかしたら心の弱い高橋はまた自殺とか考える可能性がある。それだけは嫌だ。
「おまえはやさしいな。なら、C組で言ったこと覚えてるか」
「…今は生きることを考えろ…て言ったやつ?」
「そうだ。ここにいるってことは自分のクラスもそうだけど他のクラスの奴の分まで生き残るってことだ。だから、そいつらの死を無駄にしないってことだ」
「…そうだね…うん。僕は本田君と白々木さんほど強くないしすぐ泣いちゃうけど頑張って生き残る!死んだ人の分まで!」
よかった。高橋の眼を見ればわかる。今は生きることを決意している。これなら自殺とかは考えないだろう。高橋も少し立派になったのかな。そう考えるとなんだか気分が軽くなった。
「それで暦さん。一つ不思議に思ったことが…」
未由がいきなりパソコンをいじりながらそう言った。
「不思議に思ったこと?映像と画像か?」
「いえ、パソコン本体のほうです」
ますますわからない。そして俺もパソコンの画面を見る。
「私たちさっき動画見ましたよね。そこでなにかわかりませんか?」
確かに、動画を見た。そこで不思議に思うこと…あれ?
「確か電波は遮断されているはず!」
動画を見るにはインターネットを使う。つまり遮断されているはずの電波を受信しているってことか!
「そうです。だからパソコンを使えば外に連絡入れられるはずです!てことで頼んでいいですか?私メールのやり方とか知らないので」
「なんで動画サイトは知っているんだが…」
未由に変わって俺がパソコンをいじる。このパソコン自体が学校のやつでメールアドレスがあるかどうか…わからないからまず、アカウントを作るのページに行く、が、ブロックされてしまった。恐らく、学校全体の制御システムとかでアカウントを作らせないようにしているのか。そしたら、ネット自体は使えても何個かブロックされるのか。なら、一通り外に連絡できそうなサイトを探してみるか。
―だが、10分後。―
「ないな」「ないですね」「ないね」
高橋も泣き止んで手伝ってくれたが、SNSやブログ、投稿サイトなど、こっちが発信するサイトは全てブロックされた。なんとかブロックを解くことができないかやってみたが三人の知識では無理だった。今のところこのパソコンはネットは使えても動画を見ることしかできないわけだ。
「なら、やっぱり待つしかないですね」
そして未由はすぐに定位置で本を読み始めた。
「あ、僕パソコン使ってていい?ほかのサイトとか見れるか試してみるよ」
「別にいいですよ~私は使わないので」
「構わないよ。むしろ、そうやって見れるサイトを見つけてくれるとありがたい」
パソコンは高橋に任せるか。さて、俺は、今日の夕飯を贅沢にするとか言ったから調理室で食材確認しに行くか。今ならバラバラに行動しても危険はないからな。
こうして、一年生3人は各々自由に行動した。A組の及川は社会準備室で拘束中、E組は生存者なし。そして、1,2日間待ち、ゲームが進む。ただ、電波を遮断し、謎のギミックを用意し、遠隔で機器を操作できるような黒幕側がなぜ、一部屋の鍵とシャッターを上げるのにそんな時間が必要だったのか。それは暦たちは知る由もなかった。
〔どこかわからない薄暗い部屋〕
この部屋にはいくつものモニターに大きな機器が並べられていた。そこに高級そうな椅子の上に体育座りしている一つの人影があった。
「ふんふんふん♪やったね♪これでボクも参戦できるね♪あ、でもマスターに怒られちゃうかな?」
椅子に座っている人はのんきに鼻歌を歌っている。だが、その鼻歌をかき消すようにコール音が鳴り響く。椅子に座っている人は機器のボタンを一つ押して応答した。
『おい!コードAなに勝手な指示をしている!2階の異常は5分あれば治ると言ったのに1日2日待てとはどういうことだ!それと、勝手に写真と録画した映像渡してどういうことだ!』
通信の声の主は男性で相当慌てているようだ。
「え~、君、彼女とかいないでしょ?そんな細かいこと気にしてたら禿げてモテなくなるよ~?」
椅子の人物は悪びれるつもりなくそう返した。
『全然細かくない!それとな、俺はスキンヘッドだから髪の毛もない!!なにより既婚者だからな?!』
「二次元の嫁と?」
『立派な三次元だ!』
「ごめん、哺乳類だったね~」
『霊長類だ!』
「おめでとう~幸せになってね!ゴリ子さんと!」
『まっとうな人間だ!!』
通信でコントをしていた発信した自称スキンヘッドのハゲさんは内容を戻す。
『ゴホン!映像と画像のことはともかく、流石に時間を勝手に伸ばしたことはマスターに報告させてもらうぞ!それとおまえの処罰もその時に決める!』
ハゲは怒鳴りながら通信した。
「うぇ~、ちょっと待ってよコードH君」
『Hじゃない』
「あれ、Aだっけ?」
『それはおまえだ!』
「あ、そうだった!じゃぁ…G!」
『オシイ!…じゃなくて!』
「そうだ!Eだ!」
『そうそう!俺はコードE…て誰が「HAGE」だ!』
結局脱線してコントが始まる。
『クソ、このままだと話にならない…こちらコードE。マスター。コードAのことどうしますか?』
ハゲは別のところに通信を入れた。相手はコードのつけられた人たちが『マスター』と呼ぶ、つまり黒幕の親玉だ。その後少しの会話声が聞こえ、通信が切れた。そして、モニタールームの方にまた通信が入った。椅子に座っているコードAと呼ばれた人はまた通信を入れる。
『A。なにか勝手にやったようだな。お前のことだ、なにか考えでもあるのだろう?』
さっきのハゲと違い、ボイスチェンジャーやノイズが混ざっているようで男か女かわからない声で放送が入った。
「はい!今、2階にいるやつらの一人が面白いことになっているんです!」
コードAは喜々としてそう報告した。まるで待っていましたと言わんばかりに。
『面白いこと…細かく話してみろ』
「了解です!2階にいるやつの一人が3日ほど前からほかのやつに拘束されていて放置されているんです」
コードAはそれだけ言って一回区切った。普通ならその後も言うはずだが、次に音がしたのは通信の方だ。
『なるほど。これは愉快にして残酷だな。2階ということは一年生か。その齢にしてそのような知識。面白いのが生き残ったな』
マスターと呼ばれる人物は機械で合成されたような声だが、少し楽しそうというのがわかった。
『それで、どうしたいか言ってみろコードA』
「え~、ちょっと恥ずかしいんですけど…ボクも参加したいです!!」
コードAは自らあの殺し合いに参加したいと恥じらいながら高らかに言った。
『なるほど。Aクラスの後がまがコードAのおまえか。これもまた面白い。だが、参加する前にE組の林真というやつに連絡は入れたのか?』
「それはもう入れてあります!本人も快く承認してくれました!!」
どうやら、E組は生存者ゼロのままでなく、自宅謹慎中の林真を呼んでいたようだ。
『流石だな。なら、参加することを認めよう。ただ、なぜ参加しようと思ったか、その旨を聞こうか』
マスターは参加することを認めたが、なぜか参加する旨を聞いてきた。これは本人の興味本心だろう。
「そんなの、見ていたら殺りたくなったからです♡」
暦たちの知らないところで1年生の生存者が5人確定した。そのうち一人は自宅謹慎だった完璧超人にして破天荒で有名な林真刈矢。そして、もう一人はなんと、黒幕側から一人。そして、次の日、ゲームはやっと次へ進む。
SW明けの25話目です
久しぶりに一週間に二本投稿してじり貧な後書きです
サブタイトルは高橋の生きるという決心と、裏で5人決まったところから取っています
この回はE組の様子を見た一年三人の様子、それと黒幕側のやり取りを書きました
正直、この回のメインは黒幕のやり取りです。これなかったら1000字ちょっとで終わっていますwww
黒幕側の様子も描きたいと思っていていつ書くか迷っていたとき、
「いつ書くの?今でしょ!!」
という天からの声が聞こえたので書きましたwww
黒幕側は結構ネタぶち込みました。黒幕側、というかこういう組織の名前のない人たちって結構固い印象ですよね。けど、それで面白いことしてたら結構シュールじゃないですかwww
やりたかっただけです後悔もなにもない
それでは、今回はここまでです
今後も私と私の作品をよろしくお願いします!
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(今後、後書きの最後は↑ので固定していく予定です
たまに下にボソッということもありますから下まで読んでみてください)