血塗りの監獄 -Bloody School-   作:蟲之字

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27話目「次ぎへの階段」

 及川の死を確認し、図書館に戻る暦と未由。しかし、二人が戻る途中、図書館の扉が勢いよく開き高橋がこちらに来た。

 「どうした高橋!何かあったのか?」

 高橋はすぐに息を整え口を開く。

 「今、放送が入って、E組の扉の鍵を開けてシャッターをあげられるようになっただって!」

 それを聞き、暦たちは足早に図書館に戻った。

 『やーやー諸君。おっまたー!!』

 図書館に入るとアキのウザったい声の放送が入る。

 『みんなきたね~。いやー、やっと姫を亀の魔王から救い出せたよ~』

 「「「マリオかよ!!!」」」

 『ゴメン冗談だよ~。E組の鍵を開けて階段のシャッターを上げれるようになったんだよ~』

 冗談交じえながらアキの放送は続いていく。

 『それで、ここからが本題なんだけど、シャッターは君たちのいる二階と2年生のいる三階の階段が閉じてた。つまり、二年生と三年生はすでに次のステージにいるわけ。ここまでおけー?」

 未由と高橋は首をこくこく縦に振っているが暦は腕を組んで考え事をしている。

 (つまり、2,3年生は既に次のステージにいるってことは俺たちは上った瞬間に情報もなしで始まるってことだよな…それじゃあ圧倒的に不利だろ)

 暦は額に冷や汗を流しながら懸命に考えを巡らせた。上にあがったらすぐに襲ってくるであろう年上たちを。自分たちよりも一つ二つぐらいしか変わらない、けど、確かに差がある戦力をどう埋めようかを。

 『あ~、でも、次のステージにいるっていってもまだ始まってはいないからね~』

 その一言で暦の思考は止まった。瞬殺されるのを覚悟だったのに出鼻をくじかれた。

 「そ…それで、次のステージにいるのに始まってないってのはどうゆうことなんだアキ?」 

 『それはね、全員がそろってからルール説明に移るから君たちには4階にある「大会議室」に来てもらいたいんだよ~。ほかのみんなもすでにいるからさ』 

 大会議室とは、主に先生が会議に使う大きな教室。広さは通常のHR教室とあまり変わらない。設備は机と椅子、映写機、それに山のような資料があるぐらいだ。

 『そこにみんな集まったら次のステージの説明に入るから早めに来てね~』 

 そしてアキの放送が終わる。暦たちはその放送を聞き、各々考え事をし始めた。だが、その静寂はすぐに終わる。

 「とりあえず行きませんか?そこに行かないとなにも始まらないと思いますよ」

 一番に口を開いたのは未由だった。未由はすぐに自分の荷物をまとめ行く準備をしている。もちろん、刀はしっかり持っている。

 「え・・・でも、もし放送が嘘で既に始まっていたらこ・・・殺されちゃうかも・・・」

 高橋は近くのイスに座り込み頭を抱えている。暦は腕を組み上に昇ること、昇った後のことを考えている。

 (黒幕たちの今までの行動とかから推測すると、あいつらは俺たちのクラスにカメラを付けて録画したり各クラスごとの異なった通信が出来る。それほどの技術があるってことはこれは配信されている可能性が高いよな。しかもそれでギャンブルしている可能性も高そうだ。内容的には、第一ラウンドがどのクラスが早く出れるか、次は誰が最後まで生き残るか。とかか?。だが、逆に考えれば高橋が言ったとおり既に殺し合いが始まっている、その可能性は捨てきれない。だが、それだとギャンブルしているなら平等性がかける。だから、もし仮にギャンブルしているなら始まっている可能性は低いとおもう。)

 暦は考えがまとまり口を開く。

 「高橋が言っていることもありえるとおもう、けど、あの放送は本当だと思う」

 「どうして!何で暦君はあいつらのことをすぐに信じられるの!」

 高橋の叫びが図書室に響き渡る。それに暦と未由は驚いた。

 「俺はあいつらを信じたんじゃない。あいつらの今までの行動、確認できる限りの設備。それらを考察して俺は結論を出している。あいつらは恐らく俺たちのことを配信してそれでギャンブルみたいなことをしている。その手のギャンブルする場合、出来る限り不平等がないようにしないと大きな金が動かない。だからあいつらは俺たちが次のステージで不利にならないようにスタートラインは同じにするはずだ」

 だが、それはすべて憶測。それは暦は承知の上だ。ここに来てからずっとそうだ。どれが正しいことなんてその時にならないとわからないのだから。

 「・・・」

 高橋はまた机に頭を伏せて考えた。高橋は今までは黒幕は嘘をついていなかたっが今回こそ嘘かもしれない。そう思っているからだ。暦の言葉は信じられるがどうしてもあと一歩が踏み込めない。

 「なら、高橋さんはここでお留守番でもいいんじゃないですか?」

 未由の意外な言葉で男二人は開けた口が閉まらない。

 「…高橋、どうする?正直それが一番よさそうかもな。この階には誰もいないし」

 「…いや、お留守番するよりかはみんなについていくよ」

 「それでは高橋さんもいきますよね」

 「…はい」

 未由の一声で高橋を首を縦に振った。そして三人は図書館を後にし、階段に向かう。

 「本当にシャッター開いてるんだな…」

 暦は唾をのみ目の前の階段を見た。

 「流石に…僕は放送信じられないけど…ここまで来たんだから行くしかないよね…」

 「男の子二人は怖いんですか?」

 未由は暦と高橋の間に入り二人の手をつかんだ。

 「もう覚悟決め手さっさと行きましょう」

 男二人はため息と深呼吸をして覚悟を決めた。

 「まったく。未由はなんというか変わんねえな」

 「そうだね。明るくて怖いもの知らずというか」

 「私は私ですから。変わるも何もないですよ」

 そして三人は一段一段。階段を上っていく。

 

 




どうも蟲之字です。
一年近く放置してしまい本当に申し訳ないです
理由は色々ありますがまぁ…主に学校とバイトとゲームとオフトゥンですw

それで、実は重大な問題が発生しまして、今まで書いていた設定資料が全てパーンしてしまい普及もできない状態。更に、時間が経ちすぎてしまい私自身が忘れてしまっている設定も多々ありまして…
誠に急で勝手ながら、この27話目で「血塗りの監獄」を終了とさせていただきます。
2年近く掲載しておいて消すのはもったいないので残してはおきます。
とても中途半端で自分勝手というか不始末というか…取りあえず新しいタグ追加と連載(完結)しておきますに
長い間読んでくださっている方、この話から読んでくださっている方。今までありがとうございました。
投稿自体は地道にですがまだやっていく予定なので新作などが出たらゴミを見るような眼で見てやってくださいw

それでは、長い間、血塗りの監獄を読んでくださってありがとうございました!!




























え~。それではここらへんで今後投稿していく物のネタバレしていきますw
見たくない人はここでブラウザバック推奨























それではネタバレです
私は今までこの作品を「ブラスク」と略称してきましたがこの回だけ「血塗りの監獄」と呼んでいます。
いいたいことはわかるかな?
新作は設定などを見直し、一新し、リメイクした「ブラスク」です!!
正直リメイク自体はいつかしていな~と考えていまして書きためていた設定集が飛んでしまって逆に決心しましたw
予定としては、血塗りが27話まで出ているのでしばらくはそれのリメイク、それ以降の話は完全新作で書いていく予定です。
今まで以上に知識をつけ、見聞を広めて書いていけたらな~と考えています。
他にも、以前のあとがたりで二次創作はここではやらないといいましたが(確か)二次創作にもちょっとずつ手を出していこうと思います
作品はカードゲームかゲームの物が主になると思います
(というか二次創作の1話目はすでに書きあがってるので近いうち投稿しますw)
ではでは、リメイクか二次創作作品で再びお会いしましょう!
(正直今回は後書きがメインです。すいません)


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