血塗りの監獄 -Bloody School-   作:蟲之字

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監獄生活1日目 PM:5:10

1年B組さらに二名死亡
計三名死亡

ロッカーについて



7話目 「心からの黙祷 偽りの黙祷」

 1年B組は誰一人としてしゃべろうとしなかった。ただ、唖然としているもの。現実を理解できていない人。声を出すことができない人。そう、大谷と中野の死に方は非現実的な死に方だった。今日初めて人の死というものを見た学生にとってあまりにも衝撃が大きかったに違いない。いや、このクラス唯一の大人の田中先生すら学生と同じように唖然としている。何もしない。何もできない。何も考えることができない。このクラスの空間は、ただの「静寂」という言葉では表現ができないようなよどんだ空気でうまってしまっている。しかし、窓もドアもあかない密室なため空気も入れ替えられない。暦は、同じクラスの三人の死をみて自身の決意が揺らいできている。しかし、だからこそ暦は本を読み続けている。

 

 (三人死んだ。俺は残りの連中を殺せるのか?北野の死に方は今の状況だと頭を銃で撃つと考えるとすぐにできる。けど、大谷と中野の死に方は逆に考えるとロッカーさえ開けなければ起こることがないんだよな…あの映像は、俺にとっては少し意味がなかったかもな。)

 俺は先生から借りた聖書を読みながらそう考えていた。大谷と中野の死によってクラスの連中はほとんどがもぬけの殻となっている。けど、今仕掛けたとしても出ていける確率は少し低いと思う。だから、みんなが寝ているところか衰弱したところを狙うか。しかし、北野の死体はいまだに教室に置いてある。俺はまたその死体を覗いた。さっき見た時より血が抜けているせいか、体がどんどん冷たくなり色も色白くなっていた。そして自分であることに気付く。

 (俺、人の死にもう慣れているのか、さっき見たときの恐怖感がなくなっている。)

 死体にはどうやらもう慣れたみたいだ。しかし、ここから出るとしたら自分の手で人を殺さないといけない。それはきっとただ死体を見るだけの恐怖よりさらに怖いんだろうな。そう思いながら俺は自分の席につきまた聖書を読み始めた。

 

 それから時が経ち夜の七時となった。外の様子はわからない。暦のクラスは相変わらずほとんどの人が何もしていない状態だ。暦自身は少し周りから浮いているが本を読んでいた。しかし、教室の中は少し異臭を放っていた。それは北野の死体だ。しかし、だれもそれを運ぼうとしない。死体をもう見たくないからだ。ほとんどの生徒はいまだ正気に戻っていないから何も感じないだろうが暦はその匂いを不快に感じた。

 

 (なんだ、この臭い…もしかして北野の死体からか?腐敗臭が出るにしては少し早いと思うけど…いや、死体をあのままにしているのがおかしいのか。にしても、遺体の埋葬とか処理とかあいつらはどうするつもりで殺し合いをさせているんだ?)

 腐敗臭をかいで俺はそれについて考えた。おそらくアキに言えば何かしら答えてくれるだろう。しかし、あいつは俺たちの声に反応してくれるのだろうか。一応俺はアキに話しかけてみた。

 「おいアキ、北野の死体を埋葬したいんだけど」

 ぶっきらぼうにそういってみた。俺自身は率先して何かをやるというのは好きではないし、周りもいきなり何言ってるんだという目で俺を見た。しかし、俺を見るだけで何も言われなかった。そしてアキは少し遅れながら放送してきた。

 「よっばれて飛び出ないけどじゃじゃじゃじゃ~ん!アキちゃんだよ~。本田君がボクを呼んだのかな~?」

 相変わらずアキはウザったい口調と声で放送を入れてきた。

 「そうだ。北野の死体を埋葬してあげたいんだけどどうすればいい?」

 俺はそう言った。クラスの連中は相変わらず静かで何も反応しなかった。

 「あ~自滅しちゃった北野君の死体ね~。あ、そっか。まだこのクラスは説明していなかったけ」」

 アキの放送に何個か不可解な言葉が聞こえた。北野の自滅についてはその通りだからあまり感じなかったが『そっちのクラスに説明していなかった』という言葉が引っ掛かった。きっとアキはほかのクラスにも放送を入れているのだろう。しかも機械を使い分けているかどうかわからないけど一人でだ。

 「死体は教室の掃除用具入れのロッカーに入れてくれればあとはこっちで何とかするよ」

 アキの放送を聞いた時俺は、いや、ほかの生徒も明らかに顔を伏せた。ロッカーに飲み込まれた二人のことを思い出したからだろう。俺はアキに

 「もし俺がロッカーを開けたら大谷と中野の二の舞になるんじゃないか?」

 と皮肉も込めてそう言った。

 「あーごめんごめん。そうなっちゃうね。掃除入れは最初に先生に空けてもらわないと飲み込まれちゃうからね~。というわけで田中先生開けてもらってもよろしいかな?」

 いきなり話を振られた田中先生は少し驚いたようだ。

 「私が、開けるのか?」

 驚いた、というかはおびえているようだ。やはり先生もロッカーを開けるのに抵抗があるようだ。

 「だいじょ~ぶだよ田中先生。飲み込まれることはないから。」

 もし俺が田中先生の立場なら開けるのは躊躇するだろう。しかし、田中先生は少し深呼吸した後にロッカーを開けた。中にはいつもは入っているはずのモップやほうきがなく、代わりに一本の日本刀が入っていた。

 「あ~、そうだ。忘れていたよ。生徒のみんなには武器を配ったのに先生には配らないという不平等が起きないように日本刀入れておいたんだっけ。でも、掃除用具のロッカーは閉めない限り物はなくらないから。」

 どうやら生徒用のロッカーと少し仕様が違うようだ。田中先生はアキの言葉を聞いて一呼吸した後すぐにロッカーの扉を閉めた。

 「私にはこんなのは必要ない。生徒を傷つけるなんて教師じゃないからな。」

 田中先生はそう言った。本当に、田中先生は人間としてとてもできている。こんな殺し合いに参加するような人物じゃない。なのに…

 「さぁ、北野を埋葬してやろう。今の俺たちにはそれしかできないだろう。本田、すまんが、手伝ってくれないか。」

 俺は先生と一緒に北野を掃除用ロッカーに入れた。そして入れ終わりロッカーを閉めるとき田中先生は黙祷をしているので俺もまねた。黙祷をしているとき隣からすするような泣き声が聞こえた。俺は目を開けて確認しようと思ったがやめた。確認しなくても先生のだとわかるからだ。

 

 今、B組生徒全員が先生と一緒に黙祷している。しかし、暦は黙祷しているときに違うことを考えていた。

 (俺は、こんなにもできている先生を殺そうと考えているのか…ほかの連中ならまだ殺せるかもしれないけど、田中先生だけは殺したくないな…)

 

 本当に、暦はこの教室を出ることはできるのだろうか。殺したくないと思っている田中先生をも殺して。




 はい、何かの搾りカスのような干からびた状態で出した七話目です。

 とうとう一週間に一本あげるという状態が維持できない状態になってきました。

 学校の勉強、部活、バイト、アニメ、ゲーム、家事、などで忙しくなった来ました。

 今後もできれば二週間に一本は上げていきたいなと思っています
(思っているだけなので私本人もどうなるかわかりません)

 このブラスクも一話目を挙げてから早一ヶ月、UAも200を超えてきて私的には書いて本当に良かったなと思います。

 あと、いつもなら最後らへんに自虐的なネタをよくぶち込む私ですか今回はやめておきますw

 今後もブラスクを読んでくださるとうれしいです。
(ついでにお気に入り登録や感想をくれるとうれしいなッ)
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