ダンガンロンパ ロストワード 作:りょうぴー(創作論破書き)
すべての人間は同じ役者で、一人一人が各々のタイミングで舞台に登場しては、去ってゆく…
人はその時々にいろいろな役を演じるという考え方がある。
なら、オレ達はどうなんだ?
理不尽に舞台に立たされ、勝手に退場させられるかもしれない状態に立たされるオレ達は…
本当に役者だと言えるのか?
それとも…オレ達は役者にすらなり切れない、自分を偽って演じることすら出来ない、哀れな人形でしか無いのだろうか?
そして勇者は絶望と呼ばれた (非)日常編 その1
Chapter.2 そして勇者は絶望と呼ばれた
星野「1、2、3、4…」
星野「おーっし、そんじゃあ今日の朝のトレーニングはこれでおしまい、よし!完璧だぜ!!」
星野「まぁこんな状況下だけど、体動かさなきゃ鈍っちまうからな。」
星野「さてと、そろそろ7時ごろ…朝飯時か。」
星野「お?なんだこれ…?数字の『7』か?」
星野「何の暗号か分かんねぇな…ま、いいや。他の奴らに聞いたところで分かりそうにないし、そもそもこれ自体誰かの落書きっぽいよな。気にする必要はねーか。そろそろ飯の時間だな。腹減ったなぁ……今日の朝飯はなんだろうな?」
キーン、コーン、カーン、コーン…
朝のアナウンスが鳴り響いた。僕はまだ重い体をゆっくりと起こし、ベッドから降りる。
嗣宮「ふぁぁぁぁぁ……寝てたのか……」
嗣宮(…もう朝か。)
時計は朝の7時を指している。
昨日の櫻坂さんの死と、浜垣くんの処刑…現実離れした凄惨な光景からまだ数時間しか経っていなかった。
嗣宮(泣き疲れてたのかな…いつの間に眠ってたから時間が全然わからなかったよ。)
ピンポーン!ピンポーン!
チャイムの音だ。こんな朝早くから誰だろう…?憂鬱な気分を振り払うように僕はドアに手をかけた。
嗣宮「あ、今開けるよ…」
ガチャリと音を立ててドアを開けると、目の前には星野くんが立っていた。
星野「よっ、嗣宮!いい朝だな!」
嗣宮「あっ、星野くん…」
星野「もうみんな飯食いに食堂に集まってるぞ?お前だけまだ来てなかったから呼びに来たんだ。とりあえず早く行こうぜ!」
嗣宮「あっ、うん!今支度するからまってて!」
僕は星野くんと一緒に食堂に向かうことになった。
〜食堂〜
食堂では既に皆が集まっていた。
新城「…来たみたいだな。」
木崎「あ、嗣宮くん!おはよう。」
光明寺「ふぁ〜…おはよ〜…」
坂田「嗣宮、おはようさん。」
音無「……」
相沢「これで今いる人達は全員集まりましたな。生きている人、ですが……」
海堂「おはよう嗣宮くん。星野くんの分も用意しといたよ。」
麦畑「みんなもう頂いちゃってるのです。2人も一緒に食べるのです!」
僕と星野くんはそれぞれ自分の席に座って用意されてある麦茶を飲みご飯を食べ始めた。
星野「おう!じゃあいただきます!って、おいおい……勘弁してくれよ……ちくわ入ってんじゃねーかよ…」
光明寺「えー?ゆーくんちくわ嫌いなの?あかりのリクエストなのに…」
星野「今日はお前の誕生日かなんかなのか?オレはちくわ無理なんだよ…」
犬木「お?星野、ちくわ嫌いなのか?じゃあアタシにくれよ。」
星野「マジか!サンキュー!じゃあ食ってくれ!」
嗣宮「うーん…水羊羹か…」
豪徳寺「おや嗣宮くん、水羊羹が苦手なのかね?僕は今朝はどちらかと言うと和菓子の気分なんだ。君が良ければだが、僕の林檎ゼリーと交換しないかい?」
嗣宮「え、いいの?ありがとう、豪徳寺くん。」
豪徳寺「いやぁ、別に気にする事はないさ。」
映雪「……このリンゴ、皮がうさぎの形に切ってあるのね。」
麦畑「雪菜お姉ちゃま、ウサギさんが好きなのです?」
映雪「恥ずかしいしイメージじゃないからあまり口外は控えているのだけれど……私は実はうさぎが大好きなの。あのフワフワした体、抱き心地が良くて…」
木崎「あ、分かる!私も好きなんだよね、可愛いし!」
車木「おいおいお前ら、好き嫌い多くねーか?」
坂田「好き嫌いするとおっきくなれんってオカンが言うとったわ〜。」
海堂「はは…まぁ僕もめかぶが未だに食べられないくらいだし…少しは大目にみてもいいんじゃないかな?」
星野「へへへ…お、そういや俺今朝朝の運動をしに学校の外で走り込みとかしてたんだけどよ…そしたら壁に『7』って数字が書かれていたんだ。」
坂田「7?それだけかいな。」
海道「分からないな…何を意味してるんだろう?」
光明寺「気になるね〜。」
麦畑「きっと妖精さんのイタズラなのです!」
映雪「ふぅ…賑やかなものね。」
新城「…そうか。」
音無「……」
映雪「…音無さん、どうしたの?」
木崎「具合悪かったら、少し部屋で休む?」
映雪さんと木崎さんが心配そうに尋ねると、音無さんが口を開く。
音無「ぁ…いえ…その…昨日のこと…思い出して…」
その言葉が出た瞬間、犬木さんと星野くんを除いた全員の手が止まった。
豪徳寺「昨日のこと…?あぁ…櫻坂さんと浜垣くんの件か…」
相沢「あぁ…忘れようとしてた悪夢のような記憶がどうしてか込み上げてくる…!」
坂田「ちょお、やめぇや…うちまでトラウマが蘇ってくるやん…」
音無「だって…だって…!!あの2人は…!!死んじゃったんですよぅ……!!」
新城「櫻坂に関してはアイツの運のなさに同情するしかないが…浜垣の奴に悲しむ必要はないだろう。」
木崎「でも、そんな言い方する必要はないんじゃないかな?」
嗣宮「そうだよ、浜垣くんのしたことは許せないけど…彼だって殺したくて殺した訳じゃないじゃないか。」
新城「この期に及んでまだ友情ごっこか?虫唾が走る。そうやってお前は他に殺人が起きたとしても人殺しのカス共を正当化するつもりなのか?」
木崎「そんなことはないけど…それでも…」
星野「だーっ!!うっせうっせー!!朝から嫌な話してんじゃねーよ!!」
犬木「そうだぞ!湿っぽい話は後でやってくれ!メシがまずくなるだろ!!」
新城「チッ…分かったよ。オレはお前らの飯の時間を悪くしようとは思ってなかったんだがな…」
音無「ひぃっ…!す、すみません…!」
木崎「お、音無さんは悪くないよ…!私だって多分、2人のことを話してたかもしれないし…」
星野「ほっとけよ。それよりオレは味噌汁具抜きと米のお代わりしてくる。」
犬木「お、お前もねこまんま作って食うタイプなのか?アタシもだぜ!!」
豪徳寺「はしたないものだな…」
星野「別にいいだろ?米だけじゃ味しねーし。で、犬木はどっちを先に入れるんだ?オレは味噌汁を米にかける派だな。」
犬木「あー、アタシは逆だ。米を味噌汁に入れるんだよ。」
表向きでは明るく振舞ってても、内心では人の死に心を痛めている…星野くんや犬木さんはどうなのか分からないし、新城くんのような例外はいるとしても、みんな心のどこかでは殺人や死の恐怖に脅えているんだろう。
でも僕は、櫻坂さんと約束したんだ。殺人の恐怖と絶望に屈しない。コロシアイなんかに、負ける訳にはいかないんだ!!
キーン、コーン、カーン、コーン
突然、チャイムの音と共にモニターの画面が点灯する。どうやらモノクマによる朝の校内放送のようだ。
モノクマ「えー、オマエラに朗報です。昨日の学級裁判を乗り越えた特典に、新たな世界が開かれました!詳しくは2階奥の開かれた扉の方へお越しください。」
星野「えーとつまり…どういう事だ?」
坂田「3階に行けるようになった…てことちゃうか?」
新城「それで新しい世界…か。大袈裟だな。」
車木「とにかく、行くだけ行ってみようぜ。流石に脱出の手がかりくらいあんじゃねーのか?」
僕らは2階の扉の所へ移動することにした。2階の扉はモノクマが言ってた通り開かれていた。僕たちは階段を登って3階へ到着する。
星野「じゃあ早速、3階を探索していくかな!」
僕たちは手分けして3階の教室の隅々を探索した。新しい場所はどんなものがあるのか…こんな状況に置かれていても少し楽しみになっている自分もいた。
更衣室
坂田「ここは更衣室みたいやな。暖房が程よく効いてて気持ちええわ〜…」
嗣宮「暖房や冷房はパネルで調節できるみたいだね。」
麦畑「この匂い…水泳のお稽古でプールに入ってた時と同じ匂いがするのです!」
車木「だけどプールに入るためには電子生徒手帳が必要みてーだな。」
モノクマ「その通りです!」
突然、どこからともなくモノクマがひょっこり現れる。
嗣宮「も、モノクマ!?」
坂田「な、なんや!?ビックリしたわ〜…」
モノクマ「プールは夜時間以外なら基本的に誰でも利用が可能となっております。プールで着替えるための更衣室の利用時間も同様に、夜間は使用を禁止させていただきます。また、更衣室は男女別々に分かれており、自分の性別と同じ更衣室のみ電子生徒手帳で開けるようになっております。」
嗣宮「あ、確かにタッチする所に男子のマークと女子のマークがそれぞれ描いてあるね。」
坂田「せやけど、誰かが入ってきたり女子の電子生徒手帳を男子が盗んで入ってきたりする可能性もあるやろ?そこはどないしたらええんや?」
モノクマ「むっ、そんな卑猥な事を企む奴は容赦なくおしおきだよ!それと、違う性別の人同士で電子生徒手帳を貸し借りして入ろうとしても、監視カメラで誰が使ったかすぐにバレるからもちろんこれもおしおきに処します。このふたつは校則に追加させてもらうから、オマエラもよーく覚えといてね!」
11.男子は男子の更衣室、女子は女子の更衣室を使用しましょう。
12.生徒間における電子生徒手帳の貸し出しを禁止します。
その後、モノクマが言っていた通り新しい校則が追加された。
プール
車木「ここがプールか…」
麦畑「とっても広いのです!」
坂田「せやな。後で他のみんなも誘ってひと泳ぎしよか?」
麦畑「賛成なのです!あ、あの向こうの部屋は何なのです?」
車木「お?サウナみてぇだな。」
坂田「ほんまや!結構本格的な設備揃っとんのやな。」
嗣宮「サウナかぁ…やってみたことはあるけど、僕はそんなに長く入れないや。」
麦畑「サウナまでついてるのです?結構すごい設備のプールなのです。」
車木「この学校、作るのにいったいどれだけ金かかったんだろうな…?」
超高校級の幸運の研究教室
机と椅子、シャワーブース、マーカーで色が塗られている16本の割り箸、落ちてくる鉄の塊を模した器具、消火弾、モデルガン…
一見普通の教室だけど、模型とはいえ所々に物騒なものが置いてある。
星野「な、なんか…変わった部屋だな…」
映雪「ええ…拳銃はどうやらモデルガンみたいだけど。この鉄の塊も見せかけで材質としてはそこまで重くないようね。」
本棚には運に関する実用書がずらりと並んでいる。
こ、この恐ろしげな部屋が…僕の研究教室…なのか?
星野「なぁ嗣宮、本当にここが超高校級の幸運の研究教室…なのか?」
嗣宮「た、多分…そうだと思う…」
映雪「それにしては物騒な部屋ね…」
星野「だな……お、そうだ!玩具の玉もあるしせっかくだからロシアンルーレットでもやろうぜ!」
映雪「……まぁ、気分転換にはなるんじゃないの?」
嗣宮「ロシアンルーレットか…よし、やってみよう。」
僕の運を試すにはいい機会だ。とりあえず僕は6発ある拳銃の玉の装填部から玩具の玉を5発抜いてから、拳銃を自分の頭に置き、引き金を引いた。
コツン、と僕の頭に玉が当たった。
星野「あー…その…なんだ、うん…」
映雪「…その…幸運は狙って起きるものじゃないから…仕方ないわよ。」
星野「逆にあれだろ?6分の1の確率で当たったから逆にラッキーだって考えられるんじゃねーか!?」
映雪「壊滅的にフォローが下手ね、あなたは。」
嗣宮「…なんか傷つく。」
星野「……だよな、すまん。」
超高校級のバスケットボール選手の研究教室
対になっているバスケットゴールとコート、換えの網とボールの籠が置かれてあった。
車木「お!こいつは…超高校級のバスケットボール選手の研究教室じゃねーか!」
光明寺「おや?車木くん、張り切ってるみたいだね〜」
車木「そりゃあな!バスケが最近できなくてウズウズしてたんだ。今までずっと出来てなかったからな…」
海道「確かに今の閉じ込められた状況じゃ満足に出来なかったからね。それじゃあ後で僕と1on1で勝負してくれるかい?こう見えてスポーツは得意なんだ。」
車木「いいぜ。かかって来いよ!」
光明寺「じゃあ判定はあかりがつけるね〜。ファイト〜!」
こうして車木くんと海道くんの1on1が始まった。
車木「よっし!このまま攻め込むぞ!」
車木くんは軽いフットワークで海道くんを抜き去ろうとする。
海道「行かせないよ!ブロックしてみせる!」
しかし、海道くんは巨体を活かして見事なディフェンスを決める。
車木「何っ!?」
海道「貰った!」
海道くんは自慢の身長の高さを活かしてゴールへ軽々とシュートを決めた。
海道「よし!先手必勝かな!」
車木「くっそ…まさかオレが先制点取られるとはな…だけど、次はオレが決めてやる!」
車木くんは攻め込んできた海道くんからボールを奪い、シュートを決めた。
車木「へっ、見たか!」
海道「流石は車木くんだ…よし、もう1度だ!」
光明寺「いいねいいね〜、2人とも頑張れ〜!」
僕は光明寺さんと一緒に審判をしながら車木くんと海道くんの試合を見守った。
超高校級の小説家の研究教室
目の前には何冊もの本を敷き詰めた本棚がそびえ立ち、クラシックなデスクと羽根ペンが高級感を演出しており、知的さを感じられる部屋となっていた。
音無「ほ、本棚が…沢山…です!」
犬木「うへ〜…訳わかんねー本がずらりと並んでやがる…アタシ何か目が痛くなってきたぞ…」
木崎「本当、すごい数の本だね…」
相沢「ここは自分の研究教室ですな。様々な小説や分厚くて重たい本がずらりと並んでおります。中には六法全書とか広辞苑とかもありますな。」
木崎「ろ、六法全書…小説家が使うかな…」
犬木「なんかこの部屋、ヨーロッパの公演で泊まったホテルみてーで落ち着かねーな…なんか綺麗でソワソワすんだよ。」
相沢「多分、知性と高級感があってクラシックな感じの部屋に仕立てたかったのでしょう…まぁ、自分はもっと娯楽があった方が好みですが!」
相沢くんはどこか不服そうに手当たり次第に一級品の小説ではなく、よく見るようなライトノベルに手を伸ばし読み始めた。
豪徳寺「おや、大きな檻にムチ…それに曲芸道具まであるじゃないか。」
超高校級の猛獣使いの研究教室
犬木「アタシの研究教室って所か。でも動物はいねーんだな…」
音無「…ぁ…あの…」
新城「おいどうした。プルプル震えているだけじゃ分からないだろ。」
犬木「おい新城、余計に怖がらせんなよ…で、どうしたんだ?音無?」
音無さんは突然どこかから猫耳を取り出して頭の上に装着する。
音無「も、猛獣じゃありませんけど…!わ…私を…調教してください!」
豪徳寺「え、えーと、音無さん?君は一体何をする気なのだね?」
犬木「お、おい…オメー…いいのか?」
音無「は、はい…だって、犬木さん…動物いなくて…さみしそうでしたし…」
犬木「そうか…なら手加減はしねーぞ!!」
豪徳寺「や、やめたまえ犬木さん!!」
豪徳寺くんが止めるのも遅く、目の色が変わった犬木さんは突然音無さんにガバッと飛びかかる。
音無「ひゃっ…!!」
飛びかかった犬木さんはぎゅっと音無さんを抱きしめた。
豪徳寺「えっと…これは…何を?」
犬木さんは音無さんに襲いかかったかと思いきや、頭をがっしりと組んで思い切り撫で回していた。
犬木「お〜よしよし、可愛いやつめ!アタシが可愛がってやるから、覚悟しろよ〜?」
犬木さんは音無さんの顔を胸に押し付けさせ、笑顔で撫で回している。
音無「ひゃ…にゃ、にゃ〜ん…///」
音無さんは撫で回されて驚いていたが、満更でもない態度をとっていた。
豪徳寺「ははは、そうか…しかしスキンシップにしては過激すぎやしないかい?犬木さん。」
新城「ちっ、くだらん…」
音無さんと犬木さんの微笑ましいやりとりを横目に僕たちは研究教室の道具を調べて回った。
本物の調教道具っぽいけど、ムチは人を絞め殺せるタイプのものではなく、ただの調教用の短いムチのようだ。他にもホイッスルやラッパが置かれていて、サーカスで行われる曲芸をそのまま持ってきたという雰囲気がいかにも部屋にあらわれている。
一通り部屋の探索を終えると、突然チャイムが鳴り響く。
モノクマ『えー、生徒のオマエラにお知らせがあります!直ぐに1階のホールへ集合してください!』
突然のモノクマの招集に驚いた僕たちは、急いで1階ホールに集まり、話を聞くことになった。
モノクマ「オマエラ、よくぞ集まってくれました!実は今回、オマエラに伝えなければならない事があってこうして呼び出しに来たわけなんだよ。」
嗣宮「お前…今度は何を考えているんだ…!?」
新城「ごたくはいいからさっさと話せ。」
モノクマ「もう、せっかちだなぁ新城クンは…とりあえずすぐに言いますよ。皆さんのお部屋に僕からのサプライズプレゼントが送られています!」
さ…サプライズプレゼント?
木崎「あの…サプライズっていうのは、普通人に内緒にして突然驚かせるために言うんだよ?」
麦畑「まるでサプライズの意味がないのです!」
モノクマ「あ…そうか…はぁ。コホン、とにかく!オマエラの部屋にはまだ何も言えないような中身のものが送られてきてるから、寄宿舎に戻り次第各自で確認すること!頑張ってるオマエラのためにボクからの特別な贈り物だよ。ボクは鬼じゃないし生徒の功績も評価する学園長の鑑でありたいからね。」
それだけ言うとモノクマはどこかへと去っていった…
星野「なんだよ、時間を無駄にしたじゃねーか…」
木崎「と、とにかく…部屋に1回戻ってみようか。」
犬木「プレゼント……なんだ?ワケわかんねーぞ。」
新城「そうか?ククク…楽しみじゃないか。」
僕たちはすぐにホールを後にし、それぞれのタイミングで寄宿舎に戻ることにした。
僕たちは各自自分の部屋に戻ると、直ぐにモノクマの言っていた「プレゼント」を開けることにした。
嗣宮「…机の上に何か置いてあるな。」
小さなタブレット端末だ。だけど、アプリケーションのほとんどがロックされている状態だな。
唯一開けるアプリは…これか。
嗣宮「動機…ビデオ?」
僕は動機ビデオと書かれたアプリを開く。
そして、次の瞬間モノクマの声とともに、でかでかとタイトルが書かれた演出と共にある人物の名前が浮かんできた。
モノクマ「えー、画面の前のオマエラ、お待たせしました、お待たせしすぎたかもしれません。1万年と2000年ぶりに復活した『動機ビデオ』の時間でーす!今回紹介する人物は…星野由宇樹くん!彼の動機とは一体何なのでしょうか?」
嗣宮「星野くん…!?」
星野くんの動機…!?なんで、そんな物が僕の手元に…
モノクマ「彼は飛び級でアメリカの有名な大学に進学し、必死の猛勉強の末に見事に卒業し、その才能と努力を気に入ったお偉方に見込まれました。そして、宇宙飛行士の訓練生としては非常に異例となるスカウトを受け、宇宙に向けての新たなる第1歩を踏み出すことになったのです!」
モノクマ「彼の才能や将来の希望をしょって立つ存在になることに期待を寄せ、大学の御学友や学園長の皆さまからは彼をヒーローであると評価しています。今後の星野くんの活躍が楽しみですね!」
モノクマ「もっとも、その御学友や恩師の皆さまはこの後大変なことになられるのですが…果たして彼らの身に何が起こったのでしょうか?答えは卒業の後で!お楽しみにね、うぷぷ…」
嗣宮「な…なんだよ…これ…」
映像の歪みとモノクマの笑い声と共にアプリケーションは強制的に終了した。
嗣宮「何がプレゼントだよ…!人の不安を煽るような最悪のプレゼントを渡してきて、お前は何がしたいんだ、モノクマ…!!」
どうして僕のところに星野くんの動機ビデオが配られていたのかとかの他の疑問は気にならなくなっていた。
僕は星野くんにも同じ状況を確かめるために彼に話を聞くことにした。
ツグミヤ『星野くん、少し話したいことがあるんだけど…』
ホシノ『嗣宮!ちょうど良かった!!今すぐ食堂に集まってくれるか!?』
嗣宮「…?食堂に?」
ホシノ『お前のとこにもタブレット端末が配られてると思うんだけど、その事で話があんだ。』
ツグミヤ『タブレット端末…?』
僕は「分かった、すぐ行くよ。」とだけ返信して、動機ビデオを持ち出して食堂に向かうことにした。
食堂ではみんなが例のあのプレゼントを見て動揺していた。
嗣宮「えっと…みんな、やっぱりあのプレゼント…」
坂田「嗣宮?アンタんとこにも送られてきてたんやな…」
音無「でも、どうして…私たちにこんなものを送り付けてきたんでしょうか…」
光明寺「謎だね〜…」
木崎「モノクマは新しく殺人の動機を見せつけて私たちにコロシアイを続けさせようって考えてる…そうじゃないかな?」
車木「そうみてーだな…」
星野「くっそ…ふざけてやがる…!」
海道「モノクマは最初から僕たちをバカにする算段だったんだろうね…」
犬木「だけど、訳わかんねーよな…何でアタシの部屋に豪徳寺の動機ビデオが配られてたんだ…?」
豪徳寺「犬木さん、それは本当なのかい!?」
犬木「あ、あぁ…そうだけど…豪徳寺は?」
豪徳寺「僕のところには君の動機ビデオがあったよ…」
犬木「ま、マジかよ…」
光明寺「まだ中身は見てないけど…あかりの予想だとこれは麦畑ちゃんの動機ビデオだと思うよ〜?」
麦畑「朱里お姉ちゃまがひなのを持ってるのです!?じゃあひなのは…朱里お姉ちゃまの動機を握ってるのですね…ひなは見てないですけれど…」
映雪「私はまだ中身は見てないけど…この流れだと恐らく全員の動機ビデオが何故か入れ替えられた状態で配られているようね。」
豪徳寺「動機ビデオだなんて、モノクマは一体何を企んでいるんだ…?とにかく、全員分の動機を交換したら、直ぐに皆の分の動機を見てみようじゃないか…」
木崎「待って!今動機ビデオを確認するのは危険だと思う!」
車木「な、なんでだよ?」
木崎「分かってると思うけど、モノクマがこれを送ってきた目的は、私たち全員に動機を思い出させること。動機を見せることで動揺を誘って、それから目的のために誰かを焚きつけることでコロシアイを加速させようって魂胆だと思う。だから、ここで私たち全員が動機を思い出したら、いつ誰が殺しにかかってもおかしくない状況になるんだよ?それだけは避けないと、モノクマの思うつぼだよ。」
坂田「せ、せやな…見たら不安を煽られるだけや。無視しとき無視しとき。」
木崎「ねぇ、この中でもう動機ビデオを見たって人はいる?」
音無「わ、私は見てません…!お、おっかないですし…」
坂田「ウチも見てへんで!そんな物騒なん無闇に触れるかいな!」
嗣宮「あ、ごめん…僕はもう見ちゃった…」
星野「マジか!?で、それって誰のなんだ…?怒らねーから教えてくれ…」
嗣宮「…君のものだったよ、星野くん…」
星野「…そっか……オレのか……」
海道「豪徳寺くんと犬木さん以外には…嗣宮くんだけか。」
嗣宮「うん…あれ?星野くんは見てないの?」
星野「あ、ああ…多分お前の動機ビデオだと思うけど…なんか良く分からねーし罠かもしれねーから画面だけつけた後すぐ電源消したんだ。」
嗣宮「うん…あと、ごめん。勝手に動機ビデオ覗いちゃって…」
星野「気にすんなよ。オレは何も聞かねー。」
光明寺「あかりは麦畑ちゃんのビデオだって予言しただけで、中身は見てないよ〜?」
相沢「じ…自分も…見てないですぞ…?いやホントホント、ホントです。」
豪徳寺「相沢くん…君、その態度は嘘くさく見えるぞ…?」
海道「とにかく動機ビデオを見た人はさっきの3人で全員みたいだね。じゃあこれは責任をもって僕が預かるよ…」
海道くんが動機ビデオの入ったタブレット端末を全てカバンに回収し終えたと同時に、突然新城くんがそのカバンをひったくった。
海道「な、何するんだよ、新城くん!」
新城「そいつはオレが預からせてもらう。お前1人が動機ビデオを管理して殺人を防ぐ?笑わせるな。こんな面白い物を見せないだと?ふざけるのも大概にしろ。興が冷めるんだよ。」
星野「お、お前…!ふざけてんのはそっちじゃねーか!!こんな時まで自分の楽しみの方が大事なのかよ!!」
車木「テメェ…最初からこの場で動機ビデオの中身をバラそうって魂胆だろ!!」
車木くんが新城くんの胸ぐらを掴んで問い詰める。しかし、新城くんは動じもせずに冷静に発言し返す。
新城「もちろん、そのつもりだが?」
車木「あぁ?」
新城「まぁ安心しろ、直ぐにコロシアイに発展されても面白くない。オレに土下座したり泣いて頼んだりすればそいつを返してやるよ。それに、動機をあっさりバラされても面白くないし、いつまでも返さないでおくとオレがかえって命を狙われる可能性が高まるからな。」
車木「ふざけんじゃねぇ!!!」
嗣宮「だ、ダメだ車木くん!」
僕が止めるまもなく車木くんが左ストレートを新城くんの顔面に叩き付けようとする。
新城「チッ!」
ドッと鈍い音が車木くんの体に響く。新城くんは車木くんの体を膝蹴りひとつで沈めた後、掴んでいる腕を振りほどいた。
車木「うぐっ…!!」
豪徳寺「なっ!?」
麦畑「だ、大丈夫なのです!?」
車木「新城…テメェ…!」
新城「ったく、危ないな…今この場で殺すつもりかよ…」
モノクマ「コラー!!オマエラ、いくら校則に書かれてないからってケンカするのは構わないけど、いくら何でも限度ってものがあるだろー!!」
その時、突然ひょっこり現れたモノクマの怒鳴り声と共に2人の動きが止まった。
海道「うわっ!?やっぱり来たか…」
映雪「今回ばかりはちょうどいいタイミングのようね…」
新城「悪い悪い。いきなり車木が殴りかかってきたからつい手が出てしまったんだ。車木、すまなかったな。」
車木「チッ…好き放題でっち上げやがって…」
新城くんは平謝りだけするとまた先程の動機ビデオが束ねられたカバンを抱えてモノクマに告げる。
新城「なぁモノクマ、例のプレゼントの事なんだが…どうやらみんな気に入らなかったらしいんだ。だからオレが代わりに貰っておこうと思うんだが…それって良いのか?」
木崎「新城くん、またなんでそんな嘘を…」
モノクマ「うん!良いよ!他のやつらが気に入らなかったのは残念だけど…オマエだけはどうやらボクのサプライズプレゼントを気に入ってくれたから良しとしようかな!」
新城「本当か?はは、助かるぜ。じゃあオレは1人で部屋に篭ってるからな。『プレゼント』がやっぱり欲しくなった時はオレに何時でも言えよ。すぐにでも返してやるからさ…ふっ……ふははははははは!!!!!!」
新城くんは不敵に笑うと、カバンを持ち出して食堂から去っていった。
車木「ま、待ちやがれ…くそっ…!」
僕らは彼の後ろ姿を黙って見つめるしか無かった…
新城くんに蹴られたところを冷やしながら、車木くんはボヤく。
木崎「骨折したとかそういう程ではないみたいだね。」
映雪「そうね。アザも残ってないみたい。思ったよりは酷い怪我ではなさそうね。」
麦畑「鉄矢お兄ちゃま、痛いのは収まったのです?」
車木「いや、まだ痛えや…っつ〜…!新城のヤロー、何を企んでやがる…!」
坂田「ただの愉快犯とちゃう?あんな状況で殺し合いを楽しんでるくらいやし…」
海道「愉快犯か…警戒しなくちゃね。」
相沢「それにしても、新城氏のトリックスターかぶれなあの態度…なーんか気に入りませんな!」
星野「いつかボコボコにしてやる…って言いてーけど、アイツは見た感じケンカ強そうだよな…どうにかしてあのクソヤローに一泡吹かせたいけどなぁ〜…」
光明寺「こらこら〜、ケンカはダメだよ〜?」
木崎「と、とにかくみんな切り替えよう!新城くんとも出来れば仲良くしたいけど、今は難しいみたいだから…一旦新城くんから距離を置こうよ。そのあと彼を説得しても遅くは無いはずだよ。」
犬木「あんなヤツと仲良くなんて、無理に決まってるだろ…」
音無「で、でも…新城さんも…一応…仲間…ですよね…?」
豪徳寺「それでもだ。確かに犬木さんの言うことは一理ある。彼は自分から僕たちを拒絶しているんだ。今の時点では僕らがいくら彼に歩み寄った所で無駄だと思うよ。」
嗣宮「それは…まぁ、そうだね…」
だけど益々分からない。やってる事が愉快犯だとして、自分の楽しみのために僕たちを妨害しているとしても、前の櫻坂さんの事件の時は積極的に操作に乗り出していたし、学級裁判の時は的確な指摘で上手く犯人を導き出していた。新城くんは何のためにこんなことをしているんだろう…
僕たちは新城くんを除いて何をするか話し合うことにした。豪徳寺くんから後で聞いたけど、この前のパーティー用に使った倉庫にはボードゲームや旧型のテレビゲーム等アナログからデジタルまで様々なジャンルでゲームが揃っているようで、暇つぶしにはちょうどいい物が並んでいたらしい。
豪徳寺「チェスやオセロ、将棋など様々な種類のテーブルゲームがあるようだね。ではみんな、優雅に紅茶でも飲みながら今からチェスでも嗜まないかね?」
光明寺「あかりはこういうの苦手だから、やるならトランプがいいなぁ〜…」
豪徳寺「…」
麦畑「ひなもトランプがいいのです。オセロやチェスが分かる人なんて大夢お兄ちゃま位のものなのですよ?」
豪徳寺「……」
音無「あの…豪徳寺さん…私も…トランプがいいです…」
豪徳寺「………そうか。じゃあトランプにしよう。オセロは僕が一人勝ちしてしまうからキミ達レディに楽しんでもらえないだろうからね…」
音無「ご、豪徳寺さん……露骨にガッカリしてる……」
更衣室にはランドリーが併設されているみたいで、着ていた水着やサウナスーツはここで洗濯しろということのようだ。
寄宿舎の自分の部屋に風呂があるので流石に大浴場みたいなものは無かったが、代わりにサウナで暖まれるのは普通の学校にない設備のためかとても珍しい様子でみんなキョロキョロ見ていた。
木崎「それにしても学校にサウナまでついてるなんて…すごいレベルの設備だよね。」
嗣宮「どんな学校なんだろうな…」
坂田「とりあえずサウナ使う時間決めとこか?いくらサウナ言うても男子と入るの恥ずかしいわ。」
犬木「そうか?アタシは別に気にしねーけどよ。」
坂田「犬木が気にせんでもウチが気にするんや!」
相沢「いやぁ犬木氏は心が広い…あぁいえ何でもありませぬ、確かに男女で利用時間分けた方が健全な気がしますな…」
車木「じゃあジャンケンで勝った方が先にサウナ使えるってのはどうだ?」
坂田「お、ええな!恨みっこなしやで!」
車木、坂田「最初はグー!ジャンケンポン!」
車木「へへっ、俺はグーだったぜ。悪いな女子!」
坂田「くぅ〜…悔しいわ〜…せやけど今度は負けへんで!」
車木「じゃあその間に暇だったら俺の研究教室でバスケでもするか?体動かした後に入るサウナもこれまたいいもんだぜ。」
犬木「それもそうだな。行こうぜ、坂田!」
坂田「せやな。犬木、今日はこの後ウチと1on1やらへん?」
犬木「おう、いいぞ!言っとくがアタシはバスケそこそこ強いからな!」
木崎「じゃあ、審判は私がつけるね!」
相沢「では自分達は先に入らせて貰いますぞ。他に入る人も誘いますかな。」
車木「お?相沢の手にあるのってサウナスーツだよな、お前サウナ行く時はスーツ着るタイプだったのか?」
相沢「はい。サウナスーツを来た方が体が暖まりますし、汗を流す時に気持ちよくなれますからな。」
嗣宮「へぇ、相沢くんは暑さに強いの?」
相沢「まぁそんな所です。体質ですかな?」
ある人はサウナでととのったり、ある人はトランプで遊んだり、ある人は1人部屋でのんびり過ごしたり…
こうして僕たちは今後、思い思いの時間を過ごしに、ひと時の娯楽を楽しむことにするのだった。
新規にアンケートを追加しようと考えていたのですが、アンケートの表示仕様を確認しておらず、間違えて旧アンケートを削除してしまいました。大変申し訳ございません。
新しく推し投票のアンケートを生徒名簿のページに記載しましたので、改めてアンケートを投票する際はそちらを経由しての投票をお願いします。
https://syosetu.org/novel/321051/2.html
黒幕は誰だと思いますか?
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嗣宮新
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櫻坂香子
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海道瑞樹
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犬木律花
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相沢優馬
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坂田英美里
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浜垣純也
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映雪雪菜
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車木鉄矢
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光明寺朱里
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豪徳寺大夢
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音無仁梨
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星野由宇樹
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麦畑・ティファニー・妃乃
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新城柊弥
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木崎友梨奈