ダンガンロンパ ロストワード 作:りょうぴー(創作論破書き)
麦畑「…怖くないのです。」
〜〜
浜垣『イヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
相沢『僕は…ぼくはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
坂田「ハハハハ…あっはっはっはっはっは!!!!」
〜〜
麦畑「みんな、どんどん死んでいくのです。」
麦畑「ひどすぎるのです。もう、ひなは頭が痛くなりそうなのです。」
麦畑「…もう、ひなは疲れたのです。」
麦畑「…………」
麦畑「もう…ぐしゅ……イヤなのでしゅ……」
麦畑「えっ…うぅぅ…ぐっ…ぐじゅっ……」
「お、おーい、アンタ大丈夫か?」
麦畑「ぐずっ…ずずっ…誰なのでしゅ?」
犬木「アタシだよ。アンタ朝から泣いてどうしたんだ?」
麦畑「律花…お姉ちゃま…?」
犬木「よくわかんねーけど…まぁ何か話してくれよ。」
麦畑「…はい、なのです…」
〜数年前〜
美冬「お兄ちゃんスカウトされたの?凄いじゃん!!明日森学園って指折りの超一流校なんでしょ!?」
新城「あぁ。けどオレ…その話辞退しようかと思ってる。」
美冬「えっ、ど、どうして!?」
新城「オレがその学校に行けばお前の分の学費が足りなくなるだろ。お前が大学出るまでは金を稼ぐのは辞める気はない。それに美冬…まだお前を1人には出来ないからな。」
美冬「お兄ちゃん…」
新城「変な話して済まない。だがオレは…」
美冬「ううん、大丈夫!」
新城「…美冬?」
美冬「私のことは心配しなくていいよ。もうすぐ高校生だし、私ももう働けるんだから。もしお兄ちゃんみたいにスカウトが来なくても、夜間学校とか学費がそこまでかからない学校で授業受けるし!」
美冬「だからお兄ちゃん、安心して行ってきて!」
新城「…へへ、ありがとな、美冬!」
美冬「うん!それともうひとつ、約束して!」
美冬「どうせ入学するんだったら、世界一のゲーマー目指して頑張って!!」
新城「あぁ!もちろん、そのつもりだ!」
〜〜
新城「…そうだ。オレは…約束したんだ。」
新城「世界一のゲーマーになるためにも、アイツを守るためにも…オレはこんな所で燻っては居られない。」
新城「このゲームはオレが乗り越えるには相応しい最高の舞台だ。」
新城「だからオレは必ずこのゲームから勝ち残る。」
新城「オレのためにも…美冬のためにも…」
新城「負けるわけにも、死ぬ訳にも行かないんだ。」
絶望フェチに悪い奴はいない (非)日常編 その1
Chapter.4 絶望フェチに悪い奴はいない
星野「1!2!3!4!」
豪徳寺くんも加えて、僕らはいつも通りに日課の筋トレを始める。星野くんは昨日の1件があってからか、より一層真剣にトレーニングに打ち込んでいた。
星野「ふぃー、お疲れさん。」
嗣宮「うん、お疲れ様。」
豪徳寺「はぁ…はぁ…相変わらず君たちの体力は凄まじいものだな…」
星野「へへへ。まぁ体力は死に物狂いで鍛えてたからな。けどよ、豪徳寺ももっと日頃から体鍛えといた方がいいぜ?」
豪徳寺「ふん、君に言われなくても少なくとも最低限の護身術は身につけるつもりだ。」
嗣宮「護身術って…結構本格的だね…」
映雪「星野くん、嗣宮くん、おはよう…あら、豪徳寺くんも来ていたのね。」
嗣宮「あ…おはよう、映雪さん。」
豪徳寺「やあ。君は朝の散歩かい?」
映雪「ええ。少し気分転換にと思って…」
映雪「それで、星野くんたちは日課の筋トレかしら?」
星野「あぁ!毎日続けてかねーと体も心もなまっちまうからな!」
豪徳寺「僕も彼らに付き合うようになってから、不思議と体力が着いた気がするよ…まぁ、当然ながら筋肉痛の方が勝るけどもね。」
嗣宮「それは僕だってそうだよ…ん?」
星野「お、相棒、どうした?」
嗣宮「見てよこれ。新しい数字だ!」
豪徳寺「…む?なんだ?「1」か。しかも2つあるようだね。」
映雪「暗号のようにも見えるけれど…これは一体なんなのかしら…?」
星野「オレらもよく分かんねーけど、気づいたら新しい数字が追加されてんだ。」
嗣宮「「11 37」…1137?なんの数字だろう…」
豪徳寺「真ん中のところの不自然な空白も気になるな。」
映雪「この数字が何を意味しているのか…一体、これになんの意味があるのかしらね…」
〜食堂〜
僕たちはトレーニングを切り上げ、食堂で朝食をとる事にした。
豪徳寺「つ…疲れた…一刻も早く椅子に座りたい気分だ…君もそう思わないか?嗣宮くん…」
嗣宮「う、うん…そうだね…今日もお疲れ様。」
星野「さーて、今日の朝飯はなんだろうな。」
海道「やぁ星野くん。それにみんなも。」
映雪「おはよう、海道くん。」
星野「おう海道、お前も飯食いに来たのか?」
海道「うん。木崎さん達は来てるのかな?」
映雪「それは入ってからで良いんじゃないかしら。誰かに殺されてなければ彼女たちも来てるはずよ。」
豪徳寺「君!やめてくれないか!昨日の今日でまた殺人が起きるなんて想像したくもないよ!!」
嗣宮「ま、まぁまぁ…とにかく入ろうよ。」ガチャ
僕はいつもの通りに食堂のドアノブを捻ってドアを開けた。
麦畑「あ、おはようございますです!」
星野「おーっす…お、なんだ麦畑に木崎、それに犬木もいんじゃねーか!先に飯食ってたのか?」
木崎「あ、星野くん!ううん、今はひなちゃんと律花ちゃんと一緒に手作りアクセサリーを作ってたの。」
犬木「へへへ。気分転換に何かしようぜって誘ったら麦畑がアクセサリーを作りたいって言ってたからな。アタシと木崎は手ぇ空いてたからそれで作り方教えて貰ってたんだ。」
嗣宮「手作りアクセサリー?」
麦畑「これなのです!」
麦畑さんが見せたのはフェルト製のワッペンやビーズのブレスレットなど、簡単な材料で出来た手製のアクセサリー類だった。
木崎「材料がそこまで多くないから凝ってるのは作れなかったけど…どうかな?いい出来だと思わない?」
嗣宮「へぇ…上手だね!」
星野「だな!なんか結構よく出来てんじゃんか。」
豪徳寺「手作りか…素朴だが暖かみを感じるな。」
映雪「ええ。露天で売ってるようなものには無い良さが感じられるわね…」
海道「本当だ。このシンプルな感じ…僕は好きだな。」
僕らが麦畑さん達の作ったアクセサリーを眺めて手に取っていると、新城くんが食堂に入ってきた。
新城「……」
犬木「お、新城。アンタ相変わらず無愛想だよなー…」
新城「フン。無愛想で悪かったな。オレには必要以上にお前らと馴れ合う理由がないだけだ。しかしそれより…このブレスレットはなんだ?」
麦畑「あ!触っちゃダメなのです!まだくっついてないのですよ!」
新城「おっと、そいつはすまなかった。だが…」
木崎「…だが?」
新城「いいセンスをしてるな。これは麦畑が作ったんだな。流石は超高校級の工芸師の名は伊達じゃないと言ったところか…」
麦畑「な、何なのです?」
新城「ふん…麦畑。オレはお前のアクセサリー、気に入ったぞ。シンプルだが味わい深いデザイン、オレは嫌いじゃない。」
麦畑「え、ほ、本当…なのです?」
犬木「ま、マジか…いつものイヤミじゃねーのか?」
新城「疑ってるのか?けどオレは嘘はつかない主義だ。信用してくれてもいいんだぜ?」
麦畑「あ、ありがとう…なのです!」
星野「お、おい新城?急にお前が人のこと褒めるとか気持ち悪いな…」
木崎「あなたのことだから難癖を付けて嫌味を吐くのかと思ったわ。」
新城「バカ言え。オレは手当たり次第に人に喧嘩を売るようなヤツじゃない。オレだって人の作品でいいものを見つけた時は、素直に褒めるさ。」
木崎「そ、そうなんだね…」
豪徳寺「相変わらずよく分からないやつだな、君は…」
新城「それより、そろそろ食事を始めてもいいか?昨日の夜はグミ5個しか食べられてなくて空腹なんだ。」
海道「そこは相変わらずマイペースなんだね…」
嗣宮「まぁ、新城くんだから…」
紆余曲折あったけど、僕らはいつものように食事をとる。けど、冷めた態度でいつも何を考えてるのか分からない新城くんも、意外と人の心があったんだなぁ…人は案外見かけや行動だけで判断できるものじゃないと僕はそう思った。
ピンポンパンポーン!
犬木「校内放送か?」
モノクマ『お知らせです。オマエラが学級裁判を乗り越えた特典として、更なる新しい世界が開かれることになりました!お時間がある時、暇な時にでもぜひお越しください!オマエラをお待ちしております!』
嗣宮「新しい世界…」
豪徳寺「とにかく、行ってみようではないか。」
映雪「そうね。行かないことには、何も始まらないもの…」
僕らは食事を終えるとすぐさま階段を上り、「新たな世界」へ足を運ぶことにした。
〜5階〜
海道「上に続く階段はこれで最後みたいだね。」
豪徳寺「ここの階層は4階と同じく教室が中心の部屋になっているみたいだね。けど、教室自体の雰囲気はどことなくアバンギャルドさを感じるな…」
犬木「さ…サバギャル?なんだそれ…」
木崎「アバンギャルド、だよ。前衛的って意味だよね。」
星野「前衛的か…まぁ確かに教室の扉とか物騒な感じの部屋も混じってるしな。」
新城「あの部屋か…」
麦畑「せっかくだからいつも通り探索するのです!楽しみなのです〜!」
犬木「だな。んじゃあアタシも見てまわってみっか!」
こうして、恒例の教室探検が始まるのだった。
〜超高校級の海洋学者の研究教室〜
水槽が沢山並んでるな…それに、顕微鏡や観察用の道具も並んでる…
麦畑「お魚さん達がたっくさん泳いでるのです!」
海道「もしかして…ここは僕の研究教室なのかな?」
木崎「多分そうだよね?この水槽、たくさんヒトデやカニ、エビもいるし…」
麦畑「ワカメさんや昆布さんもユラユラ踊ってるのです!」
犬木「へぇ〜…そうなのか…ゴクリ…」
海道「い、犬木さん…?もしかして食べようとしてるの?それはそうならいいんだけど…一応、食べられないやつもあるから…」
犬木「あ、そうなのか?まぁ大丈夫だって。アタシも食えるやつと食えねーやつの違いくらい分かるって!」
木崎「食べたいとは思ってるんだ…」
海道「か、勝手に食べないでね…」
麦畑「ふふ、律花お姉ちゃまは食いしん坊さんなのです!」
犬木さん…魚って聞くとやっぱり食べる方に食いつくんだね。何はともあれ、犬木さんが勝手に海道くんの教室から貝を盗まないか不安だなぁ…さすがにそんなことはしないと思うけど。
〜超高校級の宇宙飛行士の研究教室〜
遠心力を働かせる機械…肺活量を計測する装置…体に負荷をかける器具がずらりと並んでるな…
それに向こうには科学や宇宙に関する本…
嗣宮「星野くん、ここって…」
星野「ああ…間違いねーな!オレの研究教室って感じだぜ!」
豪徳寺「ここが君の研究教室か…やはり宇宙飛行士だけあって宇宙に関係するものが沢山あるようだね。」
映雪「宇宙飛行士に必要な技能を鍛えるための道具が揃っているだけあって、ここの部屋は特に広く感じるわね…」
星野「車木んとこのバスケのコートもこれくらい広かったよな。」
嗣宮「軽く走り込みはできそうなくらい広いね。」
豪徳寺「しかし、あそこのホースは一体何なのだろうな?」
嗣宮「なんだろう…近くに洗面所が設置してあるから…トイレ?」
星野「本で読んだけど宇宙飛行士のトイレってあんな感じらしいぜ。ウンコする時絶対不便だよなぁ…」
映雪「…星野くん。」
星野「わ、悪い!ってか、ようやくオレの研究教室が使えるようになったか〜…ここならもっと本格的なトレーニングが出来そうだな!!」
嗣宮(露骨に話を逸らしたね…星野くん…)
豪徳寺「な、何!?更に過酷なトレーニングを積ませる気なのかい!!?」
映雪「あら豪徳寺くん、少し運動が激しいからって弱音は良くないんじゃないかしら?お金持ちのおぼっちゃま。」
豪徳寺「そ、そうは言われてもだね…」
映雪「うふふ…冗談よ、ごめんなさい。」
嗣宮(え、映雪さんも冗談や軽口は言うんだな…ちょっと意外かも…)
〜超高校級の植物学者の研究教室〜
温室みたいな空間が辺り一面に広がっている。プランターや植木鉢、それからあちこちに苗が植えてある花壇がこの部屋にはあるみたいだ。
木崎「多分、ここは私の研究教室だね。」
星野「へぇ〜、よくわかんねーけど色んな花や木が咲いてんだな。」
豪徳寺「あの濃い桃色の木は…桜ではないか。もしかして梅の花か?」
木崎「うん!けど屋内でこんなに育つなんて思わなかったなぁ…」
映雪「こちらの花は…あら?もしかしてこれは…ラベンダー?懐かしい…故郷で見かけて以来ね…」
木崎「そうそう!見てこの艶やかな紫色、とっても綺麗でしょ?」
映雪「ええ。こうして花を見てると、何だか不思議と癒されていくわね…」
嗣宮「それにしてもモノクマって季節の花を育てることが出来る技術があるんだね…」
星野「変なところに技術注いでやがるよなー…ま、いいや。ところで木崎、オレ全然花のこと詳しくねぇんだよな。あの花って何だ?」
木崎「あれはプルメリアだよ。それでこれがペチュニアで…」
星野「へー。お、あれは知ってるぜ。彼岸花だろ?綺麗だけど触ると毒がある奴だな。」
木崎さんは楽しげに声をはずませながらみんなに花を説明する。僕らも木崎さんの説明を聞きながら花の美しさに目を傾ける。
そんな中、新城くんが見ていたのは派手なピンク色の花だった。
木崎「新城くん、エリカを見てるの?」
新城「確かエリカの花言葉は孤独…だったな?いや、オレに似てると思ってな…」
星野「なんだよ、急にイタイポエムでも閃いたか?」
新城「バカ言え。オレは詩人じゃない。ただオレを表すのにピッタリな花を見つけた、それだけだ。」
新城くんはそれだけ言うと1人でどこかに去ってしまった。
星野「新城のやつ、いつもの事だけど排他的だよな。」
木崎「うん…でも…」
映雪「どうしたの?何か思うところがあるようだけど…」
木崎「あ、えっと…その、特に気になるって事でもないんだけど…」
木崎「…新城くんは、本当にそれで良いのかな。」
木崎さんはそっとアネモネの植木鉢を置き、静かに1人でジョウロに手を取った。
〜超高校級のゲーマーの研究教室〜
やたらと錆びて古びた、どことなく鉄臭いドアが僕の目の前にそびえ立つ。
新城「フン、ここがオレの研究教室か。」
新城くんは扉を開いて部屋の中に入る。
星野「なっ…!?」
嗣宮「これって…」
血文字が壁に描かれている古びた部屋がそこにはあった。
星野「部屋そのものが錆び付いてるじゃねーか…」
煤けた部屋の陰気な空気が僕らを包み込む。恐ろしさと共に時間の歪みを僕らは肌で体感していた。
嗣宮「これって…ゲーマーの才能に関係あるのかな…」
星野「わ…分かんねぇ…新城、お前はどうおもうんだよ?」
新城「へぇ…懐かしいな。」
星野「はぁ!?な、何がだよ…」
新城「この部屋の雰囲気が懐かしいということだ。この手の死を彷彿とさせる部屋の空気…その淀みはオレにとっちゃ懐かしさすら覚える。何度ともしれないあの緊張感…あの快感…命のにおい…!!ふふふ…気分が昂ってくる…!!」
星野「お、オイオイ相棒!コイツやべぇって!!部屋の空気にやられちまったか?」
嗣宮「い、一旦外に出よう!僕らはここに居るべきじゃない!!」
不気味な笑みを浮かべながら床に寝転ぶ新城くんをよそに、僕と星野くんは足早に部屋を出ていった。
星野「これで一通り教室は見終えたか。」
ピンポンパンポーン!!
海道「また校内放送か。」
犬木「今度はなんだ?」
モノクマ『えー、お待たせしました!『トゥモローアカデミー殺人事件 第2幕』が開演いたします!オマエラ、なるはやで2階にお越しください!そうそう、場所はこの前と同じ相沢くんの研究教室だよ!では、また後でお会いしましょう、バイなら〜♪』
嗣宮「トゥモローアカデミー殺人事件…第2幕…」
映雪「…行きましょう。私たちに関わってくることでしょうし、どのみち行く他ないわ。」
麦畑「それにしても、あの本は何なのです…?」
星野「さぁな…まぁ行って読んでみりゃ分かるさ。多分…な。」
僕たちは2階の相沢くんの研究教室にやってきた。
モノクマ「はい、というわけでさっそくあの机の上に本を用意しました!ご自由にお読みくださいね!オマエラ、第2幕からがいよいよ本番だから、しっかり読んでおけよ〜?うぷぷぷぷ!!!」
モノクマはそれだけ言うとまたいつものようにひょっこり消えていった。
星野「じゃあさっそく読むか…トゥモローアカデミー殺人事件第2幕…お?」
星野くんが本に手をとると、何かに気づいたように本の1ページに注目する。
映雪「どうしたの?星野くん。」
星野「お、おい…見ろよこれ…」
星野くんが指を差した所は、著者の名前だった。
トゥモローアカデミー殺人事件 第2幕
著: 水無月 藍良
嗣宮「水無月 藍良…」
豪徳寺「彼女は確か…怪異調査で死亡した生徒達の学友だったな。」
映雪「第2幕の文は少なくとも、その水無月藍良という人がエミリオという人に代わって書いていたみたいね。けど、一体何故彼女がこの本に寄稿したのかしら…?」
木崎「…とにかく、読んでみよう。読めばすぐ分かるよ。」
新城「それはそうだな。果たしてこの本には何が書かれていることやら…ふっ、楽しみだ。」
僕らは再び本に手を取り、新たなページをめくる。
その先に描かれているものは何か…不安と緊張で高まる鼓動を感じながら、物語の扉を開けるのだった。
初めまして!私は水無月藍良と申します。
うーん…書き出しとしてはちょっと捻りが無さすぎましたね。まぁいいか。
早速ですがどうして私がこの本に寄稿しているか、オマエラは知りたいですか?知りたいですよね?
星野「お…オマエラだって!?」
映雪「モノクマと同じ口調…まさか…?」
何故かと言うとそれは…私が「超高校級の厄災」その人で、学園そのものを私が厄災の力で支配したからでーす!!
嗣宮(学園を乗っ取った…!?じゃあ彼女が…このコロシアイの首謀者…なのか…?)
私という存在の脅威を認識させて私への畏怖を植え付けて、そして全ての学園の生徒を操って学園の全権を数の暴力で掌握し、最後に学園を乗っ取ったあとは、希望なんてくだらないおぞましい下劣な思想を持つ学園長サマを見せしめも兼ねつつおしおき…ここまで根回しするのに結構時間がかかったんですよ?うぷぷ…
豪徳寺「な、なんて不快感を煽る文章なんだ…!」
新城「学園を乗っ取った…ということは、奴がこのコロシアイの首謀者…とでも言いたいのか?」
ん〜…でも書くことといったら何にしましょうかね…多分これを読んでる人は時の学園長、エミリオ先生が綴った殺人事件の手記の真相とか知りたいんじゃないですか?
映雪「え…エミリオ学園長…?」
犬木「最初の方の怪奇現象まとめてたヤツか!」
星野「あの本の作者、この学園の学園長だったのか!?マジかよ…」
木崎「……」
では早速お答えしましょう!!トゥモローアカデミー殺人事件の真相…それは…
ここ、明日森学園で起きた殺人事件を元に作られた『ノンフィクション』の事件なんです!
「「!!!」」
って、これはまぁ薄々勘づいてる人もいたんじゃないですか?だって、この創作物に出てくる舞台が明日森学園と語感が似てるって、関連性を疑いますもんね!
星野「そうか…今にして思えばそうだったか…まさかとは思ってたけど、本当にこの学園が厄災に支配されてるってのを今ようやく実感したぜ…」
嗣宮「トゥモローアカデミー殺人事件自体は事実を元にしたフィクションだけど…元の事件は実際に起こったことだから…つまりそれが、明日森学園に起きていたということになるね。」
まず、アタマの方に出てきた…あれは別に怪奇現象が実際に起きてしまったわけでも不慮の事故でもないんですよね〜♪
けど、はたから見れば私があの事件の女子高生を殺し…いや、殺してはないか。死んだということにはされたけど、厄災に引き込んだんだっけ?まぁどちらにせよ、元の彼女を殺したのは事実です。
種明かしをさせていただくと、平たく言えば私の『厄災』の力で、都市伝説を『事象』にして、その都市伝説を利用して私の力のデモンストレーションの実験台に選んだんですよ♪そうして死に瀕するような体験を通して自我と記憶が消えることによって、意識を奪ってから厄災へと作り替える…そうやって仲間を増やしてきたわけです!どやぁ♪
そんな私の話を聞いて、オマエラは思ったんじゃないですか?1度にまとめて直接洗脳すればいいだろってね。
それは一理ありますね!ですが…私は超能力者的存在かもしれませんが、いくら私でも一度に大勢の人間を洗脳するなんて大それた技術はないんですよ?一人一人の意識下に厄災の恐怖と絶望への賛美を植え付けるので精一杯なんですからね♪
新城「憎たらしいヤツだ…」
それに…そんなことをしなくても、厄災は無意識のうちに広まってゆくんです。私が手を下さずとも厄災と化したみんなが勝手に広げていってくれますよ♪
海道「みんなってことは…」
新城「そんなこと、もう決まっているだろう。厄災となった学園の生徒…だろうな。」
麦畑「そんなにこの人のお友達は増えてるのです…?」
けど、まったく私が動かないでいるのも退屈だなぁ…それに…まだ心まで厄災の魅力に染まりきってない人もいるみたいだし…
そうだ!せっかくだから残った人たちを完全に染め上げるための儀式でもやりましょう!
何をさせましょうか…うぷぷ…楽しみですね〜♪
星野「ここでアイツの文は終わってるみてーだな。」
嗣宮「儀式って…一体何を始める気だったんだ…?」
新城「順当に考えればあの『コロシアイ学園生活』だろう。ヤツがこの学園を乗っ取ってオレたちをここに閉じ込めてこの儀式をやらせていると考えるのが自然だ。」
水無月藍良…
超高校級の厄災にして…
このコロシアイ学園生活の首謀者…!!
星野「超高校級の厄災、水無月藍良か…名前や文のタッチからして女子高生か?」
豪徳寺「待ちたまえ!水無月藍良が本名であると言及された訳では無い。紀貫之みたいに女性風の文体を使った男が書いたとも考えられるのだぞ!」
映雪「…何故あなた達は性別の方を気にしているのかしら。」
木崎「それより気になることが他にあったよね?」
豪徳寺「あ、あぁ…学園の生徒を厄災に染める…ということか。」
麦畑「ひ…ひな達も…もしかして厄災に…?」
星野「けどオレたちは明日森学園に入学したことにはなってっけど授業すら受けてねーぞ?」
犬木「だ、だよな…そもそもアタシたちはここに入学してたかどうかすら怪しいんだぜ…?」
嗣宮「でも、坂田さんが豹変したのも彼女が厄災に染まったからだったよね?」
星野「ってことは…オレたちの身も厄災に染まってるかもしれねーってことかよ…!!」
海道「僕たちがいつ坂田さんみたいに何かの拍子でああなってしまってもおかしくない…ってことか…」
犬木「なんなんだよ…ワケわかんねーよ…アタシ達は一体…何なんだ!?」
木崎「と…とにかく、落ちついて考えないと!」
海道「そ、そうだね。焦りは余計に判断力を鈍らせふからね…」
星野「んなこたぁ頭やリクツじゃ分かってるけど…心が追いつかねぇんだよ…」
犬木「あ…頭が回んねー…コンランしてきた…」
麦畑「ひなや律花お姉ちゃま…それにほかのみんなも…!あぅ…」
僕らは彼女の語る事実に手を震わせながら、そっと本を閉じる。厄災が自分達自身であるかもしれないという恐怖、水無月藍良の恐怖…明日森学園の謎…
僕らを言い表せない不安が包むのだった。
新城「…ふん。そういうことか…」
新城「だが、もう少しヤツを刺激する要素が欲しいな…」
新城「黒幕の興味を向けつつ情報を手に入れて、それを使って…このゲームに終止符を打つ…」
新城「オレは勝利に貪欲なゲーマーだ。ルール無用のデスゲームなぞ疾うに何百度も攻略してきている。」
新城「オレはオレのやり方で…このコロシアイゲームに勝つ…せいぜい高みの見物を決めているんだな…水無月藍良…!」
ただ1人、彼を除いて…
黒幕は誰だと思いますか?
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嗣宮新
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櫻坂香子
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海道瑞樹
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犬木律花
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相沢優馬
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坂田英美里
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浜垣純也
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映雪雪菜
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車木鉄矢
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光明寺朱里
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豪徳寺大夢
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音無仁梨
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星野由宇樹
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麦畑・ティファニー・妃乃
-
新城柊弥
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木崎友梨奈