ダンガンロンパ ロストワード   作:りょうぴー(創作論破書き)

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99%の絶望、1%の希望 非日常編

モノクマ『死体が発見されました!一定の操作時間の後、学級裁判を開きます!』

 

オレたちはそのアナウンスを聞いて呆然とした。

新城のヤツが、誰かに殺された。

それを確信せざるを得なかった。

 

星野「……新城が、殺された…」

 

豪徳寺「馬鹿な!!彼が殺されたとでも言うのか…!?」

 

嗣宮「ど、どういうこと…なんだ…」

 

犬木「嘘だろ…なんでアイツが…!」

 

映雪「し、信じられない…」

 

木崎「……」

 

星野「オレだって信じられねーよ、こんなの…だって、あの新城だぜ…!?」

 

星野「絶対死ぬようなタマじゃないって思ってたよな…なのに…それなのにどうして…どうしてアイツが死んでるんだ…!!」

 

オレたちは目の前の光景を受け入れきれずに狼狽する。そりゃ、新城自身も死ぬ覚悟はしてたんだろうとは心のどこかで思ってたが…

 

まさかこんな形でアイツの死を実感させられることになるとは、予想すらしてなかったからだ。

 

モノクマ「うわー、大・惨・事!!あの新城クンがこんな残酷な形で殺されちゃうなんてねー!」

 

星野「モノクマ…じゃあマジで新城は殺されたってことなのかよ…」

 

モノクマ「その通り!いやー、ビックリしたよね!彼のようなボクをもチビらせたあの大胆不敵なトリックスターが、あんな呆気ない幕切れを迎えるなんて…それに、あの新城クンを殺したクロがこの中にいるなんてね…」

 

木崎「…念の為に聞くけど、モノクマがやった訳じゃないんだね。」

 

モノクマ「は?当然でしょ!ボクだってあんな危ないヤツに関わりたくないもん!それにコロシアイのルールに引っかかるし、ボクに新城クンを殺す理由なんてないもんね。」

 

木崎「…そんなこと、分かってるよ。」

 

嗣宮「それより、例のアレは…」

 

モノクマ「せっかちだなぁ…もちろん渡すよ!モノクマファイルでーす!」

 

コトダマゲット!【モノクマファイル5】

 

モノクマ「それじゃあそろそろ捜査開始でーす!オマエラ、頑張ってくださいね!」

 

そう言うとモノクマは逃げるように去っていった。

 

星野「…これで5度目の死体捜査、学級裁判になっちまったな。」

 

豪徳寺「しかも被害者は新城くんと来た。これ以上の衝撃は他にあるまい…」

 

嗣宮「…やるしかないよね。やっぱり…」

 

星野「あぁ。けどな相棒、いくら殺されたヤツが新城だからって言っても、オレらはその死を前にして驚いてばかりじゃいられねーんだ。」

 

嗣宮「星野くん…」

 

星野「いいか、オレたちはこれまで4回も学級裁判を乗り越えてきた。けどそんな中で仲間も沢山死んだ!殺しを実行したヤツのことは許せないにしても、そいつらだって誰かに操られたからこそ、こんな事をしたくないと思いつつも結局不可抗力や訳分かんねー理由で殺しに手を染めさせられちまった。もしオレらがもっとアイツらに関わってやれりゃこんなことにはならなくて済んだのになんて考えても、時間は巻き戻らねーんだよ。だから生き残ったオレたちは、死んだヤツらの死を引きずってでも前に進む義務があるんだ!だから新城の死も、他の奴らの死も、ひとつたりとも無駄にしちゃいけねーんだよ!!!」

 

木崎「星野くん…」

 

豪徳寺「…無論だ。僕もまだ驚きは隠せていないが…それは真実を追求しない理由には当然なり得ないものだからな。追求を諦めて止まってしまえば、彼らの死は無駄になる…僕らの苦しみも全て無駄になってしまうからな…」

 

犬木「へっ、苦しみだか何だか知らねーけど、何がなんだろーが、アタシにゃ関係ねー!!アタシらが生き残るためにも、新城の死の謎は絶対に突き止めてやる!!」

 

映雪「…頼もしいわね。だけど、その気持ちは私も一緒よ。星野くん、私もみんなも真実を突き止めて生き残る気持ちは同じ…なら、私もそれに乗っかるだけよ!」

 

星野「お前ら…!!へへ、やっぱりお前らは最高に頼もしい仲間だぜ!!!」

 

凄いな、星野くんは…言葉ひとつでみんなをあんな風にまとめあげるなんて…

それに比べて僕はなんなんだ…?

櫻坂さんとの遺言も守れてないで、ただただ彼の隣で燻ってるだけじゃないか…!

 

僕には星野くんのようなリーダーシップもないし、新城くんみたいな大胆さもない…超高校級の幸運なんて大したものも持ってない…ただの普通の人間じゃないか…

僕なんかが彼の相棒を名乗るべきなんかじゃない…彼が勝手にそう呼んでくれているだけじゃないか…!

 

僕なんかに…星野くんのような熱い思いは語れないんじゃ…

 

木崎「…それでいいの?」

 

嗣宮「…木崎さん?」

 

木崎「嗣宮くんは、それでいいのって聞いてるんだよ。」

 

嗣宮「よ、良くないよ…だけど、僕には星野くんや新城くんみたいな心の強さはないんだし…」

 

木崎「それでも、あなたが学級裁判を乗り越えて見せたのは本当のことだよね?」

 

嗣宮「それだって、みんながいなくちゃ乗り越えられなかったよ。それに、3回目の学級裁判はほとんど星野くんに頼りっぱなしだった。僕1人の力量なんて、本当はたかが知れてるんだ…」

 

木崎「嗣宮くん…私が言えることじゃないけど、そんなに卑屈に考えてちゃダメだよ!」

 

嗣宮「!?」

 

木崎「これまで星野くんの手助けを受けてても、嗣宮くんは嗣宮くんの力で真実を導いてきたのは、疑いようのない事実なんだよ。その事実を否定したら、嗣宮くんは自分を信じてくれる星野くんやみんなのことも否定することになるんだよ。」

 

嗣宮「星野くんたちのことを…」

 

木崎「それにあなたは最初、香子ちゃんと約束していたよね。あなたは香子ちゃんのことも否定するの?」

 

嗣宮「な、なんで君が櫻坂さんとの約束を…」

 

木崎「いいから答えて。あなたにとって香子ちゃんは…星野くんは…ここにいるみんなは否定してもいいようなどうでもいい存在なの?」

 

嗣宮「違う…」

 

嗣宮「それは違うよ!」

 

嗣宮「今まで死んだ人達も、今生きてるみんなも、僕にとっては他に見つからないような仲間なんだ!!僕はそんなみんなのことを…否定したくないんだ!!」

 

木崎「…そっか…それが聞けただけでも良かった。私も、あなたの事を否定しない、大事な友達だと思ってるよ。もちろん、星野くん、律花ちゃん、豪徳寺くん、雪菜ちゃん…それから、今まで死んだみんなもね。」

 

嗣宮「木崎さん…」

 

木崎「さ、お説教はこれでおしまい。ここからは私たちも星野くん達を助けてあげよう!」

 

嗣宮「…そうだね。分かったよ!」

 

嗣宮「星野くん!!」

 

星野「おう相棒、さっきまで木崎と何か話し込んでたみてーだけど…どうしたんだ?」

 

嗣宮「僕も…!僕も一緒に戦うよ、星野くん!君一人に頼りっぱなしじゃいられない。僕もみんなの力になりたいんだ!!僕は君ほど頼りがいのある人間じゃなくても…僕には僕のやるべき事で、みんなを真実へ導いてみんなと生き残りたいんだ!!」

 

星野「…!へへっ、いい心がけだな!何があったかは聞かねーけど、お前の思いは伝わったぜ!!」

 

嗣宮「星野くん…ありがとう!」

 

星野「おいおい、何か照れるな…つってもオレ1人だけじゃどうにもならねー時がある。3回目の学級裁判もお前に頼ってようやく真実を暴けたんだ。相棒、オレを頼ってくれるのはもちろん嬉しいが、オレたちがこのコロシアイ学園生活を生き残るにはお前の知恵も必要なんだ。だから、オレはお前を頼りにさせてもらうぜ!」

 

嗣宮「うん…!任せてよ!!」

 

木崎「…よし、それじゃあ…今度こそ、捜査開始だね!」

 

星野「だな!張り切って進めようぜ!!!」

 

捜査開始

 

豪徳寺「しかしむごいものだ…パソコンの盤面に新城くんの血が…」

 

映雪「凄惨な光景ね…体を痛めつけられた訳では無いけれど…首を絞められたり毒で弱らされたりしたのだから、彼は苦しめられながら死んだはずよ。」

 

星野「想像したかねーな…とにかく、まずはモノクマファイルを確認してみるか…えーとモノクマファイルには…なっ、マジか!!」

 

犬木「お、おいどうした、星野!?」

 

星野「見ろよこれ…死因が不明になってるぞ…!」

 

『被害者は新城柊弥。死因:不明、パソコンを操作していた所を矢で左手と右胸を貫かれ、首に電線を巻かれ、本で殴られ、毒を接種してしまい死に至ったが、直接的な死の瞬間や原因は捉えられなかった。』

 

犬木「でも…何でアイツの死因が分からないんだよ…!?」

 

星野「多分、あの毒ガスの煙の仕業だ…新城が仕掛けたのか犯人が仕掛けたのかは分かんねーが、あれで監視カメラを遮ることで死因の判別を出来なくしたんだ!!」

 

豪徳寺「なるほど…あの毒ガスは単に新城くんを殺すための道具として使えるだけでなく、視界を遮る効果もあるからな…」

 

コトダマゲット!【教室の毒煙】

 

犬木「んだよ、毒ガスで殺されたかもしんねーってのは矢で殺された訳じゃねーのか?」

 

豪徳寺「失血死という理由でなら有り得るかもしれないが、矢で殺すとなると普通は脳天か左胸を貫くものだろう?」

 

星野「ま、右胸に心臓がついてるヤツは5000人に1人しかいねーくらい珍しいからな。」

 

犬木「へー、そうなのか。じゃあ新城は右胸に心臓ついてんのか?」

 

映雪「モノクマファイルを見る限りだと彼の心臓の位置は左胸と書いてあるわね。だからその可能性は0よ。仮に彼の右胸を狙ったとしたら…敢えて急所を外したのかもしれないわね。」

 

豪徳寺「確かにその可能性もあるかもしれないが…ともあれだ、これが新城くんを殺すために使われた凶器のひとつのは間違いない。しかし誰の仕業によるものによるかが分からないのでは話にならないな…」

 

映雪「そもそも、私たちは2人1組で行動していたのだから、彼を殺すとなると1人の目を盗んで動かなくちゃいけない、ということになるわね…」

 

豪徳寺「馬鹿な!!だとすると、爆弾の解除に追われていた僕らには不可能じゃないか!!」

 

星野「だとすると、ここにいるオレたちに犯行は不可能ってことか…」

 

コトダマゲット!【ペア行動時の制約】

 

犬木「つーことは…アタシら以外の中に犯人がいるのは間違いねーな。」

 

映雪「おそらく可能性としては最も低いでしょうけど…自殺という可能性も捨てきれないわね。」

 

ますます新城を殺した犯人の謎が深まってきたな…

 

星野「とりあえず、ほかの物的証拠も探ってみるか…お…?この手の所の矢…なんか変じゃねーか?」

 

豪徳寺「左手の矢か。それがどうかしたかい?」

 

星野「この矢の刺さってる方向…なーんかおかしくねーか?」

 

豪徳寺「矢の方向…あ!確かに変だな。あたかも後ろから矢を撃たれたかのように手に傷がついているではないか!!」

 

コトダマゲット!【矢の刺さった方向】

 

豪徳寺「しかし妙だな…僕の研究教室は内鍵方式だ。だから外から侵入者が現れて、背後から回って殺したなどということはありえない…ということになるはずだよな…?」

 

星野「この矢の刺さった向きが何を意味するか…ってことになるな…一体、どうなるんだろうな?」

 

映雪「…この本、何か怪しいわね…」

 

星野「おわっ!!その本血まみれじゃねーか!!」

 

映雪「ええ…こんなにわざとらしい血まみれの本、凶器に使ったとは考えられないわ…ミスリードという可能性が高そうね。」

 

星野「ミスリードかぁ…まぁそうだろうな。むしろそうとしか思えねーよ。」

 

コトダマゲット!【血まみれ予言の本】

 

犬木「クンクン…なーんかここ怪しいな…」

 

星野「おい犬木、あんまり嗅ぐなよ?」

 

犬木「わーってるって。それよりほら、あの割れたビンを見てみろよ。」

 

星野「な、何だ!?液体で滲んでるけど物騒なラベルが貼ってやがる!!もしかしてこれが毒ガスの発生源だったのか…!?」

 

犬木「間違いねーよ…けど、犯人は一体どっから投げやがったんだ…?」

 

コトダマゲット!【割れた毒ガスの瓶】

 

映雪「毒ガスと言えば…新城くんが被っていたものにガスマスクがあったわ。」

 

星野「マジか!!アイツも毒ガスに巻き込まれることを知ってたってことかよ!!」

 

映雪「毒ガスが少し彼の体内に回ったとはいえ、彼も無策だった訳では無いようね。ガスマスクで吸う量を抑えたはずよ。」

 

コトダマゲット!【ガスマスク】

 

超高校級のゲーマーの研究教室

 

星野「にしても毒ガスの出処ってどこなんだろうな…」

 

星野「なんか危ねー毒薬やその材料のビンが並んでやがんな…」

 

星野「お?ここだけ歯抜けになってるビンがあるな…」

 

星野「特定の物質と混ぜ合わせて燃焼すると毒ガスを起こすって書いてあるな…」

 

星野「そうか!これか!!この2つの薬を混ぜて燃やしたことで毒ガスが巻き起こったんだな!!」

 

コトダマゲット!【欠けた薬瓶とマッチ】

 

超高校級の社長の研究教室

 

星野「お前ら!毒ガスの出処が分かったぞ!!」

 

豪徳寺「そ、そうなのか!?早く教えてくれ!」

 

星野「あぁ。新城の研究教室の薬棚の瓶だ。あそこで爆弾を解除してたオレと木崎も気づかないうちにあの2つが盗まれてたんだ…」

 

犬木「星野の話が正しいとすりゃ…犯人が新城とのイザコザの前にどさくさに紛れて予め盗んどいたってことになるな。」

 

映雪「星野くんの言っていることが嘘でなければ、その説が正しいわね。」

 

星野「オレは嘘は言わねーよ。これは本当の話だから安心しろって!」

 

豪徳寺「なら僕らも信じよう。皆もそれでいいな?」

 

映雪「ええ。」

 

犬木「おう!」

 

星野「そういやお前らは何を調べてたんだ?」

 

豪徳寺「いや、新城くんの言っていた学園消滅プログラムとやらが気がかりでな…そこで僕らも彼の言う学園消滅プログラムの全貌を明らかにすべくプログラムにアクセスしようと思っていたが…」

 

映雪「残念ながらアクセスは叶わなかったわ。それに、新城くんが死んだことでプログラムの全容は闇に葬られたもの…」

 

犬木「アイツの学園消滅プログラムを消せば一件落着、あとは裁判だけ!ってなったんだけどよ…結局不安要素が残っちまったな…」

 

コトダマゲット!【完成した学園崩壊プログラム】

 

星野「新城が死んでるんじゃどうしようもねーか…非常電源の入力もバックアップも出来ねーとなると…」

 

豪徳寺「彼の学園消滅計画は闇に葬られたというわけか…」

 

星野「だな…けど、新城のこのコロシアイを終わらせたい気持ちは、曲がりなりにも間違いなく本物だった。」

 

星野「やり方と結果はどうあれ…アイツの努力は否定できねーよ。」

 

映雪「そうね…たとえ結果が絶望的なものでも、その結果だけが全てでは無い…過程の積み重ねがいつか花開く時が来るはずだと…そう信じるしかないわ。」

 

犬木「納得出来ねーが仕方ねーや。地獄で閻魔様に絞られながらアタシらがあとを引き継ぐ様子でも見とけよ。」

 

結局、新城の思いも背負う羽目になるなんてな…

あいつが地獄でオレたちのことを見たらなんて言うんだか…まぁ、それはアイツにとっての娯楽になるんだろうな。

 

何にせよお前がこのコロシアイを終わらせるために戦ってたのは事実なんだろう。オレたちなりのやり方だけど、お前の意思はオレたちが引き継ぐぜ!!

 

超高校級のゲーマーの研究教室

 

木崎「ごめんね、嗣宮くん。急にひとりで呼び出しちゃって…」

 

嗣宮「いや、大丈夫だよ。星野くん達はほかの手がかりをすでに調べつくしてるみたいだから、まだ手がかりが見つかってない所にあるかなって思ってたんだ。」

 

嗣宮「それで、木崎さんと星野くんが最後に爆弾を解除したのがここだね?」

 

木崎「うん。ここに犯人の手がかりがあるかもしれない…」

 

木崎「ううん、間違いなくここが犯人の犯行現場だって確信できるよ。」

 

嗣宮「…え、それってどういう…」

 

木崎「……」

 

木崎「今回の犯人の正体…私には心当たりがあるんだ。」

 

嗣宮「…心当たり?」

 

木崎「新城くんにとっての敵で、学園を壊されちゃ都合が悪くなる人物…水無月藍良の差し金だよ。」

 

嗣宮「……それって…まさか…」

 

木崎「…口で言うより、この証拠を知ってるって分かった方が信じてもらえるかな。まずはここの通気口の所を調べよう。」

 

嗣宮「…うん。」

 

木崎「ここの通気口、人が1人通れるくらいの大きさだよね?」

 

嗣宮「…うん。」

 

木崎「実はここ、犯人にとっての都合のいい隠し通路になってるんだよ。」

 

コトダマゲット!【隠し通路】

 

木崎「で、ここの隠し通路…どこに繋がってると思う?」

 

嗣宮「犯人が使うとしたら…新城くんがいる所だね。」

 

木崎「お見事!で、ここの途中には換気窓があったから、犯人は毒ガスを他の部屋にへ運ぶことなく戻って来られたんだ。」

 

コトダマゲット!【通気口の換気窓】

 

木崎さん…何を言ってるんだ…まるで、君が犯人であるかのような口ぶり…

 

まさか…木崎さんが新城くんを?

 

いや、そんな…そんなはずは無いよ…

 

だったらなんで…君はさっき僕に励ましを投げかけてくれたんだ…?

 

嗣宮「けど、毒ガスが充満してる環境で新城くんを殺せるはずがないよね…?」

 

木崎「それはどうかな?」

 

木崎さんはそう言うと、白衣の裏にあるとあるものを取り出した。

 

嗣宮「木崎さんの白衣のそれ…ガスマスク…!」

 

木崎「…もう、これで分かったよね?」

 

嗣宮「で、でもまだ…彼を殺害した原因が分からないんじゃ…」

 

木崎「それの正体も、私の研究教室に来ればわかるよ。」

 

嗣宮「……」

 

超高校級の植物学者の研究教室

 

木崎「新城くんを殺した凶器…それはこれだよ。」

 

嗣宮「…ただの水が入った花瓶じゃないか…」

 

木崎「ううん。この水が新城くんの命を奪った凶器なんだ。」

 

嗣宮「…えっ!?」

 

木崎「この花瓶の水はスズランの花の成分が含まれてるの。スズランは見た目からは想像もつかない猛毒を持っていて…少しの量を水に溶かしても人を死に至らせるほどの猛毒を含んでいるんだ。」

 

嗣宮「なんでそんなことを…」

 

木崎「そもそも、私が庭のあの5桁の番号を知ってることを唐突に言い出した時や、あなたを励ますときに香子ちゃんとの約束を持ち出した時点で、何となく分かってたよね?」

 

嗣宮「…!!じゃあ、まさか木崎さんが…」

 

木崎「…この続きは…あなたが裁判で話してくれるかな?」

 

嗣宮「…?」

 

木崎「星野くんから明かされると…きっと彼は躊躇っちゃうと思うから…だって、星野くんは友達思いだから…ほら、あなたも分かるでしょ?きっと彼はこれ以上の追求は躊躇うはずだよ。」

 

嗣宮「そんなの…坂田さんの時は彼はちゃんと犯人を追い詰めてたじゃないか…」

 

木崎「それはあの時、トゥモローアカデミーの話でみんな疑心暗鬼になってたし…英美里ちゃんだって水無月藍良の能力に操られてあの事件を起こしたって分かったんだし、星野くんも仕方ないって割り切ってたでしょ?でも今回は今までとは違う。みんなが新城くんを止めるために、彼の意志をも引き継いで団結するってムードになってるよね。」

 

そうか…それを否定すると、彼自身の足はそこで止まってしまうというわけか…

 

クソッ!!だからってこんなの…受け入れられる訳がないじゃないか…!!

 

木崎「…とにかく、投票タイムに入りそうになったら、私が議論の流れを止めるよ。あとは私とあなたで、真実を導こう。」

 

こんな残酷な真実…導きたくないよ…

 

けど、彼女が言うんだから…

 

残酷だけど…やるしかないんだよな。

 

ピンポンパンポーン!

 

モノクマ「えー、時間です!学級裁判がそろそろ始まります!記念すべき5回目の学級裁判、マンネリ化してるけどやるしかない学級裁判のお時間でーす!庭のモノクマ像のとこにオマエラは早くお集まりくださいな!」

 

いよいよ始まるみてーだな…これで5回目の学級裁判か…

 

嗣宮「はぁ…はぁ…お待たせ!」

 

木崎「ごめん!遅れちゃった!」

 

星野「相棒、木崎、おせーぞ!!」

 

豪徳寺「既にエレベーターは来ているようだ。では早速移動しよう。」

 

オレたちはエレベーターに乗り、下へ下へと降りてゆく…

 

嗣宮「……」

 

星野「…どうした相棒?顔色わりーぞ。」

 

嗣宮「あ、ううん。なんでもない。」

 

星野「お…おう…そっか…」

 

未だに新城の死を受け入れきれてないのか…?

 

そりゃ俺だって同じだ。

 

アイツはオレたちの前に敵として立ちはだかりながら、味方としてもちゃんと推理を導いた、味方として頼もしく敵として厄介な存在だ。

 

アイツの何気ない一言やゲームを楽しむために取った行動がオレたちを引っ掻き回したり、真実へ導いたりしてきた。

ハッタリひとつで果敢に行動を起こし、モノクマさえもひるませることもあった…まさにモノクマの言う通り、「大胆不敵なトリックスター」と呼ぶに相応しいやつだった。

 

ちゃちなペテン師にしちゃ実行する力はやけに強く、オレたちを常にハラハラさせ続けてアイツが…まさかあんな風に死ぬとは思いもしなかった。

 

アイツの死はオレたちに深い影を落とした訳だが…そんなアイツの死の真実はどんなものなんだろうか…

 

複雑なことを考えているうちにエレベーターは地下に降りた。

 

モノクマ「少ねぇ〜…少ないですねぇ〜…ま、それも仕方ないか。早く席に着いて、学級裁判のお時間ですよ!」

 

言われるまでもなくオレたちは自分の席に着く。

 

いよいよ始まるんだな…

 

新城柊弥を殺害したクロ…一体そいつは何が目的なんだ…?

 

いよいよ始まる…5度目の命懸けの学級裁判が!!

黒幕は誰だと思いますか?

  • 嗣宮新
  • 櫻坂香子
  • 海道瑞樹
  • 犬木律花
  • 相沢優馬
  • 坂田英美里
  • 浜垣純也
  • 映雪雪菜
  • 車木鉄矢
  • 光明寺朱里
  • 豪徳寺大夢
  • 音無仁梨
  • 星野由宇樹
  • 麦畑・ティファニー・妃乃
  • 新城柊弥
  • 木崎友梨奈
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