ダンガンロンパ ロストワード 作:りょうぴー(創作論破書き)
櫻坂「ふふふ…あっはははは!!!」
浜垣(……!?な、なに笑ってやがる……?)
浜垣(…まさかとは思うけど…何か高笑いして、何か計画してるんじゃねーか…?)
浜垣(木崎のパーティー計画を利用して誰かを殺そうとしてるつもりじゃねーのか…?)
浜垣(なんとかしてみんなにこの事を伝えなくちゃ……だけども、それでみんなは信じてくれるのか!?)
浜垣(いや無理だ……いくら何でも証拠が足りなさすぎる……!!)
浜垣「こうなりゃ…オレがやるしかねーか……」
浜垣(見てやがれ櫻坂……オメーが何企んでるかは知らねーが、来るならオレが止めてやる…!!)
浜垣(そんで…オレはみんなをコロシアイから救ったヒーローに…なれるかもしんねーな……!)
モノクマ「ひゃっほーう!大正解!櫻坂香子さんを殺害した犯人は…超高校級の動画配信者、浜垣純也くんなのでしたー!!」
浜垣「あ…あぁ…!」
嗣宮「浜垣くん…本当に君が犯人なんだね…」
木崎「そんな…!!浜垣くん…!!」
星野「おい浜垣!!お前…何でこんなことしちまったんだよ!!」
浜垣「そ、それは……」
星野「いいから答えろ!!どうしてお前は櫻坂を殺したんだよ!!聞かねーと気がすまねーだろ!!」
浜垣くんは次の瞬間、震えながら口を開いた。
浜垣「お…オレは…オレはただ…!櫻坂を…アイツを止めようと思ったんだよ!」
嗣宮(えっ…!?)
坂田「櫻坂を止める…?」
麦畑「どういうことなのです!?」
星野「いきなり何言ってんだよ、お前は櫻坂が殺しの計画を考えてたって言うのか?」
車木「てめぇ…それで自分を正当化したところで罪が消えるわけねぇだろ…!」
音無「そ、そもそも櫻坂さんが殺しを考えていた証拠なんて…どこにもありませんでした…よね?」
豪徳寺「だとすると…やはり君は殺人の責任を櫻坂さんに擦り付けようとしているだけではないか!!この愚か者め!!」
浜垣「ち、違うんだ!!聞いてくれって!!櫻坂を殺したのは確かにオレだよ。それはもちろん否定しねー。でもオレは…櫻坂を殺さなくちゃならねー理由がオレにはあったんだ…」
車木「んだと…?どういうこったよ。」
浜垣「オレは櫻坂にも手伝ってもらいながらパーティに使うムービーの編集をしてたんだけど…その時、櫻坂がひとりでコソコソしてるところを見ちまったんだ。」
音無「ひ、ひとりでコソコソ…!?」
新城「それでお前は櫻坂を尾けてあいつが何をしていたのかを調べ、殺そうという考えに至ったのか。」
浜垣「あぁ…んで、それからは嗣宮が推測した通りだよ…オレは怪しいと思って櫻坂の様子を監視するためにあちこちに監視カメラを仕掛けたんだ。それで、監視した結果、櫻坂が何度も何度も保健室の扉に出入りして行く所を見ちまったんだ…」
浜垣「その時アイツは何かを見ながらケラケラ笑ってたり、薬の棚から風邪薬だか何だかそれっぽい感じには見えねー何かを取り出して飲んだり…とにかく、誰がどう見ても怪しい動きばっかりしてたんだ…!」
海道「う…嘘じゃ…ないよね?」
浜垣「嘘じゃねぇよ!!オレはちゃんとカメラ越しに見たんだ!!」
豪徳寺「だが、肝心のカメラの映像がないんじゃあ、君の嘘か言い訳になるとしか認められないな…」
モノクマ「はーい!そうなると思って元々あったカメラの映像を用意しておきました!」
映雪「まったく…あなたは用意がいいわね…」
モノクマ「ではいきますよ〜…再生開始!」
モノクマはモニターに監視カメラの映像を見せる。
そこに映されていたのは確かに櫻坂さんの姿だった。彼女は何らかの台本を読みながら大声で笑っていた。
光明寺「これだけ見ると…確かに櫻坂ちゃんは笑ってるねー…」
星野「櫻坂、あんな高笑いするのか…オレ初めて見たぜ。」
浜垣「な?オレの言った通りだろ!?」
モノクマ「んじゃあ次は別の視点からの映像だね。今度は非常用にこっそり仕掛けてた隠しカメラからの映像を見せるよ。ほいっ!」
映雪「そんな所にもつけてあったの?」
麦畑「クマさん、意地が悪いのです!」
音無「あ…あの…とりあえず、映像を見てみませんか?」
新城「だな。さっさと再生して見てみるぞ。」
モノクマは保健室のベッドの後ろ側に仕掛けてあった隠しカメラのモニター映像を僕らに見せる。
そこにはあの時櫻坂さんが何を読んでいたかが映っていた。
モノクマ「あれあれ?様子が変だよ?まさか、櫻坂さんが何を読んでいたか気づいちゃった?」
櫻坂さんが読んでいたもの…カメラのズームで細かいところは読めなかったけど、(高笑い)や(不気味に笑う)などの指示が書かれていた台本だった。
星野「…は?」
櫻坂さんが読んでいたのは、朗読会で使う予定の台本だった。風邪をひいてでも彼女は自分のやることを全うできるように保健室でずっと練習していたんだ。
浜垣「え…なんだよこれ…?」
豪徳寺「彼女…台本を読んでいるのか?」
新城「…そうか、つまり浜垣は櫻坂が台本を読んでた所を犯行計画が上手くいって笑っていると勘違いして、犯行が起きる前に櫻坂を殺そうとしたんだな。」
嗣宮「じゃあ、櫻坂さんは…浜垣くんの勘違いで殺されたってこと…!?」
海道「早とちりさえなかったら…櫻坂さんも殺されずに済んだだろうね…」
新城「愚かな奴だ…まさか殺意を抱かずにこんな残酷な結末を自ら迎えてしまうとはな。」
犬木「んだよそれ…勘違いでこんなことになるなんて、そんなん最悪じゃねーか…!」
浜垣「そ…そうだったのかよ…うぅ…!!」
星野「…くそっ!!浜垣のバカ野郎……!!」
犬木「なぁ、今のも十分ひでーとは思うが、アタシはまだ気になることがあんだよ。脅迫状を送ったのも浜垣なのか?」
浜垣「…あぁ。空いてる時間で殺すよりはパーティのドサクサに紛れて殺した方が、首謀者を殺しやすいって思ってたからな…」
相沢「なるほど…ですが櫻坂氏が首謀者だと思ったのなら、殺さずに捕まえるとかでも良かったのでは?」
浜垣「お前らに話したところで信じてくれるのかよ?普通は信じられないだろ?それに手柄を横取りされたくなかったんだ…オレが首謀者を倒したヒーローとして、皆に認められたかったんだ…」
新城「だが、結局お前の計画は失敗した。現にこうして学級裁判が始まり、殺し合いゲームは続いている…つまりお前がした事は結局殺人の口火を切っただけに過ぎないということだ。」
星野「ちっ…畜生…!!マジでお前は大バカ野郎だよ…!!」
車木「くそっ…」
浜垣「はは…確かに、バカじゃねぇか…オレは…何で俺はこんな…バカなこと…しちまったんだろうな…」
全ては浜垣くんの勘違いだった。そんなことがなかったら…きっと殺人も起こらなかったに違いない。こんな無駄な犠牲も起きなかった…櫻坂さんが死ぬ必要なんかなかった…
最悪な無駄死にだ…でも…
コロシアイさえなかったら…こんなふうに浜垣くんも怯える必要はなく、櫻坂さんを殺すことは無かったんだ……!!
モノクマ「というわけで、長々とくっちゃべってたらボクが飽きちゃうし…そろそろ恒例のアレ、いっときますかね!」
相沢「恒例のアレ…?ま、まさか…」
モノクマ「イヤだなぁ、忘れたわけじゃないでしょ?」
モノクマ「もちろん処刑だよ!これからクロとして負けてしまった浜垣くんをおしおきするんだよ!!」
浜垣「ちょ、ちょっと待ってくれよ…オレがこんなことをしたのは敵意があった訳じゃないんだよ…むしろオレはみんなを守るために汚したくない手を自ら汚したんだ…な、な?みんなも分かるだろ?オレはみんなを救うヒーローになろうとしただけで殺しっていうかなんて言うかそんな意思はなかっただけで…」
モノクマ「こら!見苦しい言い訳はムダだからね!大人しく死を受け入れなさい!秩序を乱した悪党は罰を受ける、こんなの常識でしょ?」
浜垣「言い訳じゃねーって!!大体悪いのは紛らわしい振る舞いでオレに殺しをさせた櫻坂の方じゃねーか!!お、オレは1ミリも悪くねーぞ!!そうだ!!櫻坂が死んだのもアイツが殺しをする素振りを見せて脅かしたのが悪いんだ!!だからオレはなーんにも悪くねーんだってば!!!」
星野「浜垣、お前…これ以上お前を見損なわせんなよ!!!」
犬木「自分が殺したくせに、勝手に櫻坂に責任擦り付けんな!!」
嗣宮「…みんなの言う通り、浜垣くんのことは僕も許せない…死んだ櫻坂さんに対して、どれだけ君は最低な発言をしたか、分かってるのか…!?」
浜垣「そ、そう怒るなって…!な、なぁ…本当にオレが悪かった!!みんな、オレ心を入れ替えるから、なんとかモノクマに言ってやってくれよ…このままじゃオレ、死んじまうよ…!!櫻坂を殺したのも櫻坂の死を侮辱したのも償うから…な?なぁ!!助けてくれって!!ほら、早く…」
新城「おい、それ以上臭い口を開くな豚野郎…往生際が悪いぞ、胸糞が悪くなるんだよ…いい加減わめかないでさっさと処刑されたらどうだ。お前のようなゴミが居なくなればこの場も少しは静かになるだろうよ。」
木崎「ちょっと、そんな言い方…」
新城「されて当然だろ…?こいつは自分が殺されることも覚悟しないで命を奪うことの重さも理解せずに自分の承認欲求のために女一人の命を奪ったんだ。同情すべき余地はないはずだろう。」
木崎「で、でも…浜垣くんだって本当は……!!」
映雪「木崎さん、こればかりは新城くんの方が正しいわ。確かに言い方は酷いと思うけど、勘違いとはいえ自分勝手な理由で殺人を犯した浜垣くんに同情出来る余地はないもの…」
浜垣「ひぃっ…!!」
確かにそうだ。浜垣くんが殺人を犯したのは、自分が助かりたいと思ったから、自分が首謀者を倒したヒーローになって持て囃されたかったからだ。自分勝手な発言を繰り返す彼に擁護出来ることは無いかもしれない。でも…浜垣くんだってこんなことはしたくなかったはずだ。元を辿ればモノクマがこんな狂ったゲームに無理やり参加させて殺人を唆したからじゃないか?
モノクマ「うぷぷ…どうやら、悪あがきもそこまでみたいだね。じゃあそろそろ始めちゃおうか!!」
浜垣「あ。あぁぁぁぁぁぁ…!!!」
その瞬間、浜垣くんの顔が真っ青になり、僕らの周りの空気が一瞬にして凍りついた。
浜垣「イヤだぁぁぁぁぁぁ!!!」
そして、浜垣くんは突然叫び出し、暴れ始めた。
浜垣「イヤだっ、イヤだぁぁぁぁぁぁぁ!!死にたくない!!死にたくない!!死にたくないぃぃぃぃぃ!!オレはまだ死にたくねぇぇよぉぉ!!!誰か助けてぇぇぇぇぇ!!!誰かぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
嗣宮「……」
木崎「…………」
浜垣くんの悲痛な叫び声が聞こえる。だけど、誰も手をさしのべられない。誰も目を開かない。
今の絶望的な状況に突き落とされた浜垣くんを助ける気になれる人は1人もいなかった…それもそのはず、あんな下衆じみた発言をした後だったから、彼を擁護する気になんて、今更誰も起きる気にはならなかった。僕も手を差し伸べたかったけど…モノクマに逆らっても無駄だということは最初のアレによって思い知らされていた。
誰も、浜垣くんを助けなかったし、助けられなかった…というわけだ。
モノクマ「超高校級の動画配信者、浜垣純也くんのためにスペシャルなおしおきを用意させていただきましたー!」
浜垣「イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!オレは死にたくない!!!!オレはまだ生きてやりたいことがあるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!!!!!!」
モノクマ「では、張り切って行きましょう!おしおきターイム!!」
浜垣「イヤだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
GAME OVER
ハマガキくんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
浜垣くんは冷や汗を垂らして周囲をキョロキョロ見渡している。彼はこれから処刑が始まるという事実を受け入れきれてないかのように震え、あからさまに怯えていた。
すると、突然どこからともなく鉄製の首輪がカーテンの後ろから飛んできて、彼の首にがっちりと装着される。次の瞬間、彼の体は凄まじい力で引っ張られ、どこか見知らぬ場所へと連れてゆかれた…
どんどん引っ張られてゆく浜垣くんは、強引にどこか見知らぬ場所へ引きずり込まれてゆく。
そして、モニターに映し出された浜垣くんの処刑場は…2本の大きなホースが繋がれていた、瓶入りのコーラを思わせるような透明なガラス張りの塔だった。
超高校級の動画配信者 浜垣純也処刑執行
ハマジュン・デッドチャレンジ!!
【液体が満タンになるまでに登りきれ!】
モニターに書かれている指示を見て浜垣くんは慌てふためきながらも、急いで脱出ルートを探した。そして彼はガラスに張り付いた梯子の方に目を向ける。
彼は液体から逃げるために梯子に手をかけて慎重かつ素早く一段一段登り始める。それと同時に、コーラを想起させるような飴色の液体がブクブクと毒々しい音を立てながら浜垣くんの方へ迫ってきた。
焦りながらもしっかりとハシゴを一つ一つ登りきる浜垣くん。今の所浜垣くんは順調に逃げられているようだが…それでも液体の進む速度は止まらない。
浜垣くんは急いで上へ上へと登り続ける。液体が近くなると共に泡が弾けては跳ね、僅かにかかった液体が浜垣くんの服と皮膚をジュッ!と焦がす。
浜垣くんは更に歩みを進める。そして、斜めに出っ張っているそり立つ壁のハシゴも慎重に、そして素早く動くことで難なく登りきって見せた。
そして、塔の難所を超えていよいよ出口の方へたどり着く…!
かと思われていたが、なんと出口は鉄の蓋ガッチリと固定されてしまっており、脱出することは出来なかった。
浜垣くんのすぐ近くまでに液体が迫り来る。必死に蓋を叩いてこじ開けようとするが、鉄の蓋はうんともすんとも言わず、浜垣くんを閉じ込め続けていた。そして、彼の所にいよいよ液体が近づき始める。浜垣くんの体は死を目前にして明らかに震え上がっており、涙と恐怖で顔を歪めながら怯えていた。
彼が怯えるまもなく液体は彼の足を、膝を、下半身を、上半身を、そして顔を…浜垣くんの身体の全てを飲み込んだ。塔全体が液体で覆われる頃には、彼の姿は見えなくなっていた。
【チャレンジ失敗!】
そのテロップが表示されたと同じタイミングで、防護服を着た2体のモノクマが栓抜きのようなものを用意する。そしてそれを使い、蓋に引っ掛けてこじ開けた!
その瞬間、液体がブシャアッッ!!と音を立ててガラスの塔から排出される。その様は、炭酸飲料を振った後で蓋を開けると中身が噴き出す様子と同じような光景だった。
飴色の薬品が次々と流れ、全て出し終えるころには泡と共に流れ出た''固形物''が、ガラスの塔から排出された。
その物体の正体を、モニター越しに見つめていた僕らは理解出来ていた。いや、理解を拒みたくても、嫌でも理解出来てしまっていた。
物体の正体は、全身の皮膚という皮膚が焼けただれ、目や髪の毛が薬品によって溶かされ、体全体が黒ずんで変形し、二度と動かなくなっていた浜垣純也くんの無惨な遺体だった…
モノクマ「いやっほぉーう!!エクストリーーーーーーーーーーム!!!!アドレナリンが染み渡るぅーーーーー!!!!!」
木崎「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
音無「あ、ああ、あ、あああぁ……!!!!」
犬木「うぉぉぉぉあぁぁぁぁ!!!!浜垣ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
麦畑「ひ…酷いのです…ぐずっ……!ぐじゅっ…!」
映雪「これが…処刑…!?さ、最悪だわ…」
星野「う…嘘だろ…!?マジで…マジで浜垣が……死んじまった……!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
豪徳寺「あ…あぁ…!!何なのだ…これは…!!地獄か……悪夢か……あぁぁぁぁぁぁ……」
光明寺「あ…あぅ…あぇ…?わ、わけわかんないよ……」
相沢「だ、ダメですよこんなの…あわあわあわあわ……ウゲゲーッ!!誰か助けてぇぇぇぇ!!!」
みんなの恐怖と困惑が渦巻く中で、浜垣くんの処刑が終わった。ついさっきまで生きていた彼は、惨たらしい殺し方によって命を奪われた。
殺人犯である彼に同情はできないけど…だからってこんなに惨い殺し方による処刑があっていいのだろうか。彼が取り返しのつかない罪を犯してしまったのは事実とはいえ、こんな残酷な事が許されていいはずがない。
僕らを取り巻く絶望的な感情は、心の中をひたすら疾走し続けるのだった…
海道「これが……処刑……!!くそっ……いくら何でも酷すぎる…!!」
坂田「な、なんなん…嘘やん、こんなん…ホンマに…どないしてこうなるん…?」
嗣宮「………くっ!!」
モノクマ「うぷぷ…バカなヤツだね。殺しなんかするからこんな目に逢うんだよ!殺人を犯さなきゃ出られないけど、殺人をしたらこんな目に合うってことがオマエラも理解出来たかな?」
音無「り…理不尽です…!こんなの、酷すぎます…!!」
モノクマ「それが死ぬ事なんだよ!!人の死っていうのはオマエラの想像より何倍も理不尽で絶望的なものなんだ。そんなの、分かりきってることでしょ?」
車木「んだと…このクマ野郎…!!」
映雪「いちいち反吐の出る言い回しね…」
新城「フン…つくづくふざけたヤツだ。まぁいい。次の殺人事件はもっと面白い謎になるか、それとも何がきっかけで殺人に発展するか…?いずれにせよ楽しみだ。今回の事件はバカの血迷った行動というオチでてんで歯ごたえがなかったが…これから先どんな理不尽な死が待ち受けているんだろうなぁ…?」
木崎「な、何言ってるの…?新城くん…仲間が…友達が死んだんだよ!?」
新城「その死んだ友達は殺人犯だっただろ?人を殺したヤツに同情なんか出来るというのか?」
木崎「そ、それは…」
新城「出来ないだろ。なら死んだクズに対して友情ごっこなんか続けても無意味なことだ。お前らがこの状況において出来ることはもはやない。新たな殺人が起きるのを待つだけだ。せいぜいこのゲームの恐怖に怯え続けていることだな。」
車木「お前はお前でいちいち偉そうなやつだな…」
新城「いいかモノクマ。オレは今からお前に宣言する。この先誰が誰を殺そうがオレは必ずお前に勝ってやる。たとえこの身が滅びようとも、あらゆる手段を用いてでもお前に勝つ。覚えておくんだな。」
相沢「ちょ、おまぁぁぁぁぁぁ!!!新城氏、何挑発してくれちゃってんですか!!!」
モノクマ「ひゅうー!かっこいい!こういう主人公っぽくてザコキャラっぽい噛ませポジションの人間こそ今後のコロシアイの最高の起爆剤になりそうだね!じゃあ、次の殺人をボクはいつでも楽しみにしてるよ!うぷぷぷぷ…」
そう言うとモノクマはどこかへ消えていった。
新城「さてと…次の殺人が楽しみだな。」
坂田「…アンタ、ほんま不謹慎なやっちゃな……」
新城「なんとでも言うがいいさ。お前らのような敗者は所詮口だけだ。」
車木「何だとテメェ…」
嗣宮「だ、ダメだよ車木くん!!落ち着いて!!」
木崎「暴力は絶対ダメ!!いくら新城くんにイライラしてるからって喧嘩してもどうにもならないでしょ!?」
車木「……チッ!」
新城くんは退屈そうに腕を後ろに組みながら裁判場を去っていった。
海道「…とりあえず、僕たちも戻ろう。」
音無「は、はい…そ、そうですね…あの…麦畑さん…大丈夫ですか…?」
坂田「怖かったな?麦畑、ほなウチらと一緒に戻ろか。」
麦畑「ぐすっ…はいなのです…そ、それじゃあ一緒についてきてくださいなのです……」
海道「心配しないで、麦畑さんは守ってみせるから。」
光明寺「あう〜……あかり、まだ嫌な予感がしてるよ〜。」
相沢「ふ、不吉なことを言わないでくだされ……」
車木「どいつもこいつもふざけやがって……!人の命を何だと思ってやがんだ…!!」
豪徳寺「くそったれめ…誰も僕の根首をかこうとするんじゃないぞ…?」
映雪「…私はもう少ししたら宿舎に戻るわ。せめて櫻坂さんが安らかに眠れるように、彼女に黙祷を捧げようと思うの。もちろん、浜垣くんにもね…」
犬木「アタシも祈るよ…くそっ、櫻坂…浜垣…もっとアンタと仲良くなりたかったよ…」
それからみんなも思い思いに、浜垣くんと櫻坂さんの犠牲に胸を痛めながら裁判場をあとにするのだった…
木崎「大丈夫?嗣宮くん…」
嗣宮「……」
星野「…つれーだろうな。お前と櫻坂はここに来た時から仲良くしてたんだろ?」
嗣宮「…うん。」
星野「……なぁ、嗣宮。これだけは言っとくぜ。」
嗣宮「…?」
星野「お前が櫻坂と仲良かったのはオレも知ってる。櫻坂もお前も、互いに信頼し合ってた仲だっただろうしな。だからお前がアイツを亡くして辛いって思うのはスゲー分かるんだよ…」
星野「けどな嗣宮?厳しいことを言うみてーだが、お前がいくら泣き言を言った所で、櫻坂は生き返らねーんだ。現実世界にドラゴンボールみてーな都合のいいアイテムは存在しねーんだよ。」
木崎「それはみんな分かってると思うんだけど…」
星野「それにアイツが自分が死んだせいでお前がメソメソ泣き続けてると知ったらなんて言うと思うか?アイツじゃねーからなんともいえねーが、オレが櫻坂だったらオレだって悲しくなるぞ。」
嗣宮「櫻坂さんが……悲しむ?」
星野「ああ。櫻坂とお前の間に何があったかまでは知らねーが、櫻坂はお前のことをすっげー信頼してたんだろ?背中を預けられるくらい安心出来て頼れるやつが痛ましい姿を晒してどうすんだ、そんなんでお前は生き抜けんのか!?」
星野くんの言葉が僕の胸を刺す。櫻坂さんは僕のことを信頼してくれてたというのに、僕はこんなに情けない姿を晒すつもりだったんだな…
星野「まぁ、それでもやっぱりどうしても辛いって言うなら、気が済むまで思う存分泣けばいいんだ。耐えられる悲しみならともかく、耐えられないような悲しみまで我慢しろってことじゃねーんだ。櫻坂の死がお前にどれだけ応えたかによるけど、本当に我慢できない時に我慢するほど体に毒なことはねーからな。」
星野「そんで思いっきり泣いたあとは、アイツの分の命も背負って生きるって決意を心の中で固めんだ!あの世の櫻坂に胸張って生き抜くって言えるようにな。それが…お前に出来る櫻坂へのせめてもの手向けなんじゃねーのか?」
木崎「…星野くん……」
星野「…なんて、偉そうに説教できた義理じゃねーよな…オレも櫻坂と浜垣が死んで辛いのは事実だ。まぁその…とにかく、無理に元気だせとは言わねーんだ。情けねー姿を見せたくないなら我慢して、それでも無理なら泣きたい時は思いっきり泣いて…それから立ち直りゃいい。空元気した所で帰って辛くなるだろうからな……それだけだ。説教しちまってわりかった。そんじゃあな。」
嗣宮「…うん、分かったよ……」
そう言うと星野くんは少し考え事をして足を止めていた映雪さんに追いつき、裁判場から姿を消した。
木崎「…ねぇ嗣宮くん。あなたが良ければだけど、香子ちゃんの研究教室に言ってみれば……?」
嗣宮「櫻坂さんの研究教室に……」
木崎「辛いだろうけど、あそこにはあなたと香子ちゃんの思い出も残ってるんだよ。」
木崎「……あなたにとって香子ちゃんとの付き合いはそこまで長いものでもないかもしれないし、短いものと言うには短すぎないのかもしれない。どちらにせよ、あなたの中で櫻坂香子という人間の存在が大きかったのは事実でしょ?」
木崎「モノクマが用意した部屋だから彼女のものとは言えないけど…香子ちゃんが生前に何を考えていたか…あなたと仲良くなったらどんな話をしたかったか思いを馳せてみて…そしたら、あなたが演劇に興味を持ってくれたことを知って、香子ちゃんもきっと喜ぶよ。」
嗣宮「……そうだね。ありがとう木崎さん、行ってみるよ。」
木崎「あ、別に今すぐじゃなくてもいいんだよ?辛かったら無理していかなくても…」
嗣宮「…でも、なんだか今行かなきゃいけないような気がするんだ……ごめん、それだけ。」
木崎「そ、そっか。無理しないでね?」
僕は木崎さんに別れを告げて早速超高校級の舞台女優の研究教室に行くことにした。
【超高校級の舞台女優の研究教室】
僕は超高校級の舞台女優の研究教室に来た。生前櫻坂さんが情熱を注いでいた演劇の資料がありとあらゆる所に並んでいる。
嗣宮「一緒に演劇を見る約束…もう叶わなくなっちゃったね、櫻坂さん…」
寂しそうにぽつりとつぶやくが、やはり返事はなかった。それはそうだ。星野くんが言っていた通りだし、僕もしっかりこの目で確認したんだ。もう櫻坂さんはこの世の人間ではないのだから。
僕は気まぐれに、櫻坂さんが読んでいた台本の中から適当に一冊取り出して読んでみた。一文一文を読んでいると、なんだか少しづつ心にしみてくるような感覚が込み上げてくる。
嗣宮「……」
彼女と過ごした時間は長いようで結局は短かったので、僕彼女のことをほとんど理解も出来ていなかったが…僕はその短い間のことを必死に思い出していた。彼女との明確な思い出と言えば、出会った時のことやパーティの準備をしている時のことが思い浮かんた。
〜回想〜
櫻坂『私は櫻坂 香子です。『超高校級の舞台女優』って呼ばれてるんですよ。』
櫻坂『今日はありがとうございました。一緒に過ごせて楽しかったです。』
櫻坂『嗣宮さんは…こんな殺し合いに負けないでくださいね。』
櫻坂『私は…嗣宮さんのことを信じます。そこまで言い切る勇気が嗣宮さんにあるんだから…嗣宮さんが私や他のみんなを支えてくれるはずだから…だから、信じて良かったって、心の底から私にそう思わせてくださいね?』
〜〜
特別親しかった訳でもないし、彼女のことをあまり知らなかった。彼女を失ったからって僕の全てが壊れたという訳では無いが…どうしようもなく悲しい感情が僕を渦巻いた。
自然と僕の目からは涙が溢れていた。
嗣宮「…うっ…ぐっ…ぐすっ…!」
僕は涙を押し殺しながら、くしゃりと台本を握りしめてうずくまっていた。
嗣宮「櫻坂…さん…!うぅ…っ……うぁぁぁぁぁぁ……!!!!」
誰もいなくなった研究教室で、僕は1人涙を流し続けていた。夜の月明かりだけが、僕をその場で見守っていた…
Chapter.1 疾走する絶望 END
残り生存者数 14名
黒幕は誰だと思いますか?
-
嗣宮新
-
櫻坂香子
-
海道瑞樹
-
犬木律花
-
相沢優馬
-
坂田英美里
-
浜垣純也
-
映雪雪菜
-
車木鉄矢
-
光明寺朱里
-
豪徳寺大夢
-
音無仁梨
-
星野由宇樹
-
麦畑・ティファニー・妃乃
-
新城柊弥
-
木崎友梨奈