夢主と太宰さんの初対面のお話です。



~~~注意~~~

文ストの夢小説です。

一人称視点(私)

太宰さん以外出てきません。

初小説です

オチのつけ方わかりませんでした。

1 / 1
私と治の出会い

「ねぇ治」

 

そう呼びかける。からっと晴れていた秋の夜長。

 

「どした?」

 

ソファで横に座っている顔だけは整ったクズ男が答える。

 

「私たちってどういう関係?」

 

テレビの中で主人公が不安そうに新幹線に乗る。

 

治とは不思議な仲だ。

 

 

 

 

最初に治と会ったのはたしか2年前、洒落たバーだった。酔ってあんまり覚えてないけど、私がダル絡み

 

して、連絡先を交換したらしい。一生の不覚だ。当時の私はお酒が(合法的に)飲めるようになってから

 

半年。酒の席での最初にして最大の失敗が、この男との連絡先交換だったという訳だ。翌朝、知らないア

 

イコンがLINEにあり

 

「昨日かなり酔ってたけど、大丈夫?」

 

というメッセージが来ていた。二日酔いの頭痛の中、記憶の箱を開け散らかす。全く覚えていない。

 

「どちら様でございますか?」

 

と入力しかけて、消す。向こうがタメ語ならばこっちもそうでいいじゃないか。

 

「誰ですか?」

 

と送った。2秒で既読がついて返事が来た。

 

「私だよ。昨日酔った君がダル絡みした相手!太宰治♪」

 

プラス謎な決めポーズをしたそこそこのイケメンの自撮り。いや、悔しいがかなりのイケメンの自撮

 

り。ってそこじゃない。

 

「すみません。昨晩は迷惑をかけたようですね。わざわざありがとうございます」

 

もちろん、何かしてもらった覚えはないが。

 

「そういえば君って今週の土日空いてるって言ってたよね?」

 

知らん、と返しかけて堪える。

 

「そうですね」

 

「じゃあさ、一緒に遊びに行かない?土曜の10:00に横浜駅集合で」

 

「ごめんなさい彼氏いるので」

 

「あれ?昨日は『先週フラれた~もう立ち直れない~男が信用できない~』って泣いてたよね^^」

 

クズが。

 

「そうですね」

 

「君、冷たすぎない?」

 

「別に」

 

「もしかして、私のような絶世のイケメンに興味ないの…?」

 

 

三点リーダーのあとにクエスチョンマークを付けるのが腹立たしい。

 

「ないですね」

 

「昨日家まで送り届けてあげたんだけど、感謝は?」

 

「それはありますけど」

 

だからこそ無下にブロックできなくて困っているのだ。

 

「じゃあお礼がてら会ってくれないかな?」

 

「嫌です」

 

「人探しに協力してもらいたくて」

 

「ご自分でどうぞ」

 

「つれないなぁ」

 

「イケメンにはクズしかいないんで」

 

「それは偏見」

 

「そうですか」

 

「とりあえず、土曜の10:00に横浜駅ね!昼ご飯は焼肉おごるから」

 

「いくらまでなら奢ってくれますか?」

 

「そこは食いつくんだねwいくらでも奢るよ?」

 

「覚悟しときやがれ金曜日の昼から何も食わんわ」

 

こうして、私からする実質はじめての治との対面があったのだ。

 

 

 

 

律儀な私は、待ち合わせの5分前に間に合うように横浜駅に到着した。既に治はいた。

 

「よく来てくれたね」

 

と手を広げているがガン無視

 

「おなかが減って死にそうです。いますぐ食いましょう」

 

「もちろん」

 

にっこり笑顔でほほ笑むと、彼は(たぶん事前に調べてくれていたのだろう)最寄りの焼肉屋へ連れて行ってくれた。

 

 

其の後、私は治どころか店員にひかれるほど肉を食べた。彼のひきつった顔をみたのは、後にも先にもこれ一回きりだ。

 

 

「それで、今日来てもらった本当の目的なんだけれど」

 

私たちは、カラオケの個室にいた。理由はわからない。私がマイクを握る隣で、治はいきなり言った。

 

「そういえば人探しとか言ってたね」

 

「うん、私と心中してくれる人を探してる」

 

私はその言葉の意味を飲み込むまでに少しの時間を要した。

 

「自殺願望ってこと?」

 

「そう!できれば美人を希望してる♪」

 

「ごめん無理。そんな人いないだろ」

 

「だから作る」

 

「は?」

 

治の眼は真剣そのものだ。

 

「私は、麗しい君と美しく命を散らせたい」

 

少し、気圧された。その真剣さに。

 

少し、うろたえた。その意味不明さに。

 

少し、困惑した。麗しいと言われたことに。

 

そして最後に、少し、いや、かなり引いた。

 

「ごめん、それも無理」

 

私の顔は完全にひきつっていたと思う。

 

「大丈夫、私が必ず、君を堕としてみせるよ」

 

 

 

 

 

あの出来事から2年がたった。

 

あれ以来、心中に誘われたことはない。

 

じゃあ友だち? なんか違う

 

じゃあ恋人? 絶対に違う

 

じゃあ知り合い? そこまで関係薄くない

 

じゃあ何?

 

 

「という訳で本人に聞こうと思ったの」

 

「なんだそんなことか」

 

治は少し笑う。

 

テレビでは主人公が席を間違えてるかも、と焦っている。

 

「セフレじゃない?」

 

「なんか違う気がする」

 

「たしかに。セフレと友達の間みたいな感じだよね」

 

「あー、そんな感じ」

 

私たちはテレビに向き直り、テレビの続きを見る。

 

主人公は、「やっぱりここ自分の席じゃん」と小声で安心したように言った。

 

 

 

 

 

 

 

                                 終


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。