【完結】某海の超一流コックにドハマりした顔とスタイルの良いお兄ちゃんが歌姫先輩と硝子先輩に「絶対に逃がさないから」と死ぬほど追われてる件。   作:SUN'S

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本編
某海の超一流コックにドハマりしたお兄ちゃんと恋する乙女たち(恋愛クソ雑魚ナメクジ)、あと巻き込まれる私


私のお兄ちゃんはアホだ。

 

いや、頭の出来の良さは私より凄いし、基本的に何でも出来ちゃうタイプの人間だ。こいつ、本当に私とおんなじ人間かよ。なんてしょっちゅう考えてしまうほどお兄ちゃんは凄くてかっこいいやつだ。

 

そんなお兄ちゃんも普通の家庭に生まれていれば普通の幸せな人生を送れていたんだろうと密かに思ったりするけど。わりとお兄ちゃんにとって天職なのでは?とも思えるほどお兄ちゃんは生き生きとしている。

 

「どうだ、俺の新作スイーツ!」

 

とっても甘いのに口の中であっさりと蕩けるホイップクリーム。柔らかくて簡単に解れるスポンジケーキ、お兄ちゃんに何日も厳選され、丁寧にカットされたイチゴとキウイの甘さと酸味のアクセント、百点満点のすごく美味しいフルーツケーキだ。

 

ところでさ、お兄ちゃんはどっちにするの?と私はケーキを食べながら問い掛ける。しかし、お兄ちゃんは意味が分からないと言わんばかりに首を傾げ、私の言葉の真意を探ろうとしている。

 

そこまで深い意味はないよ。

 

むしろお兄ちゃんがアホで安心した。

 

いやこういうのは分かってるクセにはぐらかしたり、おふざけで誤魔化したりするヤツだったら心底軽蔑してるし、普通に私は「二度と話し掛けるな、クソ野郎」とか言っちゃうと思う。

 

そんなことを考えていると殺気を感じた。チラリと後ろに振り返ると物凄く険しい表情をした庵歌姫家入硝子の二人が私とお兄ちゃんを見ていた。

 

さっきの「どっちにするの?」という問い掛けの意味はアレだ。私のお兄ちゃんは某海の超一流コックに憧れて、女の子は守るものだと公言しているし、なにかと二人を気遣っていたせいで、二人ともああなった。

 

つまり、お兄ちゃんが悪い。

 

「イッサ、なんで部屋に来てくれないの?」

 

「一茶先輩、私の電話に出てくれないの?」

 

ちなみにお兄ちゃんの名前は炎代一茶(ほしろ かずさ)で、イッサは歌姫先輩だけに許しているアダ名だそうだ。そういうところあるよね、お兄ちゃん。と、私は密かに思うも絶対に言わない。

 

「どうしたんだ、二人とも?」

 

どうしたもこうしたもないよ。お兄ちゃんには二人の淀んでる目が見えないの?それならさっさと眼科に行くか硝子先輩に治してもらいなよ。

 

そんなことを考えながらケーキの乗っていたお皿を学生寮のキッチンに運ぶ。……なんで、歌姫先輩と硝子先輩は私の制服を掴んでいるのだろうか。

 

「ど、どうすればいいのかしら?こう、こういうときってねえ?」

 

「あど、アドバイスをもらえると、たすかるますですよ」

 

どんだけテンパってるんだよ。と、思わず呟いてしまった私は悪くないと思う。っていうか、二人ともお兄ちゃんに笑顔を向けられると嬉しさと恥ずかしさで萎縮するのを止めれば良いだけじゃん。

 

「「そ、それはむりぃ…」」

 

この恋愛クソ雑魚ナメクジ共めらがっ!!

 

 




〈炎代一茶〉

1級呪術師。

お兄ちゃん。ふと暇なときにテレビで見た某海の超一流コックに憧れる頭の良いアホな男子高校生。生得術式は「炎情呪法」。180cm近い高身長でめちゃくちゃ顔の良いイケメンだが本人はアホなので気づかない。ストレスや任務の疲れで弱っているところに然り気無くプレゼントや身体にいい料理を振る舞った結果、かわいそうな恋愛クソ雑魚ナメクジを二人も生み出してしまった。
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