【完結】某海の超一流コックにドハマりした顔とスタイルの良いお兄ちゃんが歌姫先輩と硝子先輩に「絶対に逃がさないから」と死ぬほど追われてる件。 作:SUN'S
私は夏油傑、呪術高専2年生だ。
二人の親友と四人の後輩、それから三人の先輩という少ない人数ながらも楽しい学校生活を送っている。あと私は親元を離れて学生寮で暮らし、自炊というか先輩の作ったものを食べているので太ることも痩せることもなく順調に成長している。
「悟、天元様で知っているのは?」
「あ?あーっ、結界がすごい。いや、伊地知も燦が絡むとそれなりに強い結界は張れるし、どっちがすげえのか気になってきたな…」
「確かに伊地知は燦が絡むとあれだね」
そんな他愛もない会話で盛り上がっていると爆発音とヘンテコな軍服を身につけた痛い集団を見つけてしまった。今からアレに接触するのかと自分の運の無さを憂いながら「星漿体」という私達の守るべき人を空中で受け止める。
いつ体験しても悟の瞬間移動は慣れない。なんだったら瞬間移動酔いなんてものを発症してるんじゃないかと考えてしまう。
しかし、なんたら集団「Q」だったか?あんまり強くないようだ。っていうか、炎代先輩や燦のほうが強いし、下手したら庵先輩よりも弱いぞコイツら。まあ、あの人は支援向きだから仕方ないけど。
……ところで裸の女の子を襲っていた成人男性の集団というのは絵面的にヤバいのでは?と私は蛇の呪霊に身体を呑み込ませて捕まえた「Q」の戦闘員に聞くと黙った。
とりあえず、私の制服でいいか。
大きさ的にミニスカートっぽいワンピースにはなるし、私としてもむさ苦しいおっさんに囲まれて過ごすより花を愛でる方が何千倍も幸せだ。
「傑、遅れ……た…」
「違うよ、悟。やったのはあっちだ」
「テメェ、いたいけなレディにっ!?」
私が押さえつけていた「Q」の戦闘員の頭を悟は怒り心頭でボコスカと蹴りながら「えっ、ちょ、やめてえぇぇ!!?」という悲鳴を響かせる。うん、そういうのは他所でやってくれ。
「……んっ、むぅ………なに?…」
「おはよう、麗しのレディ」
「お目覚めかな、お嬢さん?」
「………なんだ、夢か」
そう言うとまた星漿体の女の子は眠った。
ふむ、おかしい。
炎代先輩だったら嬉しそうに喜ばれていた。いったい、私達のどこがダメだったんだろうかと悟と話しているとメイド服の女性が部屋に入ってきた。
「おっと足元にお気をつけて…!」
「ほら、俺達が運んであげるよ」
「ひぇっ!?」
あれ?今度は気絶させてしまった。
私は悟と一緒に首を傾げながら星漿体の女の子とメイド服の女性を抱き上げ、安全で二人とも安心できる場所へと移動する。
こういうときのために炎代先輩は日本各地に結界を張っているのかと密かに尊敬する。あの人も特級になれるのにならないのは家督を継ぎ、レディを幸せにするためだからね。
私も見習いたいものだ。
〈夏油傑〉
特級呪術師。
東京呪術高専に通っている男子高校生。炎代一茶の作ったお菓子やケーキをこよなく愛するスイーツ男子であり、口直しや精神安定の役割もある。生得術式は「呪霊操術」。最近は呪霊玉その物をスイーツに出来ないかと模索している。なぜか炎代一茶を尊敬しており、レディには優しくするように心掛けている。