【完結】某海の超一流コックにドハマりした顔とスタイルの良いお兄ちゃんが歌姫先輩と硝子先輩に「絶対に逃がさないから」と死ぬほど追われてる件。 作:SUN'S
私は庵歌姫、東京呪術高専1年生だ。
彼と出会ったのはなんてことない普通の入学式の朝。いつもより早く起きて、ちょっとだけ運命の出会いなんてものを信じるくらいには幼かった私は本当に運命の人と出会った。
「かわいい」
「ふぇあ!?」
開口一番。
三席と少ない椅子の一つに座っていた彼は私を見るなりそう言った。しかも両目共にマンガやアニメみたいに♥になっているのがすごく驚いた。というよりも本当にああなるんだと当時の私はアニメの表現の上手さに感心した。
まあ、それはいいんだけど。
それから数日ほど経って何件もの呪霊討伐の任務に当たることになった。よし、頑張ろう。と、私は張り切って任務に挑んだ。かなり苦戦したけれど、4級の私にしては良くできたほうだと自負している。
「歌姫ちゅわあぁぁぁぁんっ!!!」
「ひゃあっ!?も、もう、びっくりさせないでよ炎代くん!」
「すみませんでした!!」
「うん、ちゃんと謝れるのは偉いわね」
「ああ、そうだった。はいこれ」
「なに?」
私は炎代くんの差し出してきたものを訝しげに受け取る。彼が悪い人じゃないのは分かってるけど、どうしても警戒してしまうのは呪術師として当たり前の事だと思っているし、彼も私の反応に納得しているので問題はないはずだ。
「…おにぎり?」
「そう、おにぎり。ちゃんとラップで包んでるし、手が汚れたりする心配はなし!まだ歌姫ちゃんの好物とか好みの味付けとか知らないから無難なものしか入ってないけど、食べてくれる?」
そう言って笑う炎代くん。
あ、やばい。
「しゅきっ!!」
「俺も(おにぎりは)好きだよ」
私はツンツンしてるし、あんまり取っ付きやすい雰囲気じゃないのは分かってるけど。ずぅーーーっと私を心配してくれて、こうして任務先までお弁当を届けに来てくれるとか格好良すぎる。
しかも「俺も(歌姫ちゃんのこと)好きだよ」って言ってくれた!!これは、もう恋人と言っても過言ではないのではないだろうか!?
いや、もはや結婚するべきでは!?
「歌姫ちゃん、ちょっとごめんね?」
そう言うと炎代くんは消えた。
いや、正確には速すぎて見えないのだ。彼の術式って「炎情呪法」ってやつじゃなかったっけ?なんて考えながら廃ビルを突き抜け、こっちに戻ってきた炎代くんを見上げる。
やばぁーっ、かっこいい。
これはもうお嫁さんになるしかないよね。うん、そうよ、私のことが好きだから優しくしてくれるわけだし、呪術師としては超優良物件なのは間違いないし、このときめきはウソじゃない!!
〈庵歌姫〉
過去4級呪術師、現在2級呪術師。
炎代一茶に入学式で「かわいい」と言われて彼を意識するようになる。訓練や授業で分からないところはそれとなく手助けしてくれるので好意的に見え始める。自分のためにお弁当を作って持ってきてくれるところであっさりと堕ちた。尚、当時の彼女は四徹明けのため意識は朦朧としていた。また、これを期に親しみと愛を込めて「イッサ」と呼び始める。