【完結】某海の超一流コックにドハマりした顔とスタイルの良いお兄ちゃんが歌姫先輩と硝子先輩に「絶対に逃がさないから」と死ぬほど追われてる件。 作:SUN'S
私のお兄ちゃんはアホでたらしだ。
「硝子ちゃん、歌姫ちゃん、おはよう!」
「おはよう、一茶先輩」
「おふぁ…いっさぁ…」
どちらも寝巻き姿で食堂にやって来た。
もはや慣れ親しんだ光景ゆえに五条悟も夏油傑も呆れたように溜め息を吐き出す。二人ともお兄ちゃんに意識してもらおうとしているのは分かるけど。もっとまわりを見てあげようよ。
まだ慣れてない灰原雄と七海健人と伊地知潔高なんか目のやり場に困ってるじゃん。なんかごめんね。と、三人に謝りながら私はお兄ちゃんの作った焼き鯖と大根のお味噌汁を飲む。………私も料理とかしたほうがいいのかな?
そんなことを考えながらお兄ちゃんにくっつき、ごはんを食べている二人を見る。私もあれくらいあったら、いいんだけどなぁ……。
「炎代さん、はしたないですよ」
あ、ごめん。
そっと自分の胸から手を離す。
でも、やっぱり女の子としては硝子先輩と歌姫先輩のプロポーションは羨ましいのだと三人に愚痴る。なんとも言えないビミョーな表情を私に向けて見せる三人に思わず「ウケるね、その顔」と言ってしまった私は悪くないはずだ。
「そういえば伊地知と炎代さんは任務でしたね。あまり伊地知に無理はさせないでください。わかってますか、炎代さん」
なぜ、そこで名指しなのだろうか。と、私は考えるよりも納得できるところが多すぎて否定できなかった。まあ、伊地知くんには無理はさせないよ。
うん、そうなるように頑張るよ。
「おい、炎代燦!」
うげぇっ、五条先輩に呼ばれた。
みんなに助けてという視線を送るとあっさりと見捨てられた。さっきまで伊地知くんは庇ってたじゃん。私のことも助けてくれても良いんじゃないの?と思いながら五条先輩に捕まった。
灰原くん、伊地知くん、七海くん、さよなら。
「妹に手ぇ出してんじゃねえぞ五条ッ!!」
「ウッハァーーッ、すげえ!!」
お兄ちゃんの怒鳴り声とともに五条先輩が学生寮の外まで蹴り飛ばされる。あと灰原くんはこんなことで喜ぶのはどうかと思う。
夏油先輩もやれやれといった感じで五条先輩を拾いに行っている。いつだったか「どうして、お兄ちゃんは無限の中にいる五条先輩を蹴れるの?」と聞いたとき、お兄ちゃんは当たり前のように「あいつより速いからだよ」と教えてくれた。
なんとも言えないけど。お兄ちゃんだからそういうものだと納得しているし、むしろ余計な事を考えて悩むほうが疲れる。
「…頭が痛てぇ…」
そりゃあそうですよ、血まみれですもん。
〈炎代燦〉
3級呪術師。
炎代一茶の妹。わりとコミュニケーションの取りやすい女の子。基本的にお兄ちゃんの近くにいるし、お兄ちゃんも彼女の近くにいる。生得術式は「火箭操術」。ちなみにブラコンの自覚はある女子高生だが、流石に「お姉ちゃん候補は二人もいらない」と思っている。最近の悩みは自分の発育の悪さ。
〈
炎代家の相伝。
炎代一茶の生得術式。その炎は想いの丈ほど燃え上がり、あらゆるものを焼き尽くす業火となる。炎代一茶の父親(現当主)も同じく「炎情呪法」を持っているが、怒りや殺意など負の感情のみで使用するためどす黒い炎をもたらす。炎代一茶の炎は真逆の鮮やかな赤色の炎である。
〈
炎代家の術式の一つ。
炎代燦の生得術式。火箭(火の矢)を作り出し射出する。温度や数は術者の力量によって左右する極めて操作の難しい術式。また、その気になれば機関銃やミサイル並みに大きさも変えることが出来るようになる。この術式を持つ炎代家の者は基本として弓と矢を模す。
〈炎代家〉
炎熱系呪術師の名家。
相伝術式は「炎情呪法」。もしも相伝の産まれなかった場合の当主の条件は「火箭操術」を持っていること。現代において炎代家は二つの手札を手に入れたということを意味する。家訓は「焔焔に滅せずんば炎炎を如何せん」であるが、これは呪霊と炎代家の者のどちらにも例えられる。