そうしてなんやかんやあって偶々近くに止まっていたトラックの荷台にこっそりと乗り込むことで隔離区のある街…いや県から脱出に成功した古明地姉妹であったが、住む場に困り果てていた。
一応スラムも同然の隔離区で生活していたので悪環境下でも生活はできなくはないが屋根すらない虫がいっぱいいる山のふもとでは満足に寝れない。
「うぅ…虫がいっぱいだよぉ…」
「我慢しなさい…といってもこれは限界が近いわね…」
隔離区とはいえ市街地に住んでいた姉妹にとってはこの田舎特有の大量の虫にはさすがにこたえて眠れずおまけに近隣の住民にサードアイを見られて慌てて逃げ出して富士近郊のある山…八ヶ岳に入山し山中をあてもなくさまよっていた。
「お、お姉ちゃん…。お腹すいた」
「ええ。私もです…」
おまけに隔離区のあった県から富士近郊までの間何も口にしておらず、かといって虫を食うのは最終手段かつ女性としての最後のラインを越えてしまうと嫌煙していたのも相まって疲労困憊・空腹という悪循環状態であった。
「も・・もう無理…」
「わ、私もです…」
そうして二人は倒れてしまった。
「おや?この少女たちは??」
そしてここから彼女らの人生は大きく変わっていくこととなるのだ。
「う、ううん?」
さとりは漂ってきた食欲をそそるいい匂いに目を覚ました。
そこは古き良き日本家屋の設計思想の民家でその暖炉の脇に妹と一緒に寝かされていた。
「おや。目を覚ましたようですね?なによりなにより」
「ッ!!」
その声に慌ててさとりが視線を向けるとそこには大きな鴉の黒翼を背中に有し、常人の倍の身長の女性がいた。
(な、なんですか!?このヒト!明らかに常人ではありません!!)
「大丈夫ですか?先ほど私たちの里の真下の沢で倒れていたのを見かけましてね?ほおっておけないなと思って私の家に運び込んだんですよ」
「は、はぁ。私は大丈夫です」
「そうですか!それは良かった。あ、ねこまんま作っておいたので妹さんと食べてくださいね?」
「は、は「天魔様!!」っぴ!?」
「飯綱丸。客人がいるんですよ?もう少し静かにできませんか?」
「あ、すみません…じゃないですよ!なんで勝手に部外者を里に入れてんですか!」
実は彼女、警備主任だった飯綱丸に話を通さずに勝手に姉妹を連れ込んだので慌てて駆け込んできたのだ。
まぁなにはともあれこうして古明地姉妹は保護された。
この時は天魔も姉妹も今後この二人が妖怪の山でも重要なポストに収まるとは夢にも思わなかった事だろう。
次回 妖怪の山での生活
埴安神袿姫を主人公にヒロアカ世界で宗教をやるという話を思いついたのですが読みたいですか?
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面白そう!
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微妙
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どちらでも
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別にいい