ドクター「何も分からん」   作:オリジニウム爆弾

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第10話

「……何で呼ばれたかわかってるよね?」

 

 最近ロドスに入職したポンシラスはドクターの執務室に呼び出されていた。

 ドクターから真面目な雰囲気を感じていたが、普段はドゥリン族扱いされているくらいには残念な人だと認識していたせいで途轍もないやらかしでもしたのかとビビり散らかしている。

 

「……ごめんなさい。ちょっと心当たりないかな」

「ガチャがね……渋かったんだよ」

「……はい?」

 

 思ってた以上にあんまりな単語が聞こえた。聞き間違いが念のため聞き返してみると、ワナワナと震えたドクターが机の上で項垂れた。

 作戦中に指揮を誤った時以上に落ち込んでいるようにも見える。

 

「リミテッドスカウトがね……渋かったんだよ……!」

「あ、そうなんだ。残念だったね」

 

 至極どうでも良いことだった。

 

「というか、あたし関係ある?」

「ポンシラス、運悪いじゃん?」

「悪くないよ! というかガチャの爆死をあたしのせいにしようとしたね!?」

 

 今回のガチャで素質が最大まで重なっているため、ポンシラスはあまり強く言えない気がしたが、そもそも純燼エイヤフィヤトラをスカウトするついでに素質重なれば嬉しいなくらいの感覚だったドクターに言われるのも癪である。

 レベル80、モジュールステージ3、スキル2特化3まで育成してくれているのは嬉しかったりもする。

 

 心がふたつくらいある。

 

 素質はガチャを引くだけで開放されていくが、レベルやスキルの特化はそれなりにリソースも時間を使う。

 なので、これと言った運用方法を思い付いていないオペレーターを最大育成したドクターはこの後アーミヤによる艦内引き摺り回しの刑が待っているのだが、その巻き添えとしてポンシラスにワンチャンを狙って擦り付けようとしていた。

 そんなチャンスはワンもないのだが。

 

「……もしかして、それだけ?」

「それ以上のことなんてないだろ……!」

 

 ロドスに入職した時にアーミヤからドクターに変なことを言われるかもしれないから、その時は理性材を注射し自動指揮無しで殲滅作戦をウィークリー分周回させると、言われていたのを思い出した。

 

「ちなみに結果としてはどうだったの……?」

「……話したくない」

「あ、結構ガチなやつだ……」

 

 本当に悲惨だった。

 ポンシラスの素質が最大になっている時点で大きな声では言えない回数引いているのだが、異格オペレーターの素質を意識し始めると、その先は地獄である。

 

「今回運が悪かったのはドクターってことで、あたしじゃないからね」

 

 呆れたポンシラスが退室するのと、入れ替わりで入室したアーミヤが満面の笑みを浮かべていて、ドクターは思わず、あ、死んだな。と声が出た。

 

「ドクター。殲滅作戦の進捗はいかがでしょうか……?」

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