ドクター「何も分からん」 作:オリジニウム爆弾
「もうこれで必要数足りたー! ありがとうブレミシャイン!」
「また何か作って欲しい物があったら言ってね。ドクター」
加工所に呼び出された。
(……建築素材だったなー。私の基地スキルを勘違いしてない?)
ブレミシャインの基地スキルは加工所で昇格素材を作成する際に効力を発揮するものであって、建築素材には何一つ効力はない。
(いや、建築素材高いもんね。気持ちは分かる。分かるけど……私がどうにか出来るのは昇格素材だけなんだよなぁ)
それでも機械弄りは好きであるし、ドクターに頼られることも悪い気はしない。
しかし、自分の得意分野を間違われ続けるのも何とも言えない気分になる。
「あ、そうだ」
思い立ったら吉日。
ブレミシャインはすぐに行動を起こした。
その晩は工房から作業音が絶え間なくなっていたとかなっていなかったとか。
「ブレミシャイーン。休憩所出てすぐで悪いんだけど今日も……え?」
「あ、ごきげんよう。ドクター」
ドクターが今日も今日とて加工所に訪れると、ブレミシャインの奇妙な格好に目を開く。
それはあまりにも装飾と言うにはあまりにも派手だった。
全高が大きく、消費電力が高く、装備は重く、そして色数が多すぎた。
それは、正に、ゲーミングパワーローダーだった。
「え、何それ?」
「色々考えてたらなんか楽しくなってきちゃって……」
一瞬カッコいいか? 巨大パワードスーツはロマンか? と錯覚しそうになったドクターを1680万色に輝く間接部から露出したフレームが冷静にさせる。
「あ! よく見たら『昇格素材専門』って書いてある!」
「そうそう、実は私の基地スキルってそうなんだよ?」
ゲーミングパワーローダーの肩には上半分と下半分が若干ズレたフォントで『昇格素材専門』という文字がマーキングされていた。
「……ところで、これどのスキルで使うの?」
「えっ?」
「作戦中に呼び出す時の文言とかあるの? 装備名は英単語の頭文字の組み合わせとか鉄板だと思うんだけど、象徴になる機能や装備の名前がそのまま使われるのも良いと思う」
ドクターも男の子だった。
星6オペレーターのスキル3やロボット達にロマンを感じてしまう生き物だった。
タルラとの決戦もアーミヤが剣を引き抜いた時の演出にも大興奮してる位には男の子だった。
まさか、そういう方面での期待を高まらせてしまうとはブレミシャインはつゆ程にも思っていなかった。
「違うよ!? これは深夜のテンションもあったけど、これは──」
「ドクター。居るか?」
ドクターに用事があり、加工所にやってきた二アールにブレミシャインは助けを求めたが、妙な勘違いをしたまま、妹の示す新しい騎士としての在り方によく分からないが納得し、その場を去った。
(最近の騎士も変わってきたのだな)