ドクター「何も分からん」   作:オリジニウム爆弾

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第6話

「A定食の人ー! A定食の人ー!」

 

 ドクターが食堂で特定のオペレーター達を招集するために大声で叫ぶ。

 それを聞いて覚えのあるオペレーターの何人かがドクターの元に集まる。

 

「ドクター、どうかしたか? A定食用の材料にはまだ全然余裕があるが……」

「あ、ごめん。マッターホルン……メニューの方じゃなくて編成の方のA定食」

「む。早合点してしまったな。申し訳ない」

 

 今日の食堂の調理担当だったマッターホルンが何かトラブルでもあったのかと思い、キッチンから出てきたが、杞憂だとわかると、すぐに持ち場に戻っていった。

 他にも食い意地が張っているタイプのオペレーター達も注文した定食の話ではないとわかると自分の座っていた席に戻っていった。

 

「というか異様に多く集まって来ちゃったな……こんなには編成数に収まらないぞ……」

「ドクター。編成の使い分けちゃんとしてますか?」

 

 配置するだけでも効果がある枠として編成されがちなアーミヤもその場に居たが、ドクターの悪癖を思い出し、編成の使用状況を訊ねる。

 

「いつも使うA定食でしょ? 育成したい人を居れておく育成したい人々でしょ? とりあえず騎士の人達を入れてる家族連れと……あと──」

「要するに使い分けられてないんですね。分かりました」

 

 結局は全てA定食を使ってその都度作戦に合わせて編成を変えているということだろう。

 どんな編成になろうとテンニンカ、テキサス、パゼオンカ、ムリナール辺りは編成から抜けた覚えがない。

 それほど運用に慣れているのか、使いやすいからとりあえず入れているのか。判断しにくい面子がレギュラーメンバーだったりする。

 

「第一、育成待ちの人の人数覚えてますか?」

「12人くらい?」

「その人達がどれくらい待ってるかも覚えてますか?」

「それは……」

 

 正直覚えていない。

 言わなくても態度で周囲にはわかる。

 

「Wさんに関しては実装されてからずっと放置されてますし、かと思いきや急にあまり運用が分かっていないサリアさんをモジュールまで終わらせたり……もう少し計画性というものをですね──」

 

 アーミヤが説教モードに入った途端、解散ムードが流れたため、何も言い返せずに萎れたドクターを見るのを面白がる者はその場に残り、興味のない者はその場を去った。

 

(何の用事だったんだ……)

 

 招集された中オペレーターの中で、もしゃもしゃと野菜スティックを齧っていたテキサスが結局ドクターが呼び出した理由がわからなかったが、野菜スティックにディップするものはゴマだれ以外にもバリエーションが欲しいなという感想を調理担当に申し付けておくことだけ考えていた。

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