ナナコは可愛いですね   作:ゾエア

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メグミはかわいいですね

 

 

「大変だったねー。伏黒ー。特級呪物取りに行ったら特級受肉じゃん。」

 

 

高専の医務室で菜々子は伏黒に語りかけている。強打した背中と頭部の出血箇所は治癒し、暇をしていたところだった。また面倒なことになっている。虎杖について説明しなければ。

 

 

「あいつは宿儺の器だった。指20本食わせるまで死刑は延期。危うく受肉してとんでもないことになりそうだったがな。」

 

「一年生増えるんでしょ!?いいじゃん。賑やかなのは嫌いじゃないし。それに女の子も来る!これはもう大忙しじゃない?」

 

 

この呑気な同級生は何やら色めき立っている。もうすぐ虎杖はここに来るが、学長からはあの質問をされるだろう。ちゃんと入学できるのだろうか。

 

「授業と任務だけで十分だろ。五条先生が迎えに行ってる。そろそろ来るはずだ。顔見せくらいするぞ。」

 

「ちゃんと仲良くなれたんだね。よかったー。」

 

すぐに知ったふうな口をきくのが菜々子の良くないところだ。伏黒は医務室から移動を促す。

 

 

 

虎杖悠仁を寮の付近で発見した。寮の案内を五条先生から聞いているところだろう。菜々子と伏黒は近づいていく。そして──

 

 

「!!」

 

 

桁違いな魂の存在感を認識する。圧倒的な邪悪。この前見たリカちゃんよりもよっぽど──災いそのものだった。

すかさず伏黒の影に隠れる菜々子。顔を小出しにして様子を伺う。

 

「おーっす。伏黒!元気そう──ってアレ?なんか嫌われちゃった?」

 

 

伏黒の後ろに隠れた金髪の女子の存在に気づいた悠仁は、自分を認識して避けられたと感じていた。現実は──

 

 

「菜々子。悠仁は抑えられてるよ。安心していい。」

 

「──みたいですね。いやー。急に隠れてごめんなさい!一年の菜々子です!よろしくねー。」

 

そのリアクションを見て悠仁には思い当たる節があった。宿儺の指。さっきも食べたそれの気配を彼女は恐れたのだ。

 

 

「よろしく。もしかして俺じゃなくて宿儺?こいつのせいかー。」

 

「菜々子は勘がいいからね。よく見えるし。仕方ないか。」

 

「いえいえ。しっかり見たら分かっちゃっただけなので…気にしないでね!」

 

 

普段の元気さを取り戻してきた菜々子はそう繕う。気にさせてしまうことを恐れたのだろう。悠仁はその人柄の良さを読み取った。

 

 

「まっ!! いいっしょ!!それより明日はお出かけだよ!」

 

手をひと叩きして話題を切り替えた五条。次の話はもう一人の新入生についてである。

 

「4人目の一年生を迎えに行きます。」

 

 

 

 

 

「俺たち 今からアレに話しかけんの?」

 

目の前でモデルのスカウトに話しかけて自らを売り込んでいる女子を見ながら、悠仁は発言した。ちなみに悠仁の姿は完全にお上りさんのそれであった。

 

 

「おーい。コッチコッチ。」

 

五条はそろそろスカウト相手に恫喝を始めそうな彼女に呼びかけた。

 

「そんじゃ改めて」

 

「釘崎野薔薇 喜べ男子。女子二人目よ。」

 

尊大な紹介をした釘崎は同級生に紹介を促す。

 

 

「俺 虎杖悠仁 仙台から」

 

「枷場菜々子です。 女子一人目。よろしくねー!」

 

「伏黒恵」

 

釘崎の審美眼が三人をじっと捉えた。虎杖と伏黒に対しては相当な酷評を心の中で語っている。伏黒は重油を使ってカモメを燃やしたりはしていない。そして──

 

 

──一年生の女子。私と違って現場に出るわけじゃない特殊な状況。相手は高専について長い。そんな中、嫌なタイプの女子とはこれからやってはいけな──

 

「!」

 

二人は握手した。どうやら通じ合うものがあったらしい。菜々子の方は若干引いているが。ともあれファーストコンタクトは無事終わった。

 

 

一行は東京における呪霊のレベルと二人の実力を見るため、呪霊討伐に廃ビルを訪ねていた。既に虎杖と釘崎は屋内の呪霊を狩りに入っている。それ以外は外で待機中であった。

 

「菜々子の見立てはどう?どんな感じ?」

 

五条は菜々子に訊ねる。呪力や意識、魂の動きを読み取れる彼女の感覚を持って二人の評価を聞きたいようである。

 

 

「野薔薇はちゃんとしてる。術式の感覚もある程度掴んでる感じ。戦闘そのものの動きはあたしの専門外だから言えないけどねー。」

 

「なるほどね。悠仁の方は?」

 

「虎杖は呪力を流す、というか今の状態なら素で殴った方が強そうだね。もちろん呪力乗せたら痛そうだけど。」

 

 

「ま、そんなとこか。二人はちゃんとイカれてるでしょ?」

 

「特に怖がってないみたいだし意識も相手に向けてたよ。怪我してもあたしか硝子さんいるしだいじょーぶ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンガーラックを作っていいのか!?あの五条悟の!?」

 

目の前の男は暑苦しいテンションで問いを返してきた。黒いエプロンを身につけた男は組屋鞣造。筋金入りの呪詛師であった。

 

「あぁ。帳のテストも兼ねている。これを地面に打ち込んで張ってもらえれば、後は好きにして構わない。」

 

「マジかー!やったぞ!ハンガーラック!ハンガーラック!」

 

 

よっぽど()()()()が好きなようであった。陽気に歌う男の前で、額に縫い目のある、黒い長髪の男は続けた。

 

 

「あぁ、それと──東雲に代わってもらえないかい?」

 

 

「ハンガーラック!ハンガーラッ──」

 

 

突然、組屋鞣造のつけていた()()が明滅する。それは徐々に怪しく光を増し、やがて静かに光量を戻した。それと同時に声色も変わる。

 

 

「──おやおや 呼び立てられるのは困りますね。」

 

「御託はいい。」

 

額に縫い目のある男は会話を長くする気はなさそうだった。

 

 

「五条悟を削りたい。手を貸してもらおうか。」

 

 

「それは興味深いですね。委細を聞いても?」

 

 

 








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