空想の錬金術師   作:篠原えれの

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 ラストがずっと付け狙ってるのは気付いていた。

 それはもうしつこいなぁとうんざりしていたが、僕達がリゼンブールに行く理由が理由なのでホムンクルス側も気になる要素しかないのだろう。

 

 エドに関しては、知らない人達の前では男装するようにとは伝えてあるが、何も軍に知らせない訳にもいかないので錬金術の事故で女性になってしまったと上には伝えてある。

 嘘だなって絶対思われているだろうが、女性になってしまったのは事実だからこの際理由はどうでもいいのだろう。その流れで、マスタング大佐と結婚することをグラマン中将に伝えたらそれはもう笑われてしまったのは記憶に新しい。話が急すぎるもんね、そりゃ笑われるもんね。

 元々付き合ってたのかね?って大総統に会ったら絶対聞かれる奴。犯罪じゃん。グラマン中将にも聞かれて二人とも反応に困ってた。エドなんてわかりやすいのなんの。それだけで付き合ってたのはよく分かる反応だから仕方ないんだけどね。

 色々急すぎたので文通や電話でしか報告できてないのだが、とりあえずグラマン中将が色々対応してくれるみたいなので、どうせ機械鎧を修理するのに里帰りするならそのついでに、挨拶に行ってきなさいと言われたのが事の始まりだ。

 結婚、結婚かぁ。責任とってもらえって言ったの僕だけど本当に責任取るマスタング大佐かっこよくない?籍事態はリゼンブールで挨拶済んだら入れるみたいだけど。結婚式……結婚式、あげる?いつ?って感じだけど、もしあげるならリゼンブールがいいみたいな話はちらほら聞いてる。僕もそれには賛成。中央も、イーストシティも最近物騒だから。

 スカーがやってきたらやばそうでもある。アイザック通してさすがに狙うのはやめてもらうけど。国家錬金術師同士が結婚するって聞いたらさすがに勘にさわるのかなぁ。彼等にとって十分激おこ案件だもんね。分からんでもないよ。

 エドの名前だけど、籍を入れたら書類上はマスタングにしておいて、軍に在籍してる間はエルリックで通すみたいだ。聞かれたらマスタングですって言うスタイルだそうだ。自由でいいなぁ。

 

 その時からラストに付け狙われてる訳でして。対応はやいなってなりました。

 ラストに関してどうするかもう決めないと駄目な感じ?

 マルコーの家にあらかじめ潜伏するのはもう決めてるんだけどさ。

 

 今駅でエドと大喧嘩してるの分身ね。

 マルコーさん余計な事言わないでよマジでどうするの。まぁ全力でしらを切るしかなくなるんだけど、それがエドのむかつき具合を悪化させてるのかヒートアップするばかりだ。とりあえず表向きは問い詰められても「僕だって生きたいに決まってるじゃん」ってブチ切れるしかない。汽車に乗り込んでから喧嘩するのはやめたみたいだけど、あれは分身の僕もそこそこ怒ってる感じだな。

 

 僕の分身って、本体の僕と常に記憶を並列化できるのが売りなんだけど各自それぞれ人格もってるし、処理も大変だからそんなに同時に大量に分身を作ることが出来ないんだよね。

 人工精霊があればどんなに分身を作ってもキャパオーバーにならないで済むのに。多分こればかりは賢者の石を入手してもあんまり分身を作ることはできないことに変わりはないであろう。人工精霊がチートすぎるだけだけども。

 僕、分身、色欲、ラストって感じに四人までは創れるんだろうけどね。ラスト単体で放置するのはなんか怖いから、僕の中にある色欲が常にラストを管理する感じになるのだろうけど。生殺与奪の権を常に握っとくのね。誰のおかげでお前生きられるんだって分からせるの。

 同じ色欲同士ならギリお父様にバレないまであるんじゃないかな。仮にお父様にバラした瞬間君一人だけ死ぬだけだから痛くも痒くもないよと脅す予定なので、死にたくなかったら黙ってもらうしかないのだ。バレたら逃げるか死ぬしかなくなるんだけどね。もうそこは運に委ねるしかないだろう。君の命は僕に吸収されたらそれでおしまいなんだからさ。

 賢者の石のエネルギーを分割したりしないといけないので大変な作業ではあるが、ラストの賢者の石を手に入れるならやらないといけない作業の1つだろう。それをするだけでこの世界の今後がだいぶ変わってくると思うから。

 

 なんでこんなにラストに対して強気なのかと申し上げると。

 この状況、本当に僕にとって有利オブ有利の状況なんですね。

 1対1の状況なんて滅多に得られる機会はない。

 もう処理しないとだめ?ってめんどくさがってたけど、本当にこれ、チャンスなんですよ。

 しかもあちらは賢者の石があるからって油断してくれてる。

 僕の洗脳は1対1なら本当に万能だ。

 それも不死の力を得て、眠くならなくなるなら余計に万能になる。

 自害しろって言って賢者の石を自ら砕いて貰うこともできるわけで。

 今回僕が使う命令は、「絶対服従」。ラスト自ら賢者の石を差し出して貰います。

 賢者の石を飲み込みます。

 賢者の石の処理に僕は耐えられないと思うので、あとはみんな僕の中にある色欲さんにやってもらいます。すると無事、ラストと一体化できます。

 多分流石にしばらく表に出てるのは無理なので色欲さんにその後の処理自体は任せます。

 色々僕の中にある色欲さんと話した結果、ラストなら食べてもいいよとお許しをもらったのは本当にでかいです。

 こうして相談できるのも、仲がいいからだなぁと思う。仲が悪かったら洗脳も、今の体も自由に使えてないからね。僕主体で物語を進められるのは本当にありがたい。

 

 姿を消していたら、マルコーが駅に向かっていったのをいいことにドヤ顔でラストさんが家に入ってくる。めんどくさそうというか、どうしてくれようかとか色々考えてるようだ。

 

 まだ、ラストは僕に気付いていない。洗脳するなら、今しかなった。

 

「初めまして。ラストさん。貴方の中にある賢者の石、僕にちょうだい?」

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